コンテンツライティングにおいて、校正作業の優先順位は低くなりがちです。先延ばしにして、締め切り直前に急いで終わらせるなんてこともあります。

校正は重要な作業であり、コンテンツライティングにおける重要なステップです。したがって、面倒くさがらずに十分な時間をとりましょう。自信作をか書き上げ、満を辞して公開した後、大きなミスに気が付くというのは避けたいものです。

以下、記事の校正作業に役立つヒントをご紹介します。

1. 午前中に校正を終わらせる

早起きを推奨するわけではありませんが、どのようなスケジュールで仕事をしていても、校正は一日の早い時間、できれば午前中に行うようにしましょう。まだ疲れていないうちに校正を行うことで、より集中力を保つことができ、目も覚めます。疲れが溜まってきた頃に校正を始めると、ミスや誤字を見逃してしまいます。また、午後になるとカフェインが切れたり、お昼ご飯を食べて眠くなったりするものです。

もちろん、タイムスケジュールは人それぞれですが、いずれにしても脳が冴えている時間帯に校正作業を持ってくるようにしましょう。

2. 書きおえたら一度離れる

Academizedの校正者である、Madeline Jones氏は以下のように述べています(英語原文の日本語訳)。

文章を書きおえて、校正作業に映る準備ができたら、少し休憩を取ること。執筆モードの脳を少し休ませて、編集モードに切り替えることが大切です

ずっと同じ文章を見続けていたことにより、誤字や間違いを見落とす可能性が高くまります。数時間後、あるいは納期に余裕があれば数日後に、新鮮な目で見直すこと。書く側ではなく、読者として目の前にあるものを読むという姿勢に切り替えることで、俯瞰的に校正を行うことができます。1万字以上を超える長文コンテンツでは特に重要です。

3. 句読点に要注意

句読点、特に読点が適切に使用されていない場合は、読みづらくなったり、文章の見栄えが悪くなったりします。英文を書く場合には、ピリオド(.)やカンマ(,)に加えて、セミコロン(;)やコロン(:)などの正しい使い分けも重要になります。ちなみに、セミコロンは1つの文の中で密接に関連する2つの独立した節をつなぐために使用されます。

極端な例になりますが、以下のような読点の使い方は読みにくくなります。

私は、昨日、友達と、映画を、見に行きました。

以下のようにするのが妥当です。

私は昨日、友達と映画を見に行きました。

読点の正しい使用方法というのは明確には定義されていませんが、読みやすさを常に意識しましょう。読点を置く位置に迷ったら、声に出して文を読み、息継ぎが必要になる場所に置くと自然になります。

また英語で文章を書く、あるいは日本語の文章であってもタイトルを英語にする場合(これは稀でしょうが)、何を大文字にすればいいのか迷う方も少なくないはず。タイトルにおける大文字/小文字の用法については、シカゴ、APA、MLA、APの4つのスタイルがありますが、大切なのは、1つのスタイルを選んで記事全体で統一することです。Capitalize My Titleのような無料ツールをブックマークしておくと便利です。

タイトルの単語を大文字に変更
タイトルの単語を大文字に変更

句読点を正しく使用することで、文章の質がぐっと向上します。

4. 指やカーソルでテキストを追う

効果的な校正に重要なのは、急がずにゆっくりと読むこと。これは意外と簡単ではありません。実践できることとしては、人差し指で文字を追いながら、あるいはマウスを使ってカーソルでテキストを選択しながら読むこと。これにより、各文により集中することができます。

自分の書いた文章は、ついつい流し読みしてしまうものです。意識してゆっくりと読むことで、コンテンツの質を高めることができます。

5. 気が散るものを排除して集中力を保つ

AustralianHelpの編集者、Yolanda Fite氏は以下のように述べています(英語原文の日本語訳)。

校正は気が散らない静かな場所で行いましょう。スマホの電源を切り、SNSから離れて、テレビは消すこと。邪魔されることのない環境を作り上げることが大切です

時にはインターネットを遮断してパソコンを閉じ、ドキュメントを印刷してペンで編集するのが答えかもしれません。執筆後にそのまま流れで編集を始めるのではなく、編集する時間を事前にスケジュールしておくのも良い考えです。書きながら編集をすると、執筆モードと編集モードを常に切り替えなければならず、集中力の欠如、結果としてミスの見落としにつながります。

また、校正作業中に集中が切れてしまった際に、集中力を取り戻す方法を知っておくことも重要です。注意力散漫では、適切な校正は行えません。作業中は自分自身の状態にも気をかけ、集中できていないことに気がついたら、再確認を行いましょう。

たとえば、文節ごとに足や手でリズムを取りながら読むと、集中力を保てるかもしれません。あるいは、時々立ち上がってストレッチをし、新鮮な空気を吸って、数分後にデスクに戻るのも効果的です。最後まで一気に進めたいという気持ちがあるかもしれませんが、疲れていたり気が散ったりしているときに校正を行うと、せっかくの作業も有意義でなくなってしまう可能性があります。

書きながらメモを取ることで、気が散って流れや思考を見失わないようにすることもできます。後で戻ってメモを見ながら修正する方が効率的かもしれません。

6. 素材の使用許可を得る

尊敬する人物の知識や引用を取り入れることで、より有益な記事を書くことができるかもしれませんが、使用許可を取ることをお忘れなく。言うまでもありませんが、盗用は御法度です。他人の素材を使用する場合は、原作者として引用するか、不確かな場合は許可を得てください。

7. 自分の弱点を把握する

繰り返しやすいミスやパターンを理解しておくことも重要です。どんなに経験豊富なライターでも、特定のミスや誤字の傾向はあるものです。執筆と校正を繰り返しながら、自分の作業を分析し、校正を行う際に注意できるように弱点を特定しましょう。

よくあるミスをリスト化して、校正の際に手元に置いておくと効果的です。このようなリストを作成しておけば、インターネットで調べる手間も省けます。Google KeepEvernoteを使用するのがおすすめです。

8. 他の人に読んでもらう

可能であれば、友人や同僚、家族に記事を読んでもらうというのも効果的です。新鮮な目を通して、自分では気づけなかったミスや矛盾点を発見する可能性は大いにあります。テーマをよく知らない人に読んでもらうことで、矛盾点やさらに説明が必要な箇所を発見しやすくなります。取り上げるテーマに馴染みのない人にお願いすることで、一般の読者にとってよりわかりやすい記事になるようなフィードバックを得られるはずです。

9. 声に出して読む

PaperFellowsのライター、Cornelia Jefferson氏は以下のように助言しています(英語原文の日本語訳)。

書いた文章は黙読するのではなく、声に出して読んでみてください。声に出して読むことで、流れが悪かったり、全体的に読みにくい箇所を見つけることができます。文が長くなり過ぎていないかどうかも判断できます

黙読するだけでは、この手の改善点を見つけにくく、声に出して読むことで、何かが適切でないかよりわかりやすくなります。また、音読することで読者の立場に近づくことができ、よりわかりやすく魅力的な文章が書けるようになります。

10. フォントを変える

ちょっとしたテクニックですが、フォントを変えることも効果的です。編集する前にフォントを変えてみたり、記事を印刷してみたりしてみてください。何時間も執筆していると、使用しているフォントに目が慣れてしまいます。少しでも新鮮な目で文章を客観的に読めるよう、フォントを変えてみましょう。あるいは、余白を変えてみるのもありです。文章の見栄えが変わることで、新しいコンテンツとしてアプローチできるようになります。見慣れた文章は、無意識に細かな箇所を読み飛ばしてしまいがちです。

WordPressサイトで投稿を書いている場合は、エディターから離れて別のツールを使用してみるのも効果的です。MacOSであれば、美しいフォントで知られるBearアプリがおすすめです(WordPressのフォントに関する詳細はこちら)。マークダウンやHTMLなどにもエクスポートできるため、WordPressへの移行も簡単です。クラシックエディターで執筆している場合は、Gutenbergを使ってみるのも手です。

Bearアプリ(画像出典:Bear)
Bearアプリ(画像出典:Bear)

11. 助詞は入念にチェックする

「〜を」や「〜が」は助詞と呼ばれ、何かの位置、何かが起こった時間、場所などを表現するさいに言葉と言葉をつなぐ存在です。例えば、紛らわしい助詞に「〜たり」があります。この助詞は連続して使用することがルールであり、「週末は買い物に行ったり友達をご飯を食べた」というのは、厳密には間違いです。これは、「週末は買い物に行ったり友達とご飯を食べたりした」とするのが正解で、「〜たりは」連続して使用するのが正しいとされています。助詞を正しく使用しているかどうかを細かく確認し、迷った時には調べるようにしましょう。

12. 段階的に校正する

ミスの見逃しを防ぐ方法として、一気にすべてを校正するのではなく、段階的に校正することができます。まずは誤字だけに集中して校正を進め、次に文章の流れ、次に句読点、次に文法といった具合です。一度に1つのエラーに集中することで、正確さが格段に高まります。ただし、この方法には時間がかかるため、時間には余裕を持って行いましょう。

英文であれば、Grammarlyのようなツールを使えば、よくあるミスや綴りの誤りを見つけやすくなります。

Grammarlyの例
Grammarlyの例

Grammarlyに加えておすすめしたいのは、Hemingway Editorです。長くて複雑な文章やよくあるミスを強調表示してくれます。

Hemingway Editor
Hemingway Editor

13. 短縮形に注意(英文)

同じ発音だが意味がまったく異なる「they’re」と「their」、または「your」と「you’re」などのミスには要注意です。一見明らかな違いですが、一日に何時間もタイピングしていると、このようなミスも起こりがちです。

14. 後ろから読んでみる

少し変わった方法として、投稿を逆から読んでみるという方法もあります。後ろから読んでいくと、流れがなくなり各文に集中できることができるため、内容に気を取られることなく、誤字や文法のミスを見つけやすくなります。この方法も時間がかかるため、校正に十分な時間を確保できるよう、余裕を持って文章を仕上げるようにしてください。

15. オンラインリソースを活用する

校正はライターにとって必須のスキルです。校正に苦労するのはよくあることですが、スキルを磨くために使えるリソースは多数あります。英語の読み物に抵抗がない方は、以下のリソースを利用してみてください。

  • StateofWritingMyWritingWay
    • 執筆プロセスの整理と管理が簡単になるヒントが紹介されています。ライティングにはいくつものステップがあり、それらをこなしていくことが、優れた文章を書くための鍵となります。
  • EssayrooBigAssignments
    • 校正はしばしば後回しにされ、最後に急いで終わらせる作業になりがちですが、校正はライティングプロセスで最も重要なステップと言っても過言ではありません。予算に余裕があれば、Reviewealが推奨するこれらの校正サービスを通じてプロに校正を依頼するというのも手です。
  • ViaWritingStudyDemic
    • どれほど優秀なライターであっても細かな文法には悩まされるもの。これらのリソースは、文章を適切に構成し、コンテンツの質を高めるのに役立ちます。
  • BoomessaysUKWritings
    • ライティングのヒントを紹介するSimple GradのBoomessaysレビューで支持されているこれらの校正リソースを活用することで、記事に誤字や脱字を減らすことができます。すれほど有益で優れた記事を書いても、誤字や誤りがあれば信用を失いかねません。英語で記事を書く場合は特に、これらのリソースを活用してコンテンツの技術的な質も高めましょう。
  • WritingPopulistLetsGoandLearn
    • ライティングスキルを磨くベストな方法の一つは、同業者の動向を観察すること。これらの校正ブログには、校正に関する情報やライターの経験が満載です。同業者の失敗から学び、校正プロセスの改善に役立てましょう。

16. 見出し、タイトル、リストも忘れずに校正する

見出し、タイトル、リストの校正は意外と見落としがちです。校正ステップの一つとして取り入れることで、校正漏れを防ぐことができるかもしれません。見出しやタイトルは特に目を引く文章であるため、もし誤字があれば読者はすぐに気がつきます。記事で紹介しているリストにも目を通し、数字が正しい順序で並んでいるか、欠番がないかも忘れずに確認しましょう。

17. 直前の変更を再確認する

校正の段階で、コンテンツをわかりやすくするために、文をいくつか追加しなくてはならないと気がつくとします。この場合は、該当の段落の頭に戻って読み直し、流れが自然であるか、重複がないかなどを確認してください。校正中にテキストを追加した後、前後のテキストや文脈の調整を忘れてしまうことはよくあります。

18. 事実、名前、場所を再確認する

当然ながら、事実を正しく伝えることが重要です。これには文法チェッカーのようなツールは役に立たず、自分で事実確認を行う必要があります。投稿で言及した地名や人名が正しいかどうか、再確認することも大事なステップです。また統計データを引用している場合も、適切であるかどうかをチェックしましょう。

これを怠ると、せっかくの投稿が台無しになってしまう可能性があります。簡単な事実確認は、それほど時間を要するものではなく、ちょっとしたひと手間が信頼性に大きな違いを生むことになります。信頼できる質の高い情報源を持っていることを確認してください。

19. 最後に書式設定を確認する

最後に書式設定を確認しましょう。段落の間隔、箇条書き、リスト、テキストの折り返し、インデントなどがすべて正しくフォーマットされているかどうか確認してください。校正の過程でずれることもあるため、このステップは最後に残しておくのが得策です。書式は一貫性を保ち、見出しを太字にする場合は、すべての見出しを太字にしましょう。任意のスタイルを選択したら、それを徹底して守ることが重要です。

まとめ

校正は決して難しい作業ではありません。しっかりと時間を取り、いくつかのヒントを取り入れれば、プロフェッショナルに校正を行うことができます。自分の弱点を見つけて理解し、記事を書き終えたら、校正を始める前に一休み。また、句読点や助詞の使い方に注意を払いましょう。

文節ごとにゆっくり読むことを身につけ、人差し指でテキストを追いながら音読したり、コンテンツを後ろから読んだりするのも効果的です。自信作の質を最大限高めるため、公開前に十分な時間を確保して記事を推敲する習慣をつけましょう。自分に合った方法を見つけ、校正に時間をかける準備をしてみてください。