FlywheelとKinstaの比較
Flywheelは、マネージドWordPressホスティング界では古株であり、長年多くのユーザーにサービスを提供しています。手厚いサポートと高いパフォーマンスを求めている方には、良い選択肢となるかもしれません。
Flywheelの概要
Flywheelは、2012年に誕生した、最初のマネージドWordPressホスティング会社の1つ。WordPressサイト構築の負担を軽減すること、そしてサイト管理を効率化することを目的に、ウェブデザイナーやウェブ開発者を主なターゲットにホスティングサービスを提供しています。他社からの無料のサイト移行や、毎日の夜間バックアップ、ちょっとした編集に便利な本番サイトの複製機能、独自のローカル開発アプリなど、さまざまな機能が揃っています。Flywheelは、2019年6月にWP Engineによって買収されました。
24時間年中無休のカスタマーサポートや、Google Cloud Platformの採用など、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングとの共通点もあり、お客様からKinstaとFlywheelとの違いを尋ねられることもしばしば。そこで、こちらのページでは両者の違いに迫ります。ホスティングサービス選びの参考になりましたら幸いです。
FlywheelとKinstaの機能
それでは、早速本題。両者の機能をわかりやすい表で見てみましょう。
Kinsta | Flywheel | |
---|---|---|
プラン価格 | 35ドル〜/月(5,315.94円〜)[2024.4.9時点] 年払いで約29ドル〜/月*1 | 13ドル〜/月 |
返金保証 | 30日間(新規アカウントのみ) | 60日間(14日間の試用期間あり) |
プランの種類 | 10(+カスタムプラン) | 4(+カスタムプラン) |
24時間年中無休のサポート | ✓ (ライブチャット、メール) | ✓ |
無料のCloudflare統合 | ✓ | X |
コンテナ技術 | 全プランで100%のリソース分離 | 表記なし |
コアインフラ | Google Cloud Platform | Google Cloud Platform |
ネットワーク | GCPプレミアムティア | 表記なし |
グローバルデータセンター | 東京と大阪をはじめとする37箇所 (サイト毎に選択可能) | 5箇所 |
無料のCDN | ✓ (世界260+以上のPoP) | 表記なし |
内蔵エッジキャッシュ | ✓ | 表記なし |
サイト移行 | 無料 (専任エンジニアによる移行)*2 | 無料 |
無料のDDoS対策 | ✓ | X |
PHPバージョン | PHP 8.1, 8.2, 8.3 | PHP 7.4, 8.1 |
無料のCloudflareファイアウォール | ✓ | X |
無料のSSL証明書 | ✓ (Cloudflare─ワイルドカード対応) | ✓ (ワイルドカード非対応) |
無料のプレミアムDNS | ✓(Amazon R53) | X |
無料APM | ✓(Kinsta APM) | X |
マルチサイト | Proプラン(70ドル/月)以上で利用可 | Freelanceプラン(96ドル/月)以上で利用可 |
IPジオロケーション | ✓ | X |
リバースプロキシ | ✓ | X |
パフォーマンス分析 | 無料 | 有料(25ドル/月) |
Redis | ✓ | X |
New Relic | ✓(要ライセンス) | X |
多言語対応 | 日本語、英語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語 | 英語 |
FlywheelとKinstaの機能の解説
上記の表からも、両者の機能にはさまざまな違いがあることがわかります。以下、さらに掘り下げて違いをご紹介します。
- Kinstaでは、Googleのグローバルネットワーク上の37箇所のデータセンターを提供しており、日本には東京と大阪の2箇所のデータセンターが利用可能です。Flywheelは5箇所のデーターセンターを提供しており、日本をはじめとするアジアにデータセンターはありません。日本国内、またはアジアを中心に展開する企業サイトを運営している場合は、パフォーマンスの観点から、Kinstaを選ぶ方が得策です。
- Kinstaでは、すべてのプランと対応地域で、GCPの最速サーバーであるコンピューティング最適化VM(C2マシン)が使用されます(自社テストの結果、C2仮想マシンは、GCPの下位層のマシンに比べて最大200%高速)。FlywheelもGCPを使用していますが、インフラに関する具体的な情報は公開されていません。
- Kinstaは、訪問回数のみに基づいたシンプルな価格設定を用意しています。Flywheelでは、すべてのプランで総訪問数と帯域幅の制限が設定されているため、月々の費用の見積もりがやや難しい可能性があります。
- Kinstaでは、すべてのサイトでMySQL最適化が自動的に毎週実施され、データベースのパフォーマンスが常に最適化されます。これは、Flywheelにはない機能です。
- Kinstaには、何百もの顧客サイトを容易に管理でき、高い費用対効果を発揮する、代行業者向けエージェンシーパートナープログラムがあります。さらに、自社サイト分のホスティングが無料になるという特典も。Flywheelも2種類のエージェンシープログラムを提供しています。上位プランのみで自社サイトのホスティングが無料になります。
- Flywheelの最上位プラン(Agency)には、基本的なファイアウォールが付帯しています。Kinstaでは、すべてのプランでCloudflare統合によるエンタープライズレベルのファイアウォールとDDoS対策が付帯します。
- Kinstaのすべてのプランで、WordPressサイトのパフォーマンスの問題をデバッグするのに役立つ、独自のアプリケーションパフォーマンス監視ツール(Kinsta APM)を無料で利用できます。加えて、New Relicもサポート。Flywheelには、組み込みの無料APMツールはなく、New Relicのようなサードパーティツールのサポートもありません。
- 複数のサイトをお持ちの場合、Flywheelでは、すべてのサイトを1つのデータセンターでホスティングすることになりますが、Kinstaでは、各サイトごとに適切なデータセンターを選択することができます。
- Kinstaならではの特徴として、専用コントロールパネル「MyKinsta」から、データベースの検索と置換、APMツール、ジオロケーションIP、ionCube Loader、PHPエンジンなど、サイト管理に便利なさまざまな機能を使用することができます。
- Flywheelは、wp-config.phpファイルの変更を行うことができません。Kinstaでは、wp-config.phpをはじめとする重要なファイルへのアクセスが可能です。
- Flywheelには、大切なデータを保護する毎日の夜間バックアップ機能があります。Kinstaでは、毎日の自動バックアップに加えて、毎時(任意)、手動、システム生成、ダウンロード可能、およびAmazon S3やGoogle Cloud Storageに自動的に送信する外部バックアップ*の6種類を提供しています。
- Kinstaのカスタマーサポートは、経験豊富なエンジニアのみで構成されており、24時間年中無休で対応しています。また、平均応答時間は2分以下を記録しており、英語以外の多言語サポートも。Flywheelでも、24時間年中無休でカスタマーサポートを利用できます。ただし、英語のみでの対応になるため、英語でのやり取りに不安のある方には懸念点になりそうです。
* 外部アップロードは有料のアドオンを追加してご利用いただけます。
Kinstaの高性能ホスティング
2013年創業に創業したKinstaは、WordPress専用マネージドホスティング、静的サイトホスティング、およびアプリケーション&データベースホスティングを提供しています。Google Cloud Platform最速のC3DおよびC2仮想マシンを採用し、業界最高水準の速度、パフォーマンス、拡張性にこだわったインフラストラクチャが強みです。受賞歴を誇る高性能コントロールパネル「MyKinsta」や、世界37箇所のデータセンター、高性能CDN、エンジニアによる24時間年中無休のサポート体制、高度なセキュリティ保持誓約など、サイト運営の負担を軽減する数々の機能を追加料金なしでご利用いただけます。
また、Kinstaは堅牢なセキュリティ手順を確立し、長期にわたってこれに遵守していることを証明する、SOC2報告書を受領しています。Kinstaのセキュリティおよび信頼性の詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
世界を視野に入れたオンラインプレゼンスの確立や、さらなるサイト速度とパフォーマンスの最適化、あるいは年中無休の手厚い技術的なサポートを求めている方は、サイト運営の負担を軽減する、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングをぜひお試しください。無料のサイト移行サービスで、他社からの乗り換えも非常に簡単です。
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