エックスサーバーとKinstaの比較
エックスサーバーは、wpX SpeedというWordPress専用のホスティングプランを提供しています。Kinstaでは、Google Cloudのみを採用した、高性能なマネージドWordPressホスティングを提供しています。今回の記事では、同じWordPress特化型ホスティングプランを提供する、エックスサーバーのwpX SpeedとKinstaを詳しく比較していきます。
エックスサーバーの概要
日本市場で大きなシェア率を占めるエックスサーバーは、WordPressサイト向けに「wpX Speed」というホスティングサービスを提供しています。2019年に提供を開始し、次世代の接続インターフェース「NVMe」やオートスケール、無料のサイト移行、HTTP/2対応、自動バックアップなど、様々な機能があります。サイトの規模やアクセス数に応じて、柔軟に料金プランを選択できるのもメリットです。
WordPressサイトにベーシックなホスティングプランをお探しなら、wpX Speedは良い選択肢になります。なお、このサービスを提供するエックスサーバー自体は、WordPressに特化したホスティング会社ではなく、共用サーバーや専用サーバー等、さまざまな用途に合わせたレンタルサーバーを売りにしています。
エックスサーバーとKinstaの機能
エックスサーバーのwpX Speedについて触れたところで、本題であるwpXSeedとKinstaの主な機能を早速比較してみます。一目でわかるよう、表にまとめます。
Kinsta | エックスサーバー wpX Speed | |
---|---|---|
プラン価格 | 5,333円〜/月(35ドル〜) [2024.11.5時点] | 2.2円〜/時 (W1プランで上限1,320円〜/月) |
初期費用 | 無料 | 無料 |
初月無料 | ✓* | X |
返金保証 | 試用期間として全プランで30日間 (新規アカウントのみ) | なし |
プランの種類 | 22(+カスタムプラン) | 7 |
24時間年中無休のサポート | ✓ (ライブチャット、メール) | X |
コアインフラ | Google Cloud | 表記なし |
SSH接続 | ✓ | X |
グローバルデータセンター | 東京と大阪をはじめとする37箇所 (サイト毎に選択可能) | 日本国内のみ |
帯域幅制限 | 制限なし(AUP内) | プランにより異なる |
コンテナ技術 | 全プランで100%のリソース分離 | 表記なし |
サイト移行 | 無料 (専任エンジニアによる移行) | 無料 (プラグイン使用) |
ステージング環境 | ✓ | ✓ |
無料のDDoS対策 | ✓ | 表記なし |
PHPバージョン | PHP 7.4, 8.0, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4 | PHP 7.2, 7.3, 7.4, 8.0, 8.1, 8.2 |
無料のCDN | 260+以上のPoP(全地域) | X |
エッジキャッシュ | ✓ | 表記なし |
無料のプレミアムDNS | Amazon R53 | X |
無料のSSL証明書 | ✓ | ✓ |
稼働状況監視 | ✓(3分ごと) | X |
マルチサイト | シングル35kを除くすべてのプランで利用可 | サブディレクトリのみ可(サブドメインでは運用不可) |
無料APM | ✓ (Kinsta APM) | X |
IPジオロケーション | ✓ | X |
リバースプロキシ | ✓ | X |
Redis | ✓(有料アドオン) | X |
多言語対応 | 日本語、英語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語 | 日本語 |
エックスサーバーとKinstaの機能の解説
上記の表からもわかる通り、同じWordPressサイト向けのホスティングサービスとは言え、両者には様々な違いがあります。このセクションでは、サーバー選びの参考になるよう、特に大きく違いのある機能をもう少し掘り下げてみます。
- エックスサーバーは、日本国内のデータセンターを拠点としています(正確な場所の公表なし)。一方のKinstaは、世界各所に設置された37箇所の高性能データセンター(日本国内では東京と大阪の2拠点)を持ち、強力なグローバルプレゼンスを確立しています。
- Kinstaは30日間の返金保証をすべてのプランに提供しており、さらにシングル35kとWP 2プランは初月無料で利用できます。無料のサイト移行を利用すれば、一切お金をかけずにプランを試してみることができます。wpX Speedでは、試用期間および返金保証のどちらも提供されていないため、事前によく検討した上で利用するのが賢明です。
- wpX Speedには、24時間年中無休のメールサポートを提供しており、24時間以内に返信を受けることができます。また、平日10:00〜18:00の営業時間内であれば、電話でのお問い合わせも可能です(技術的な内容の問い合わせにはメールサポートが推奨されています)。Kinstaのカスタマーサポートは、WordPressに精通したエンジニアのみで構成され、24時間年中無休でライブチャットサポートを利用できます。平均応答時間は2分未満を記録しているため、緊急時にも待たされることなく、速やかに問題を解決することができます。
- wpX Speedには、無料のサイト移行サービスがあり、プラグインを使用して自動的に実行されます。Kinstaでもサイト移行サービスを無料提供しており、専任のサイト移行部門が互換性の確認を事前に行った上で、移管作業が実行されます。サイト数や種類に制限はありません。
- CDNを使用してコンテンツを高速配信するには、wpX Speedのプランを利用する場合は、別途外部サービスの契約が必要になります。Kinstaでは、すべてのプランに世界中に260+のPoP(東京を含む)を持つ高性能CDNが追加費用なしで付帯します。
- wpX Speedは、毎日のバックアップ機能を提供しています。Kinstaには、6種類のバックアップ機能(毎日、毎時、手動、システム生成、ダウンロード、Amazon S3またはGoogle Cloud Storageへの外部アップロード*)があります。
- wpX Speedで独自ドメインを追加する際には、いくつかのドメイン認証が必要です。Kinstaでは簡単かつ迅速に追加でき、WordPressのデータベースを更新するための検索と置換ツールもあります。
- Kinstaでは、セキュリティ保持誓約に基づき、対象サイトにおけるマルウェアのスキャンと除去を無料で行っています。wpX Speedのセキュリティ保証には、マルウェアのスキャンや除去などのサービスは含まれません。
- アプリケーションのパフォーマンス監視をお求めの場合、wpX Speedでは外部ツールを別途使用することになります。Kinstaでは、パフォーマンスの問題を素早くトラブルシューティングできるよう、独自のAPMアプリケーションパフォーマンス監視をすべてのお客様に無料提供しています。
* 外部アップロードは有料のアドオンを購入するとご利用いただけます。
Kinstaの高性能ホスティング
2013年創業に創業したKinstaは、WordPress専用マネージドホスティング、静的サイトホスティング、およびアプリケーション&データベースホスティングを提供しています。Google Cloud最速のC3DおよびC2仮想マシンを採用し、業界最高水準の速度、パフォーマンス、拡張性にこだわったインフラストラクチャが強みです。受賞歴を誇る高性能コントロールパネル「MyKinsta」や、世界37箇所のデータセンター、高性能CDN、エンジニアによる24時間年中無休体制のサポート、高度なセキュリティ保持誓約など、サイト運営の負担を軽減する数々の機能を追加料金なしでご利用いただけます。
また、Kinstaは堅牢なセキュリティ手順を確立し、長期にわたってこれに遵守していることを証明する、SOC2報告書の受領、およびISO認証の取得を行っています。Kinstaのセキュリティおよび信頼性の詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
同じWordPress特化型のホスティングプランを提供する、エックスサーバーのwpX SpeedとKinstaの機能を詳しく比較しました。WordPressサイト用にホスティングサービスをお探しの方は、サーバー選びの参考にしてみてください。
今後特に海外への事業展開の予定がなく、日本国内のユーザーにターゲットを絞って顧客を獲得したい場合、あるいは予算に限りがあり、費用を抑えながら高速なサーバーを利用したい場合には、wpX Speedが良い選択肢になりそうです。ただし、サイトを同社サーバーへ移行する際には、移行プラグインとの互換性を事前に確認しておくことをお勧めします。
世界を視野に入れたオンラインプレゼンスの確立、さらなるサイト速度とパフォーマンスの最適化、あるいはいつでもすぐに利用できる手厚い技術的なサポートをお求めの方は、サイト運営の負担を軽減する、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングをぜひご利用ください。
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