最近では、ウェブサイトのSSL(セキュア・ソケッツ・レイヤー)証明書の取得と設定は簡単に行えるようになっています。ところが、証明書を正しくインストールし、トラフィックをHTTPSにリダイレクトしても、SSL接続エラーが発生してしまうことがあります。エラーメッセージは、ユーザーを遠ざけてしまう要因です。
SSL接続エラーの原因を知れば、サイトでのSSL接続エラーを未然に防ぐことができ、エラーメッセージの内容、使用しているブラウザやOS別に、エラーが発生した際の解決策も見えてきます。
この記事では、SSL接続エラーとは何か、そしてその主な原因についてご説明した後、最も一般的な種類とトラブルシューティングの方法をご紹介していきます。
それでは、早速始めましょう!
SSL接続エラーの解決方法について動画での解説もご用意しています。
SSL接続エラーとは
ブラウジング中に発生するSSL接続エラーには、サーバー側の問題や、使用しているデバイスの設定の問題に起因するものなど、いくつか種類があります。
簡単に言えば、SSL接続エラーが発生すると、HTTPS(ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア)上で安全にサイトを閲覧できなくなる可能性があります。ブラウザがその接続を許可する場合もありますが、ほとんどの場合は自己責任で閲覧を続けることになります。有効なSSL証明書がなければ、悪意のある第三者に、閲覧するサイト、やりとりしているデータを傍受される可能性があります。
一般的なSSL接続エラーには、以下のようなものがあります。
- NET:ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID
- NET::ER_CERT_COMMON_NAME_INVALID
- SSL Handshake Failed
- ERR_SSL_OBSOLETE_VERSION
- ERR_SLL_PROTOCOL_ERROR
それぞれ原因が異なり、エラー発生時にブラウザに特定のメッセージとその原因に関する情報が表示されます。
ただし、エラーメッセージはブラウザによって異なることがあります。上のスクリーンショットは、Firefoxのエラーメッセージで、Chromeで同じサイトを開くと以下のように表示されます。
先で触れた通り、すべてのSSL接続エラーがサーバーの設定に起因するわけではありません。SSL証明書が有効であっても、ユーザー側の問題でエラーが起こることがあります。
次に、サイトにアクセスした際にSSL接続エラーが発生した場合の対処方法をご紹介していきます。
SSL接続エラーの解決方法(8種類)
ウェブサイト運営者でない限り、サーバーが原因のSSL接続エラーに対してできることはほとんどありませんが、使用しているデバイスやブラウザの設定が原因になっている可能性もあります。
ここからは、ブラウザ、モバイルOS、SNSプラットフォーム別に、SSL接続エラーの解決方法を見ていきましょう。
1. Google ChromeのSSL接続エラー
Google ChromeでSSL接続エラーに遭遇した場合、すぐに実行できる解決策がいくつかあります。
まずは、最新バージョンのChromeを使用しているか確認すること。最新バージョンは、ブラウザ自体で更新するか、Google Chromeのサイトからダウンロードしてインストールすることができます。
次に、システムの日付と時刻が同期されているかどうか確認します。SSL証明書の中には、検証のためにシステム内の時刻を使うものがあり、デバイスの時刻が正しくないと、ウェブ全体でSSL接続エラーが発生する可能性があります。使用しているコンピュータの日付や時刻が正しくなければ、ブラウザが証明書を検証することができず、これがエラーを引き起こします。
Windowsの場合、日付と時刻を変更するには「スタート」>「設定」 >「時刻と言語」に進みます。
「時刻を自動的に設定する」と「タイムゾーンを自動的に設定する」の両方が有効になっていることを確認します。もしくは、タイムゾーンを自分で設定して、「日付と時刻を手動で設定する」を選択してもOKです。
macOSの場合は、画面左上のAppleアイコンをクリックして「システム環境設定」を開きます。「日付と時刻」をクリックし、「日付と時刻を自動的に設定」にチェックを入れてください。
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日付と時刻を更新したら、ChromeでSSL接続エラーが表示されたサイトに再度アクセスしてみてください。問題が解決しない場合は、ChromeのキャッシュとCookieを削除しましょう。これを行うには、「設定」>「閲覧履歴データを消去する」をクリックします。
すると、次に表示される画面で削除するデータを選択できます。「基本」設定を適用している場合は、「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」を選択して、「データを消去」ボタンをクリック。
別の方法として、使用しているオペレーティングシステムでSSL状態を削除する方法もあります。Windowsでこれを行うには、「スタート」>「インターネット オプション」を開きます。「コンテンツ」タブを選択して、「SSL状態のクリア」ボタンをクリックしてください。
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SSL状態を削除すると、コンピュータに保存されているすべての証明書が削除されます。その後、SSL接続エラーが起こっているサイトを再読み込みすると、ブラウザで証明書の再認証が行われ、これでエラーが解決することがあります。
macOSの場合は、SSL証明書の削除方法は少し異なります。「ユーティリティ」>「キーチェーンアクセス」に進みます。左側のメニューにある「キーチェーン」の「システム」を選択すると、システムがローカル環境に保存しているすべてのSSL証明書の概要が表示されます。
証明書を個別に選択して削除します。まずは該当するウェブサイトの証明書を探して、削除しましょう。その後、サイトを再読み込みして、SSL接続エラーが解決しているかどうか確認してみてください。
これでもエラーが解決されない場合には、ウイルス対策ソフトとファイアウォールを一時的に無効化してみてください。ウイルス対策ソフトがSSL接続エラーの原因になっている可能性は低いため、最後の手段として実行することをお勧めします。
上記すべての解決方法を行ってもエラーが解消されない場合、SSL接続エラーの原因はサーバー側にある可能性が高いです。
2. FirefoxのSSL接続エラー
FirefoxでSSL接続エラーを解決する方法も、他のブラウザとほぼ同じ手順になります。以下の操作を行なってください。
- システムの日付と時刻を確認して調整
- コンピュータのSSL証明書を削除
どちらを行っても解決しない場合は、FirefoxのキャッシュとCookieを削除する必要があります。これを行うには、「オプション 」>「プライバシーとセキュリティ」タブに進みます。「Cookieとサイトデータ」セクションにある「データを消去」ボタンをクリックしてください。
それから、SSL接続エラーがみられるサイトに再度アクセスしてみましょう。ブラウザが接続を確立できない場合は、Firefoxの新しいバージョンがリリースされているかを確認して、更新を行なってください。
3. SafariのSSL接続エラー
ここまで、OSにかかわらずブラウザでのSSL接続エラーの解決方法を見てきました。Safariを使用している場合も、Google Chromeと同じ手順で対処してください。
- システムの日付と時刻を確認して調整
- macOSのコンピュータでSSL証明書を削除
これを行っても、SSL接続エラーが解消されない場合は、以下の手順でSafariのCookieとキャッシュを削除してください(iMac、Macbook、iPhone、iPad共通)。
- Safariの「設定」を開く
- 「履歴を消去」をクリック
その後、SSL接続エラーが見られたサイトを再読み込みしてください。エラーの原因がサーバー側の設定にない限り、エラーが解消されているはずです。
4. iPhoneとiPadでのSSL接続エラー
iPhoneやiPadでSSL接続エラーを解決する方法は、macOSと同じです。まずは、デバイスの日付と時刻が同期されているか確認すること。以下の手順で実行できます。
- 「設定」>「一般」>「日付と時刻」に進む
- 「自動設定」が有効になっているかを確認(有効になっていない場合はオン)
- 「時間帯」が正しく設定されているかを確認
日付と時刻の設定を更新したら、ブラウザのCookieとキャッシュの削除に進みます。「設定」>「Safari」>「履歴とWebサイトデータを消去」をタップすれば完了です。
iOSデバイスに別のブラウザをインストールしている場合でも、同様の手順になります。
なお、iOSの最新バージョンでは、iPhoneやiPadでSSL証明書を削除する機能が廃止されています。上記のすべての操作を行ってもエラーが解決されない場合は、サーバー側に問題があることになります。
5. AndroidのSSL接続エラー
AndroidでのSSL接続エラーを解決する方法は、比較的シンプルです。まずは、同様に日付と時刻の設定を確認しましょう。
「設定」アプリを開いて「一般管理」>「日付と時刻」に進み、「自動日時設定」が有効になっているかどうか確認してください。
iOSと同様、AndroidにもSSL状態の削除や、証明書の削除を行う機能はありません。日付と時刻の設定以外にできることは、Chromeの閲覧データの削除だけです。
- Chromeブラウザで「設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をタップ
- ブラウザの「Cookieとサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」を選択して「データを削除」をタップ
Chromeのサイトデータを削除した後は、SSL接続エラーが続いているかどうか確認しましょう。もし解消されていない場合は、サーバー側の設定に問題がある可能性が高いです。
6. FacebookのSSL接続エラー
FacebookでSSL接続エラーが起こった場合は、サーバー側ではなく、ユーザーのローカル環境の設定に問題があります。解決策として、以下の操作を行なってください。
- 使用しているデバイスの日付と時刻の設定を調整
- ブラウザのキャッシュとCookieを削除
- OSのSSL状態またはFacebook用の証明書を削除
WindowsとmacOSの日付と時刻の設定を調整する方法は、前述のGoogle Chromeセクションをご参照ください。Chrome、Firefox、SafariでのCookieとキャッシュを削除する手順もそれぞれ前述の手順に従ってください。
7. GmailのSSL接続エラー
モバイルアプリを使ってGmailにアクセスする場合は、エラーが起こることはありませんが、Chrome、Firefox、SafariでGmailを使用する場合は、SSL接続エラーが起こることがあります。その場合は、以下の操作を行なってください。
- 使用しているデバイスの日付と時刻の設定を調整(手順はGoogle Chromeセクション参照)
- ブラウザのキャッシュとCookieを削除
- OSのSSL状態または証明書を削除
上記を行っても解決しない場合、ファイアウォールを一時的に無効化するか、ブラウザを最新バージョンに更新してください。その間は、Gmailのモバイルアプリを利用しましょう。
8. YouTubeのSSL接続エラー
YouTubeのSSL接続エラーは、OSやブラウザのローカル設定に起因している場合がほとんどです。以下の操作を行なってください。
- 使用しているデバイスの日付と時刻の設定を調整(手順はGoogle Chromeセクション参照)
- ブラウザのキャッシュとCookieを削除
- OSのSSL状態または証明書を削除
Chrome、Firefox、SafariのキャッシュとCookieを削除する方法は、この記事の前半でご説明しました。SSL状態を削除する方法についても、Google ChromeとSafariのセクションでそれぞれ手順をご紹介しています。
まとめ
SSL接続エラーには、さまざまな種類があります。サーバー側の問題の場合は、基本的にサイト所有者が解決してくれるのを待つか、安全でない接続でブラウジングを続ける以外に選択肢はありません。
しかし、以下のようなローカル環境の設定を見直すことで、エラーを解決できることがあります。
- 時刻と日付の設定を調整する
- ブラウザのCookieとキャッシュ削除する
- OSのSSL状態(証明書)を削除する
ウェブサイトでSSL接続エラーは起こっていませんか?以下のコメント欄でぜひお知らせください。Kinstaをご利用の場合は、Kinstaのカスタマーサポートまでご連絡いただけましたら、私たちがトラブルシューティングを行います。
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