フォーラムやSNSで、WordPress専用ホスティングはお金の無駄だと訴える人を見かけることがあります。その理由は何なのでしょうか。どうやら「自分でサーバーを管理する方がずっと楽」とのことです。しかし、これが実際に何を意味するのかについて、詳しい言及は目にしません。WordPressを始めたばかり、趣味で利用している人には、間違った印象を与えることになるでしょう。「自分でこなせば簡単で安い」と語られることがありますが、最終的には、思っているよりもずっと多くの時間とお金を費やすことになります。
「アプリケーション、データベース、WordPress専用マネージドホスティング会社だから、見方が偏っているのでは」というご意見の方もいるかもしれません。たしかにホスティング会社としての意見ではありますが、両方から状況を分析できるという強みもあります。
Kinstaには、クライアントのために自社のサーバーを管理するシスアドがいます。これを適切に行うために何が必要なのか、そして、自らシスアドになろうとすることがいかにおすすめできない考えなのかを知っています。実際、状況によっては、文字通りの悪夢となることも。シスアドになるには、多くの忍耐とスキルが必要で、壊れたものを直すのが心の底から好きでなければ成り立ちません。
私たちの意見だけでなく、自らすべてを管理しようとしていたお客様からのフィードバックも参考になります。Kinstaにたどり着いたことで、ほとんどの場合「お金を払うだけの価値があった」という答えが返ってきます。
もしあなたが、自分でサーバーを管理するか(シスアドになるか)、ホスティングプロバイダーを利用するか検討中であれば、この記事がお役に立てるはずです。それぞれのメリットとデメリットをすべて掘り下げていきます。そう、どちらにも良いところと悪いところがあります。
システム管理者とは?
システム管理者は、サーバーの構成、更新、および実行と運用を担当する人です。Kinstaのシステム管理者は24時間年中無休で、プラットフォームがスムーズに機能することを確保しています。サーバーがダウンした場合、原因をトラブルシューティングして元に戻すのはシステム管理者の仕事です。
シスアドは、あらゆるかたちを取ります。それどころか、もしある人が自分のサイトがホストされているサーバーの管理に責任を持っているのであれば、おそらく、シスアドのタスクを担っていることになります。以下、一般的なシスアドの仕事について解説していきます。
シスアドになることのメリット
このトピックについて、私たちがかなり強い意見を持っていることは、すぐにお分かりいただけると思います。しかし、誤解しないでいただきたいのは、シスアドになるのは悪いことばかりではないということです。実際、WordPress専用マネージドホスティングを使用する場合と比べて、いくつかの利点があります。
しかし、これを上手にこなすためには、ある種の考え方や性格が必要であることは間違いありません。ちなみに「上手」というのは、実際の作業よりも問題解決やトラブルシューティングに多くの時間を費やしてお金を失わないようにすることを意味します。経営者であれ、WordPressの開発者であれ、あるいは代行業者を営む場合であれ、自問すべきは、時間を費やすべき最も重要なタスクは何かということです。そして、あなたにシスアドになるためのスキルがあるかどうか。
1. ベアボーン/VPSは圧倒的に安い
シスアドになる最初のメリットとして、ほとんどのベアボーンサーバーや仮想プライベートサーバー(VPS)自体にかかるコストは、かなり安いです。専門知識があれば、間違いなくお金を節約することができます。
例えば、Linode、Digital Ocean、VultrのVPSを見ると、月々5ドルからという安さで利用を始めることができます。これは、ほとんどの共用ホスティングよりもさらに安い価格です。また、使用リソースに応じた従量制のプランを提供しているところもあります。
ここで注意したい点があります。このようなマシンはプラグアンドプレイで使えるわけではありません。CPU、RAM、ディスクなどに対してお金を払う仕組みです。ワンクリックで使えるアプリがあるものもありますが、それ以外はすべて自己責任になります。ServerPilotのようなツールで少しは楽になるかもしれませんが、24時間年中無休のサポートは受けられません。このようなシステムから、この手法は一般的にDIYホスティングと呼ばれます。
2. 好きなものを好きなようにインストールできる
明らかに、自身がシスアドになることの最大の利点の1つは、すべてを完全に制御できることです。サーバーに好きなものをインストールし、実行することができます。IoncubeのようなソフトウェアパッケージやPHP拡張機能をインストールすることももちろん可能です。サポートに頼んで待つ必要はなく、サーバーにSSHで接続して自分でインストールできます。
3. フルルートアクセスを利用できる
上記と関連しますが、サーバーにインストールするためにroot権限が必要なものがあります。WordPress専用マネージドホスティングでは、一般的にrootアクセスは得られません。というのも、利用者が何かを壊してしまうというリスクをサーバー会社が負うことができないからです。一歩間違えれば、サーバーがダウンしてしまうかもしれません。ルートアクセスは 「諸刃の剣」です。しかし、十分なスキルがあるなら、フルルートアクセスは便利です。この理由だけで、自身でのサーバー管理を選ぶ人もいます。
4.素晴らしいパフォーマンスを実現することは可能
もう一つの利点として、適切に設定すれば(通常、これには多くの作業と知識が必要です)、自分でサーバーを管理しながら優れたパフォーマンスを発揮することは可能です。これは、ベアボーンリソースが一般的にかなり安価であることと、自分ですべてを管理するため、他のサイトとリソースが共有されないことに起因します。実際、多くの人が、自分のサイトで実際に使用されているよりもはるかに多くのリソースを購入する傾向にあります。
シスアドになることのデメリット
さて、いよいよシスアドになることのデメリットに迫ります。お察しの通り、メリットよりデメリットの方がたくさんあります。しかし、だからこそ、シスアドの仕事はとても重要です。その人が自分であるべきか、他に誰かであるべきか、自問自答する必要があります。
ちなみに、Kinstaではほとんど手間をかけずに各タスクを実行可能です。
1. サーバーの設定と構成をすべて自己責任で行う
新しいサーバーのセットアップはすべて自分の責任で行わなければなりません。ベアボーンマシンやVPSプロバイダを使用する際には、通常、自力でのマシンの構築が必要になります。そのため、トラフィックに基づいて、サイトに必要なRAM、CPU、ワーカープロセスなどの量を把握しておく必要があります。また、メモリ要件(データベースのInnoDBバッファプール、システムメモリ要件、php-fpmワーカープロセス要件など)も知っておく必要があります。
サーバーの構築後は、設定を行う必要があります。必要なものによっては、次のようなあらゆる種類の作業が含まれます。
- IPアドレスの割り当て
- DNSレコードの設定
- Nginx/Apacheのインストール(ウェブサーバー対決「Nginx vs Apache」をご覧ください)
- PHPのインストール
- NodeやYarnなどのソフトウェアパッケージのインストール
- IoncubeやRecodeなどのPHP拡張機能のインストール
- MySQLまたはMariaDBの最新バージョンへのアップデート
ベアボーンマシンを使うと、WordPressに必要なすべてのサービスをインストール(およびアップグレード)し、設定するのに何日もかかることがあります。自動インストーラを使ったとしても、マシンをアップデートしたりセキュリティを確保したりする方法がわからないままになってしまうでしょう。MySQLやphp-fpmの設定も同様です。何を変更すればいいのか、どのような値に変更すればいいのかを正確に把握するのは簡単ではありません。
多くの人が、サーバーの舞台裏で何が起こっているのかを深く理解していません。Kinstaでは、パフォーマンスを最大化するために、複数のLinuxパッケージを独自の設定でコンパイルしています。これを自分一人でやるのはほぼ不可能であり、このような理由で、最初からパフォーマンスの面で遅れを取ることになるでしょう。KinstaのNginxのルールは、何万もの高トラフィックWordPressサイトの運営を支援してきた経験に基づき構築されています。このルールには、セキュリティからパフォーマンスの調整まで、あらゆるものが含まれます。
また、クライアントによく使用されている30種類以上のソフトウェアパッケージやPHP拡張機能を用意しています。また、サーバーサイドのソフトウェアのインストールに慣れていない方のために説明を加えると、これらは通常、ワンクリックでインストールできるわけではありません。以下に、Ioncube(PHP拡張機能)のインストールに必要な典型的な手順を説明します。
- Ioncubeをサーバーにダウンロードし、解凍する
- ファイルをPHPのディレクトリにコピーする
- php.iniファイルを編集する
- Nginxのテストとリロードを行う
- 現在のPHPエンジンを再起動する
- ログを確認する、キャッシュをクリアするなど
つまり、自社でサーバーを管理している場合は、サーバーを設定するための時間を確保する必要があります。そして、その後も、WordPressサイトのインストールや設定を継続して行っていくことになります。
Kinstaで新しいサイトを立ち上げる
Kinstaのようなアプリケーション、データベース、WordPress専用マネージドホスティングサービスを利用すれば、サーバー上での設定を自分で行う必要はありません。いつでも新しいサイトを立ち上げることができます。コントロールパネル「MyKinsta」にログインして、「サイトを追加」をクリックするだけでOKです。37箇所のデータセンターからサイトごとに、お好みの場所をご選択いただけます。
IoncubeのようなソフトウェアパッケージやPHP拡張機能のインストールも問題ありません。ほとんどの場合、Kinstaのサーバーですでに実行されています。もしそうでない場合であっても、コントロールパネルのボタンをクリックするだけで、簡単に有効化できます。
2. バックアップを自分で管理する
自社でサーバーを管理すると、ほとんどの場合、独自のバックアップソリューションを考え出す必要があります。プロバイダーによっては、このために追加でサービスを提供している場合もありますが、通常、完璧とは言い難いものです。例えば、Digital Ocean Dropletsは、マシンのスナップショットが毎週提供されるだけにとどまります。しかも、Dropletのコストに20%上乗せされています。週1回のバックアップでは十分とは言えないことは、誰もが認めるところでしょう。
そして、これはサーバーのバックアップだけです。特にサーバーに複数のサイトがある場合は、WordPressサイト自体のオフサイトバックアップソリューションも別に設定したいところ。そのため、ソリューションとそれを保存するためのディスク容量の両方について、追加の費用が発生する可能性があります。WordPressの増分バックアッププラグインもご紹介しています。
Kinstaのバックアップのしくみ
Kinstaでは、バックアップはこれ以上ないほど簡単に実行できます。サーバーレベルでは、4時間ごとに24時間、さらに24時間ごとに2週間、インフラストラクチャのすべてのマシンの永続的なディスクスナップショットを作成し保存します。Google Cloud Platformが自動で各スナップショットの複数のコピーを複数の場所に冗長的に保存し、自動チェックサムによりデータの整合性を確保します。
つまり、スナップショットは、最初に作成された場所とは異なるデータセンターに保存されます。Google Cloud Platformのインフラが影響を受けることがあっても、スナップショットを復元することができます。
そして、お客様のサイトに関して、Kinstaでは毎日の自動バックアップ、ダウンロード可能なバックアップ、手動バックアップ、そしてシステム生成バックアップ(特定のイベント時に作成される)をご提供しています。さらに、1時間ごとまたは6時間ごとにバックアップを作成するために購入できる時間ごとのバックアップアドオンもあります。バックアップは、永続的なディスクスナップショット(複数の場所)に保存されます。
このため、Kinstaでホストするかぎり、バックアッププラグインは必要ありません🤘 ボタンをクリックするだけでバックアップを復元でき、ステージング環境にコピーすることも可能です。さらに、Kinstaはバックアップをお客様の総ディスク容量使用量に含めていません。
3. サーバーとWordPressサイトのセキュリティは自分次第
サーバーを管理する場合、セキュリティの強度は自分次第になります。一般的にLinuxの強化には、長年の経験が必要です。
悪意のあるコードがネットワークに侵入したり、誰かがブルートフォース攻撃を仕掛けてきたりした場合の責任は、あなたにあります。そして、DDoS攻撃は、文字通り数分でサーバーをダウンさせることができます。DDoS攻撃は常に最悪のタイミングでやってきます。ソースを特定し、それをブロックする方法を知っておくとよいでしょう。
サーバーやWordPressサイトのセキュリティ確保には、次のようなさまざまな作業があります。
- ハードウェアおよびソフトウェアファイアウォール(サーバーレベルのソフトウェアからCloudflareやSucuriなどのウェブアプリケーションファイアウォールに至るまで)の導入。
- マルウェアスキャンソフトウェアのインストール。これは通常、LinuxとWordPressの両方を伴う。
- Nginx/Apacheにパッチを当てたり、PHPにセキュリティアップデートを適用する。
- サーバーのファイルやフォルダの制限を強化。
- ハッキングされたWordPressサイトの修復(WordPressを100%保護することは不可能)
WordPressは素晴らしいものですが、今年はプラグインの脆弱性という点で、これまでで最悪の年でした。WordPressサイト上のマルウェアをクリーンアップする方法は把握しておくべきでしょう。自力でこれを行おうとして、何日も苦労したという話はよく耳にします。
Kinstaで対応した最近の例をいくつかご紹介します。
- Pipdig Power Packのベンダーバックドアと不審なコード
- Social WarfareにおけるXSS・RCE脆弱性と攻撃データ
- Yuzo Related Postsで確認された脆弱性
- Yellow Pencil Visual Theme Customizerのゼロデイ脆弱性
- Duplicate-PageのSQLインジェクション
- WP Google Mapsにおける認証不要のSQLインジェクション
SQLインジェクションに関するこちらの記事もご覧ください。
Digital Oceanのような一部のVPSプロバイダーは、クラウドファイアウォールを提供しています。しかし、これを実装し、例えばポートに必要なインバウンドルール、バックリストまたはホワイトリストに登録すべきIPアドレスなどを把握するのは、やはりあなた次第です。
Kinstaのセキュリティで夜も安心
ハッカーの撃退やDDoS攻撃を阻止するために週末を返上する覚悟はありますか?加えて、その術を心得ているでしょうか?このように、セキュリティに関してよほどの技術力がない限り、深刻なセキュリティ面での問題に遭遇して慌てふためくのは時間の問題です。
Kinstaのようなアプリケーション、データベース、WordPress専用マネージドホスティングを利用することで、このような作業をまとめて任せることができます。Kinstaのセキュリティ性能を一部以下にご紹介します。
- KinstaはDDoS攻撃を検出、稼働状況を監視し、1分間に6回以上のログインの失敗があった場合には、そのIPアドレスを自動でブロックします。
- WordPressサイトへの直接アクセスには、暗号化されたSFTPとSSH接続のみをサポートしています(FTPとSFTPの違いについてもご覧ください)。
- ハードウェアファイアウォール、そして追加の能動的かつ受動的セキュリティ策を実施し、お客様のデータへの不正アクセスを防止しています。
- フロントエンドのリクエストから、WordPressとPHPのバージョンの両方を隠す仕様です。また、open_basedirの制限により、悪意のあるスクリプトの実行が懸念される一般的なディレクトリでのPHP実行を許可していません。
- Kinstaは、Google Cloud Platform(GCP)上でLinuxコンテナ(LXC)を使用しており、各アカウントだけでなく、個別サイトに対して完全な分離を実施しています。競合他社よりもはるかに安全な構成です。GCPは、保管時のデータ暗号化も採用しています。
- Kinstaは、Google Cloud Platformのプレミアムティアネットワークとエンタープライズレベルのファイアウォールを利用しています。ファイアウォールの構成により、悪意のあるトラフィックが仮想マシンのネットワークに入る前にブロックすることができます。GCPのスタンダードティアのネットワークと比較して、プレミアムティアはGoogleの高速かつ安全なプライベートネットワークを通じて、より多くのトラフィックをルーティングします。
- Kinstaは、サポートされているバージョンのPHPのみを実行しています。サポートの終了したバージョンのPHPは、セキュリティアップデートがなく、パッチが適用されていないセキュリティの脆弱性にさらされるため危険です。
100%ハッキング阻止というのは不可能です。だからこそ、Kinstaは無料ハッキング対処サービスをご用意しています。Social Warfare、WP Google Mapなどの最近のプラグインの脆弱性発見を受け、お客様へのお知らせや、影響を受けたサイトからのマルウェア除去を行いました。場合によっては、Kinstaのシスアドがサーバーレベルでパッチを当てることもあります。私たちはセキュリティに非常に真剣に取り組んでいます。
4.適切なキャッシュソリューションを選択すること
パフォーマンスに関して言えば、キャッシュほど重要なものはありません。
キャッシュとは、あるリクエストで手に入ったリソースを保存し、その後のリクエストでそれを再利用するプロセスのことです。基本的には、サイト配信に必要な作業量を削減します。サイトのできるだけ多くの部分をキャッシュから提供したいものです。そうすることで、高速化が実現します。
自社でサーバーを管理するとなると、決断を迫られることになります。サーバーレベルのキャッシュソリューション(例えば、 nginx fastcgi cache module
のような)を導入すべきか。またはWP RocketのようなWordPressキャッシュプラグインを使用するでしょうか?ハイブリッドなアプローチも選択肢の一つです。
何十種類もあるソリューションやテクノロジーをテストしたことがなければ、どれがベストで最速なのかを知ることはできないでしょう。シスアドとして、バイトコードキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、ページキャッシュ、Varnish、Redisなどの違いや、それらがサーバーやプラグインとどのように相互作用するかを理解する必要があります。遅いサイトと速いサイトの違いを生み出すのが、うまく微調整をしたキャッシュです。
Kinstaがキャッシュを処理(プラグインは不要)
Kinstaでは、サーバーレベルで自動でキャッシュを処理しています。サーバーにてnginx fastcgi cache module
を使用して、高速ページキャッシュを実現しています。
ページキャッシュは、標準的なWordPress、BuddyPress、WooCommerce、Easy Digital Downloadを使ったサイトですぐに動作するように構成されています。お客様の側で何もする必要はありません。WordPressサイトを立ち上げるだけで、ページキャッシュが適用されます。
ページやブログ記事を編集するたびに、そのページのキャッシュが自動的に消去され、アーカイブページも消去されます。これにより、訪問者は新鮮で最新のコンテンツを見ることができます。また、アーカイブページには最小限のスロットル時間を設定することで、常に高い可用性を確保しています。
また、技術的にはキャッシュプラグインではありませんが、その他の必須(MU)プラグインでも、キャッシュをより詳細に制御することができます。これは、Kinstaをご利用のすべてのサイトにインストールされます。WordPressの管理ツールバーから簡単にサイトのキャッシュをクリアしたり、パスを追加したりしてサイトが更新されるたびにパージすることができます。
また、MyKinstaのダッシュボードから、簡単なクリックでWordPressサイト全体のキャッシュをクリアすることができます。
また、MyKinstaの分析画面やkinstaキャッシュログでキャッシュデータを分析する方法もあります。これらは、キャッシュをバイパスするGETリクエストや、排除できるPOSTリクエストがあるかどうかを判断するのに役立ちます。
キャッシュコンポーネントスタック(下図)では、各リクエストのステータス(HIT、BYPASS、MISS、EXPIRED)を確認することができます。過去24時間、7日間、30日間でデータをフィルタリング可能です。
キャッシュコンポーネントチャートでは、キャッシュ比率を一目で確認することができます。キャッシュから提供されるリクエストが多ければ多いほど良いというわけではありません。下の例でわかるように、このWordPressサイトは96.2%のキャッシュ/ヒット率となっています。これはちなみに良い状態だと言えます。
「リクエスト数上位のキャッシュバイパス一覧」セクションでは、キャッシュから提供されないリクエストを確認することができます。一般的には、CRONジョブ、admin-ajaxリクエスト、ECサイトのチェックアウトページ、クエリ文字列、UTMパラメータなどが挙げられます。
5.ステージング環境の用意は欠かせない
ステージング環境を使うことで、本番サイトに影響を与えることなく、アップデート(プラグイン、WordPressコア、テーマ)のテスト、コードのデバッグ、開発作業を安全に行うことができます。私たちの多くは、ステージングサイトを当たり前のように利用しています。しかし、もしステージングサイトがなかったらどうでしょう。あなたはどうしますか?
自分のサーバーを管理している場合は、独自のソリューションを導入する必要があります。Digital OceanやLinodeのようなVPSプロバイダーを使用している場合、マシンのクローンを作成することができますが、これは簡単に利用できる解決策ではありませんし、無料ではありません。
もっとWordPressに特化したソリューションを求めるなら、WP Stagecoach(年間120ドルから)やManageWP(ウェブサイト1つにつき月2ドルから)など、それに特化したものがありますが、やはり、どれも無料ではありません。
これは、自前でサーバーを管理する場合とWordPress専用マネージドホスティングの価格を比較する際に留意すべき重要な点になります。
Kinstaではワンクリックでステージングが利用できる
Kinstaでは、各サイトにステージング環境が付属します。ステージング環境作成のボタンをクリックするだけで、すぐに本番サイトのコピーを手に入れることができます。これにより、テストが非常に簡単に行えるということです。
また、1つのステージング環境で十分でない場合には、最大5つのプレミアムステージング環境を追加可能です。
作業が完了したら、ボタンを押すだけで変更を本番環境に戻すことができます。本番サイトのバックアップをステージング環境に復元することも可能です。
可能な限り多くのスペースを確保するため、ステージングサイトは、お客様のディスク使用量の合計を計算する際に、レポートから除外されます。つまり本番サイトのみがお客様のディスク使用量にカウントされます。
6. 稼働状況監視を忘れない
金曜日の午前2時にウェブサイトがダウンし、月曜日の朝まで気づかないというのは、最悪の事態です。これは、サーバーとサイトの両方に関係することで、それぞれにダウンを引き起こす可能性が介在します。
ウェブサイトのダウンは、さまざまな形で悪影響を及ぼします。
- 収益が減る
- ブランドや信頼性に傷が付く
- 長さによっては、クロール率や検索順位が低下する可能性がある
そのため、基本的には24時間365日、サーバーやサイトを監視して、すべてが問題なく、スムーズに動いていることを確認する必要があります。自社でサーバーを管理するとなると、アラートを出すようなソリューションが必要になるということです。
Digital OceanやLinodeなどのVPSプロバイダーは、サーバー監視ソリューションを提供していますが、WordPressサイトについてはありません。サイトの数やアラートの種類によっては、多くの場合、別のサービスを有料で利用する必要があります。以下、典型的なソリューションをご紹介します。
Kinstaが24時間365日あなたを応援
Kinstaでは、サーバーサイドについてあれこれ心配する必要はありません。シスアドチームがこれを担います。万が一問題が発生した場合には、MyKinstaに通知が届きます。またステータスページからいつでもステータスを確認できます。
Kinsta APMもご用意しています。独自のライセンスが必要ですが、New Relicを使用することもできます。Kinstaでは、すべてのお客様のサイトのステータスを2分ごとにチェックしています。これは、毎日720回のチェックに相当します。
私たちは、積極的な監視を是としています。つまり、お客様のウェブサイトが万が一ダウンした場合には、最初にKinstaのエンジニアに通知が届き、その場で状況の究明が始まります。そして、必要と判断された場合には、お客様にその後のご連絡を差し上げます。これにより、お客様の側で常に稼働状況をチェックしたり、休日に仕事に追われたりする必要がなくなります。
7. SSL証明書の用意を忘れずに
あなたのサイトでHTTPS接続を使用しているはずです。これを実現する最も簡単で安価な方法は、無料のLet’s Encrypt SSL証明書を使用することです。しかし、ベアボーンマシンやVPSプロバイダーでは、インストールと自動更新のためのシステムが必要です(Let’s Encrypt証明書は90日ごとに失効します)。
そこで最も一般的な方法は、Certbotを使うことでしょう。しかし、これには次のような作業が伴います。
- サーバーへのCertbotのインストール
- Nginxのセットアップ
- ファイアウォール経由のHTTPSを許可する
- Let’s Encrypt社からSSL証明書を取得する
- Certbotの自動更新を検証する
もう一つの方法は、VPSプロバイダーと併せてServerPilotのようなソリューションを使用することです。しかし、これは無料ではなく、ServerPilotのプランは月5ドルからとなっています。
Kinstaは無料のワンクリックSSL証明書をご用意
Kinstaでは、SSL証明書を驚くほど簡単にインストールすることができます。MyKinstaにログインし、サイトを閲覧して、「無料のSSL証明書を生成する」 をクリックするだけでOKです。即座にHTTPSが有効になります。更新の手間無く、システムによる自動化にすべてを任せることができます。
独自のSSL証明書を使用することもできます。こちらもコントロールパネルから簡単にインストール可能です。
オンラインストアを運営されている場合には、WooCommerceとSSLに関するこちらの記事もご覧ください。
8. WordPressのパフォーマンスを改善する
月曜日の朝一番に、WordPressサイトが突然遅くなったとします。パフォーマンスの問題のトラブルシューティングは何から始めればいいのでしょうか?サーバーのリソースを食いつぶしているのか、それともWordPressサイトコアの問題でしょうか。WordPressのパフォーマンス面での問題を引き起こすものは、文字通り何百とあります。
ECサイトや会員制サイトでは、多くの人がパフォーマンスの問題に直面するはずです。WordPress会員制サイトを運営する際の注意点もご覧ください。
パフォーマンスの問題をトラブルシューティングし、何が起こっているのかを把握する手段として、例えばNew Relicのような有料のサービス(要ライセンス)があります。とは言え、これでは最低でも75ドル/月かかります。
Kinstaではパフォーマンスの問題を特定するのも簡単
Kinstaでは、サーバーリソースを心配する必要はありません。Google Cloud Platformの複数のデータセンターにある仮想マシンを利用しています。各マシンは、最大96のCPUと数百ギガバイトのRAMを備えています。対応するリージョンでは、コンピューティング最適化(C2)仮想マシンを利用しています。これは、GCPがCompute Engine上で提供するコアあたりの最高性能であり、負荷の高いワークロード向けに最適化されています。ハードウェアリソース(RAM/CPU)は、仮想マシンが必要に応じて自動的に各サイトコンテナに割り振ります。
Kinstaでは、LXDマネージドホストとオーケストレーションLXCソフトウェアコンテナを利用しています。つまり、各サイトが独自の隔離されたコンテナに収容され、そのコンテナには実行に必要なすべてのソフトウェアリソース(Linux、Nginx、PHP、MySQL)が含まれていることを意味します。リソースは100%プライベートなもので、他の人や自分のサイトでも共有されることはありません。
MySQLデータベースは、リモートサーバーではなく、localhostでホストされます。このため、マシン間のレイテンシがなく、クエリが高速になり、ページの表示時間が短縮されます。
外部サービスのタイムアウト、プラグインやテーマの問題、サイトのデータベースがクエリの速度に間に合っていない…などなど、対処が必要になるケースはたくさん考えられます。通常、どのような問題であっても、Kinstaのエンジニアは、問題を絞り込み、問題を解決するための方法を提案することができます。
エンジニアの面々が、パフォーマンスの問題やプラグイン/テーマの問題のトラブルシューティングを日常的に行っています。Kinstaが、お客様に安心をお届けします。カスタマーサポートのスタッフは、WordPress開発者やLinuxホスティングエンジニアで構成されています。
New Relicを利用することももちろん可能ですが、有料のライセンスが必要になりますのでご注意ください。
9. ソフトウェアのアップデートには時間がかかる
ビジネスを成長させることと、ソフトウェアをアップデートすること、どちらに時間を割きたいでしょうか。自分でサーバーを管理すると、ソフトウェアを常に更新し、セキュリティパッチをチェックし、PHPの最新バージョンなどをインストールする必要があります。
ほとんどの場合、これはコマンドラインからSSH経由で行います。そのため、sudo apt-get update
コマンドにはお世話になるはずです。
Kinstaは常に最新かつ最高のものをお届け
Kinstaでは、お客様の側でのインストールは一切不要です。サーバーのハードウェアから実行するソフトウェアに至るまで、最高の技術のみを採用しています。どのような開発スタックを使用していても、常に最新のフレームワークのバージョンをインストールし、最新の状態に保っています。
Kinstaでは通常、PHPの最新バージョンを公式リリースから数週間以内にサポートしています。数ヶ月、あるいは数年も待たされることはありません。また、ベータ版のリリースもできるだけ早く行うよう心がけています。
これは非常に重要なことです。最近のPHPベンチマークで、PHP 7.3とPHP 5.6を比較したところ、1秒間に3倍のリクエスト(トランザクション)を処理できることが判明しました。また、PHP 7.3はPHP 7.2よりも平均して9%高速です。PHPの最新バージョンは、サイトの高速化に役立つだけでなく、WordPress管理画面の応答性にも影響します。
Kinstaが常に最新バージョンのPHPを提供する理由は、スピードとセキュリティの向上です。PHPのバージョンはワンクリックで変更することができます。
10. 答えの把握に時間を費やす必要がある
サーバーの管理にどれだけ長けていても、答えの見えない問題に遭遇することはあります。StackOverflowを見るにせよ、同僚に聞くにせよ、そのような答え探しの時間はできるだけ省きたいものです。
VPSのダウンのデバッグに苦労した結果、WordPressサイトをKinstaに移行したお客様は少なくありません。
Kinstaの24時間年中無休のサポートで手間を削減
Googleでの答え探しに奔走する必要はありません。お正月もゴールデンウィークも休まず営業していますので、お気軽にお問い合わせください。
Kinstaはサポートのあり方を文字通り変革しています。お客様による階層分けはありません。サポートスタッフは、WordPress開発者やLinuxホスティングエンジニアです。その多くが自分でサーバーを管理したり、テーマやプラグインを作成したり、WordPressコアに貢献したりしています。WordPressに精通したエンジニアがアドバイスをご提供します。
Couldn't be happier with hosting my websites through @kinsta. I feel like their support team never sleep! Amazing service.
— Matthew Howells-Barby Ξ mhb.eth (@matthewbarby) July 3, 2017
Kinstaのすべてのお客様に、大企業やフォーチュン500企業をサポートするのと同じスタッフにお問い合わせいただけます。実は、Kinstaのカスタマーサポートへの応募者全体に対し、合格者はわずか1%未満となっています。業界でもトップクラスの知識と経験を誇るサポートです。
11. バイラルトラフィックに備える必要がある
Hacker NewsやRedditのトップページに掲載されるといった、不意の一手をきっかけとして、トラフィックが急増することがあります。「バズる」のは嬉しいことですが、サーバーにはさばききるだけの能力が求められます。安価な共用サーバーでは対応しきれないでしょう。コンテンツにキャッシュできないものがあれば、なおさら対処が必要になります。
Kinstaのスケーラブルなクラウドホスティング
Kinstaのクラウドホスティングはスケーラブルです。トラフィックと負荷の突然の急増にも対応します。分離型ソフトウェアコンテナ技術により、各サイトコンテナはクロックスピードの制限なしに基礎となるCPUにアクセスできます。その結果、安全でプライベートなホスティング構成を実現すると同時に、サイトの需要に応じてサーバーリソースを必要に応じてスケールアップ/ダウン可能です。
イベントの取材、一時的な流行などであっても、Kinstaであれば問題ありません。
@TheSportReview's new @Googlecloud based @kinsta environment handled the post-match @ManUtd v @ChelseaFC traffic spike in style 👌⚽ pic.twitter.com/kJewykSqaV
— Martin Caparrotta (@MartinCap) April 16, 2017
イベントなどを事前に把握していれば、これを一歩進めて、トラフィックの急増を利用することもできます。サポートスタッフがプラットフォームで利用可能な分析データを見て、改善できる点をお伝えします。たとえば、admin-ajax.php呼び出しの削減、時間のかかるプラグインの無効化、CDNの導入、サイトのページキャッシュの使用といった調整が挙げられます。
自力で管理=節約なのか
シスアドになったり、サーバーを管理したりする予定であれば、まず、自分の時間にどれくらいの価値があるのか、自問自答してみてください。関連する業務を自分で行うことで、どれだけのお金を節約できるのか。計算してみましょう。
- まともなVPSの場合、最低でも15ドル/月がかかります。
- バックアップソリューションやオフサイトストレージのために、さらに5ドル/月を追加します。
- CDNのためにさらに5ドル/月を費用に追加しましょう。Kinstaは、すべてのプランで無料にてCDNをご提供しています。
- ステージングサイトのためにもう2ドル/月を確保します。
- 複数のアラート手段を搭載した稼働状況監視ソリューション(サーバー+WordPressサイト)には、さらに5ドル/月がかかります。
- パフォーマンストラブルシューティングのNew Relic APMライセンスに$75/月がかかります。
- 自分の時間を1時間あたり30ドルとして、サーバーのアップデート、マルウェアのクリーンアップ、トラブルシューティングなどに最低でも月に5時間費やすとしましょう。そうすると、150ドルになります。
合計で月々257ドルになります。
Kinstaのホスティングプランは月々35ドルからです。これだけで、面倒なサーバー周りのメンテナンス業務をすべて任せることができます。
Trustpilotのレビューよりより
まとめ
私たちは、シスアドに最大限の敬意を払っています。Kinstaのシスアドチームは、クライアントサイトの稼働を担う縁の下の力持ちです。Opensource.comによると、「シスアドはテクノロジー界の名もなき英雄である」とのこと。
もしあなたが技術に精通していて、サーバーを扱うのが好きなら、ぜひともシスアドになって自分ですべてをこなしてみてください。とはいえ、すべての数字を計算することが重要であり、あなたの実務時間も加味する必要があります。
WordPress専用マネージドホスティングは、多くのケースで、多くの費用を節約することにつながります。技術的な問題を心配する必要はありません。空いた時間で、ビジネスの運営、コンテンツ作成、マーケティング、販売など、他のことに集中することができます。
あなたのお考えはいかがでしょうか?以下のコメント欄でお聞かせください。
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