Vue.js(Vueとも)は、ユーザーインターフェースを構築できるオープンソースのJavaScriptフレームワークです。プログレッシブでアクセスしやすく、適応性とパフォーマンスに優れています。
Vueは、今日最も人気のあるフロントエンドフレームワークの1つで、Vueアプリケーションの開発を効率化するサードパーティのライブラリやツールなど、優れたエコシステムを持っています。今回は、Vueプロジェクトで活用したいおすすめVueコンポーネントライブラリを10種類ご紹介します。
Vueコンポーネントライブラリとは
Vueアプリケーションの特徴の1つは、コンポーネント(マークアップ、スタイル、ロジックがバンドルされた自己完結型のモジュール)で構築されること。
Vueコンポーネントライブラリは、Vueアプリケーションのための再利用可能なビルディングブロックを定義したもので、プロジェクトに簡単に統合可能な基本コンポーネント(ボタン、フォーム、入力、カードなど)を提供してくれます。
コンポーネントライブラリを活用することで、アプリ内で一貫したUIエクスペリエンスを確保できるとともに、コンポーネントの構築と保守管理が簡素化されます。
Vueコンポーネントライブラリとフレームワークの違い
これからご紹介するライブラリの中には、ライブラリというよりはフレームワークと見なされるものも含まれます。一見些細ですが、ライブラリとフレームワークには重要な違いがあります。
まず基本的に、フレームワークはコンポーネントライブラリよりもはるかに大きくなります。また、UIフレームワークとコンポーネントライブラリは、Vueコンポーネントを提供するという共通点がありますが、フレームワークは、Vueアプリケーションに独自の構造を強いることがあります。一方、コンポーネントライブラリにはそのような制約はなく、コンポーネントを個別に使用できます。
おすすめVueコンポーネントライブラリ(およびフレームワーク)
優れたVueコンポーネントライブラリを厳選するにあたって、以下の条件を考慮しています。
- メンテナンスされ、継続的に更新されている
- 複数の異なるコンポーネントがあり、様々な用途に役立つ
- 具体的な例を用いてわかりやすく有益なドキュメントがある
- Vue開発者の間で評価されている
他にも、パフォーマンス、使いやすさ、カスタマイズ性などにも注目しています。
それでは、早速見ていきましょう。
1. Bootstrap Vue
Bootstrap Vueは、BootstrapフロントエンドツールキットのVue実装であり、レスポンシブでモバイルファーストなサイトを構築するのに定評のあるUIフレームワークです。85のコンポーネント、45以上のプラグイン、1,200以上のアイコンが揃っています。
Bootstrap Vue最大の特徴の一つは、Webpackのようなモジュールバンドラーによるツリーシェイクサポート。ツリーシェイクとは、アプリケーションから未使用のコードを排除し、アプリケーションのサイズを縮小して、パフォーマンスを向上させる機能です。Bootstrap Vueでは、必要なコンポーネントだけをインポートすることでこれを実現します。
2. Vuetify
コンポーネントライブラリのVuetifyは、Vueアプリケーション用のマテリアルデザインコンポーネント(MDC)を提供します。Googleは、異なるプラットフォームやデバイス間で一貫したユーザー体験を提供するためのデザイン言語として、Material Designを開発しています。
Vuetifyには、インポートして使用できる幅広いコンポーネントと、それをサポートするツールの大規模なエコシステムがあります。ツール群には、FigmaのUIコンポーネントキットや、VuetifyをインストールしたVueプロジェクトを素早くスキャフォールディングできるコマンドラインツールなどが挙げられます。また、大規模で活動的なDiscordコミュニティもあり、リソースとサポートも充実しています。
3. Vue Material
Vue Materialは、Material Designコンポーネントを提供するコンポーネントライブラリです。
Vue Materialのテーマを使用することで、コンポーネントの色やタイポグラフィを、デザインに合わせて簡単にカスタマイズすることができます。
4. Quasar
フレームワークであるQuasarは、フォーム、テーブル、ダイアログなどを含む、幅広いUIコンポーネントを揃えています。
Quasarには、コマンドラインインターフェース、自動テスト機能、大規模かつ活発なコミュニティ、高パフォーマンスなコンポーネントなど、さまざまなメリットがあります。
また、クロスプラットフォーム対応も大きな利点です。一度コードを書けば、サイト、モバイルアプリ、あるいはElectronデスクトップアプリとして、すべて同じコードベースからデプロイすることができます。この特長により、アプリケーションのクロスプラットフォーム開発とデプロイが容易になります。
5. Buefy
Buefyは、Bulma CSSフレームワーク上に構築された軽量のVueコンポーネントライブラリです。Vueとシームレスに動作するように設計されたフォーム、ボタン、モーダルなどのコンポーネントがあります。
Buefyは、VueとBulma以外のツールに依存しないため、驚くほど軽量です。ウェブアプリケーションにクリーンで洗練された美しさを求めつつ、高いパフォーマンスも維持したい場合には、うってつけの選択肢です。
Buefyの欠点として、現時点でVueの最新バージョンであるVue 3+がサポートされていません。Vue 3アプリケーションを開発する場合、または近い将来Vue 3に移行する予定がある場合は、他のコンポーネントライブラリを使用する方が良さそうです。
6. Vant
人気のVue.jsコンポーネントライブラリVantは、レスポンシブでパフォーマンスの高いモバイルウェブアプリケーションのための、モバイルファーストコンポーネントおよび機能を提供します。
Vant には便利な機能と利点が多数ありますが、コンポーネントがモバイル端末とタッチインタラクションに焦点を当てて設計されている点は、特筆に値します。モバイル端末上でシームレスなユーザー体験を実現するウェブアプリケーションを簡単に構築することができます。
7. Element Plus
Element Plusは、Vue 3アプリケーション向けに豊富なUIコンポーネントを揃えており、人気のある選択肢です。Vue 2アプリケーション用に構築されたElement UIデスクトップライブラリの後続で、フォーム、テーブル、ボタン、モーダルなどのコンポーネントが含まれます。
Element PlusはVue 3と互換性があり、国際化、テーマ設定、ダークモード対応などの機能を備えています。
8. Ant Design Vue
Ant Design Vueは、UIコンポーネントとデザインリソースを提供するフレームワーク。React用の人気のUIライブラリであるAnt Design上に構築されており、フォーム、テーブル、モーダルなど、数々の堅牢なコンポーネントを揃えています。
Ant Design Vueの際立った特徴は、わかりやすい例を用いた詳細かつ包括的なドキュメント。また、カスタマイズ性にも優れ、アプリケーションの見栄えと操作感を特定の要件に合わせることができます。
9. Vuestic UI
多目的VueコンポーネントライブラリであるVuestic UIもまた、幅広いUIコンポーネントを揃えています。視覚的に魅力的なデザインと使いやすい機能が特徴で、おしゃれなウェブアプリケーションを構築したい場合にお勧めです。
Vue 3と互換性があり、国際化もサポートしています。アクセシビリティが重視されており、例えばaria属性やキーボードナビゲーションに対応して、アクセシビリティに優れたユーザーインターフェイスを簡単に作成できます。
10. PrimeVue
PrimeVueは、堅牢なVue UIコンポーネントライブラリで、フォーム、データテーブル、チャート、オーバーレイなど、包括的なコンポーネントを提供してくれます。
PrimeVue最大の特長は、豊富なコンポーネント群にあり、その数はなんと90以上。さまざまな要件を満たす幅広い選択肢を持つことができます。また、PrimeVueコンポーネントで構築されたテンプレートを集めたPrimeBlocks(有料)もあり、アプリをゼロから構築する手間と費用を抑えたい場合に理想的です。
KinstaのアプリケーションホスティングでVueアプリをデプロイ
Kinstaのクラウドプラットフォームソリューションでは、Vueアプリケーションのデプロイと管理が簡単です。
アプリケーションホスティングおよびデータベースホスティングでは、フルスタックのVueアプリケーションを数分でデプロイすることができます。手順は、VueプロジェクトのコードのGitリポジトリに接続し、数回のクリックで設定を行うだけ。アプリを迅速に提供したい開発者向けに設計された、直感的な専用コントロールパネル「MyKinsta」ですべてを管理することができます。
まとめ
Vueには、Vueアプリケーションの開発を高速化するサードパーティのコンポーネントライブラリやツールの大規模なエコシステムがあります。今回ご紹介したライブラリは、どれも特定の要件を満たしてくれる優れものです。
例えば、Vantはモバイルファーストコンポーネント、Quasarはクロスプラットフォームコンポーネントを揃えています。またBuefyのように、他の選択肢よりも圧倒的に軽量なライブラリも。PrimeVueは、他よりも堅牢でツールが満載です。
コンポーネントライブラリ選びは、プロジェクトの要件と開発スタイルによって決まります。いずれにしても、プロジェクトの要件を満たしてくれるコンポーネントライブラリやフレームワークが必ず見つかるはずです。
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