今年も毎年恒例の2025年振り返りとして、昨年1年のKinstaの取り組みと、今後の展望をご紹介します。

WordPressサイトを運用する多くの企業と同じく、2025年はこれまで以上に要件が複雑になり、求められる水準も高まった一年でした。サイトのダウンや不安定さに対する許容度はますます低くなり、より確実な運用が求められる状況が続きました。そうした中でもKinstaは、お客様がストレスなく高速で安定したサイト運用を続けられるよう、サポートと改善に注力してきました。

また2025年は、その取り組みをさらに強化するため、体制面での変化もありました。サポートエンジニアとして入社し、その後約10年にわたりKinstaを支えてきたJon PenlandがCEOに就任。さらにMatt ReidがCMOとして加わり、Kinstaの次の成長フェーズを推進しています。

2025年のカスタマーストーリー

2025年は、単に「サイトを動かすためのもの」にとどまらず、より高速に動き、成長にも自信をもって対応でき、インフラ管理に煩わされることなく成果に集中するための基盤として、多くのお客様に活用されていることを実感した一年でした。

たとえば、Kinstaを利用する制作会社、EUX DigitalとStraight Out Digital(Sod)は、いずれも数十のWordPressサイトを運用しており、なかでもSodは数百ものサイトを抱えていました。Kinstaへの移行後、サーバー管理にかかるチームの負担が大きく軽減され、ステージング環境の活用やデプロイ作業も、よりシンプルかつスムーズに進められるように。さらに、手作業が中心だった運用から自動化を取り入れた効率的な体制へと切り替えることができたといいます。

また、EQ Appliedは、急激なトラフィック増加が課題でしたが、Kinstaを利用することで、注目が集まるタイミングでもサイトの安定稼働を維持でき、問題が発生した際にはサポートに即時相談。プラットフォーム側もパフォーマンスを落とすことなく、突然のアクセス増にしっかり対応することができました。こうした安定性が結果として継続的な成長につながり、オンライン講座やメンバーシップによる収益は15万ドルを超えています。

Kinstaに関するお客様の声(EQ Applied創設者・Justin Bariso氏)
Kinstaに関するお客様の声(EQ Applied創設者・Justin Bariso氏)

その他のお客様の導入事例はこちらでご覧いただけます。

2025年の製品アップデート

2025年は23件の更新履歴を公開しています。これは会社全体、特にエンジニアと開発チームによる努力を示しています。

以下、代表的な5つのアップデートをご紹介します。

帯域幅ベース料金体系の導入

2025年の最も重要なアップデートのひとつは、従来の訪問数ベースのプランに加えて、帯域幅ベースの料金体系を導入したことです。単一の指標に縛られることなく、サイトの実際の挙動を最も反映したモデルを選択できるようになりました。

Kinstaの料金プラン一例
Kinstaの料金プラン一例

これに伴い、MyKinstaの分析機能もより柔軟になっています。分析データをCSVファイルとしてエクスポートできるようになり、帯域幅、訪問数、キャッシュ、パフォーマンスデータをMyKinsta外で簡単に確認できるようになりました。

サイトのパフォーマンス指標が表示される分析画面
サイトのパフォーマンス指標が表示される分析画面

日常業務におけるMyKinstaのちょっとした摩擦を解消

お客様が毎日使用するツールの摩擦を減らすことにも焦点を当てました。MyKinstaのナビゲーションは、一般的な操作を実行しやすくなるように改善し、データベースへのアクセスは、ワンクリックのphpMyAdminログインを導入することで簡素化しています。

MyKinstaからワンクリックでphpMyAdminにアクセス
MyKinstaからワンクリックでphpMyAdminにアクセス

また、複数のWordPressサイトを横断したデプロイにより、異なるWordPressサイト間で環境を反映することができるように。複数のサイトを扱う場合に特に便利で、手作業による移行や外部ツールに頼ることなく、より高度なワークフローを確立できます。

KinstaでWordPress環境を本番環境に反映
KinstaでWordPress環境を本番環境に反映

デフォルトの強力なセキュリティとアクセス制御

アカウントレベルのセキュリティも強化しました。MyKinstaのログインに2要素認証を義務化し、試行に複数回失敗するとアカウントがロックされるようになりました。加えて、一元的にアクセスを管理する組織向けに、SAMLシングルサインオン(SSO)も導入しています。

Kinstaのシングルサインオン(SSO)
Kinstaのシングルサインオン(SSO)

アクセス制御もより柔軟になっています。認証情報を共有する必要はなく、スコープされた権限を持つ追加のSFTPユーザーを作成することで、アクセスを厳密に管理しながら、チームや制作会社、請負業者との共同作業をスムーズに進められます。

新規STFPユーザーの追加
新規STFPユーザーの追加

多数のサイトを扱うチームのための運用自動化

Kinsta APIは、さらに自動化重視のワークフローをサポートするため、年間を通して拡張しています。改良されたエンドポイントにより、分析データへのアクセスSSHとSFTPアクセスの管理サイトのリセットDNSレコードの更新WP-CLIコマンドの実行を自動化できるようになりました。

このアップデートは、制作会社や開発者、そして多くのサイトを管理する企業を対象としており、再現可能なワークフローによって手作業を減らし、チームが自信をもって、よりスピーディーに作業を進められるようにするものです。

パフォーマンスと設定の改善

パフォーマンスチューニングも引き続き改善を加えています。PHP 8.5が利用可能になり、PHPパフォーマンスアドオンが導入されたことで、実際の使用状況に基づいてPHPリソースをきめ細かに制御できるようになりました。

パフォーマンス最適化に役立つPHPパフォーマンスアドオン
パフォーマンス最適化に役立つPHPパフォーマンスアドオン

新機能の導入など、Kinstaの最新情報にご興味がありましたら、機能アップデートのお知らせをご購読ください。MyKinstaにログイン後、「ユーザー設定」>「通知」に移動し、「機能アップデートのお知らせ(ニュースレター)」セクションで「購読する」をクリックすると、購読することができます。リリース情報、インフラのアップデート、プラットフォーム全体の改善点などのまとめを毎月お届けします。

比類のない24時間365日のサポート体制

2025年も変わらずサポートに力を入れています。年間を通じて、Kinstaのサポートチームは13万3,784件の会話を行ました(前年比で1万8,957件増)。

2025年のKinstaサポート会話統計
2025年のKinstaサポート会話統計

このうち、140万件以上の返信が送信され、13万4,374件の会話が完了しています。これは、顧客基盤の拡大に加え、やりとりを急がせるのではなく、問題を最後まで丁寧に解決することを引き続き重視している姿勢を反映しています。

また、応答時間も全体的に改善しています。初回応答時間の中央値は50秒となり、社内目標である1分30秒を大きく下回る結果となりました。

初回応答時間の中央値
初回応答時間の中央値

会話を終えるまでの時間の中央値は36分11秒と、目標の45分を大幅に上回っています。

商談成立までの時間の中央値
商談成立までの時間の中央値

顧客満足度は年間を通じて一貫して高い水準を維持できています。2025年、サポート会話に対する満足度は97.3%で、社内目標の97%を上回りました。

Kinstaの顧客満足度
Kinstaの顧客満足度

日々のトラブルシューティングにとどまらず、サイト移行部門は1万2,000件以上のサイトをKinstaに移行しました。マルウェア&不正使用部門は、1年間に3,598件のサポート会話を処理し、マルウェアのクリーンアップ、スパムインシデント、利用規約違反、およびDMCA関連の問題に対処し、お客様のサイトの安全性と運用の維持に貢献しています。

これらの結果は、お客様がプラットフォーム上でサイトの拡張や移行、運用を行う際に、迅速で心のこもったサポートを提供するために、チームが継続的に取り組んできた成果を反映しています。

今年のお客様の声

お客様からのフィードバックは、2025年におけるKinstaのパフォーマンスを示す、最も力強い指標のひとつでした。世界的レビューサイトG2.comでは、1,000件以上の検証済みレビューを獲得し、350以上のサーバーの中から、WordPress用サーバー部門で第1位の評価を維持しています(以下参照)。

G2 GridでのKinstaの評価
G2 GridでのKinstaの評価

1年を通して、KinstaはG2において、「ベストサポート」「優れた成果」「高評価プロダクト」「地域別トップ評価」「総合評価トップ」など、複数のカテゴリーでバッジを獲得しました。さらに2026年の初めには、「ユーザーから最も推薦された製品」「優れたユーザー導入体験」「高い顧客満足度を誇るリレーションシップ」などの評価も新たに加わっています。

KinstaのG2認定バッジ
KinstaのG2認定バッジ

これらの評価は、1つのサイトを運営する個人のお客様から、数十、あるいは数百のクライアントサイトを管理する制作会社まで、幅広いユーザーから寄せられた実際のフィードバックに基づいています。

多くのレビューでは、Kinstaを選ぶ主な理由として「信頼性」が挙げられており、安定した稼働率と高いパフォーマンスによって、インフラの問題ではなくビジネスの成長に集中できる点が評価されています。

たとえば、Micheal F氏のレビューでは、その信頼性に加え、サポートの質の高さにも言及されています。迅速な応答時間や深い技術的知識、そして経験豊富なエンジニアに直接相談できることが、問題発生時に大きな違いをもたらしたと評価いただいています。

Kinstaを信頼し、貴重な時間を割いて体験を共有してくださるすべてのお客様に感謝しています。G2.comTrustpilotでは、Kinstaに関するお客様からの口コミをご覧いただけます。日本国内ではITreviewもご覧いただけます。Kinstaをご利用でしたら、ITreviewでぜひご意見・ご感想をシェアしていただけますと幸いです。

コンテンツ、ドキュメント、教育

お客様が安心して学び、判断し、構築できるよう支援することにも注力しました。1年を通じて、ブログ、製品ページ、導入事例など、200以上のコンテンツを公開・更新しています。

また、2025年に大きく拡大したシリーズ『Kinsta Talks』を通じて、教育への取り組みも継続しました。お客様やパートナー、コミュニティメンバーが、Kinstaを使ってサイトを構築・拡張・管理する方法を共有するエピソードを76本公開しました(2024年のおよそ2倍)。

文書コンテンツや動画と並び、ドキュメントもユーザー体験の重要な要素を担っています。機能の理解やサイト管理はもちろん、利用を始めたばかりのお客様や、複雑な構成に取り組むケースにおいても、独自に問題を解決しやすくなるよう、ドキュメントの改善と拡充を続けてきました。

こうしたコンテンツを世界各地のお客様に届けるため、1,438件のコンテンツを、日本語をはじめとする複数の言語にローカライズしています。

これらすべての取り組みを通じて、Kinstaは、お客様がより良い判断を下し、長期にわたってサイトを最大限に活用できるよう、明確で価値あるリソースを提供することを目指しています。

コミュニティ、社員交流会、イベント

コミュニティは常にKinstaにとって重要な存在であり、2025年もその姿勢は変わりませんでした。1年を通して、WordCampをはじめ、業界カンファレンスや小規模なローカルミートアップに参加し、お客様やパートナー、そしてより広いWordPressおよびデジタルマーケティングコミュニティとのつながりを深めてきました。

WordCamp US、WordCamp Europe、WordCamp Asia、WordCamp Brisbaneなど、各地域を代表する主要なWordPressイベントではスポンサーとして参加したほか、ヨーロッパ、アメリカ、アジア太平洋地域で開催された数多くのWordCampにも足を運びました。

世界各地のWordCampに参加するKinstaメンバー

世界各地のWordCampに参加するKinstaメンバーWordCamp以外にも、より幅広い業界のイベントに参加しています。Kinstaは、BrightonSEO(英国およびサンディエゴ)、CloudFest、DMEXCO、Web Summit Lisbonなどのカンファレンス、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアで開催された複数のB2Bマーケティングおよびテクノロジーイベントに参加しました。

Kinstaが特に力を入れていたBrightonSEOとCloudFest
Kinstaが特に力を入れていたBrightonSEOとCloudFest

Ecommerce Berlin Expoでは、「ITインフラ/クラウドソリューション部門」で第3位を受賞し、プラットフォームの強さとその背後にある作業を反映した評価を受けました。

このような公的なイベントと並行して、2025年には社内の社員交流会が復活。分散型企業であるKinstaは、3つの大陸にまたがるメンバーが集まり、直接顔を合わせて時間を過ごすことで、関係を深め、日々の業務を超えたより強いつながりを築きました。

EMEA地域(欧州・中東・アフリカ地域)で開催されたKinstaの社員交流会
EMEA地域(欧州・中東・アフリカ地域)で開催されたKinstaの社員交流会

これらの交流会は、コラボレーションや共通の理解を深めること、そしてお互いをよりよく知ることに重点を置いており、チームの成長とともに、私たちがどのように協力しながら仕事を続けていくかを支える重要な要素となっています。

APAC(アジア太平洋)とAMER(米州)地域で開催されたKinstaの社員交流会
APAC(アジア太平洋)とAMER(米州)地域で開催されたKinstaの社員交流会

2026年の展望

Kinstaは、使いやすさを保ちながら、サイトやチーム、トラフィックの成長に対応できる、より管理しやすいプラットフォームを目指します。

2026年も引き続き、以下のような分野に重点的に取り組んでいきます。

  • 分析とレポート機能の改善により、サイトがリソースをどのように使用し、長期的にどのようなパフォーマンスを発揮しているかをより明確に把握可能に
  • MyKinstaにおける、ファイル管理やWordPress認証に関する改善を含む、より安全で便利なサイト管理
  • 自動化されたトラフィックがサイトへのアクセスやスケールを形成し続けていることから、AIとボットトラフィックの可視性と制御の向上
  • Kinsta API機能の拡張─自動化と既存のワークフローとの統合をサポートするエンドポイントの導入

これまでと同様、これらのアップデートは、ニーズの変化に合わせて実際の課題を解決することを重視しながら、段階的に提供していきます。

Joel Olawanle Kinsta

Kinstaでテクニカルエディターとして働くフロントエンド開発者。オープンソースをこよなく愛する講師でもあり、JavaScriptとそのフレームワークを中心に200件以上の技術記事を執筆している。