さくらのマネージドサーバとKinstaの比較
さくらのマネージドサーバは、さくらのレンタルサーバーの中でも特別なホスティングプランです。今回は、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングとさくらのマネージドサーバの特徴や機能を掘り下げ、それぞれを比較したいと思います。

さくらのマネージドサーバの概要
さくらのマネージドサーバは、ビジネスや個人のウェブサイト運営を支援するホスティングソリューションです。マネージドという名が示す通り、利用者がサーバーの運用や保守に費やす時間や手間を抑えることができます。
マネージドサーバの中身は細分化されており、「スモール」「ミディアム」「ラージ」という3つのプランの中から選択可能です。主な違いは、利用可能なストレージやメモリの違いです。
また、さくらのマネージドサーバでは、サーバのセットアップ、ネットワークの管理、セキュリティの監視など、複数の面での柔軟性を備えています。知識や経験次第では、これを使いこなし、自社サービスとの相性等を考えて運用することができるでしょう。
さくらのマネージドサーバとKinstaの機能
それでは本題である、さくらのマネージドサーバとKinstaの違いを見てみましょう。機能や特徴を表で整理しながら見ていきます。
Kinsta | さくらのマネージドサーバ | |
---|---|---|
プラン価格 | 35ドル〜/月(4774.32円〜)[2023.5.17時点] 年払いで約29ドル〜/月*1 | 7,485 円[スモールプラン]〜/月 |
初期費用 | なし | 17,600円 |
返金保証 | 試用期間として全プランで30日間(新規アカウントのみ) | 14日間の試用期間 |
プランの種類 | 10(+カスタムプラン) | 3(スモール、ミディアム、ラージ) |
年中無休のサポート | すべてのプラン(24時間対応) | X オペレーターによるチャット対応時間は平日の10:00~18:00 |
コアインフラ | 全プラン共通(GCP) | 表記なし |
SSH接続 | 全プラン共通 | あり |
グローバルデータセンター | 東京と大阪をはじめとする35箇所(サイト毎に選択可能) | 日本国内のみ(東京、大阪、北海道) |
帯域幅制限 | 制限なし(AUP内) | 転送量無制限 |
コンテナ技術 | 全プランで100%のリソース分離 | 表記なし |
無料のサイト移行 | すべてのプラン(エンジニアが対応)*2 | X 自己責任での移行 |
ステージング環境 | すべてのプラン | すべてのプラン(お試し期間中は利用不可) |
無料のDDoS対策 | すべてのプラン | WAFあり |
PHPバージョン | PHP 8.0, 8.1, 8.2 | 5.2、5.3、5.4、5.6、7.4、8.0、8.1 |
無料のCDN | 260+以上のPoP(全地域) | 300GB/月まで |
エッジキャッシュ | すべてのプラン | 記載なし |
無料のプレミアムDNS | Amazon R53 | さくらのDNS設定 |
無料のSSL証明書 | すべてのプラン(Cloudflare─ワイルドカード対応) | Let’s Encrypt |
死活監視 | すべてのプランに自動で付帯 | 別途サーバー監視作成機能を使い自分で設定 |
リソース制限 | ワーカープロセスの制限 | 2core / 8GB |
マルチサイト | Proプラン以上で利用可 | サブディレクトリのみ可(サブドメインでは運用不可) |
無料APM | Kinsta APM | モニタリングツール |
IPジオロケーション | ✓ | ファイルマネージャー使用 |
リバースプロキシ | ✓(有料アドオン) | X (自力での設定 *サーバー管理権限がないため対応不可の可能性あり) |
Redis | ✓(有料アドオン) | X (自力での設定 *サーバー管理権限がないため対応不可の可能性あり) |
多言語対応 | 日本語、英語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語 | 日本語 |
*2 サイト移行はお客様による申請によりご利用いただけます。移行には標準版に加えプレミアム版もご用意しています。
さくらのマネージドサーバとKinstaの機能の解説
どちらもマネージドホスティングではありますが、その中身には違いがあります。続いては、両者の違いをもう少し掘り下げてご紹介します。
- さくらのマネージドサーバの月額費用は、7,485円からとなっています。一番安い「スモール」で7,485円、中間に位置する「ミディアム」で13,544円、最上位プランである「ラージ」で25,661円という価格設定です。Kinstaは、同じマネージドホスティングでありながら、35ドル/月(4774.32円〜)[2023.5.17時点]からとなっています。
- さくらのマネージドサーバには初期費用があります。「スモール」「ミディアム」「ラージ」という3つのプランのどれを選択しても、初期費用として17,600円がかかります。Kinstaのホスティングプランに初期費用はありません。毎月または毎年の決済のいずれかお好きな方をお選びいただけます。
- さくらのマネージドサーバでは、14日間の試用期間が用意されています。この間に機能が自分にあったものか試すことができます。Kinstaでは、30日間の返金保証をご提供しています。またプランの切り替えも簡単に行うことができます。
- さくらのマネージドサーバでは、Let’s Encryptの無料SSL証明書を採用しています。Kinstaでは、通常有料であるCloudflare統合によるSSL証明書を無料でご提供しています。KinstaのSSL証明書はワイルドカード対応です。
- さくらのマネージドサーバへのサイト移行には、ファイルマネージャーまたはFTPソフトを利用することができます。実際の操作は利用者自らで行うことになります。Kinstaでは無料のサイト移行サービスをご用意しています。自分の手でファイルの移動などをすることなく、各種認証情報を共有し、Kinstaのエンジニアに任せることができます。
- さくらのマネージドサーバのCDNでは、無料で利用できるリソースが月300GBとなっています。Kinstaではプラン毎に違いがあり、Business以上であれば月400GB以上です。
- さくらのマネージドサーバのデータセンターは、日本国内「東京」「大阪」「北海道」に位置しています。一方でKinstaでは、東京と大阪をはじめとし、世界各地にあるデータセンターからお好みの場所をお選びいただけます。
- さくらのマネージドサーバで対応しているPHPは、5.2、5.3、5.4、5.6、7.4、8.0、8.1です。Kinstaではセキュリティやパフォーマンスの観点から、古いバージョンはサポートしておらず、代わりにPHP 8.0, 8.1, 8.2という最新版にいち早く対応しています。
Kinstaの高性能ホスティング

2013年創業のKinstaは、現在アプリケーション&データベースホスティング、およびWordPress専用マネージドホスティングサービスをご提供しています。Google Cloud Platform最速のコンピューティング最適化(C2)マシンを採用。業界最高水準の速度、パフォーマンス、拡張性にこだわったプラットフォームが特徴です。受賞歴を誇る高性能コントロールパネル「MyKinsta」や、世界各地35箇所に設置されたデータセンター、無料のCDN、エンジニアによる24時間年中無休のサポート体制、高度なセキュリティ保持誓約など、サイト運営の負担を軽減する数々の機能を揃えています。
まとめ
今回は、さくらのマネージドサーバとKinstaのWordPress専用マネージドホスティングを比較しました。どちらもマネージドという名にふさわしく、要件の厳しい、通常よりも多くのリソースや管理を必要とするサイトにぴったりのソリューションとなっています。
初期費用の支払いに問題がない、古いバージョンのPHPを利用している、マルチサイトをサブディレクトリで運用する予定、といった状況では、さくらのマネージドサーバは検討に値する選択肢でしょう。一方で、コンテナ化技術の採用、無料でのCloudflare統合、初期費用なし、ワイルドカード対応SSL証明書などをお求めであれば、Kinstaが優れた選択肢です。
本ページの情報に関して、ご意見やご質問がございましたら、弊社営業部門([email protected])までメールをお送りいただくか、こちらのページよりお気軽にお問い合わせください。