世界のデスクトップブラウザ市場シェア

Google Chromeは、広く利用されていて人気の高いデスクトップブラウザです。とはいえ、世界の市場シェアを紐解くと、他にもさまざまなブラウザが支持されていることがわかります。

Google以外にはSafari、Microsoft Edge、Firefoxなどの主要なブラウザがある一方で、Opera、Brave、Yandexなど、やや知名度の劣るブラウザも存在しています。以下、それぞれの市場シェアをご紹介していきます。

ブラウザ世界デスクトップブラウザ市場シェア
Google Chrome77.03%
Safari8.87%
Mozilla Firefox7.69%
Microsoft Edge5.83%
Internet Explorer2.15%
Opera2.43%
QQ1.98%
Sogou Explorer1.76%
Yandex0.91%
Brave0.05%

世界のブラウザ市場シェアは、Google Chromeがほぼ独占状態 

デスクトップブラウザとして、Google Chromeを使用ている場合、その性能の高さは十分ご存知でしょう。クリーンで美しいインターフェースが搭載され、直感的に操作することができます。PCでもスマホでも、多くの人がインターネットへのアクセスに利用する圧倒的人気を誇るブラウザです。

数字を見るとChromeの勢いは明らか。Statcounter Global Statsによると、2020年11月時点で、Chromeは世界のデスクトップブラウザ市場の70.33%という圧倒的なシェアを占めています。

Statcounterのブラウザ市場シェア
Statcounterのブラウザ市場シェア

このように、Chromeはブラウザ市場を支配しています。デスクトップブラウザで3分の2以上の市場シェアを占めるだけでなく、ブラウザ全体でもほぼ同程度のシェアを獲得しています。

W3Counterによると、全世界のブラウザのうち63%のシェアをChromeが占めています。

W3Counterのウェブブラウザ市場シェア
W3Counterのウェブブラウザ市場シェア

当然のことながら、PCでの検索エンジン市場シェアでも同様で、世界での利用率は92%近くに達しています。そんな無敵のChromeですが、強いて言うなら、Googleの専用オペレーティングシステム(OS)ChromeOSには改善の余地がありそうです。

世界のデスクトップOS市場において、ChromeOSのシェアはわずか0.42%。対象的に、Windowsは87.82%、macOSは9.42%のシェアを占めています。

安定した市場シェアを維持するMozilla Firefox

2020年11月の時点で、Mozilla FirefoxとSafariの市場シェアはほぼ互角。Chromeに次いで市場シェア第2位のFirefoxは、世界のデスクトップブラウザ使用率の8.99%を占めています。

Mozilla Firefoxウェブブラウザ
Mozilla Firefoxウェブブラウザ

Firefoxも人気があり、しばしばChromeの代替として推奨されます。しかし、その利用のほとんどはPCからで、モバイルブラウザの市場シェアはわずか0.47%にとどまります。これはOperaよりも低いシェアです。

Firefoxの現在の市場シェアは、昨年同時期の9.76%よりもわずかながら減少していますが、再びシェアを伸ばす可能性があります。同社は最近、安全なユーザー体験を重視したアップデートをいくつか行っており、トラッカーブロック、パスワード保護、セキュリティ警告などのプライバシー機能が含まれます。

セキュリティ上の懸念にも関わらず、Safariのシェアは増加傾向

Firefoxに続くのはAppleのSafariで、8.75%の利用率を占めています。もちろん、Chromeのシェアには遠く及びませんが、第2位のFirefoxとはほぼ互角と言えます。

1年前の2019年6月には、Safariのデスクトップブラウザのシェアは5.64%だったことを考慮すると、現在の数字は目覚ましい成長です。また、macOSは、PCで2番目に人気のあるOSであり、世界シェア17.76%を占めていることも注目に値します。

デスクトップ市場シェアでのmacOS
デスクトップ市場シェアでのmacOS.

しかし、Safariのプライバシーとセキュリティに関しては、ユーザーの間で懸念の声が上がっています。今年初めにGoogleが発表したレポートによると、Safariには顕著なセキュリティ上の脆弱性があり、ユーザーが追跡される可能性があります。ただし、Appleはこのセキュリティ上の欠陥は修正済みと公表しています。

Internet Explorerに迫るMicrosoft Edge

Microsoft Edgeの現在のデスクトップブラウザ市場シェアは、3.45%です。2019年の4.5%と比較すると、わずかに減少しています。しかしながら、4月には4.86%に上昇しているため、流動的な傾向がうかがえます。

全体として、Microsoft Edgeには展望があります。というのも、EdgeはAndroid、macOS、Windows、iOSなど、ほとんどの端末やOSで利用することができます。

Microsoft Edgeブラウザ
Microsoft Edgeブラウザ

Microsoftのもう一つのブラウザである、Internet Explorer(IE)(現在はサポート終了)は、衰退の一途を辿っており、2020年11月時点で市場シェアは2.15%と、昨年同時期の5.03%と比べると半分以下に落ちています。IEユーザーのほとんどは、企業やエンタープライズでの利用と言われています。

W3Counterの月次市場動向グラフを見ると、現在、EdgeとIEの全バージョンの中でEdge 4.8の市場シェアが最も高く、次いでIE 11となっています。

W3CounterのInternet ExplorerとMicrosoft Edgeのブラウザバージョン使用率グラフ
W3CounterのInternet ExplorerとMicrosoft Edgeのブラウザバージョン使用率グラフ

また、Microsoft Edgeが採用されている理由の多くは、Windows 10のデフォルトブラウザとしての地位にあると考えられます。Windowsは世界のOSシェアの77.68%を占めており、そのうちWindows 10は73.34%を占めています。

Microsoft EdgeはChromiumをベースにしており、豊富なアドオンや拡張機能を備えたストアを提供しています。また、最近の更新により、デフォルトの検索エンジンとして、BingではなくGoogleを選択できるようになりました。

Operaの市場シェアはわずかに減少

Operaは現在、世界のデスクトップブラウザの中で2.43%の市場シェアを持っており、位置付けとしてIEにわずかに劣ります。

W3Counterが公開しているデータを見ると、Operaの利用率は毎月少しずつ減少しており、現在のシェアが1.6%であるのに対し、2020年3月のシェアは3.0%でした。

W3Counterのウェブブラウザ市場シェア(2020年3月)
W3Counterのウェブブラウザ市場シェア(2020年3月)

Operaの大きな特長の一つがオンラインセキュリティを高める無料の内蔵VPNです。macOS、Windows、Linuxで利用可能です(AndroidユーザーはOpera Miniを利用できます)。

市場シェアの追跡が難しいBrave

Braveは、広告やトラッカーをブロックし、高速で安全、かつ、プライベートなブラウジングを実現するオープンソースのウェブブラウザです。Brave Software, Inc.が開発していて、PC、Mac、モバイル端末で使用できます。

Braveウェブブラウザ
Braveウェブブラウザ

Braveは他の人気ブラウザに”偽装”しているため、Braveの市場シェアに関する統計やデータを入手するのは困難です。利用者はBraveではなく、ChromeやFirefoxからのアクセスとして認識され、データ化されています。

しかし、BraveがChromiumベースであることは特筆すべき点です。NetMarketShareによると、デスクトップブラウザの市場シェアは0.05%です。また、Braveは自社のウェブサイトでいくつか情報を提供しており、Braveは2,000万人以上のアクティブユーザーを抱えており、そのうちの700万人は日常的にBraveを利用していると述べています。

Sogou ExplorerとQQの市場シェアはほぼ同率

NetMarketShareによると、2020年11月時点で、Sogou ExplorerとQQは、世界のデスクトップブラウザ市場でほぼ同程度のシェアです。

中国で人気のブラウザSogou Explorerの世界シェアは、1.76%です。Sogou Explorerは、Chromiumをベースにしたフリーウェア(無料ソフトウェア)のブラウザです。ブラウザエンジンにはIEのTrident、ChromeのWebkitを採用しています。

QQは、中国のIT企業であるTencentが開発したウェブブラウザです。世界シェアは1.98%で、Sogou Explorerをわずかに上回っています。

Mac用のQQブラウザ
Mac用のQQブラウザ

しかし、QQは中国国内で第2位のデスクトップブラウザで、7%以上のシェアを持っています。

StatCounter Global Statsによる中国国内のデスクトップブラウザ市場シェア
StatCounter Global Statsによる中国国内のデスクトップブラウザ市場シェア

QQブラウザは、Android、Windows、Mac、iOSのすべてのOSで使用可能です。ご覧のとおり、Sogou Explorerは中国で特に人気があり、地域別のデスクトップ市場のシェアは4.52%を占めています。

ロシアの主要ブラウザYandexの世界市場シェアは僅少

ロシアに住んでいない限り、Yandexの存在は知らない人が多いでしょう。実際、世界の市場シェアも0.87%とわずかです。

The Yandex Browser.

ロシアだけに絞ると、その市場シェアは16.17%で、Chromeに次いで2番目に高いシェアを誇ります。

ロシア連邦のデスクトップブラウザ市場シェア
ロシア連邦のデスクトップブラウザ市場シェア

Yandexの利点には、Brave同様、プライベートで安全な閲覧環境が挙げられます。カスペルスキーのウイルス対策ソフトが搭載されており、ダウンロードしたファイルは自動スキャンされます。また、Chromiumをベースにしており、BlinkブラウザエンジンとOperaのブラウザ高速化技術、Opera Turboを使用しています。 

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インターネットへのアクセスや日々の操作に使用するウェブブラウザは、非常に重要なツールです。誰もが豊富な機能、スピード、そして何より安全なブラウザを期待しています。

デスクトップブラウザ市場には、Firefox、Microsoft Edge、Operaなど、さまざまな選択肢がありますが、Google Chromeは圧倒的なシェアを維持し続けており、多くの利用者を抱えています。

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