Kinstaで働くことのメリットの一つ。それは、ありとあらゆる業界最先端の企業とお仕事ができること。最近では、DARTDronesとお仕事をする機会を頂戴しました。実践に基づく専門的なドローンの訓練を実施し、アメリカ国内40の都市で規則「パート107」に基づくドローン操縦士の認定を行っている会社です。今回は「Shark Tank効果」(注釈:「Shark Tank」とは、起業家が資金調達を求め事業計画を発表する、という内容の米テレビ番組)と呼ばれる現象に備えた施策をご紹介します。WooCommerceを用いた同社のECサイトをスケールアップしました。ちなみにDARTDronesは実業家マーク・キューバン氏から見事に30万ドルの出資を取り付けています。
全国放送によりトラフィックが急増しサイトがダウンしてしまうという事態は、何としても回避したいもの。幸い、この問題は、弊社の得意分野です。オートスケールインフラストラクチャを採用し、これまでトラフィックの流入が多く要件の厳しいサイトを数多く扱って参りました。
会社概要
- 業界:教育
- 会社規模:従業員数11〜50人
課題
300万人以上の視聴者を抱えるテレビ番組「Shark Tank」で同社の商品が紹介された際でも、WooCommerceサイトのアップタイムを何としても維持する必要がありました。
「Shark Tank効果」は絶大で、最終的には投資に繋がらなかった多くの企業であっても、番組に出演しただけで莫大なトラフィックの流入と知名度アップを経験しています。SharkTankPodcastの専門家は番組への出演には、400万ドルから500万ドル規模のマーケティング効果があると話します。その結果、多くの起業家が「大変な目」に合っています。Alpert氏の場合、放送間もなく、10,000人以上がアプリに同時にアクセスするという急激なトラフィックの増加を経験しました。
解決策
Kinstaは「Shark Tank効果」に備えてサイトを整備するお手伝いをいたしました。専用のインフラストラクチャを整備するだけでなく、もう一歩踏み込み、パフォーマンス向上のために、WordPressのソフトウェア最適化をご提案いたしました。
移行後、DARTDronesのサイトは100%のアップタイムを維持。新規顧客のサイト訪問が快適なものになるよう、弊社では具体的に、次の対応を行いました。
dartdrones.comの分離:そもそも、Kinstaのインフラストラクチャはこのように機能する構造です。弊社ではGoogle Cloud Platform上でLinuxコンテナを使用することにより、各アカウントだけでなく、個別のWordPressサイトを完全に分離することができます。
CPUのスケールアップ:Google Compute Engineを利用することで、トラフィックが急増したときにサイトのコンテナで必要なだけCPUがスケールアップします。こうすることでDARTDronesのダウンが回避できます。
ワーカープロセスの増加:ワークープロセスはWordPressサイト上でコードを実行する役割を果たします。プロセス数を増やすことで、複数のリクエストを同時に実行することが可能になります。簡単に言えば、プロセス数は多ければ多いほど効率的です。Kinstaでは様々なプランをご用意しています。DARTDronesと協議し、現在のトラフィックとShark Tank出演に伴い見込まれるトラフィックの増加を踏まえ、最適なプランをご提案しました。
WordPressボトルネックのトラブルシューティング:規模の大小にかかわらず、多くのWordPressサイトがadmin-ajax.phpの過度な使用に関係する問題を抱えています。DARTDronesもその一つでした。WooCommerceの「カートフラグメント」(注釈:admin-ajaxを用いページの再読み込みをすることなくカートの中身を更新するスクリプト)により、キャッシュのできないリクエストが多く発生していることも発覚。これらの問題を特定し、ボトルネックを解決するお手伝いをしました。
結果
Kinstaの高性能ホスティングサービスと追加の最適化により、ページの読み込み時間を50%低減することに成功。DARTDronesは一切のダウンタイムを経験することなく、6時間で100万以上のページビューを処理。マーク・キューバン氏から30万ドルの出資を受けることにも成功しています。Shark Tankへの出演後、DARTDronesの会社の規模は2倍になり、48都市以上に拠点を拡大しました。
優れたレンタルサーバーたるもの、お客様による最適な要件の発見を手助けするのが当然です。弊社では最終的に、DARTDronesのサイト全体のページ読み込み時間を50%以上も低減することができました。
次のグラフからは、Shark Tankに出演するとどのようなことが起きるかが分かります。データ転送量とユニーク訪問数が米国東部標準時(ET)の午後8時頃(グラフ上はEU時間)に急上昇しています。放送後6時間で合計1,263,233件のリクエストがありました。キャッシュされた帯域幅は2TB、キャッシュされなかった帯域幅はたったの3GB。サイトの状態を戦略的に観察し、可能な限り多くのリクエストをキャッシュできるようにすること。これの重要性がよくお分かり頂けるはずです。
お客様のニーズに合わせたスケールアップを
今回ご紹介したのは「Shark Tank効果」の間も100%のアップタイムを維持したほんの一例です。サイト訪問者に快適な時間を保証すべく、DARTDronesのWooCommerceサイトをスケールアップしました。WordPressサイトはそれぞれ異なりますが、弊社ではその度に直面する新しい課題に意欲的に取り組んでいます。優れたサーバーの確保は有意義な投資です。売上のピーク時にダウンを確実に回避することは不可欠。WordPressサイトのスケールアップが必要でしたら是非お問い合わせください。お客様に合った解決策をご提案いたします。
「Shark Tank出演に伴うトラフィック急増に備える必要がありました。Kinstaには、柔軟に各方面から対応をしてもらい感謝しています。またサイト全体のページ読み込み時間を50%も低減することもできました」─DARTDrones、デザイナー兼フロントエンド開発者、Kevin McAloon氏