不動産業を営んでいれば、「売約済」の文字はできる限り増やしたいもの。ウェブサイトをお持ちでない場合は、今すぐに立ち上げましょう。すでにサイトを運営している場合はサイトが美しく、情報が閲覧しやすく、なおかつ直感的であるかどうかを見直してみましょう。
不動産業界における最大の課題の一つは、多くの不動産エージェントが、不動産フランチャイズや関連会社経由で物件を販売していること。代表的な不動産フランチャイズには、アパマンショップやエイブルなどが挙げられます。不動産エージェントにとって、このような会社と提携することには多くのメリットがありますが、提携先のウェブサイトが必ずしも優れているとは限りません。
不動産フランチャイズと提携していても、独自にWordPressサイトを作成するのは良いアイデアです。自社サイトを立ち上げれば、デザインや機能を完全管理することができ、不動産プラグインを実装すれば売り上げにもつながります。プラグインは機能を拡張するもので、高度な物件一覧や住宅ローンのシミュレーション機能の実装、Zillow(米国の大手不動産情報サイト)との統合などを可能にしてくれます。
また、これからサイトを立ち上げる場合は、WordPressテーマも不動産業者向けのものを選択しましょう。すでにWordPressサイトをお持ちの場合は、適切な不動産プラグインを活用して、サイトを改善してみてください。
WordPressで優れた不動産サイトを作成するには
この記事に目を通している方の多くは、WordPressにあまり馴染みがないかもしれません。まずは、優れた不動産サイトを作成するために必要なステップを見ていきましょう。次のセクションでおすすめの不動産プラグインをご紹介しますが、インストールする不動産プラグインは1つ、または多くても2つでOKです。
その他に必要になるプラグインは、不動産と直接関係のないものになります。例えば、サイトの保護や高速化、マーケティングに便利なSNSでの共有を可能にする機能など。ただし、インストールするプラグインの数が多すぎるとパフォーマンスに影響が出るため、本当に必要な優れたものだけを厳選して使用してください。
WordPressを使って不動産サイトを立ち上げる大まかな手順は、以下のようになります。
- 不動産業者向けのWordPressテーマをインストールする
- マーケティングやSEOなど、WordPressサイトに必須の基本的なプラグインをインストールする
- 不動産プラグイン(次のセクション参照)をインストールし、テーマの改善や足りない機能の実装を行う
使用するWordPressテーマを決めた後は、以下のようなプラグインを導入しましょう。
- Yoast SEO:Google検索での表示順位を向上し、特定のキーワードに基づいてページや投稿を最適化できるSEOプラグイン。
- Easy Social Share:メールマーケティング、リストビルダー、SNS共有ボタンなど、マーケティング強化に欠かせないプラグイン。Kinstaも使用しいます。おすすめのSNSプラグインはこちらをご覧ください。
- Akismet:スパムのコメントとメッセージを区別し、アーカイブしてくれる優れもの。サイトをよりプロフェッショナルなものにし、手作業でスパムをふるいにかける手間も削減できる。
- All in One WP Security and Firewall:ブルートフォース攻撃からファイルへの不正アクセスまで、すべてをブロックしてくれるプラグイン。
上記で挙げたものは一例で、それぞれに優れた代替プラグインが数多くあります。各分野でのおすすめプラグインは、以下をご覧ください。
また、Kinstaを利用していれば、キャッシュは自動処理されるため、キャッシュ系プラグインの導入は不要です。プラグインなしでサイトのパフォーマンスを最適化できるのは大きなメリットです。
WordPressのおすすめ不動産プラグイン(2024年版)
それでは、ここからはおすすめの不動産プラグインをご紹介していきます。不動産プラグインは、家やマンションの販売、購入、賃貸に特化した機能を持っています。以下、気になるものがあれば、リンクをクリックすると詳細情報に移動することができます。
1. Estatik
Estatikは最も優れた不動産プラグインであり、物件一覧、多言語対応、フォトギャラリー、レスポンシブデザイン、スライドショー、SNS統合などの必要な機能が幅広く搭載されています。
Pro版は89ドルで、カスタマイズ可能なラベル、フロントエンドのサブスクリプション管理、高度な検索モジュールなど、さらに便利な機能を利用することができます。
このプラグインの魅力
- 有料版(一回限りの支払い)ではWordPressサイトを本格的な不動産プラットフォームに変換することができるため、投資する価値あり。
- 高度な地図表示機能が搭載されているため、地図プラグインが不要。
- 住宅ローンのシミュレーション機能
- PayPal統合(定期的に物件を掲載したい顧客向けのサブスクリプション管理が容易)
- 多言語対応
- 物件を効果的に紹介できるスライドショーウィジェット
- 質の高いカスタマーサポートの質
- MLS統合(有料版のみ)
デメリット
- 特にデメリットはなし。404エラーや一覧表示の画像エラーなどが起こっても、サポートチームがすぐに対応してくれる。
2. Real Estate Pro
Real Estate Proプラグインをおすすめしたい理由は、いくつかあります。まず第一に、インストール直後に設定、ページ、テンプレートがすべて構成されること。これは他のプラグインにはない画期的な機能です。一切手間をかけることなく、本格的なサイトを立ち上げることができます。
また、美しい画像ギャラリー付きの物件一覧モジュールも魅力。消費者はPayPalまたはStripe経由でサイトから物件を購入することができ、レスポンシブ対応でスマホやタブレットでの閲覧も快適です。
このプラグインの魅力
- MailChimp統合で、新規顧客のメールがデータベースに格納される。
- Visual Composerサポート
- サブスクリプション設定
- 物件の追加、申し込み、VIPステータスの販売、サイトへのアクセスなどを課金制にできる。
- 翻訳機能(13ヶ国語)
- ユーザーは検索結果上位を獲得するために入札することができる。不動産業者でなくても、リスティングサイトを運営可能。
デメリット
- 翻訳機能があるものの、その翻訳方法が明確化されていない。
- ヘルプコンテンツがあまり充実していない。
- MLSと連動していない。
3. WPL Real Estate
WPL Real Estateを使用すると、エージェントの一覧表示や、地図での物件表示、顧客向けの高度な検索などを実現することができます。このプラグインの強みは、少数のエージェントを抱える会社向けに設計されていること。エージェントの情報や写真を公開することで、買い手と売り手がより良い関係性を築くことができます。
デフォルトで互換性のあるテーマがいくつか付属しており、WordPressテーマであれば問題なく動作するはずです。基本的には、便利な機能を提供する無料プラグインではありますが、Pro版を購入して初めてその本領を発揮します。価格を確認するには、問い合わせが必要です。
なぜこのWordPressの不動産プラグインのロック
- MLSとの簡単統合
- 優れたカスタマーサポート
- 物件だけに限らず、エージェントの一覧表示や、高度な検索機能がある。
デメリット
- 多言語機能は有料版のみ。
- 住所の非公開や多通貨対応、詳細セクションの編集など、多くのカスタマイズ機能は無料版では使用できない。
4. Easy Property Listings
Easy Property Listingsは、フリーミアムビジネスモデルを採用し、プラグイン自体は無料で、必要に応じて拡張機能を購入することができます。例えば、Comparables(物件の比較)機能は47ドル程度で実装可能です。
このプラグインの統計では、ある一定の時間枠で何件の物件が掲載されか、何件売却されたかを確認することができます。またリスティングウィジェットを使えば、ブログフィードのサイドバーに物件を表示することも。
このプラグインの魅力
- 高度なカスタマイズ性は追求せず、物件一覧をサイト上で美しく見せることを目的としたシンプルなプラグイン。
- GenesisやHeadway、iThemes BuilderのようなWordPressフレームワークとの統合
- 100以上のテーマテンプレート
- 優れたカスタマーサポート
- 150以上のカスタムフィールド
- 開発者向けAPIドキュメント
デメリット
- スライダー、リスティングテンプレート、高度な地図機能などは、無料版では使用できない。
5. Essential Real Estate
Essential Real Estateは、無料で多くのプレミアム機能を使用することができるプラグインです。カスタマイズもが容易で、レイアウトや機能を上書きすることができます。グローバル決済、物件やエージェントの個別表示などにも対応しています。
不動産サイトを立ち上げるのに必要な機能がすべて揃っており、WordPressリポジトリでも高評価を受けています。その機能は、カスタム投稿タイプ、物件、エージェント、パッケージ、ユーザーパッケージのタクソノミー機能、請求書、取引ログまで。新規物件の追加、編集など、あらゆることを実行できます。
このプラグインの魅力
- 全体の属性の追加、編集が容易(都道府県、ステータス、エリア、価格など)
- とにかく多機能
- フロントエンドとバックエンドの両方から物件を登録できる。
- SEOを考慮したカスタム投稿タイプのスラッグ設定
デメリット
- 多機能のあまり、かえって使用しづらい可能性がある。
- 操作方法を習得するのに時間がかかる。
不動産サイトにおすすめのWordPressテーマ(おまけ)
今回のテーマはプラグインですが、関連して、おすすめの不動産サイト向けテーマも少しご紹介します。
1. WPCasa
WPCasaは、不動産会社のあらゆる要件を満たすために構築された、WordPressテーマフレームワーク。不動産業テーマとしておそらくもっとも有名です。柔軟性が高く、レスポンシブなフレームワークで、カスタマイズ機能も充実しています。
編集画面やテーマ設定はドラッグ&ドロップ式で、操作も簡単。レイアウトや背景、ヘッダー部分も編集することができます。WPCasaの洗練されたデザインの子テーマを使ったり、独自のテーマを作成したりすることで、他にはないユニークなサイトを構築可能です。
WPCasaのテーマと子テーマはすべて多言語対応。WordPressの管理画面で簡単に追加、編集することができます。さらに、テーマには3ヶ国語のカスタマーサポートと今後の更新も付帯し、サイト数に限りなくインストール可能です。
テーマを購入する前に、フロントエンドでデモを見ることができないのが難点ですが、代わりに7日間の無料トライアルでテストサイトを作成することができます。
2. AgentPress
AgentPressは、不動産会社向けの便利な機能が詰まったテーマです。
レイアウト、カスタム背景、ヘッダー、メニューの選択肢は複数あり、レスポンシブデザイン、長期的なカスタマーサポート、更新はもちろん、AgentPress ProとGenesisフレームワークも利用することができます。AgentPressの他にはない強みは、dsIDXpressプラグインと dsSearchAgentを組み合わせたスマートな一覧表示システム。インデックス可能なMLS一覧表示システム搭載で、SEOを強化することができます。
自社サイトに適した不動産プラグインを
WordPressの不動産プラグインは、今回ご紹介したものをすべてインストールする必要はありません。例えば、物件を一覧表示するためにEstatik、ローン情報を表示するためにWP Amortization Calculatorというように、2つのプラグインを組み合わせる手はありますが、物件の一覧表示という1つの機能のために2つ以上のプラグインを実装することは避けましょう。ユーザーレビューにも目を通して、自社に適したものを試してみてください。
不動産プラグインを選んだら、あとはセキュリティ、SEO、SNSなど、必要なWordPressプラグイン(冒頭で取り上げた基本的なプラグイン)をインストールすればOKです。今回ご紹介したWordPressの不動産プラグインについて何かご意見やご質問がありましたら、以下のコメント欄でぜひお聞かせください。
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