アジア太平洋地域(APAC)は、他の地域と比較して、経済的、技術的、そして人口的に独自の傾向を持つ、ユニークな地域経済を形成しています。APACには日本、オーストラリア、シンガポールなどの先進国に加え、インドやインドネシアなどの巨大な経済圏、急成長の可能性を秘めた小さな市場も含まれます。
APAC各国の経済規模や成長率は多様ですが、いくつかの共通する特徴があります。
まずは、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、すべての市場で経済活動の再構築が必要になった点。デジタル技術の波を受け、成長の機会を得ることができた企業が目立ちました。
クラウド市場を紐解く上でもう一つの重要な要素は、第四次産業革命(通称4IR)の台頭です。
IoT(モノのインターネット)、人工知能、機械学習、ロボット、3Dプリンターなどの4IRは、膨大な量のデータを処理・提供する能力と組み合わせて初めてその力を発揮することができます。クラウド技術は長期的な経済発展にまさに理想的なインフラです。
クラウド技術を導入した企業は、国や地方自治体による緊急施の制限にも速やかに対応し、費用の抑制やリソースの拡張を柔軟に行うことができるように。
またクラウド技術によって、以前は大企業が独占していた機能や性能を中小企業でも利用できるようになったことから、中小企業やスタートアップにも大きなビジネスチャンスが到来しています。ビジネス規模を問わず、あらゆる会社が無理のない投資で、最先端技術に対応する経験豊富で高い技術を持つエンジニアが常駐する最先端のデータセンターを利用することができます。
アジア太平洋地域のクラウド市場の状況をより良く理解するためには、人口構成にも注目する必要があります。世界経済フォーラム(WEF)では以下のように述べられています。
ASEANの新興国は若く、都市化が進んでおり、2030年にはフィリピンの平均年齢は29歳、インドネシアでは32歳になると推測されています。若い消費者はハイテクに精通しており、SNSで商品を見つけたり、オンラインショッピングを楽しんだりしながら、健康やサステナブルにも関心を寄せています。
2021年にEUで記録される平均年齢(44.1歳)と比較すると、予想される経済成長と社会発展において、この2つの国がいかに異なる特徴を持つかがわかります。
また同じWEFの調査では、2030年までにASEAN諸国の消費者は1億4千万人に達し、世界の16%を占めるとも言及されています。
このように、APAC市場においては、技術、経済、人口動態、規制の制約や動向に適応できる企業が有利になります。
柔軟でスケーラブルなインフラを持ち、動的で技術的に進んだ市場から生まれる需要に素早く的確に対応することが、ビジネス成功の鍵を握ります。
したがって、クラウドソリューションの導入はもはや必要不可欠と結論づけることができます。
アジア太平洋地域(APAC)におけるクラウドコンピューティングの導入状況
2019年に行われたボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によるAPACの6つの主要市場に関する調査によれば、APACのパブリッククラウド導入率は、北米とヨーロッパで記録された数値を上回り続けています。
本調査の対象となったオーストラリア、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国の6つの経済圏では、クラウドコンピューティング技術の採用によるいくつかの重要なメリットが報告されています。
1. 生産性の向上
クラウドの標準化された環境、拡張性のあるバックエンドシステムと機能によって、IT部門でシステム開発に役立つ実績あるツールを利用できるように。そしてITの効率化により、新規顧客開拓、コンテンツ開発、新製品の市場投入などの重要な業務をより高速かつ安価に実行することができる。加えて、Google Workspace(旧G Suite)やSlack、Chatworkなどの優れたコラボレーションツールによる管理とコミュニケーションの効率化、人工知能や機械学習などの高度なアプリケーションによって、組織全体の生産性を向上や、的確なインサイトの把握が可能になる。
2. 市場投入までの時間の短縮
パブリッククラウドによって、新しい製品やサービスを迅速に市場に投入することが可能になり、問題を素早く検出したり、修正が必要な際に即座に対応したりなど、「フェイルファスト」のアプローチをとることができる。
3. セキュリティとコンプライアンス環境の向上
AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどの超大型パブリッククラウドサービスは、それぞれサイバーセキュリティの更新に毎年数十億ドルを投資。これはほとんどの組織が投入できる金額、実現可能な能力をはるかに超えており、これこそがパブリッククラウドを利用する大きなメリットである。近年はより多くの企業がこの点を認識するようになってきている。
4. 新製品・サービスの立ち上げ
コンピューティングインフラによる新しい製品やサービスの導入、デジタル製品やサービスの国際化などのサポートは、多くの企業にとって大きなメリットに。
5. 顧客エンゲージメントとエクスペリエンスの向上
新たなデジタル機能やサービス、特にパブリッククラウドが提供するスケーラブルなインフラとコンピューティングリソースに支えられた、パーソナライゼーション推進するための高度なMLとAIツールの使用によって、顧客体験を向上することができる。
6. コスト削減
すべての企業がコスト削減を実現できるわけではなく、特に大企業の場合は最終的にハイブリットモデルを採用することで、組織の運営環境がより複雑化される。
このような企業がコスト削減を実現するには、単にデータの保存や計算のためにパブリッククラウドを利用するだけでなく、場合によってはアプリケーションを再設計するなど、アーキテクチャ全体を変革し、システムをパブリッククラウドに対応させる必要がある。IT管理機能をパブリッククラウドに統合すると、小規模かつ自律化されたIT部門がインフラの管理よりもメインの事業に注力できるようになり、コスト効率を高めることが可能になる。
BCGの調べによる市場におけるパブリッククラウドの導入は、2019年の米国や西ヨーロッパと比較するとまだ初期段階ではあるものの、成長率は圧倒的に高くなっています(APACは25%であるのに対して、米国や西ヨーロッパでは20%未満)。
クラウド技術が経済成長に与える影響には、目覚ましいものがあります。BCGによれば、クラウドの導入は2019年から2023年にかけてGDPに約4,500億ドル貢献すると予想され、調査対象となった6つの市場の経済発展に対する42万5,000人の直接または間接雇用を創出する可能性があります。
オーストラリア、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国が現在の導入率でパブリッククラウドの導入を継続した場合、2019年から2023年の間にこれら6ヶ国のGDPが約4,500億米ドルの増加することが期待されます。経済活性化の直接的な結果として、約42万5,000人の雇用が創出され、さらに二次的効果として120万人の雇用が生み出される可能性も。
もちろん、クラウドコンピューティング技術の普及に課題がないわけではありません。同じ調査では、パブリッククラウドソリューションの導入に際して、企業が直面する3つの課題が挙げられています。
- 製品としてのパブリッククラウドの理解に関する課題─データプライバシー機能への理解、複雑なマルチクラウド環境の管理、クラウドサービスの関係性への懸念、製品性能の理解など
- 社内組織に関する課題─特にデータ量が多い業種におけるレガシーデータの移行や統合方法、社員が変化を受け入れられるかどうかの懸念など
- 政策や規制の不明確さに関する課題
主要クラウドサービスの中でも、Google CloudがAPAC経済圏で主導的な役割を果たしています。続いて、Google CloudがAPACでどのような影響力を持つかどうかを見ていきます。
アジア太平洋地域(APAC)におけるGoogle Cloud
2020年のAnalysys Mason社による報告書では、以下のように述べられています。
クラウドサービスを含むオンラインコンテンツやサービスの需要増加に対応するため、Googleは世界的にネットワークインフラに大規模な投資を行っており、アジア太平洋地域(APAC)では2010年以降、20億米ドル以上を投資。また、同地域における国際帯域幅の3分の2をAPACの通信業者から購入し、すでに展開されている6つの海底ケーブルシステムにも出資しています。
GoogleのAPACへの投資は、すでに同地域の経済成長を支援しており、今後数年も継続されることが予想されます。これは、テクノロジーに直接関連する分野と、その他の分野や地域経済全体へと波及しています。
また、同報告書では以下のように推計されています。
Googleのネットワーク投資によって、2019年時点で110万人の雇用が創出され、2010年から2019年にかけてのGDPが総額4,300億米ドル増加している。
Googleの投資は、アジア太平洋諸国や他地域との接続に貢献しており、APACの企業や組織は、データ通信におけるレイテンシを減らし、可用性と安全性を高めています。
近年も投資を続けており、海底ケーブルPLCN、Indigo、JGA-Sは、APACの各都市のエッジネットワークインフラの増強を後押ししています。2022年には、カナダと日本を結ぶTopazケーブルも誕生しました。
また、Analysys Mason社は次のように推定しています。
Googleによるネットワークインフラ投資によって、2021年時点で130万人の雇用が創出され、2010年から2021年にかけてAPACの実質GDPが総額6,400億米ドル上昇している。投資の継続により、2026年までには350万人の雇用創出、今後5年間(2022~2026年)の実質GDPが総額およそ6,270億米ドル増加する経済効果をもたらすことが予想される。
オーストラリアのクラウド市場
Telstra PurpleとOmdiaによる共同レポート「State of Cloud, Edge, and Security in Australia 2022-23」には、オーストラリアの企業や組織がクラウド導入によって、どのようにデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現しているか、そしてエッジコンピューティングとクラウドセキュリティの重要な役割について報告されています。
オーストラリアにおけるクラウドコンピューティング技術の導入率は急速に進んでいますが、検討すべき改善点がいくつか見られます。このレポートでは、以下のような点が強調されています。
- ハイブリッドクラウドは、クラウドネイティブを志向する組織が選択するアーキテクチャソリューションに変わりはないが、大手企業の間では、ハイブリッドクラウドとエッジコンピューティングを活用したアーキテクチャ改善が進んでいる。オーストラリアの企業では、高パフォーマンスなネットワークが非常に重要であるという点が広く認識されている。
- エッジコンピューティングへの関心が急速に高まっている。オーストラリアの企業は、低レイテンシで高性能なクラウド機能を自社サイトにさらに取り入れることができるエッジテクノロジーの大きな可能性を認識している。エッジコンピューティングの導入はまだ模索段階にあるが、主要な企業は、戦略、技術、コストへの影響に対処している。サービスプロバイダの投資は、こうしたカスタマージャーニーに素早く対応し、ハイブリッドクラウドソリューションの採用を急速に進めている。
- コストと信頼性の向上という見返りはすでに明らかだが、先進企業は移行をさらに加速させることを検討。しかし、現在残っている重要なアプリケーションをクラウドに移行するための「準備が十分に整っている」と回答しているIT担当者は、全体の3分の1程度。クラウド戦略、評価、計画の準備不足が移行の妨げになっている。
- クラウドへの移行期における主な懸念は、セキュリティにある。同レポートでは、クラウドサービス、パートナー、顧客間の責任が明確でないなど、組織的な要素が強調されており、クラウドセキュリティと既存のツール(SIEMなど)との統合が不十分であることも懸念材料となっている。
また、以下のような興味深い情報も報告されています。
エンタープライズアプリケーションの33%が既にパブリッククラウドに移行しています。1年で13%もの導入が進んだことは、テクノロジーを活用したイノベーションを実現する動きが活発になっていることを物語っています。
パブリッククラウドの導入が加速しているにもかかわらず、ハイブリッドクラウドは依然として支配的なアーキテクチャです。オーストラリア企業の67%は、重要なアプリケーションやワークロードの提供に、ネットワーク化されたプライベートクラウド、パブリッククラウド(PaaS、IaaS、サーバーレス)、エッジコンピューティングに依存しています。
中堅企業や政府機関は、大企業よりも積極的にパブリッククラウドを導入しています。これは、中堅企業の方が大企業に比べて予算に限りがあり、技術的な負債が少ないことが最大の理由と考えられます。また、一般に中小企業の方が大企業よりも柔軟であるのも要因です。
セキュリティに対する懸念や、クラウドインフラの多様な採用方法が課題になりますが、その道はすでに確立されています。Telstra Purpleの事業成長およびトランスフォーメーション責任者であるGretchen Cooke氏は、以下のように述べています。
クラウドは、より優れたスケーラビリティ、敏捷性、そして効率性を実現します。デジタルに精通した競合他社が溢れる不透明な市場において、成功の鍵は、「もし」(導入するか否か)ではなく、「どのように」クラウドの旅に乗り出すかということにあります。
オーストラリアにおけるGoogle Cloud
Googleは、接続性の改善とAPACにおけるプレゼンスの強化をサポートするため、2021年メルボルンに新たにクラウドリージョンを開設。従来のシドニーのクラウド地域を補完し、オーストラリアとニュージーランドを拠点とするユーザーに「クラウドベースのワークロードとデータの低レイテンシおよび高パフォーマンス」を提供しています。
Googleのブログでは、以下のように述べられています。
オーストラリアでは、企業や消費者に年間約32億ドルの総利益を支援しています。これには、Google WorkspaceとGoogle Cloud Platformを利用する企業への6億8,600万ドル、Google Cloudパートナーへの6億9,800万ドル、そして消費者への18億ドルが含まれます。
しかし、Googleのネットワークインフラへの投資は、2つのクラウド地域の枠をはるかに超えています。
以下は、Analysys Mason社によるGoogleのAPACネットワークインフラがもたらす経済効果に関するレポートの抜粋です。
オーストラリアは、APACで最も発達した通信環境の1つであり、2019年現在では人口の87%がインターネットを利用しています。固定通信とモバイル通信の両方で生成されるトラフィックは、2010年から2019年にかけて毎年約51%と大きく増加しており、2019年には合計で29EB(エクサバイト)に達しています。
さらに、世界におけるオーストラリアの接続性を分析するため、同レポートでは、2019年に合計205Tビット/秒の潜在容量を提供する12の海底ケーブルを通じ、他の地域と接続されていたことが指摘されています。同国の大手通信会社であるTelstra社は、このうち7つのケーブルに出資しています。
Googleによるネットワークインフラへの投資は、オーストラリアでのインターネット利用率向上を後押しし、2019年には世界全体の5%のトラフィックを占めるまでに。
また、以下のようなメリットも挙げられています。
- クラウドサービスのパフォーマンスと信頼性の改善による、オーストラリアにおけるネットワークインフラの全体的な改善と費用対効果の向上
- リンクの多様性を高め、Googleのエッジインフラの拡張をサポート
- レイテンシの低減、エンドユーザーの速度改善、国際帯域幅のコスト削減
この結果、オーストラリアの消費者と企業の両方が生成するインターネットトラフィックの増加が助長されています。
オーストラリア国内の経済への影響は相当なもので、Analysys Mason社は次のように推定しています。
Googleのネットワークインフラ投資によるインターネット利用率の増加に伴い、2010年から2021年にかけて、オーストラリアの実質GDPが総額460億米ドル上昇したと見込んでいます。さらにJGA-SとIndigoの導入後、2022年から2026年にかけては、総額で640億ドル増加すると予測されます。
また、労働市場にも大きな影響を与えます。
Googleのネットワークインフラ投資から生じる経済効果は、通信や建設などの業種における雇用創出にもつながります。また、インターネット接続の改善とデジタル化から最も恩恵を受けられる産業、IT、金融・専門サービス、製造業などでも、間接的に雇用を生み出します。2021年には最大で4万1,000人の直接および間接雇用が創出され、2026年には6万8,000人に拡大すると試算されています。
また、2021年にGoogleがDigital Future Initiativeの立ち上げを発表したことも注目に値します。オーストラリアのデジタル経済の構築をサポートするため、地域のインフラ、専門技術、研究に対して10億ドルが投資されます。
インドのクラウド市場
APACと世界の経済状況におけるインドの位置づけは、2019年に発表されたWEFの報告書によくまとめられています。
インドは世界最大の民主主義国家であり、約13億5千万人と世界で2番目に人口の多い国です。2017年のGDPは2.6兆ドルで、世界第6位の経済大国でもあります。購買力平価(PPP)ベースでは、米国、中国に次いで第3位。現在、および予測される年間GDP成長率が7.5%近くと、世界で最も急速に経済が成長している国のひとつであり、世界経済の成長を支える重要な原動力となっています。
BCGは以下のように述べています。
インドはAPACにおいて急成長中の大規模なパブリッククラウド市場であり、2018年の30億米ドルから25%の年平均成長率で、2023年には80億米ドルに増加すると予測されています。
インドのクラウド市場は初期段階にあり、パブリッククラウドとIT支出の観点から、今後さらに成長率は加速することが予想されます。2021年のGartner社による調査では、2021年から2022年にかけて29.6%の成長が予測されており、今後の4年間も同様のペースで成長が続くとされています。
Gartner社の最新予測によれば、インドにおけるパブリッククラウドサービスへのエンドユーザーの支出は、2022年には2021年から29.6%増の73億ドルに達すると予測されています。
インドの市場規模は、いくつかのアプリケーション分野でクラウド技術の採用が急速に進んでいることを示唆しています。例えば、動画配信サービスがその1つです。
動画配信サービス、特にデジタルネイティブ企業はパブリッククラウドの導入を重要視しています。
動画配信を行う新興企業こそ、パブリッククラウドが成長に不可欠と見ています。大手動画配信サービスは、コンテンツ配信と消費者調査にクラウドを利用し、顧客体験を向上しています。ほとんどの大手サービスは、パブリッククラウドのインフラを背景に、AIやMLを使用して視聴者向けの番組制作を行い、急速に規模を拡大しています。
BCGのレポートによれば、2019年に最も広く採用された利用形態はSaaSでしたが、IaaSやPaaSの導入の方がより速いペースで進んでいます。
インドにおけるパブリッククラウドソリューションの採用による全体的な影響は、2019年から2023年にかけて900億米ドルから1,300億米ドルに到達すると予想されています。
BCGでは、以下のように試算されています。
パブリッククラウド採用による影響の約85%は、デジタルネイティブ、メディア、小売、金融サービスといった業界の垂直統合によるメリットで、クラウドサービスによるものは15%程度にとどまります。
また、クラウド技術の利用拡大によって、14万3,000〜42万5,000人の直接雇用、37万5,000〜125万人の間接雇用を生み出す可能性があります。
状況が好転すれば、労働市場に最大160万人の雇用を創出する可能性もあると言われています。
インドにおけるGoogle Cloud
Googleは、急成長を遂げるインドのような市場の特定の分野に膨大な投資を行っています。2017年にムンバイ、2020年にはデリーにクラウドリージョンが開設されました。
Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏は、以下のように述べています。
インドでは、Google Cloudの需要が急速に伸びており、新たにクラウドリージョンを開設することで、長期的な成長を見越したキャパシティを確保しています。資本とインフラへの投資という大きなコミットメントとして、成長の機会を掴むことができるように設計されています。
Google Cloudのインドにおけるプレゼンスは、民間企業との数々のパートナーシップによって支えられていますが、Googleは公共機関へのクラウドサービス提供を表明し、電子情報技術省(MeitY)のSTQC(Standardisation Testing and Quality Certification)局の監査を通過し、Cloud Service Provider(CSP)の認定を受けています。
この認定によって、中央および州レベルの政府機関、電力、BFSI、運輸、石油・ガス、公共金融などの各セクターのPSUを含むインドの公共セクターがGoogle Cloudを利用できるようになります。
また、APACや世界におけるインド経済の重要性は、「顧客の成長とあらゆる規模の企業への価値ある提供」を目的とし、Googleがプネーにオフィスを開設したことにも表れています。
インドネシアのクラウド市場
2億7,500万人以上の人口を擁するインドネシアは、世界で4番目に人口の多い国です(出典:Wikipedia)。巨大な国内市場を持ち、地理的に環太平洋の要に位置するインドネシアは、東南アジアで最も急成長しているデジタル経済圏の1つです。
2025年には、インドネシアのデジタル商品総価値(GMV)は、2020年の440億ドルから1,240億ドルに達すると予想されています(出典:Jakarta Globe)。
これはクラウド技術の普及により、これまで大企業しか利用できなかった技術を中小企業でも利用できるようになったことが要因です。
より多くの人がインターネットを利用し、地元企業がクラウドソリューションに切り替えるにつれ、クラウドサービスに対する需要が飛躍的に伸びており、これには民間企業が大きく貢献しています。例えばGrab社は、クラウドコンピューティング技術を利用して、小売業者にオンラインプレゼンス確立のため、デジタル決済と配送システムの設定、ビジネス分析ツールへのアクセスを支援し、中小企業のデジタル化を急速に推進しています。
2020年3月にインドネシア財務省とアジア開発銀行の委託で発表された研究において、新興技術がインドネシア経済に及ぼす影響の調査が行われました。「インダストリー4.0」(一般には第四次産業革命)と呼ばれるテクノロジーには、サイバーフィジカルシステム、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI、機械学習、IoT(モノのインターネット)などが含まれます。
この調査では、4つの州、6つのセクターに属する合計502社の現地企業へのインタビューに基づき、これらのテクノロジー導入によるインドネシア経済への影響について予測されています。
技術導入により、2040年までにインドネシア経済に最大2.8兆ドル、今後20年でGDPの成長率をさらに年間0.55%促進される可能性がある。
インドネシアはASEAN諸国の中で研究開発への投資が最も少ない国の一つですが、その一方で、研究開発費の削減を目的とした様々な取り組みが行われています。
インドネシアは東南アジア諸国連合の中で研究開発への投資が最も少ない国の一つだが、すでにこれに対する対策が数多く行われている。特に「Making Indonesia 4.0」は、多くのイノベーション投資を通じ、インドネシアを第4次産業革命に統合するための国家イニシアティブで、政府は1,000万人の雇用を創出し、純輸出をGDPの10%に相当する水準まで引き上げ、生産性を向上することを予測している。
研究開発費は限られるものの、ロボット工学やクラウドコンピューティングなどの最先端技術の導入拡大により、インドネシアの経済成長の可能性は非常に大きいというのが、複数の研究結果で述べられています。
2021年のBCGの調査では、インドネシアはAPACの先進国よりもクラウド支出の成長率が高いと予想されている市場の一つであり、年平均成長率(CAGR)は25%であることが明らかになっています。
ミクロレベルでは、最新のテクノロジー、特にクラウドコンピューティング技術の採用は多岐に渡ります。
PwC Indonesiaによれば、2021年には中小企業の89%がクラウドサービスを積極的に利用し、9%が近い将来に採用予定です。一方大企業では、80%がすでにクラウドコンピューティングを導入済み。残りは今後3年以内に導入する計画を立てています。
前述の調査データをさらに詳しく分析すると、調査対象となった中小企業では様々なクラウドサービスが利用されていることがわかります。
- ECサイト向けクラウドソリューション(60%)
- ファイル共有サービス(~60%)
- 決済ソリューション(~40%)
- 生産性向上アプリケーション(〜40%)
- ウェブサイトホスティング(〜40%)
- メールサービス(〜20%)
- ウェブ会議システム(〜20%)
- コンテンツ配信(〜20%)
- 会計ソフト(〜20%)
クラウドのサービスモデルの種類に関しては、大企業ではIaaSモデルが最も普及しています。中にはIaaS、Paas、SaaSなど複数のモデルを採用している企業もあり、調査対象となった大企業の67%がIaaS、60%がSaaS、40%がPaaSを利用していると回答しています。
インドネシアの中小企業がクラウドコンピューティング技術を採用する主な理由は、業務効率の改善(67%)、収益創出(23%)、コスト削減(19%)などが挙げられます。大企業の場合は、以下のような用途で利用されています。
- IT運用の改善(80%)
- コストのOPEX化(53%)
- 生産性向上(33%)
- ソリューション開発(20%)
- システム容量の拡大(20%)
- データ管理(13%)
- ディザスタリカバリ(7%)
調査対象となった企業では、クラウドコンピューティング導入による大きなメリットが定着しています。大企業にとっては、スケーラビリティが最大の潜在的メリットであり、他には戦略的目標の達成、イノベーションの推進、投資、ITコストおよびOPEXの削減も挙げられます。
大企業における生産的メリットは手間の削減、中小企業ではコスト削減が最大のメリットであることが明らかになっています。
インドネシアにおけるGoogleクラウド
2022年のGoogleのAPACにおけるネットワークインフラの経済効果に関するレポートによると、インドネシアは東南アジア諸国連合の中で最も経済成長が著しく、インターネット経済を牽引している国。
インドネシアの一般消費者や企業におけるインターネットの利用率、特にモバイル通信は非常に高く、人口の98%が4Gモバイル通信の利用圏内で生活していると推定されています。
GoogleはIndigo-Westケーブルに加え、新たにApricotとEchoの2つの海底ケーブルに投資しています。
- Indigo-West(2019年)─オーストラリア、インドネシア、シンガポールを結ぶケーブル(地図)
- Echo(2023年)─グアム、インドネシア、パラオ、シンガポール、米国を結ぶケーブル(地図)
- Apricot(2024年)─グアム、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、台湾を結ぶケーブル(地図)
海底ケーブルへの投資とは別に、エッジインフラにも出資を続けており、PoP (Point of Presence)やGGCノードを配置し、インドネシアの接続システム改善に貢献しています。
Googleの投資によって、2010年から2021年にかけての実質GDPは総額290億ドル増加し、2021年には最大で29万9,000人の雇用を創出、また2022年から2026年にかけては、実質GDPが総額940億ドル増加することが予測されています。
インドネシアは、東南アジアの中でも地理的に有利な位置にあり、世界における高い接続性も持っています。
インドネシアは、2021年末までに20の国際海底ケーブルに接続し、合計372Tビット/秒の潜在容量を実現しています。
Googleは他にも情報、デジタル技術、サステナビリティなどの分野のプロジェクトにも力を入れており、例えば「Bangkit アカデミー」プログラムでは、需要の高い技術の習得や専門資格の取得などを目指す学生を支援しています。
日本のクラウド市場
日本でも企業のクラウド化が急速に進んでいます。IDC Japanによると、パブリッククラウド市場は2026年まで年率18.8%で成長し、2026年の市場規模は3兆7,600億円と2021年の約2.4倍になると予測されています。また、2021年のパブリッククラウドサービスの国内市場規模は1兆5,900億円で、2020年比28.5%増です。
以下の図では、売上高と前年比の市場成長率が比較されています。
また、ICT市場調査およびコンサルティング会社のMM総研が、国内企業3万3,922社の情報システム管理者を対象に実施した調査によれば、パブリッククラウドサービスとプライベートクラウドサービスの両方を考慮すると、2021年のクラウドサービスの市場規模予測は実に3兆5,723億円。
この数値は、MM総研の別の調査でも確認されており、2021年のクラウドサービスの市場規模は、2020年比24.3%増の約3兆5,723億円と推定されると報告されています。
下のグラフからも、着実な成長を見ることができます(出典:MM総研)。興味深いことに、パブリッククラウドとプライベートクラウドのどちらも規模が拡大しており、クラウド市場全体の伸びが一目瞭然です。
ここで注目したいのは、PaaSとIaaSの普及です。どちらも設備投資の負担が少なく、導入のハードルが低いのが特徴です。また必要に応じて柔軟に利用できる点も、多くの企業が採用を進めている要因のひとつです。
特にプライベートクラウドの市場規模は今後も拡大傾向が継続し、2021年の2兆474億円から2026年には約4兆1,000億円に達すると予想されています。
パブリッククラウドサービスの利用形態については、1,042社の企業から収集したデータによると、PaaSを導入する企業の60.0%がAmazon Web Services(AWS)、次いで48.2%がMicrosoft Azure、28.8%がGoogle Cloud Platform(GCP)を利用しています。また、IaaSの利用企業全体では、AWSが54.7%、Azureが44.0%、GCPが26.2%です。
また、日本の総務省は以下のように公表しています。
2010年から2020年まで一貫してクラウドサービスを利用している事業者の方が、利用していない事業者と比較して労働生産性が高いことがわかる。
総務省は詳細なデータを公表しており、日本におけるクラウドコンピューティング技術の導入状況や、今後予想される動向を正確に把握することができます。
2020年には、68.7%の企業がクラウドサービスを部分的または広範囲に利用する見込みで、2019年の64.7%から4.0%増加しています。
このデータを見ると、2015年以降はクラウド技術の導入が順調に進んでいることが見て取れます。クラウドの導入が進んでいる業種は、情報通信業、製造業、不動産業、そして金融・保険業です。
また、1つ以上のクラウドサービスを採用している企業のうち、87.1%が「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答しています。
また、クラウドの用途はファイル保管とデータ共有が59.4%と最も多く、メール(50.3%)、社内情報共有・ポータル(44.8%)が続きます。営業支援や生産管理といった、高度な用途はまだあまり普及していません。
日本企業のクラウド導入に関する詳細はこちら(総務省ウェブサイト)をご覧ください。
日本におけるGoogle Cloud
Googleは、2023年に 千葉県印西市に日本初の超大規模データセンターを開発することを発表しています。このプロジェクトは、Google提供のツールやサービスをより高速かつスムーズに利用できるようになり、ひいては経済活動や雇用の支援、日本のデジタル経済を世界につなぐことを目的としています。
千葉のデータセンターは、昨年から2024年まで継続される7億3,000万ドルのインフラ投資の一部にあたります。
日本企業向けにストレージとサービスを提供している東京と大阪の2拠点に次いで、3つ目のクラウドリージョンです。
Googleは、APAC全域のネットワークインフラに20億ドル以上を投資しており、日本向けに行われた投資としては、3つの海底ケーブル、5つの民間施設、GoogleのPoPを持つ11のインターネット エクスチェンジ(IXP)、そして通信業者から購入した帯域幅の約50%が含まれます。
また、2023年に開通予定の日本とカナダ西海岸を結ぶ初の光ファイバーケーブル、Topazも含まれています。
ホースほどの直径の Topaz ケーブルは、16 ファイバーペアを収容し、総容量は 1 秒あたり 240 テラビットです。Topaz は、波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)に対応しており、光ファイバーペアのスペクトルをソフトウェアで効率的に定義して分割することで、柔軟なルーティングと高度な耐障害性を実現します。
これによって、日本はインターネット利用率向上に加えて、GDPの成長率向上、雇用創出などのメリットがあります(出典:Analysys Mason)。
生産性向上とデジタルアプリケーションの活用は、新たな雇用の機会を生み出します。Googleのネットワークインフラ投資によって、2021年には最大40万1,000人の直接および間接雇用、雇用誘発を生み出し、2026年には73万9,000人にまで伸びると推測されます。
また、クラウドサービスや技術に対する全体的な支出は、2018年の80億ドルから2023年には180億ドル、CAGR18%と、今後数年間で飛躍的に増加することが予想されます。
上記データは、Analysys Mason社がGoogleに委託・協賛して作成された報告書から抜粋したものです。詳しい情報については『Economic Impact of Google’S APAC Network Infrastructure — Focus on Japan』(英語)および2022年最新版(英語)をご覧ください。
なお、世界各国同様、Googleの現地市場への投資はネットワークインフラにとどまりません。
インターネットを活用している企業とそうでない企業の間のデジタルスキル格差を考慮し、2016年から100万人にデジタルスキルトレーニングを提供し、人材育成に多大なリソースを投じて、日本のデジタルスキル格差解消に取り組むことを発表しています。
GoogleとAlphabetのCEOであるSundar Pichai氏によると、Googleは「Grow with Google」プログラムを通じて1,000万人を支援し、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受けた人々や企業に自社の研修プログラムを提供しています。
その中には、6月に立ち上げた「日本リスキリングコンソーシアム」も含まれ、企業、政府、非営利団体が連携し、人工知能やデジタルマーケティングなどのスキルを磨く研修を提供するとともに、受講者の就職を支援するジョブマッチングサービスも行っています。現時点ですでに90以上のパートナーとともに、300以上の研修プログラムを提供しています。
加えて、日本の技術インフラの強化にも力を入れています。
日本の大手企業や政府機関が業務の近代化に取り組んでいる中、弊社ではクラウドコンピューティングの導入支援に注力しています。
日本の企業がデジタルトランスフォーメーションのため、Google Cloudを導入しているかはこちらをご覧ください。
マレーシアのクラウド市場
マレーシアは、APACで最も経済成長が著しい国の一つです。2020年のWEF報告書では、マレーシアはシンガポール、タイとともに、3大先進国に分類されています。
デジタル技術やクラウドコンピューティングの導入は急速に進んでいます。国内企業の競争力を高め、「デジタル変革の目標達成」を目的とした中小企業向け政府助成プログラム「Digital Transformation Acceleration Programme」(DTAP)などの支援も行われています。
Twimbitによると、2021年1月時点で、複数の分野で事業を展開する企業のうち77.1%が何らかのクラウドサービスを採用。デジタルネイティブ企業だけでIaaS支出全体の33%を占め、5,360万米ドルに相当します。また、EC業界だけで、デジタルネイティブ企業の支出の47%を占めています。
首相府経済企画院の公式報告書「Malaysia Digital Economy Blueprint」によれば、零細・中小企業の44%がクラウドコンピューティングを利用し、そのうちの82%が主に文書、写真、動画の保存に活用しています。
SME Corp MalaysiaとHuaweiによる別の調査では、マレーシアの中小企業のうち、より高度なビジネスアプリケーションにクラウドコンピューティングを利用しているのはわずか35%。特に中小企業において、クラウドコンピューティング技術の可能性に対する認識不足が浮き彫りになっています。
さらに、このような中小企業の多くでは、クラウド、IoT、データ分析がビジネス変革をもたらすことが認識されていません。例えば、クラウドコンピューティングサービスを認識している会社のうち、42%はクラウドコンピューティングを活用してビジネスを変革する方法をがわからないと回答しています。中小企業がデジタル化とそのメリット、そして単なるコンピュータ化から脱却するための指導や研修を必要としているのは明らかです。
これには多額の公共および民間投資が必要になりますが、クラウド技術の導入によってさらなる経済発展を遂げる大きな可能性があることを示唆しています。
マレーシア政府は「Digital Economy Blueprint」において、地域の経済発展を促進するための戦略と国家的行動を規定しています。
- 公共部門におけるデジタルトランスフォーメーションの推進
- デジタル化による経済競争力の強化
- デジタルインフラの構築
- 機敏で有能なデジタル人材の育成
- 包括的なデジタル社会の構築
また、「広範かつ優れたデジタルインフラへのアクセスを提供し、人々がデジタル経済に参加できるようにする」ことも重要な目標の一つとされています。
デジタルインフラとは、ブロードバンド、データセンター、海底ケーブル陸揚局などを指し、データの生成、流通、交換、消費、保存を可能にするものである。
この目標は、以下のような行動を通じて推進されます。
- デジタルインフラの整備を改善するための法律や規則の見直し
- ブロードバンドを基本インフラとして義務付け、新規開発でインターネット接続を確保
- ブロードバンドインフラ導入の承認プロセスの効率化
- 効果的な計画と監視のため、リアルタイムのブロードバンド需要プラットフォームを提供
- 国内データセンター企業の能力を改善し、質の高いクラウドコンピューティングサービスを提供
- 世界における接続性を向上するため、マレーシアへの国際海底ケーブル敷設を促進
マレーシアにおけるGoogle Cloud
2021年現在、Googleはマレーシアに陸揚げされる海底ケーブルへの投資は行っていませんが、Analysys Mason社も報じている通り、2つのケーブルMISTとIAXへの投資を発表しており、2023年に開通予定です。
また、エッジインフラにも出資しており、3つのプライベートピアリング施設にPoPを設置し、1つのIXPにクロス接続されています。
Googleの投資は、マレーシアにおけるダウンロード速度の向上とネットワークレイテンシの低減に貢献し、ISPによる革新的なクラウドサービス、動画配信、ウェブ会議、ゲームなどの提供を後押ししています。
Analysys Mason社によると、Googleのクラウドインフラ投資によるインターネット利用率の成長は、2010年から2021年にかけてのGDPに総額82億米ドルをもたらしています。
Googleが2021年以降も2つの海底ケーブルの敷設を含むネットワーク投資を継続すれば、インターネット利用率の成長に拍車がかかると予想されます。これまでの継続的な投資により、2022年から2026年にかけてのGDPは総額89億ドル増加し、そのうち22億ドルは2026年だけでの増加と見込まれます。
また、Googleのネットワークインフラへの投資により、2026年までに約4万人の雇用創出が見込まれています。
シンガポールのクラウド市場
近年、シンガポールはAPACで接続性、IT投資、クラウド技術の面で脚光を浴びています。
世界経済フォーラムの報告書によると、シンガポールはAPACで最も経済が発展している国であり、一人当たりのGDPは米国とほぼ同額。ほぼ全域が都市化されており、銀行へのアクセスはもちろん、オンライン化もされています。ビジネスに適した国として190ヶ国中2位にランクインしています。
同国のデジタルファーストの展望は、デジタル技術が日常生活に完全に溶け込んだデジタル文化の育成、および政府業務の改善と経済成長および生活の質の向上です。
シンガポールはデジタルファーストを掲げ、デジタル政府、デジタル経済、デジタル社会がテクノロジーを活用し、健康、交通、都市生活、政府サービス、ビジネスにおける変革を目指します。
また、2021年のIMDのスマートシティインデックスでは、シンガポールは世界で最もスマートな都市に選ばれており、2021年のアリババグループによる調査では、クラウドベースのサービスの企業導入部門で1位にランクイン。
調査結果によると、シンガポールはクラウドの導入で東南アジア地域を牽引しており、調査対象となったIT企業10社中ほぼ9社が、すでにクラウドベースのITソリューションを採用していると回答。また、調査対象となったIT企業が指摘した懸念事項がシンガポールのクラウド成熟度を示唆しています。クラウドベースのソリューションを既存のITインフラに統合することが重要な課題の一つである地域と異なり、シンガポールでの大きな懸念点は、統合後に直面する費用とセキュリティ(57%)と可用性(49%)にありました。
シンガポールはAPACで最も接続性に優れた経済圏の一つであり、世界で急成長を遂げているインターネット市場でもあります。
Analysys Mason社の報告書では、次のように述べられています。
2019年時点で、人口の88%がインターネットを利用しています。固定通信とモバイル通信の両方で生成されるトラフィックは、2010年から2019年にかけて毎年約29%の割合で増加し、2019年には合計で4EBに到達しています。
同調査ではまた、ほぼ100%の世帯がファイバーブロードバンドにアクセスでき、99%の人が4Gモバイル通信の利用圏内で生活していることも明らかにされています。
ネットワークインフラの面でも、シンガポールは他国をリードしています。
シンガポールは、APACにおける主要な海底ケーブルハブでもあり、23の国際海底ケーブルシステムに接続されており、2019年時点で合計857Tビット/秒の潜在容量を実現しています。
シンガポールはクラウドコンピューティング技術への投資額でもAPACの上位にランクインしています。Ciscoが委託した2021年のBGCによる調査では、シンガポールはパブリッククラウドへの支出の成長率が高く、CAGRが20%になると予想されるASEAN経済圏の一つであることが浮き彫りになっています。
また、別のBCGによる調査では、多くの大企業が何らかのクラウドサービスを導入しており、多くが人工知能や機械学習などの先進技術を実装するためにクラウドソリューションを採用し始めていることが報告されています。
大企業の間で最も広く利用されている利用形態はSaaSで、PaaSも2023年までの予想成長率が25%と、急速な伸びが見込まれてます。
シンガポールにおけるGoogle Cloud
上のAnalysys Mason社の調査によると、Googleのシンガポールへの投資は、2019年の全トラフィックの20%に相当するインターネット利用率の拡大につながったとされています。
Googleのネットワークインフラへの投資は、コンテンツやサービスのパフォーマンスや信頼性を向上させるだけでなく、インターネットインフラ全体のパフォーマンスや費用対効果も向上します。海底ケーブルへの投資によって新たな供給がもたらし、リンクの多様性を高め、シンガポールのエッジインフラの拡張を支援しています。
2022年の報告書では、さらに以下のような詳細が追記されています。
シンガポールは、世界で最も成功したデジタルハブ、経済ハブの1つです。東南アジアで最も多大な海底ケーブルとデータセンターへの投資が行われています。GoogleはSJCとIndigoケーブルに投資しており、今後導入予定の4つのケーブルシステム(MIST、IAX、Echo、Apricot)にも投資予定です。さらに、Googleはシンガポールで8つのピアリングを展開し、市内全域のキャッシュノードにも投資を行っています。これによって、2022年から2026年にかけて、GDPが総額160億米ドル増加すると予測されます。
東南アジアで初のGoogleデータセンターである、ジュロンウェストにクラウドリージョンを展開しています。しかしこれだけでなく、Googleはシンガポールを結ぶ2つの海底ケーブルに投資しており、さらに以下への出資も発表しています。
- SJC(2013年)─ブルネイ、中国、日本、フィリピン、シンガポールを結ぶケーブル(地図)
- Ingido-West(2019年)─オーストラリア、インドネシア、シンガポールを結ぶケーブル(地図)
- MIST (2023年)─インド、マレーシア、ミャンマー、シンガポールを結ぶケーブル(地図)
- IAX(2023年)─インド、マレーシア、モルディブ、シンガポール、スリランカ、タイを結ぶケーブル(地図)
- Echo(2023年)─グアム、インドネシア、パラオ、シンガポール、米国を結ぶケーブル(地図)
- Apricot(2024年)─グアム、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、台湾を結ぶケーブル(地図)
さらに、エッジインフラとPoPへの投資も継続しており、Googleの大規模な投資は、ネットワーク接続のパフォーマンス向上だけでなく、帯域幅のコスト削減にも寄与しています。
この調査では、Googleのシンガポールへの投資効果を2010年から2021年にかけてGDP129億ドル相当と推定し、2022年から2026年までの間にさらに総額156億ドルの増加が予測されています。
タイのクラウド市場
先にも触れましたが、WEFの報告書では、タイはASEAN加盟国の中でシンガポール、マレーシアとともに3大経済先進国に選ばれ、経済発展、接続性・通信、4IRの展開、クラウドコンピューティング技術における高い成長率が見られています。
Analysys Mason社の報告書では、以下のように記されています。
近年、タイの通信事情は大きく発展しており、光ファイバーによるブロードバンド接続とインターネットの利用率が急速に伸びています。タイの固定通信とモバイル通信の両方で生成されるトラフィックは、2017年から2021年にかけて年間平均44%の割合で増加しており、2021年には合計51EBに到達しています。
2022年に発表されたレポートでは、以下のようなデータを確認できます。
- 2022年1月時点のインターネット利用者数は5,450万人
- 2021年から2022年にかけて、インターネット利用者数は10万8,000人(+0.2%)に増加
- 2021年1月時点のインターネット普及率は77.8%
タイの経済成長を後押しているのは、社会福祉と包括性、人間の価値の尊重、環境保護を確保するために、経済成長をイノベーション、テクノロジー、創造性によって推進する経済モデル「タイランド4.0」のような、イノベーションと国際投資のための豊かな基盤を作る公共投資とイニシアチブです。
タイにおけるGoogle Cloud
アジア太平洋地域の経済エコシステムにおけるタイの重要性は、Google Cloudの新リージョンの立ち上げからも見て取れます。
Google Cloud Southeast AsiaのマネージングディレクターであるRuma Balasubramanian氏は、規制産業に属する企業を含め、拡大する現地の顧客ベースを支援するために、これまでで最も重要になるインフラ投資を行うことを公表しています。
タイのクラウド地域では、3つのゾーンでサービスの中断から保護され、現地企業に高性能かつ低レイテンシを提供する予定です。
Googleが委託したAlphaBeta社の調査データによると、クラウドは2030年までにタイで年間最大2兆5,000億バーツの経済価値を創出できると見込まれており、この額は、2020年の実質GDPの16%に相当します。
タイを結ぶ海底ケーブルへの投資は予定されていませんが、Googleは継続的にエッジインフラとPoPに出資しています。また、コンテンツキャッシュにも投資しており、Google Global Cache(GGC)ノードはすでにタイ国内の26都市に設置されています。
Googleの投資は、GDP成長率と雇用の両方にメリットをもたらすことが期待されており、Analysys Mason社は次のように推定しています。
タイにおけるインターネット利用率の成長は、2010年から2021年にかけて、実質GDPに総額88億ドル増加をもたらしています。2021年以降、2つの海底ケーブルの敷設を含むGoogleの継続的なネットワーク投資によって、トラフィックの増加にさらに拍車がかかることが予想されます。Googleのこれまでの継続的な出資により、2022年から2026年にかけて、GDPは総額171億ドル上昇し、そのうち47億ドルは2026年だけでの増加と見込まれます。
また他のAPAC各国と同様に、Googleのネットワークインフラへの投資によって新たに雇用が創出され、前述の調査によれば、2021年に2万人の雇用を創出し、2026年には9万7,000人にまで増加する可能性があるとされています。
しかし、タイが競争力を維持し、経済成長を持続するにあたって直面する課題の一つは、高いデジタル技術を持つ人材の確保です。
Google Cloudのブログによれば、2030年までにタイのデジタル人材に対する総需要は100万人を超えると予想されており、需要に応じたデジタル人材の育成が緊急課題となります。
タイのデジタル変革は、2030年までに年間最大2.5兆バーツ(795億米ドル)の経済価値を生み出す可能性があります。タイ国内のビジネスリーダーの約78%が2021年の重要な戦略としてデジタル化を挙げていますが、世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2020」によれば、タイの労働者のうち、将来の仕事に必要なデジタルリテラシーを持つ人は55%程度です。したがって、タイのデジタル人材不足への対応が急務となります。
タイのデジタルスキル開発支援を目指し、Googleは2022年10月、タイ国内の自治体や有力教育機関と提携し、「Samart Skills」プログラムを発足しました。
台湾のクラウド市場
Analysys Mason社の報告書では、以下のように述べられています。
台湾は世界的に見ても技術的に最も進んだ経済圏であり、通信環境も比較的発達し、ブロードバンド契約の大半はフルファイバーであることが明らかになっています。インターネットトラフィックも目まぐるしく増加しており、2010年から2021年までの平均成長率は43%。2021年には30EBに到達します。
2020年以降、台湾におけるデジタル接続と通信の状況は大幅に改善されています。2021年には21の国際海底ケーブルに接続されており、Google、Microsoft、Metaなどの企業が投資を行なっています。
Business Wireの調査でも、同様のデータが示されています。データセンター市場は、2022年から2027年にかけてCAGR18.4%で成長すると予測され、その一方では5G技術にも大きな出資が行われました。
この調査結果の要点は、以下のとおりです。
- 台湾は、APACにおいて最も重要な接続性ハブの一つ。5Gの実現、クラウドサービスの需要増加、人工知能と機械学習の採用、ビッグデータとIoTソリューション、再生可能エネルギーの調達が、台湾のデータセンター市場を牽引する主要因である。
- 複数の技術工業団地が、施設開発やAI、クラウド、IoTなどの技術に対して税制上の優遇措置を提供している。
- IoT、ビッグデータ、AIなどの技術の採用拡大により、生成されるデータ量が急速に増加している。
- クラウドサービスの需要も飛躍的に伸び、AWS、Google、Azure、TSMC(台湾の半導体メーカー)などのクラウドサービス間の提携が確立。
- 政府は、産業、商業、公共部門にデジタルサービスを導入し、確実なビジネス成長を促進するため、台湾政府が多額の投資を行なっている。
台湾におけるGoogle Cloud
Googleの海底ケーブルとネットワークインフラへの投資は、Googleのサービスの質、そして国全体の接続性向上と経済成長という点において、台湾の接続性エコシステムに大きな改善をもたらしました。
またこれによって、台湾のインターネット利用者は低レイテンシ、高速化、低コストの恩恵を受けており、この結果として、インターネットの活用やアプリケーションの導入が進んでいます。
またGoogleは、台湾を結ぶ2つの海底ケーブルに投資しており、2024年から開通する3つ目のケーブルへの投資も発表しています。
- FASTER(2016年)─日本、台湾、米国を結ぶケーブル(地図)
- PLCN(2016年)─フィリピン、台湾、米国を結ぶケーブル(地図)
- Apricot(2024年)─グアム、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、台湾を結ぶケーブル(地図)
さらに、PoPやエッジインフラへの投資も続けています。Analysys Mason社は次のように報告しています。
Googleのネットワークインフラ投資によるインターネット利用率の成長は、2010年から2021年にかけての実質GDPを総額257億米ドル増加しました。また2022年から2026年にかけては、GDPが総額371億ドル上昇することが見込まれています。
接続性とデジタル化の向上は、雇用の機会も生み出します。報告書によれば、Googleのネットワークインフラ投資によるGDPの増加は、2021年に最大6万4,000人の直接および間接雇用、雇用誘発をもたらし、2026年には11万人に増加すると予測されています。
このように、Googleは現地の規制や環境の持続可能性を遵守しながら、台湾で確固たるプレゼンスを確立しています。
韓国のクラウド市場
Analysys Mason社によれば、韓国はAPACの中でも特に発展した通信環境を持っており、2019年には人口の96%がインターネットを使用しています。インターネットトラフィックは、2010年から2019年にかけて毎年約25%の割合で増加し、2019年には150EBに達しています。
韓国は現在、9つの国際海底ケーブルに接続されており、2019年には430Tビット/秒の潜在容量を実現。2025年までにさらに2つのケーブルが開通する予定です。
韓国のクラウド市場の可能性は、BCGによる「South Korea’s Market Report」でも確認できます。
韓国のパブリッククラウド市場は、APACの中でも確固たる成長の可能性を秘めています。市場規模はCAGR15%で、15億米ドル(2018年)から30億米ドル(2023年)に増加することが見込まれます。
クラウドの利用形態については、韓国ではSaaSが圧倒的に優勢で、市場の45%を占めています。IaaSも徐々にシェアを伸ばしており、2023年までに市場の約3分の1を占めると予想されています。
また、PaaSも大企業を中心に増加傾向にあります。
特に、人工知能やビッグデータ、機械学習などの先端技術を容易に利用できることから、韓国のコングロマリットなどの大規模な既存組織は、自社のアプリケーションのパブリッククラウドへの移行を進めています。例えば、ある大手電機メーカーは、データセンターのアプリケーションをすべてパブリッククラウドに移行することを発表しており、一部の大手企業は、グローバルな運用のためにデータをパブリッククラウドに移行し、ローカルな運用には新たなユースケースを採用し始めています。
この調査では、韓国におけるクラウド技術の経済効果についても試算されています。より具体的には、年間GDPと新規雇用の成長は、より広くクラウドを普及させるために政府、企業、そしてクラウドサービスが、どのような取り組みを行うかが重要です。
少なく見積もって、パブリッククラウドの経済効果は400億ドル、CAGRは12%、年間GDPの0.5%、2023年までに2万5,000人の雇用創出が見込まれますが、以下のような目覚ましい結果が見られる可能性もあります。
政府による「デジタル国家」の推進が加速し、ハイパースケールサービスを提供する企業の存在感が高まれば、大企業によるデジタル変革の実現や、企業や政府アプリケーションにおけるAIや機械学習などの最新技術の導入が重視され、さらに大きな成長を遂げる可能性もあります。
このシナリオでは、パブリッククラウドの経済効果は600億米ドル、CAGRは24%、年間GDPの0.7%、2023年までに10万7,000人を雇用創出が想定されます。
韓国におけるGoogle Cloud
現時点で、Googleは韓国に接続する海底ケーブルへの投資は行っていませんが、近年エッジインフラへの出資を続けています。Analysys Mason社によれば、Googleは4つのプライベートピアリング施設(主にクラウドサービス用)にPoPを展開し、2箇所でIXPと相互接続されています。
海底ケーブルへの投資計画はないものの、Googleの存在によってISPは帯域幅をより適切に管理し、 より多くのデータを伝送できるようになり、ダウンロード速度の向上を後押ししています。
レイテンシの低減とインターネットの高速化は、クラウドサービス、ウェブ会議、ゲームなどの革新的なサービスを提供するISPを支えます。
Analysys Mason社の報告書によると、Googleがネットワークインフラへの投資を行わなかった場合、2019年から2024年の韓国におけるインターネットトラフィックは、2019年に4%減少していたと見られています。
この試算によると、Googleは2010年から2019年にかけて韓国のGDP230億米ドル増加に寄与していることになります。
この地域の他の国に比べるとその影響は小さいものの、韓国におけるGoogleのプレゼンスは経済成長に確実に貢献しています。
2020年以降、GoogleがGCPの成長を支えるなどの投資を継続することで、ISPはより多くのトラフィックを処理できるようになることが予想されます。このような歴史的、継続的な投資により、2020年から2024年にかけてGDPが160億ドル増加し、そのうちの30億ドルは2024年だけで見込まれる成長です。
同調査によると、2019年までに直接および間接的に3万3,000人の雇用を生み出し、2024年まではほぼ安定すると予測されています。
クラウド戦略には、GoogleとCloudflareを利用するKinstaが理想のパートナーに
APACでは、経済発展、市場動向、クラウドコンピューティングの導入率などにおいて独自の特徴があり、経済的、人口動態的、社会的な観点から見て、極めて動的な傾向にあります。
人口の平均年齢は欧米に比べるとはるかに低く、消費パターンも異なります。人口の多くはデジタルネイティブ。デジタル環境に慣れ、スマートフォンから商品を購入したり、サービスを利用したりすることが定着しています。この巨大なターゲット層の需要に応えるべく、デジタルネイティブな事業を展開する企業が増えています。
このような状況では、クラウド技術を採用するか否か、そしてその導入時期はもはや問題ではありません。クラウド技術をどのように統合するかが重要です。
今日、あらゆる種類、そして様々な規模の企業が、国際市場で競争力を持つためにクラウドをインフラに統合する必要があります。APACのような進化と成長を続ける市場においてはなおさらです。
そして企業にとって、高速で安全、かつ拡張性の高いウェブサイトを持つことは極めて重要。ECサイトに関しては、優れたスピード、セキュリティ、スケーラビリティ、信頼性などが求められます。
そのため、共用サーバー、専用サーバー、VPSなどの従来のホスティングソリューションから、柔軟性と信頼性に長けたパフォーマンスの高いクラウドソリューションに移行する企業が増えています。
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- Santiago, Chile (southamerica-west1)
- Council Bluffs, Iowa, USA (us-central1)
- Moncks Corner, South Carolina, USA (us-east1)
- Ashburn, Virginia, USA (us-east4)
- The Dalles, Oregon, USA (us-west1)
- Los Angeles, California, USA (us-west2)
- Salt Lake City, Utah, USA (us-west3)
- Las Vegas, Nevada, USA (us-west4)
まとめ
今回は、民間企業や公的機関による実際のデータに基づき、アジア太平洋地域(APAC)のクラウドコンピューティング市場の現状について掘り下げました。
政府機関や国際機関によるデータを優先し、公式データが見つからない場合には、信頼できる民間企業によるデータを参照しています。なお、英語が原文の報告書やデータからの引用テキストは、日本語訳を掲載しています。
公表されているデータは、調査対象となった企業や方法論が異なるため、必ずしも一様ではありませんが、クラウドコンピューティングなどの最新技術(4IR)の採用、人口増加、経済成長の観点から、APAC市場が爆発的に成長していることは、すべての調査で一致している事実です。
APAC市場をターゲットとする企業は、この要因を考慮し、クラウドコンピューティングの導入しましょう。
Kinstaは、Google Cloud Platformのインフラを利用しながら、さまざまな機能を提供しており、一般的なホスティングサービスとは一線を画しています。
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