さくらのマネージドサーバとKinstaの比較

さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバーの中でも特別なホスティングプランです。今回は、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングとさくらのマネージドサーバの特徴や機能を掘り下げ、それぞれを比較したいと思います。

さくらのマネージドサーバの概要

さくらのマネージドサーバは、ビジネスや個人のウェブサイト運営を支援するホスティングソリューションです。マネージドという名が示す通り、利用者がサーバーの運用や保守に費やす時間や手間を抑えることができます。

マネージドサーバの中身は細分化されており、「スモール」「ミディアム」「ラージ」という3つのプランの中から選択可能です。主な違いは、利用可能なストレージやメモリの違いにあります。

また、さくらのマネージドサーバは、サーバーのセットアップ、ネットワークの管理、セキュリティの監視など、複数の面での柔軟性を備えています。知識や経験次第では、これを使いこなし、自社サービスとの相性等を考えて運用することができるでしょう。

さくらのマネージドサーバとKinstaの機能

それでは、本題であるさくらのマネージドサーバとKinstaの違いを見てみましょう。機能や特徴を表で整理しながら見ていきます。

Kinstaさくらのマネージドサーバ
プラン価格5,333円〜/月(35ドル〜)
[2024.11.5時点]
7,485 円〜/月
初期費用無料17,600円
初月無料 *X
返金保証30日間
(新規お申し込みのみ)
X
プランの種類22(+カスタムプラン)3
24時間年中無休のサポート
(ライブチャット、メール)
X
(オペレーターによるチャット対応時間は平日の10:00~18:00)
コアインフラGoogle Cloud表記なし
SSH接続
グローバルデータセンター東京と大阪をはじめとする37箇所
(サイト毎に選択可能)
日本国内3箇所
(東京、大阪、北海道)
帯域幅制限制限なし(AUP内)転送量無制限
コンテナ技術全プランで100%のリソース分離表記なし
サイト移行無料
(専任エンジニアによる移行)
X
ステージング環境
無料のDDoS対策WAFあり
PHPバージョンPHP 7.4, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4PHP 5.2、5.3、5.4、5.6、7.4、8.0、8.1、8.2、8.3
無料のCDN260+以上のPoP(全地域)300GB/月まで
エッジキャッシュ表記なし
無料のプレミアムDNSAmazon R53さくらのDNS
無料のSSL証明書
(Cloudflare─ワイルドカード対応)

(Let’s Encrypt)
稼働状況監視
(3分ごと)
X
マルチサイト
(シングル35kを除くすべてのプランで利用可)
サブディレクトリのみ可(サブドメインでは運用不可)
無料APM
(Kinsta APM)
モニタリングツールあり
IPジオロケーションファイルマネージャー使用
リバースプロキシ(有料アドオン)X
(自力での設定 ※サーバー管理権限がないため対応不可の可能性あり)
Redis(有料アドオン)X
(自力での設定 ※サーバー管理権限がないため対応不可の可能性あり)
日本語対応
(多言語対応)
* 一部のWordPressホスティングプラン

さくらのマネージドサーバとKinstaの機能の解説

どちらもマネージドホスティングではありますが、その中身には違いがあります。続いては、両者の違いをもう少し掘り下げてご紹介します。

  • さくらのマネージドサーバの月額費用は、7,485円からとなっています。一番安い「スモール」で7,485円、中間に位置する「ミディアム」で13,544円、最上位プランである「ラージ」で25,661円という価格設定です。Kinstaは、同じマネージドホスティングでありながら、月額5,333円(35ドル/2024.11.5時点の為替レートに基づく)からと、さくらのマネージドサーバのスモールプランよりも安価です。
  • さくらのマネージドサーバでは、選択するプランを問わず、初期費用として17,600円が発生します。Kinstaのプランに初期費用はなく、料金は月額か年額のいずれかの支払い方法を選択できます。さくらのマネージドサーバでは、毎月、毎年に加えて、よりお得になる2年または3年ごとの一括払いも選択可能です。
  • さくらのマネージドサーバには、試用期間がないため、契約を行う際には慎重に検討する必要があります。Kinstaではすべてのプランに30日間の返金保証が付帯し、また一部プランは初月分が無料で利用できるため、まずは気軽に試してみることができそうです。
  • さくらのマネージドサーバでは、Let’s Encryptの無料SSL証明書を採用しています。Kinstaでは、通常有料であるCloudflare統合によるワイルドカードSSL証明書を無料提供しています。
  • さくらのマネージドサーバへのサイト移行には、ファイルマネージャーまたはFTPソフトを利用することができます。実際の操作は利用者自らで行うことになります。Kinstaでは無料のサイト移行サービスを提供しており、自分の手でファイルの移動などをすることなく、各種認証情報を共有するだけで、専任のエンジニアが移管作業を代行します。
  • さくらのマネージドサーバのCDNでは、無料で利用できるリソースが月300GBとなっています。Kinstaの無料CDNは、125GB〜2,500+GBとプランにより異なります。
  • さくらのマネージドサーバのデータセンターは、日本国内の東京、大阪、北海道に設置されています。Kinstaでは、日本国内では東京と大阪の2拠点、さらに海外への事業拡大を目指す場合には、世界各地にある37のデータセンターから好きな場所を選ぶことができます。
  • さくらのマネージドサーバでは、PHP 5.2、5.3、5.4、5.6、7.4、8.0、8.1、8.2、8.3を包括的にサポートしています。Kinstaではセキュリティやパフォーマンスの観点から、古いバージョンはサポートしておらず、最新バージョンのPHP 7.4, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4を提供しています。

Kinstaの高性能ホスティング

2013年創業に創業したKinstaは、WordPress専用マネージドホスティング、静的サイトホスティング、およびアプリケーション&データベースホスティングを提供しています。Google Cloud最速のC3DおよびC2仮想マシンを採用し、業界最高水準の速度、パフォーマンス、拡張性にこだわったインフラストラクチャが強みです。受賞歴を誇る高性能コントロールパネル「MyKinsta」や、世界37箇所のデータセンター、高性能CDN、エンジニアによる24時間年中無休のサポート体制、高度なセキュリティ保持誓約など、サイト運営の負担を軽減する数々の機能を追加料金なしでご利用いただけます。

また、Kinstaは堅牢なセキュリティ手順を確立し、長期にわたってこれに遵守していることを証明する、SOC2報告書の受領、およびISO認証の取得を行っています。Kinstaのセキュリティおよび信頼性の詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

今回は、さくらのマネージドサーバとKinstaのWordPress専用マネージドホスティングを比較しました。どちらもマネージドという名にふさわしく、要件の厳しい、通常よりも多くのリソースや管理を必要とするサイトにぴったりのソリューションとなっています。

初期費用の支払いに問題がない、古いバージョンのPHPを利用している、マルチサイトをサブディレクトリで運用する予定、といった状況では、さくらのマネージドサーバは検討に値する選択肢でしょう。一方で、コンテナ化技術の採用、無料でのCloudflare統合、初期費用なし、ワイルドカード対応SSL証明書などをお求めであれば、Kinstaが優れた選択肢になります。

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