世界のCMS市場シェア2021年版
CMS市場は非常に競争の激しい市場です。セルフホスティングからフルホスティングまで様々な製品があり、どのCMSが自分に適しているかを判断するのは難しくなっています。この記事では、世界のCMS市場シェアについて詳しく解説します。
2021年に最も人気のあるCMSプラットフォームは?
WordPressは最も人気のあるコンテンツ管理システム(CMS)としての位置を維持しています。しかし、2020年から2021年初頭には、CMS市場でいくつかの劇的な変化がありました。依然としてWordPressが圧倒的な強さを誇っていますが、他のプラットフォームも市場シェアを争っており、その数は増え続けています。
CMSプラットフォームは、ウェブサイトやプロジェクトの種類に応じて、何十種類もの中から選択できます。しかし、市場シェアから見ると、考慮すべきCMSプラットフォームはわずかです。
CMSプラットフォームは、ウェブサイトやプロジェクトの種類に応じて、何十種類もの中から選択できます。しかし、市場シェアから見ると、考慮すべきCMSプラットフォームはわずかです。
CMS | 市場シェア |
---|---|
WordPress |
64.7% |
Shopify |
5.4% |
Joomla |
3.3% |
Squarespace |
2.5% |
Wix |
2.4% |
Drupal |
2.3% |
Bitrix |
1.6% |
Blogger |
1.5% |
Magento |
1.1% |
Opencart |
1.1% |
CMSプラットフォーム間の競争はさほど激しくなく、長い間、大きな変化はありません。WordPressは、CMSを利用しているすべてのウェブサイトの60%以上、CMSに限らない、世界のサイトで見てもWordPressは40%以上で利用されています。
CMS市場ではWordPressが圧倒的な強さを誇りますが、1%のシェアでも数百万のウェブサイトが存在することを忘れてはなりません。例えば、Magentoは企業サイトで最も人気のあるCMSプラットフォームの1つですが、そのシェアは「わずか」1%です。
CMS市場シェアの移り変わりを理解するには、過去のデータを踏まえ、ここ数年間でこの数字がどのように変化したかを確認する必要があります。この記事では特に、新型コロナがテクノロジーの採用に永続的な影響を与えた(そして今も与え続けている)2020年の市場シェアデータを詳しく見たいと思います
Shopifyのマーケットシェアが大幅に増加
2020年4月、EC用CMSであるShopifyの市場シェアは約3.7%でした。その1年後、Shopifyのシェアは市場全体の約5.4%になりました。1年で1.7%の伸びは、CMS市場で前代未聞の出来事です。

多くの業界が新型コロナの影響を受けましたが、テクノロジー企業にとってはチャンスにもなりました。その意味で、2020年にShopifyが急激に成長した理由の1つは、多くのお客様が新たな収入をもたらす方法を模索したためと考えられます。
世界中で何百万人もの労働者が、企業閉鎖による一時休業や解雇を余儀なくされる中、Shopifyはオンラインストアを素早く立ち上げられる最もユーザーフレンドリーな選択肢として位置づけられました。2020年にEC市場は劇的に加速しましたが、Shopifyはテクノロジーに明るくないユーザーにも、Amazonのような伝統的なプラットフォーム以外で商品を販売する選択肢を提供しました。
ShopifyのCMS市場シェアの拡大は、巨額のリターンにつながりました。2020年第4四半期、Shopifyは9億7,770万ドルの収益を計上し、2019年の同時期と比較して94%の増加を記録しました。
世界的に厳しい金融情勢の中でも導入を増やすため、Shopifyは、2020年3月21日から5月31日の間にプラットフォームに参加した加盟店を対象に、無料トライアル期間を14日から90日に拡大しました。また、支払処理チャネルを世界のより多くの地域に拡大し、顧客のための新しいマーケティングチャネルを導入しました。
Joomlaのシェアが過去最低に
Joomlaは、依然として世界的に最も人気のあるCMSプラットフォームの1つですが、その市場シェアはこの10年間で急激に低下しており、その傾向は、2020年から2021年にかけても続いています。
2010年初頭、JoomlaはCMSプラットフォームの中で12%という驚異的な市場シェアを誇っていましたが、2021年には3.3%にまで落ち込みました。
年 | Joomla市場シェア |
---|---|
2010 |
12% |
2011 |
10.9% |
2012 |
9.5% |
2013 |
8.7% |
2014 |
9.3% |
2015 |
8.6% |
2016 |
7.5% |
2017 |
7.2% |
2018 |
6.5% |
2019 |
5.4% |
2020 |
4.6% |
2021 |
3.3% |
長い間、JoomlaはWordPressの最も直接的な競争相手と見なされていました。Joomlaには、豊富なドキュメントと柔軟なシステム、幅広いエクステンションライブラリ、そして活発なコミュニティがあります。また特に、Joomlaが開発者向けのCMSであり、熱心なユーザー層を獲得している点は重要です。

しかし、Joomlaはその性質上、WordPressやShopifyのような他のCMSプラットフォームほどユーザーフレンドリーではありません。多くのプラットフォームがコードを1行も書いたことのないユーザーでも簡単に使えることを宣伝する中、Joomlaは学習コストが高く、2021年において魅力的な選択肢ではありません。
年々人気が低下しているにもかかわらず、JoomlaはDrupalやMagentoのような同様のユーザー層を持つプラットフォームと比較すれば、依然として一定の市場シェアを占めています。また、最も重要な点としてJoomlaのコミュニティは現在も活発です。
しかし、Joomlaがより多くのユーザーを獲得するような将来ビジョンを更新できなければ、市場シェアは低下し続け、代わりにユーザーフレンドリーなCMSプラットフォームが選ばれることでしょう。
SquarespaceとWixは市場シェアを維持
SquarespaceとWixは、どちらも一般にページビルダーツールとして知られています。実際そのとおりですが、SquarespaceもWixもCMS機能を備えており、その点で両者は単なるデザインサービスとは異なります。
SquarespaceとWixは、2020年から2021年にかけて、それぞれの市場シェアをほぼ維持した数少ないCMSプラットフォームです。Squarespaceのシェアは2.7%から2.5%に下がり、Wixのシェアは2.3%から2.4%に上がりました。
この数字を踏まえて、過去6年間の2つのCMSプラットフォームの市場シェアを確認してみましょう。
年 | Squarespace市場シェア | Wix市場シェア |
---|---|---|
2016 |
0.8% |
0.4% |
2017 |
1.1% |
0.6% |
2018 |
1.5% |
0.9% |
2019 |
2.6% |
1.8% |
2020 |
2.7% |
2.3% |
2021 |
2.3% |
2.4% |
歴史的に見ると、Squarespaceの成長に比べてWixの導入は遅れました。しかし、2019年から2021年にかけてWixはライバルに追いつきました。そして最も重要な点としてWixは、Squarespaceが土台を若干失っているのに対し、この1年間でわずかながらも成長し続けています。
WixとSquarespaceは機能面でほぼ互角ですが、いくつかの点でWixが優位に立っています。例えば、Squarespaceはユーザーがデータをエクスポートできる以外にウェブサイトのバックアップ機能を提供していませんが、これは2021年のCMSとしては信じられません。
さらに、Wixは多言語ウェブサイトのサポートも充実しています。

また、WixはSquarespaceよりも安価なエントリーレベルのプランを提供している点も注目に値します。一方、マーケティングの観点では、Squarespaceの方がはるかに優れています。
しばらくの間、両者のシェアはほぼ拮抗するだろうと予想します。
CMS市場シェアを独占し続けるWordPress
他のCMSプラットフォームと比較してWordPressの優位性は変わらず、その傾向はすぐには変わらないでしょう。

WordPressの人気に匹敵するCMSは他にありません。2位以降の9つのプラットフォームの市場シェアを合計しても、WordPressの膨大なユーザー数にはかないません。
WordPressに関して私たちに多少のバイアスがあることは事実です。しかし、アンチWordPress派の人でも、このCMSが毎年のように市場シェアを拡大し続けている理由は容易に想像できるでしょう。
ここ数年でWordPressは、多くのユーザーがウェブサイトを構築する方法を大幅に変更しました。新しいブロックエディターのおかげで、ユーザーはより視覚的な手段でページを作成できるようになりました。

WordPressの人気が高まるにつれ、新規ユーザーもCMSを導入しやすくなり、業界のリーダーとしての役割はより強固なものになっています。ユーザーが増えることで開発者やサービスプロバイダーにとっても有利な環境となり、彼らの協力のおかげで、WordPressはますます利用しやすいプラットフォームになっています。
WordPressの市場シェアは、2016年頃から毎年約1%ずつ伸びています。2020年から2021年にかけては、62.1%から64.7%に増加し、予想を上回る結果となりました。
まとめ
これからウェブサイトを立ち上げようと考えている方や、新しいCMSを導入しようとしている方には、WordPressがお勧めです。WordPressはブログからECサイトまで、ほぼすべてのタイプのプロジェクトに対応できるCMSです。
WordPressはオープンソースであるため、どのようなホスティングプラットフォームにも設置でき、自由に変更できます。さらに、何千もの簡単にインストールできるプラグインやスタイリッシュなテーマを利用して、ウェブサイトの機能を拡張したり、スタイルをカスタマイズしたりすることができます。
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