Ruby on Railsを扱う場合は、開発プロセスを強化してコードの質を高め、セキュリティの確保にgemを賢く活用することが重要です。今回は、Ruby on Railsアプリケーションに欠かせないgemを厳選してご紹介します。
gemにはそれぞれ監査、コード分析、コードの質の改善、テスト、デバッグなどの機能があります。
Ruby on Railsアプリに活用したいgem10選
1. bundler-audit
bundler-auditは、アプリケーションの依存関係をスキャンし、既知のセキュリティ脆弱性を検出します。Gemfile.lockを脆弱性データベースと照合し、gemに既知の脆弱性が見つかると警告が表示されます。このgemを使用することで、セキュリティの問題に積極的に対処し、アプリケーションを安全に保つことができます。
主な機能は以下のとおり。
- Gemfile.lock内にあるgemの脆弱なバージョンをチェック
- 安全でないgemソース(http://、git://)をチェック
- 回避された特定の警告を無視(手動)
- 警告情報の印刷
bundler-auditはローカルに追加することもできますが、CI/CD統合を考慮してGemfileに追加するのがベストプラクティスです。
gem ‘bundler-audit’
2. friendly_id
friendly-idは、RailsモデルのユーザーフレンドリーなカスタムURLを作成できます。デフォルトの数値IDを人が読みやすいスラッグに置き換えることで、アプリケーションのSEOとユーザーエクスペリエンスが改善できます。属性やカスタムロジックに基づいて、モデルのスラッグを簡単に生成可能です。
gem ‘friendly_id’
3. bullet
bulletは、不要なデータベースクエリを特定して最適化するのに便利です。N+1クエリや未使用イーガーロードの検出など、さまざまなパフォーマンス最適化機能によって、アプリケーションを効率化し、データベースクエリを最適化することができます。このgemは開発グループのGemfileに追加します。
gem 'bullet', group: 'development'
4. reek
reekはコードベースを分析し、「コードの臭い」(コードスメル)や設計上の問題を検出するgem。コードを単純化したり、リファクタリングしたりできる箇所を特定したりすることで、コードの可読性と保守性を高めることができます。ベストプラクティスに準拠し、アプリケーションの長期的な保守管理の負担を軽減します。
gem ‘reek’
5. rubocop
rubocopは、Railsアプリケーションに一貫したコーディングスタイルとベストプラクティスを徹底するために広く使われています。プロジェクトに応じてカスタマイズ可能なルールとガイドラインがセットになっており、クリーンで読みやすいコードベースを確保し、一般的なコーディング規約に準拠することができます。
gem 'rubocop', require: false
6. rails_best_practices
rails_best_practicesは、Railsアプリケーションを分析し、ベストプラクティスに基づいてコードを改善するための推奨事項を提供します。潜在的なパフォーマンスの問題、セキュリティの脆弱性、設計上の欠陥を特定するのに有用で、アプリケーションがRailsの規約やガイドラインに準拠しているかどうかを確かめることができます。
gem ‘rails_best_practices’
7. brakeman
brakemanは、Ruby on Railsアプリケーションのセキュリティ脆弱性を検出します。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)など、複数の潜在的なセキュリティリスクをコードベースで検査。開発プロセスの初期段階でセキュリティ上の問題を特定して対処することができ、セキュリティ侵害のリスクを軽減することができます。
group :development do
gem 'brakeman'
end
8. rspec-rails
rspec-railsは、Ruby on Railsでビヘイビア駆動開発(BDD)とテストに役立つ人気のgem。テストを書くための豊かな構文を提供し、アプリケーションの動作の定義と文書化が容易になります。効果的なテストプラクティスを通してコードの信頼性と正当性を保証することができます。
group :development, :test do
gem 'rspec-rails', '~> 6.0.0'
end
9. pry
pryは、Ruby on Railsでのデバッグ体験を向上する多機能gem。シンタックスハイライト、コードイントロスペクション、ブレークポイントなどの高度な機能が搭載された強力なREPL(Read-Eval-Print Loop)環境を提供してくれます。アプリケーションをインタラクティブにデバッグして、変数を検査し、効率的な問題の診断、修正が可能になります。
group :development, :test do
gem 'pry’
end
10. traceroute
tracerouteは、Railsアプリケーションのフローを理解し、潜在的なパフォーマンスのボトルネックを特定するのに役立ちます。各ミドルウェアやコントローラーの動作にかかる時間に関する詳細情報を取得できるため、最適化が必要な箇所を的確に特定できます。アプリケーションのパフォーマンスを最適化し、スムーズなユーザー体験を提供したいなら、tracerouteを活用しない手はありません。
gem traceroute
まとめ
今回ご紹介した10種類のgemをRuby on Railsアプリケーションに取り入れることで、開発ワークフローを大幅に改善し、コードの質やセキュリティを高めることができます。データベースクエリの最適化からコーディング規約への準拠、徹底的なテストの実施まで、さまざまな利点をもたらしてくれます。
既存のRailsプロジェクトの多くでは、セキュリティと脆弱性への対策として、CI/CDパイプラインのビルドでbrakeman、rspec-rails、bundler-auditを組み合わせて実行しています。
- brakeman:コードをスキャンして不審な呼び出しや表現がないかを分析
- rspec-rails:コードベースに対してテストケースを実行
- bundler-audit:既知の脆弱性を持つ依存関係を検出
これらのgemをすべて(または必要なものをいくつか)試して、Ruby on Railsのプロジェクトに役立ててみてください。
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