Cloudflareの市場シェア
Cloudflareは、ウェブセキュリティ・パフォーマンス改善において圧倒的な知名度を誇るサービスです。高度なファイアウォールに加えて、CloudflareはCDNキャッシュ、画像最適化、インテリジェントトラフィックルーティングなど、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるさまざまな機能を搭載しています。今回は、そんなCloudflareの成長著しい市場シェアについてご紹介します。
あらゆるウェブサイトのパフォーマンス向上に貢献するのが、Cloudflareなどのコンテンツデリバリネットワーク(CDN)。大中小さまざまな規模のサイトで、CDNの人気が高まっており、Cloudflareはその中でも人気の選択肢です。
もちろん、他にもたくさんのCDNがありますが、Cloudflareは価格設定等により魅力的なサービスとなっています。その人気の高さを数字で確認してみましょう。
Cloudflareの概要
- Cloudflareは、無料プランが付帯する数少ないCDNの1つであり、新生サイトや成長段階にあるウェブサイトに人気の選択肢。
- DDoS対策、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)、画像最適化、IPアドレスの範囲に基づいた優先順位付けといった機能を組み合わせて提供。
- 多くのサーバーで簡単に統合できることから、CloudflareのようなCDNプラットフォームの人気は、今後も増加することが予想される。例えば、Kinstaは、たった数回のクリックでCDNを統合できる仕様で、CDNを有効にするためにシステム管理者としての経験は必要なし。
- ウェブ全体で20%、フォーチュン1,000企業の30%で利用されている。
Cloudflareどころか、ウェブサイトの最適化そのものが、魅力的なユーザーエクスペリエンスを確保するためにも、トラフィックを逃さないためにも、これまで以上に重要な意味を持っています。
この結論の根拠として、Cloudflareの市場シェア、そして、類似サービスとの違いを見ていきます。
コンテンツデリバリネットワークを利用するサイトの79.9%がCloudflareを選択
W3Techsのデータによれば、CDNやリバースプロキシを使用するすべてのウェブサイトのうち79.9%がCloudflareを利用しています。
数字で判断すると、Cloudflareは市場で最も人気のあるCDNと言えます。Sucuri、Amazon CloudFront、Akamai、Fastlyなどの競合他社を抑えての活躍です。CDNの数自体が非常に多く、Cloudflareのライバルの中にはAmazonのような有名企業も。そのため、Cloudflareの優位性はさらに際立つかたちとなっています。
世界有数の人気サイトもCloudflareを採用
世界でも人気上位のCDNを顧客数で見ると、市場の様相がより深く理解できます。Cloudflareが依然としてトップで、Amazon CloudFrontとAkamaiがそれに続きます。
これら3つのCDNを合わせると、CDN市場全体の顧客のうち89%を網羅します。Cloudflareを利用する有名どころのサイトは以下の通りです。
- Medium
- Discord
- Fiverr
- Udemy
- Canva
Cloudflare は市場シェアと顧客数の両方で圧倒的な強さを見せていますが、その顧客層のほとんどは中小規模のウェブサイトや企業のサイト。企業だけに絞ると、競合他社よりもはるかに長い歴史を持つAkamaiが優位に立っています。
Cloudflareが圧倒的な市場シェアを誇るにもかかわらず、収益がそれに比例していないのは、このような顧客層の中身の違いが理由の一つです。
Cloudflareの収益
2021年のCloudflareの年間売上高は6億5,640万ドルで、2020年と比較すると前年比52%増、売上総利益は5億930万ドルでした。
Cloudflareの収益は2022年も同様の傾向が続き、第1四半期に2億1,220万ドル、第2四半期に2億3,450万ドルの収益を発表しており、前年同期比54%増となっています。
Cloudflareの時価総額
Cloudflareの時価総額は過去2年間に大きく変動しました。2020年と2021年を通して大きな成長を遂げ、2021年11月にはピークを迎えます。ところが、同社の目覚ましい成長にもかかわらず、Cloudflareの時価総額は2020年の水準まで後退。これはCloudflareが過大評価されているためと多くの人が推測しています。
Cloudflareの利用統計
BuiltWithのデータによると、2022年は、世界の上位10万件のウェブサイトのうち、約28.6%に利用されています。
企業におけるCloudflare利用率とサービスの質とは直接関係していないことは念頭に置きたいところです。Amazon CloudFrontやAkamaiなどの他の企業は、より広範なサービスの一部としてCDNを提供しており、必要なツール群をまとめて利用できるという点は、企業にとってより魅力的である傾向にあります。
Cloudflareの市場シェアは今後も成長を続けるのか
企業の成長予測は難しいものです。結論に触れる前に、過去1年間のCloudflareの利用状況を見てみましょう。
先にも触れていますが、Cloudflareは2020年に大きな成長を遂げています。W3Techsによると、全ウェブサイトでの利用率が約10%から15%を超え、その結果、収益は50%増加しています。
2020年は世界中のビジネスが苦境に立たされた中、Cloudflareのような企業にとって、一斉にリモートワークモデルに移行する企業を利用する絶好の機会となりました。また同時に、2020年にはオンライントラフィックとセキュリティ攻撃が大幅に増えており、DDoS攻撃だけでも、2020年の第1四半期から第3四半期にかけて300%増加しています。
また、市場シェアの優位性により、2021年も前年比52%増とさらに高い成長率を維持しています。
この上昇傾向は2022年でも引き続き見られ、最初の2四半期は好調な収益が報告されました。
W3Techsの調べによると、Cloudflareは現在、全ウェブサイトの19.1%で利用されています。
近年、サイトパフォーマンスの重要性を認識する企業が増えています。CDNは、ウェブサイトやアプリケーションのパフォーマンスを向上させる最も効率的なソリューションの1つです。
Cloudflareの人気度、統合の容易さ、プラットフォームの自動最適化(APO)のようなソリューション、そして価格設定は、他のソリューションに予算を割くことのできない小規模なウェブサイトにとって魅力的な選択肢です。
Cloudflareは、コンテンツの新規作成や、既存コンテンツの更新/削除時に、検索エンジンに通知を送信する新たなプロトコル(IndexNow)をサイトに実装するCrawler Hintsなど、業界の最前線に立っています。この機能によって、サイトのクロール量を減らし、サイトとクローラーの消費リソースを抑えることができます。
Cloudflareが明らかな成長を遂げていることは明らかであり、今後数ヶ月、数年のうちにさらなる飛躍が見られることが期待されています。
他のCDNサービスとの比較
Cloudflareの最近の成長率は、上位の競合他社をはるかに凌駕するものです。例えばAmazon CloudFrontは現在、全サイトの約1.4%で利用されています。
Akamaiの利用率はわずかに下がり、全ウェブサイトの0.4%です。
2020年のCloudflareの躍進の理由として、中小企業における人気上昇が考えられます。いずれにしても、AkamaiとAmazon CloudFrontのCDN市場シェアを示した「数字」はそれほど印象的ではないかもしれませんが、収益の面では依然として膨大であることはお忘れなく。
Cloudflareの従業員数
このような成長から予想される通り、Cloudflareの従業員数も過去2年間で大幅に増えています。2020年末以降、従業員数は62%増の2,899名になりました(詳しい従業員数はこちら)。
CloudflareのCDNを使用する
CDNを使用することにどれほどのメリットがあるかを考慮すれば、利用しない手はありません。CDNには様々な種類があるため、自社の要件にぴったりと合うものが必ずや見つかります。KinstaではCloudflare統合により、CDNを組み込みでサポートしています。
ビジネスと共に拡張可能でお手頃なCDNサービスをお探しなら、Cloudflareの利用を検討してみてください。