オンライン体験の68%は、検索から始まっています。また、オーガニック検索は、サイト訪問全体の53%を占めていることはご存知ですか?
検索エンジン最適化(SEO)は、今日最も重要なマーケティング戦略のひとつ。そして、SEOを極める道はキーワード調査から始まります。
キーワード調査の手順(要約)
優れたキーワードは、SEOマーケティングの成功を左右します。キーワード調査を行う手順は、以下の要約されます。
1. キーワード、関連検索、ロングテールキーワード、LSIキーワードのアイデアを見つける
2. キーワード難易度と検索ボリュームを理解する
3. ユーザーの検索意図を見極める
今回は、SEO強化するための有益なキーワードを見つける方法とヒントを詳しくご紹介していきます。
SEO初心者であっても、この記事を読めば、収益を上げる高パフォーマンスのキーワードを選定する方法と、時間と費用を無駄にするキーワードを避ける方法を学ぶことができます。
また、記事の後半ではおすすめのキーワード調査ツールもご紹介し、使用方法も簡単にご説明します。
SEOキーワード調査の基本
SEOを強化するためのキーワード調査について掘り下げる前に、キーワード調査とは何か、そして正しいキーワードを選ぶことの重要性について簡単に触れておきます。
キーワード調査とは
キーワード調査とは、ユーザー(潜在顧客)が検索エンジンでの検索に使用している用語を特定し、分析するプロセスです。
AhrefsやGoogle キーワード プランナーのような無料または有料のキーワード調査ツールを使って行います。
キーワード調査の重要性
SEOは複雑ですが、以下の4つの要素に集約されます。
- 技術的な最適化
- キーワード調査
- コンテンツの作成と最適化
- リンク構築
サイト速度は重要であり、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングには、サイトパフォーマンスを大幅に改善する機能が豊富に含まれています。しかし、SEOにおいて最も重要なのはキーワード調査です。
というのも、世界最高のコンテンツを作成し、Googleの検索順位1位を獲得しても、そのトラフィックが収益や新規顧客をもたらさなければ意味がありません。
誤ったキーワードを選択すれば、時間とリソースを無駄にしてしまうことに。
適切なキーワード調査とは、単に上位にランクインできるキーワードを見つけることではありません。そのキーワードの商業的可能性を見極め、それがコンテンツ戦略にどのように適合するかを理解することこそが、キーワード調査です。
キーワード分析の指標
まずは、以下のようなキーワード指標の基本的な理解が求められます。
- 検索意図の概要と重要性
- 選定したキーワードで検索結果上位にランクインできるかを見極める方法(「キーワード難易度」)
- 選定したキーワードが持つ検索エンジントラフィックの可能性を見極める方法
- キーワードが自分の事業にとって真に価値があるかどうかを判断する方法
以下、各項目について解説していきます。
検索意図(インテント)
検索意図(インテントとも)とはその名の通り、あるキーワードを検索するユーザーの「意図」を意味します。
言い換えれば、「ユーザーは何を探しているか」ということになります。ユーザーの検索意図に応えることがGoogleの第一目標であり、ユーザーが検索を行った際にできる限り正確な結果を提示するように努めています。そして、1ページ目に表示されることを目標にコンテンツを制作するのであれば、この目標に共鳴しなければなりません。
検索意図は、情報、商業、ナビゲーション、取引目的の4つに分類できます。
- 情報目的: 何かについて知りたい(例:「キーワード調査とは何か」)
- 商業目的:何かを買いたい(例:「キーワード調査ツール おすすめ」)
- ナビゲーション目的:特定のページを見つけるなど、どこかに行きたい(例:「Kinsta ログイン」)
- 取引目的:商品の購入など特定のアクションを実行したい(例:「Kinstaホスティング 契約」)
重要)コンテンツがキーワードの検索意図に一致していない場合、どれほど優れたコンテンツを作成し、リンクを構築しても意味がなく、サイトが検索結果の上位に表示されることはありません。
例えば、「小型冷蔵庫」というキーワードを狙うため、おすすめの小型冷蔵庫を紹介する解説記事を書いたとします。
しかし、Googleで実際に「小型冷蔵庫」と検索するユーザーの多くは、購入を検討しているのであって、おすすめの小型冷蔵庫について調べることが目的であるとは限りません。
検索意図を的確に捉えることができていないため、たとえ強力な被リンクを獲得し、優れたコンテンツを作成しても、ターゲットキーワードで1ページ目に表示されることはありません。
このようなミスを回避するには、常にGoogleでキーワード検索を行って、リアルタイムの検索結果を分析し、検索結果の上位にランクインするコンテンツのタイプと一致していることを確認しましょう。
これについては後ほど詳しくご説明します。この時点では、検索結果での上位表示を狙う前に、ターゲットキーワードに対する適切な答えが必要であることを念頭に置いておいてください。
キーワード難易度
経験豊富なSEO担当者は、各キーワードの難易度を自分で測定しています。
キーワード難易度を測る方法はいくつかありますが、1つはキーワードのSERP(検索結果画面)分析を行い、以下のような点を考慮することです。
- 検索意図
- コンテンツの質と深さ
- バックリンクの数と質
- 上位に表示されるサイトのドメイン評価(DR)
- SERPの特徴
キーワードごとに検索エンジンで評価される要素は異なり、すべての要素が同じ重みで順位付けされるわけではないため、このプロセスは目標と選定したキーワードによって異なります。
例えば、「東京 天気」のようなキーワードは鮮度に依存し、ほぼリアルタイムで更新されなければなりません。
しかし、「家庭菜園の始め方」のようなキーワードは、長期的に関連性を持つ情報であるため、鮮度はそれほど重要視されません。
Ahrefs、Moz、SEMrushのようなSEOツールを使えば、キーワード難易度を一目で確認することができます。SEOツールには、各キーワードのキーワード難易度(KD)スコアがあり、検索結果の上位10件に表示されているサイトの数に基づいています。
キーワード難易度は、リンクだけでGoogleの検索結果の上位10件ランクインすることがどれだけ難しいかを判断するために使用できます。
真の難しさを判断するために、キーワード難易度に依存するべきではありませんが、キーワードの競争力を判断するための直感的な指標としては有用です。
例えば、狙っているキーワードを検索して、大手サイト(日本経済新聞や NewsPicksなど)が上位に表示されている場合、基本的には容易に上位表示することはできません。
とはいえ、競争力のあるキーワードを常に避けるべきというわけではありません。
自分の事業にとって非常に価値はあるが、競争率は高いキーワードを見つけたら、いずれにしてもそのキーワードを狙ったページは作成するのが得策です。被リンクの獲得には時間がかかり、コンテンツが長尺であればあるほど、上位に表示される可能性は高くなります。
検索ボリューム
検索ボリュームは、特定のキーワードが検索エンジンで何回検索されたかの推定値です。
月間検索ボリュームについては、以下の4つの点に注意してください。
- 検索したユーザーの数ではなく検索回数─同じユーザーが1ヶ月に何度もキーワードを検索することがある(「京都 天気」など)。同じユーザーによる検索でも、すべての検索が検索ボリュームに加味される。
- トラフィックの正確な指標にはならない─特定のキーワードで1位になったとしても、そのキーワードからのトラフィックが検索ボリュームの合計に一致することはない。検索者の中には、検索結果をクリックしない人もいれば、最初の検索結果をスキップして他の検索結果をクリックする人もいるため。
- 年間平均である─特定のキーワードが1月に12万回検索され、他の11ヶ月は0回だった場合でも、検索ボリュームは1万回(12ヶ月で12万回)と見なされる。
- 国別である─キーワードツールは通常、選択した国の検索ボリュームを表示する。ただし、すべての国の検索ボリュームを組み合わせたグローバル検索ボリュームを取得できるツールもあり。
Google キーワード プランナーのような無料ツールや、Ahrefsのような有料ツール(以下参照)を使用することもできます。
なお、キーワード調査を行う際には検索ボリュームだけを確認しがちですが、これは間違いです。
というのも、最終的な目標はより多くのトラフィックを獲得することにあり、必ずしも「より多くの検索回数=より多くのトラフィック=より良いキーワード」ではないからです。
そのキーワードが多くのトラフィックを獲得できるからといって、獲得したトラフィックがビジネスに価値をもたらすとは限りません。
例えば、先ほどの「小型冷蔵庫」というキーワードで執筆した記事が月間7,000回検索され、検索順位1位を獲得。 しかし、その記事から得られた収益は0円ということもあり得ます。検索ユーザーの多くは購入を検討していないかもしれません。
また時には、検索ボリュームが当てにならないこともあります。例えば、Ahrefsによると「Googleの設立日(when was google founded)」というキーワードは、毎月4,900回検索されていますが、実際に検索結果に表示されたページをクリックしたユーザーは690人しかいません。
これは検索結果に答えが表示されるためです。
その一方で、検索ボリュームが少ないからといって、必ずしもそのキーワードが悪いとは限らず、表示されている数字がそのまま訪問数になるとも限りません。
特定のキーワードでGoogle検索結果の1ページ目に表示されているページは、事実上すべて、数十、数百、時には数千の他のキーワードでもランクインしています。
例えば、こちらのKinstaのレビューページのターゲットキーワードは、「Kinsta review」。Ahrefsによると、月に約1,100回検索されています。
しかし、以下のスクリーンショットでわかる通り、他の32のキーワードでもランクインしており、「Kinsta hosting」でも月間1,900回の検索ボリュームで1ページ目に表示されています。
このように、1つのキーワードの検索ボリュームに依存すると、ページが受け取る可能性のある総トラフィックを見積もる際に誤差が生じる可能性があります。
代わりに、そのキーワードで上位にランクインしているページを調べて、そのページがランクインしている全てのキーワードからどれだけのトラフィックを獲得しているかを確認してみてください。Ahrefsでは、この指標は「トラフィックポテンシャル(Traffic Potential)」と呼ばれ、分析対象のキーワードだけでなく、そのページがランクインしている全てのキーワードから得られるトラフィックの合計を推定します。
この指標は常に正確というわけではありませんが、潜在的なトラフィックの指標としては、1つのキーワードの検索ボリュームに目を向けるよりも賢明です。
とはいえ、SEOキーワード調査では、競争が少なくトラフィックの多いキーワードだけを見つければ良いというわけではありません。キーワードのビジネス価値も見極めが必要です。
キーワードのビジネス価値を見極める方法
キーワードのビジネス価値を判断するには、以下の3つの質問が鍵となります。
- 選定したキーワードの検索順位は事業にプラスの影響を与えるか
- 広告主にとって投資価値のあるキーワードか(+その理由)
- 選定したキーワードはコンテンツ戦略に適合しているか
1. 選定したキーワードの検索順位は事業にプラスの影響を与えるか
「プラスの影響」とは通常、直接販売による収益の増加や、潜在的な見込み顧客(メール購読者など)をファネルに引き込むことを意味しますが、他の方法でも測ることができます。
例えば、Googleのランキング要因の1つ(「Google 検索の仕組みを確認する」ページ参照)は、トピックオーソリティであり、これは特定のトピックに関する高い信頼性を評価するものです。
つまり、「おすすめのWordPressプラグイン」(高収入を狙えるキーワード)でランクインしたいのであれば、「WordPressは時代遅れか」や「WordPressプラグインのインストール方法」といったキーワードのコンテンツも作成する必要があります。
Googleは、ニッチな分野で話題性のあるトピックに関して信頼できる情報源であることを期待しており、関連性の高いトピック(およびキーワード)を多く扱えば扱うほど、そのキーワードで1ページ目に表示される可能性が高まります。
そのため、「WordPressは時代遅れか」が売上やメール購読者の獲得に直接つながらなくても、「おすすめのWordPressプラグイン」のようなより価値のあるキーワードでの順位を改善できるため、ビジネスにプラスの影響をもたらします。
要約すると、「このキーワードは直接的または間接的に、ビジネスの収益につながるのか」を考えて、答えが「No」である場合は、別のキーワードを探しましょう。
2. 広告主にとって投資価値のあるキーワードか(+その理由)
CPC(クリック単価)は、広告主がキーワードに広告を掲載する費用を見積もるために使う指標ですが、キーワードの価値を測る指標としても機能します。
例えば、「WordPressホスティング(wordpress hosting)」のCPCは12ドルと高価です。
CPCが高いキーワードは、ビジネスにとっても価値があるかもしれません。そのキーワードで広告を掲載しているページを見て、何がそのキーワードで収益を上げているのか、そして同じことを自社で行えるかを吟味してみましょう。
なお、CPCは非常に変動しやすく、その時々で広告を出している企業の数に応じて、分単位で変わる可能性があります。
要約すると、キーワードのCPCが高い場合はその理由を分析すること。そのキーワードに価値があり、追求する価値があるというサインかもしれません。
3. 選定したキーワードはコンテンツ戦略に適合しているか
トピックオーソリティは、Googleのランキング要因ということは先に触れたとおり。これはキーワード戦略においても考慮したい要素です。
専門とする分野とは関係のないキーワードは避けましょう。キーワードでランクインできるからといって、必ずしもランクインすべきとは限りません。
代わりに、すべてのキーワードに共通のテーマがあるグループを決めましょう。
AhrefsはSEOコンテンツ、アフィリエイトコンテンツ、一般的なオンラインマーケティングコンテンツなどでうまくまとめています。
各グループは、同社サイトの著者ページに反映されています。
このグループの作成方法は次のセクションで詳しくご紹介します。
要約すると、キーワードのカテゴリグループを作成しましょう。そして、グループに当てはまるキーワードだけを選定していきます。
SEOキーワード調査の手順
それでは、ここからは収益性の高いキーワードを見つける方法をご紹介します。
基本的なキーワード調査手順は、以下5つのステップに分けられます。
- カテゴリとシードキーワードのアイデアを出す
- キーワード調査ツールを使用してキーワードを選定する
- 検索意図を分析する
- キーワードの優先順位を決める
- コンテンツ戦略を立てる
ステップ1. カテゴリとキーワードのアイデアを出す
先ほど触れたキーワードの「グループ」はここで考えましょう。サイトのすべてのコンテンツが当てはまるカテゴリを3~5個作成します。カテゴリは自社で話題にするもの、または検索結果に表示されるものをすべて網羅する必要があります。
例えば、Kinstaブログのカテゴリには、以下のようなものがあります。
- WordPress
- ウェブサイトホスティング
- サイトパフォーマンスの最適化
次に、ユーザーが自社の製品やサービスを見つけるために使用する可能性のあるキーワード(英語でseed keyword、シードキーワードと呼ばれる)を探します。
例えば、Kinstaの場合は以下が挙げられます。
- WordPress
- ウェブサイトホスティング
- ウェブサイトのセキュリティ
- ウェブサイト高速化
- サイトパフォーマンスの最適化
- マネージドサービス
シードキーワードは、できれば優れたもの(汎用性の高いもの)を見つけたいところです。「WordPress」は好例で、「WordPressプラグイン」や「WordPressホスティング」など、他の単語に加えて別のキーワードを作ることができます。
シードキーワードを見つけるヒントは以下の通りです。
- 中核となるトピックを書き出す─ビジネスやサイトが扱う主なトピックを考える
- 自分の知識を活かす─トピックに関連するキーワードを思いつく限り書き出す
- チームに相談する─同僚やチームメンバーに相談して意見をもらう
- AIを利用する─「SEOキーワード調査のためにseed keywordをリストアップするのを手伝ってください。私の会社は…」と会社の概要を入力して聞いてみる
ChatGPTはこれにうってつけで、簡単なプロンプトで、何十ものキーワードアイデアを生成することができます。
キーワードを書き出したら、次のステップに移りましょう。
ステップ2. キーワード調査ツールを使ってさらにキーワードを探す
今日、何百とまではいかなくても、何十というキーワード調査ツールが存在します。中には非常にニッチなものもありますが、基本的には同じ目的で使用されます。
以下、無料と有料のおすすめツールをご紹介します。
無料のおすすめSEOキーワード調査ツール
無料のキーワード調査ツールでは、以下4つがおすすめです。
Moz Keyword Explorer
MozはSEOツール一式を提供していますが、Keyword Explorerは無料で使用することができます。キーワードを入力すると、検索ボリューム、キーワード難易度、キーワード候補などの情報が表示され、キーワードのアイデアを見つけるのに役立ちます。
Ubersuggest
Ubersuggestは、AhrefsやMozの無料縮小版といった感じで、競合の被リンクを調べたり、どのようなキーワードでランクインしているかを確認したりして、適切なキーワード調査を行うことができます。予算内でSEOに取り組むのであれば、このツールで十分かもしれません。
Keyword Shitter
Keyword Shitterは、無料のキーワード調査ツールです。キーワードを入力すると、何百ものキーワード候補が表示されます。大量のキーワード候補が欲しい場合には便利ですが、基本的には入力したキーワードに関連するキーワードしか表示されないため、別のキーワード候補は表示されません。
Google キーワードプランナー、Google Search Console
Google キーワード プランナーは、検索結果に有料広告を表示したい人向けの無料ツールですが、オーガニックキーワードのアイデア探しにも活用可能です。シードキーワードを入力すると、関連キーワードのアイデアを得ることができます。
また、Google Search Consoleからはロングテールキーワードのアイデアも。ロングテールキーワードは、特定の長いフレーズで、通常シードキーワードよりも競合性が低くなるのが特徴です。
Google Search Consoleでロングテールキーワードを見つけるには、「検索パフォーマンス」タブを開き、「検索キーワード」セクションまで下にスクロールします。正規表現フィルタを使用して7語以上のキーワードを見つけるには、「([^” “]*s){7,}?」と入力します。
なお、これはサイトがすでにランクインしている検索キーワードのみが表示されるため、ランクインしていないサイトには意味がありません。
有料のおすすめSEOキーワード調査ツール
SEOを重視し、予算を確保できるのであれば、有料のキーワード調査ツールへの投資を検討してみてください。無料ツールも有用ですが、機能に制限があるのは否めません。
以下は、おすすめの有料キーワード調査ツールです。
Ahrefs
Ahrefsは、キーワード調査だけでなく、リンク構築、順位追跡、コンテンツのアイデアなど、様々な用途に使用できるツールです。その機能の豊富さを考慮すると、おそらく最も優れた万能SEOツールと言えます。
基本ツールだけで月額99ドルがかかるため、予算がある場合には利用してみてください。
SEMrush
SEMrushも優れたキーワード調査ツールです。Ahrefsとよく似ていますが、顧客用のダッシュボードを作成したいSEO担当者におすすめです。
検索エンジンマーケティングとPPC(クリック報酬型広告)の機能も充実しています(SEMrushの「SEM」は検索エンジンマーケティングの略)。また、Ahrefsよりも無料トライアルが充実しています。
Keyword Insights
Keyword Insightsは、地域を特定した検索エンジンの結果ページデータを利用し、キーワードを類似したグループに分類し、その背後にある検索意図を特定してくれます。
キーワードのリスト(複数可)をアップロードするだけで、キーワードがクラスター化(グループ化して整理すること)されたキーワードとその意図がGoogle スプレッドシートに出力されます。
また、グループ化されたキーワードを分類することもできるため、効果的にコンテンツのサイロ化とトピックオーソリティを作成することができます。
Keywords Everywhere
Keywords Everywhere、キーワードのアイデアを得るのに画期的なツールです。
何かを入力するたびに、検索ボリューム、競合、平均CPCをGoogle上で表示してくれます。また、関連キーワードやユーザー検索する他のキーワードの統計も確認できます。
おすすめSEOツールスタック
私たちのおすすめは、AhrefsとKeyword Insightsの併用です。
Ahrefsはキーワード調査だけでなく、テクニカルSEOの監査、競合の被リンクの分析など、SEOのあらゆる側面に役立ちます。
そして、Keyword Insightsを使用すれば、キーワードをクラスタリングしてコンテンツをサイロ化することが可能です。これにより、トピックオーソリティを示しやすくなります。
関連して、WordPressサイトに欠かせないおすすめSEOプラグインはこちらをご覧ください。
キーワード調査ツールの使用方法
キーワード調査ツールを使用する際には、以下3つのヒントを参考にしてください。
- シードキーワードを拡張する
- コンテンツギャップ分析を行う
- AIを使ってキーワードのアイデアをさらに増やす
シードキーワードを拡張する
シードキーワードのリストを作成し、1つずつキーワード調査ツールに入力してみましょう。
Ahrefsを使用している場合は、一致する用語、関連用語、検索候補に基づいて、さまざまなキーワードのアイデアを見ることができます。各キーワードに目を通し、興味深いものがあればメモしておきましょう。
何百ものキーワードに対してこの作業を行うのは手間がかかりますが、フィルターを追加して絞り込むことができます。
SEO初心者の方は、以下のフィルターを使ってみてください。
- キーワード難易度:0~30
- 検索ボリューム:100以上
ただし、このフィルターに頼ると、未発掘の価値あるキーワードを見つけることができなくなる可能性もあります。これはキーワード調査にどれだけの時間と労力を費やすことができるかにかかっています。
コンテンツギャップ分析を行う
コンテンツギャップ分析は、AhrefsなどのSEOツールが提供する強力な機能です。自社と競合他社のキーワードランキングを比較し、競合がランクインしていて、自社がランクインしていないキーワードを表示します。
以下のような仕組みになっています。
1. サイトをAhrefs(または任意のツール)に接続して、左側のメニューにある「コンテンツ比較(Content gap)」をクリックします。
2. キーワードでGoogleにランクインしている競合を1〜10件入力します。キーワードを検索してGoogleからURLを取得するか、Ahrefsの「コンテンツ比較」の上にある「競合ページ(Organic competitors)」ページで見つけることができます。「キーワードを表示(Show Keywords)」をクリックします。
3. ここでリストをエクセルにエクスポートすることができます。Ahrefsでリストを確認し、ターゲットキーワードを見つけたら、新規タブでそのキーワードを開き、右上の「追加(Add to)」を押してキーワードリストに追加します。
AIを使ってキーワードのアイデアをさらに増やす
まだ十分なキーワードが集まっていない場合は、ChatGPTを使ってアイデアを増やしてみます。例えば、以下のように質問することができます。
「SEOキーワード調査をしています。すべてのキーワードを以下いずれかのカテゴリに振り分けたいです。
カテゴリ1
カテゴリ2…
以下がキーワード候補です。
(見つけたキーワードを10~20個入力)
キーワードのアイデア出しを手伝ってくれませんか?」
このようにしてChatGPTから得たキーワードのアイデアをAhrefsに登録して、さらに分析を進めることができます。
ステップ3. 検索意図を分析する
キーワードの背後にある検索意図を理解することは、ユーザーの需要を満たすコンテンツを作成する上で非常に重要です。これを怠ると、検索結果で上位に表示されるチャンスを逃しかねません。
検索意図を特定はシンプルです。
- キーワードの検索:Googleにキーワードを入力し、どのようなタイプのコンテンツが上位に表示されているかを確認
- 検索意図の分類:検索意図が情報、商用、ナビゲーション、または取引目的なのかを判断
いくつかの例を見てみよう。
例えば、Googleで「オーガニックスキンケア」と検索すると、以下のような検索結果になります。
最初に表示されるのは個別の商品情報で、その下にスキンケアブランドのウェブページが表示されます。
これにより、このキーワードは取引目的であることがわかります。このキーワードで上位に表示されるには、製品ページを作成するか、多くの被リンクを持つ有名なオーガニックスキンケアブランドでなければなりません。
代わりに、「オーガニックスキンケア 効果」で検索すると、以下のようになります。
この場合は、オーガニックスキンケアの効果に関するブログ記事が上位に表示され、情報目的のキーワードであることがわかります。
このようにキーワードで検索して、結果を分析することで、検索意図を理解し、そのキーワードでランクインするために作成しなければならないコンテンツの種類を把握できます。
また、上位に表示されるページをクリックして、コンテンツの深さ、アプローチの角度、コンテンツ収益化に使われている戦略、競合のドメイン評価(DR)なども分析できます。
ここまで集めた情報をもとに、最終的な選定を行いましょう。
ステップ4. キーワードの優先順位をつける
関連性、検索ボリューム、難易度、潜在的なROI(投資利益率)に基づいてキーワードの優先順位をつける方法を見ていきます。
以下2種類のキーワードリストを作成しましょう。
- 価値の高いキーワード:このキーワードで上位に表示されれば、達成が難しくても大きな収益を得ることができす。
- 手軽に狙えるキーワード:検索ボリュームが中程度で難易度が低く、すぐにトラフィックを獲得できそうなキーワード。この「すぐに」は、6~12ヶ月程度。
上位に表示されるには数年かかる場合もあるため、まずは1つか2つ価値の高いキーワードに絞って、ページの熟成とリンクの獲得を開始するのが得策です。
しかし、より早く結果を得たい場合は、2つ目の手軽に狙えるキーワードの方に注力することをおすすめします。一般的に、ランクインするキーワードが多ければ多いほど、他のキーワードでもランクインする可能性が高まります(トピックオーソリティ)。
ステップ5. コンテンツ戦略を立てる
最後に、キーワードリストを実現可能なコンテンツ戦略に変えていきましょう。
このステップでは、以下を行います。
- キーワードをまとめる:関連するキーワードをグループ化し、包括的なコンテンツを作成して、キーワードカニバリゼーション(同じまたは類似のキーワードでランクインしようと複数のページを作成すること)を避ける。
- コンテンツの種類を決める:検索意図に適したコンテンツのタイプ(ブログ記事、動画、インフォグラフィック、商品ページなど)を決める。
- エディトリアルカレンダーを作成する:どのようにコンテンツを作成し、いつ公開するかを計画する。
Keyword InsightsやAhrefsのキーワードクラスタリング機能を使ったり、手動でキーワードのクラスタリングを行うことができます。
以下のようになります。
キーワードカニバリゼーション回避し、コンテンツのサイロ化を行うため、類似したキーワードをすべてクラスター化したら、続いては、これらのキーワードでランクインするために作成する必要があるコンテンツのタイプを把握します。
検索意図のセクションでは、取引目的のキーワードのために商品ページを作成したり、リスティング広告の結果を持つキーワードのためにリスティング広告のブログ記事を作成したりする例を挙げました。
各グループのメインとなるキーワードをGoogleで検索し、上位表示されているコンテンツのタイプに注目しましょう。多くの場合、競合するために類似のコンテンツを作成することになります。
その後、エディトリアルカレンダー(コンテンツカレンダー)を作成して、作業に取り掛かりましょう。まずは、最も優先順位の高いキーワードのページを作成し、日付を設定することから始めてみてください。
まとめ
最後に、今回ご紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- キーワード調査はSEOの基本であり、決して手を抜いてはいけない。
- 検索ボリュームやキーワード難易度は鵜呑みにしない。キーワードをGoogleに入力して、その結果を確認してから決定する。
- 検索ボリュームの少なさに惑わされない。UbersuggestやAhrefsなどのツールを利用して、関連キーワードの総トラフィックの可能性を調べる。
- 検索意図はとにかく重要。作成するコンテンツがユーザーが求めているもの(Googleがすでに表示しているもの)と一致していることを確認する。
- ビジネス価値と難易度の低さに基づいてキーワードの優先順位を決めるが、最初のうちは価値の高い(しかし競争率の高い)キーワードもいくつか狙ってみる。
KinstaのWordPress専用マネージドホスティングで、Google(そしてサイト訪問者)を満足させる超高速サイトを実現すれば、SEO戦略の強化にもつながります。まずは一度お試しください。
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