ウェブサーバーを提供したいが、サーバーインフラを自社で管理したくない場合、サーバーを自社ブランドで再販(ホワイトラベル化)する手があります。
この記事では、サーバーのホワイトラベル化とは何か、また自社でサーバーを管理するのと比較して、既存のサーバーをホワイトラベル化するメリットをご紹介します。
また、主にWeb制作会社やフリーランスに役立つKinstaのWordPress専用マネージドクラウドサーバーのホワイトラベル化についてもご説明します。
サーバーのホワイトラベル化とは?
ホワイトラベル化とは、他社が提供するサービスを自社ブランドとして提供し、クライアントに再販できる仕組みのことを指します。
サーバーをホワイトラベル化すれば、独自のサーバーインフラを構築することなく、クライアントにサーバーを提供することが可能です。
サーバーの再販方法は主に以下の2種類があります。
- 既存のサービスを自社ブランドとして提供する:Kinstaなどの既存のサーバーインフラを利用しながら、そのサービスを自社ブランドに見せて提供します。顧客からは独立したサーバーブランドとして見えますが、実際のサービス運用はすべて第三者のサーバーインフラに依存します。
- 顧客に直接サービスを販売する:Web制作会社やフリーランスの場合は、顧客に既存のサーバーをそのまま再販する方が簡単です。独立したサーバーを立ち上げることなく、顧客に独自のサーバーサービスを提供することができます。
WordPress制作会社がサーバーを自社ブランドで再販する利点
WordPress関連でクライアントと仕事をする場合、サーバーのホワイトラベル化には様々なメリットがあります。
独自のインフラが不要
サーバーをホワイトラベル化する最大のメリットの1つは、独自のインフラを構築する必要がない点にあります。
サーバーインフラの購入、最適化、セキュリティの確保は、複雑で多くの接続サービスを設定しなければなりません。たとえば、KinstaではグローバルCDN(コンテンツデリバリネットワーク)のエッジキャッシュ、ファイアウォール、数十のデータセンター、自動バックアップなどを提供しています。
インフラの構築に求められる専門知識が社内にあっても、実際に立ち上げるには膨大な時間を要します。
Kinstaなどの高性能サーバーをホワイトラベル化することで、この負担を回避し、すでに最適化されたインフラの恩恵を受けることができます。
サポートとメンテナンス業務を外注できる
インフラの外注に加えて、継続的に発生するサポートやメンテナンスといった業務も任せることができます。
そのため、ホワイトラベル化を利用すれば、自社のリソースをほとんど割かずにサーバーサービスを提供できます。顧客から料金を受け取るだけで、日々の運用タスクはサーバー提供元が対応してくれます。
ホワイトラベル化するサーバーの提供元が十分なサポートやメンテナンスを提供してくれない場合は、問題が生じた際には自社で責任を負わなければならなりません。したがって、自社の評価も高まる優れたサーバーをホワイトラベル化することが重要です。
Kinstaの迅速な応答時間、階層型なしのエンジニアによるサポート、および積極的な監視は、満足度の高い体験をクライアントに提供することを保証します。
利益を自由に調整できる
ホワイトラベルのサーバーを提供することで、利益率を自由に設定可能です。これはビジネスの収益性を高め、継続的な収益を確保する上で大きなメリットになります。
再販するサーバーの料金は自由に設定でき、多くのホワイトラベル可能なサーバーが提供している固定料金の月額プランと組み合わせれば、各顧客からどれだけ利益を得るかを完全に制御可能です。
Kinstaのホワイトラベル化
Kinstaのホワイトラベル化は、独自のブランドを構築しようとしているビジネスよりも、クライアントにサーバーを再販したいWeb制作会社やフリーランスに適しています。
以下、Kinstaのホワイトラベル化に関連する3つの主な領域についてご説明します。
Web制作会社向けプラン
Kinstaでは、クライアントサイトをホスティングしているWeb制作会社やフリーランスの要件を考慮し、WordPress制作会社向けプランをご用意しています。これはホスティングするクライアントサイト数を問わず、ビジネスに適したオプションを見つけるのに便利です。
また、Kinstaの専用コントロールパネルMyKinstaでは、抱えるクライアントサイトが増えても簡単に管理することができます。
フィルタリング可能なラベルで顧客のサイトを整理し、名前でサイトを検索し、チームメンバーのアクセス権を管理し、便利ツールで効率的に管理可能です。
また追加特典として、自社サイトの無料ホスティング、Kinstaエージェンシーディレクトリへの掲載などもあります。
WordPress管理画面のホワイトラベル化
Kinstaでサイトをホスティングすると、WordPress管理画面にKinsta独自の機能が自動的に追加されます。これにより、ユーザーはWordPress管理画面から直接キャッシュ動作を制御できるようになります。
デフォルトでは、「Kinsta Cache」という項目、そして「Kinstaをご利用いただきありがとうございます」というフッターテキストが追加されます。
以下は、ホワイトラベル化前のデフォルトのWordPress管理画面です。

クライアントサイトにKinstaのブランディングを表示したくない場合、ホワイトラベル化すると、上記の2点と「お困りですか?」のセクションが非表示になります。
以下は、ホワイトラベル化後の見え方の例です。

コントロールパネルのきめ細かなアクセス制御
ホワイトラベル化したサーバーをクライアントに再販する際、多くの場合、顧客はサーバーのコントロールパネルにアクセスする必要はありませんが、アクセスが必要になる状況も考えられます。
現時点で、MyKinstaをホワイトラベル化することはできませんが、きめ細かなアクセス制御により、各クライアントがアクセスできる範囲を柔軟に管理することができます。
たとえば、クライアントにサイトへのアクセス権のみを付与し、他の顧客のサイトは一切表示させないといったことが可能です。必要に応じて、クライアントのアクセス権をさらに制限し、本番サイトではなく、ステージングサイトへのアクセスのみを許可することもできます。

まとめ
サーバーをホワイトラベル化することで、自社でサーバーインフラを持たなくても、クライアントにサーバーを再販することができます。独自のブランドを立ち上げることもできますが、Web制作会社やフリーランスには、既存のサーバーサービスを再販するというより手軽な方法もあります。
Kinstaを利用すれば、インフラ・サポート・最適化などの運用部分は丸投げし、クライアントに最高クラスのサーバーを提供することができます。
KinstaにはWeb制作会社向けのプランがあるだけでなく、WordPress管理画面をホワイトラベル化し、クライアントに合わせた独自の管理体験を作ることも可能です。
また現時点では、MyKinstaのホワイトラベル化はできませんが、必要に応じてクライアントにアクセス権を付与し、権限をきめ細かく設定可能です。
サーバーの再販方法を模索中の方は、ぜひKinstaのWeb制作会社向けプランをお試しください。