クライアントの国: 日本

Kinsta導入後の成果(要約)

  • インフラ対応の工数が約50%削減
  • サイトの安定性とパフォーマンスが改善され、アクセス急増時にもサイトがダウンしなくなったことで、安心して施策を打てるように
  • 脆弱性対策とステージング環境の整備で、安全な運用体制を実現

株式会社EventHub様(以下、敬称略)は、ウェビナーや展示会など、多様なイベントの開催・運営を支援するBtoB向けイベントマーケティングプラットフォームを展開しています。

イベントを通じて、ウェブ広告だけでは伝えきれないBtoB商材の価値を顧客企業に届けることを使命とし、「商材の受注につながるマーケティング活動の一環」として、クライアントがマーケティング全体を一元的に管理できる仕組みづくりを重視しています。同社は、自社製品のランディングページや関連ウェブサイトの運用にKinstaを導入しています。

今回は、同社でCTOを務める井関正也様に、Kinsta導入前に抱えていた課題と、導入後に見られた変化についてお話を伺いました。

会社概要

業界:BtoBイベントマーケティング

従業員数:約50名(業務委託含む)

課題

限られた人員と環境の中で、サイトの安定運用が困難に

当時EventHubは、AWSのEC2環境を活用し、自社でサーバーを運用していました。これにはコスト面のメリットが期待できたものの、実際には運用や保守にかかる工数が非常に大きく、結果としてサイト開発に必要なリソースを圧迫していました。マーケティングチームに在籍する開発者は1名のみで、インフラのチューニングのような高度な作業を行うのは難しく、新たに人員を増やす余裕もありませんでした。

加えて、スケーリングの仕組みが不十分であったことから、コロナ禍でトラフィックが急増した際には同時接続数がボトルネックに。サイトにアクセスができない状態に陥ることもありました。セキュリティ面でも、不審なリクエストの遮断やWordPress特有の脆弱性対応に追われ、安定運用への不安が残る状況でした。さらには、開発環境も適切に整備されておらず、ローカルで開発した内容をそのまま本番環境に反映していたことから、リリース時のトラブルリスクも高い状態が続きました。

このような運用負荷・スケーリング・セキュリティを自社だけで同時に解消するのは難しく、なおかつ『会社の顔』であるサイトの安定運用も譲れない。そこで、根本から解決できる手段を探す中でKinstaに出会いました。

解決策

自社運用の課題に、Kinstaの機能がマッチ

同社は独自にリサーチを行い、Kinstaを含む複数のサーバーを比較検討していました。そんな中、実際にKinstaを利用している知人からの推薦を受け、Kinstaに注目することに。調査を進めるうちに、Kinstaが自社で抱える課題を的確に解決してくれるサービスだと確信したと言います。

「他のサービスはどうしてもホスティング系が多く、WordPressだけでなくWebサービスもホスティング可能という機能がほとんどで、なかなか要件に合いませんでした。KinstaはWordPressサイトのホスティングに特化し、WordPress独自のセキュリティ周りの機能も多かったのでドンピシャでした」

KinstaのWordPress専用マネージドクラウドサーバーには、WordPress特有のセキュリティ対策や開発支援ツールが豊富に搭載されており、必要な作業はすべて独自開発コントロールパネル『MyKinsta』上で完結します。たとえば以下のような機能が全プランに標準付帯しています。

Kinstaの専用コントロールパネル「MyKinsta」
Kinstaの専用コントロールパネル「MyKinsta」
  • ワンクリックのステージング環境
    全てのサイトにステージング環境が付属します。クリックで簡単に立ち上げ可能で、本番サイトに触れることなく、アップデートのテストや機能のプレビュー、品質保証を安全に実行することができます。

「以前は、ローカルで確認してそのまま本番環境に適用するという、開発環境が整っていない状態だったのですが、Kinsta導入後は、ステージング環境を簡単に構築できるようになり、確認が終わったら本番に反映するという『正しい開発フロー』を、工数をかけずに実現できるようになったのがありがたいです」

  • 自動バックアップと復元機能
    毎日サイトのバックアップが自動作成され、プランに応じて14日〜30日間保持されます。これにより、プラグインを使用することなく、常にサイトの最新バージョンを復元できる状態を維持し、セキュリティリスクの影響を最小化することができます。また、バックアップの復元はワンクリックで完了します。他にも手動、システム生成、ダウンロード可能なバックアップ、アドオンで時間単位および外部バックアップも可能です。
毎日自動で作成されるバックアップはワンクリックで復元可能
毎日自動で作成されるバックアップはワンクリックで復元可能
  • 内蔵パフォーマンスツール
    WordPressサイトのあらゆる指標を分析できるAPMツールが内蔵されているため、外部ツールに頼る必要がありません。日々のサイト管理を行うのと同じコントロールパネルで、サイトのボトルネックをすぐに特定できるため、最適化や問題解決が容易になります。
MyKinsta内蔵のAMPツール
MyKinsta内蔵のAMPツール

「これまでは、開発側でアクセス数を確認する際に、Googleアナリティクスでデータを見ながら、AWS上でサーバー負荷をチェックするなど、複数のサービスを行き来する手間がありました。現在は、MyKinsta上でアクセス分析だけでなく、サーバーの待機状況や負荷の有無まで一括で把握できるようになり、アクセス分析とインフラ管理を1つのサービスで実行できるようになったことで、運用が非常にしやすくなりました」

EventHubは、Kinstaに移行したことで、それまでの大きな課題であった運用負荷の軽減と安定性の両立を実現することができました。

結果

運用の手間が消え、打ちたい施策をすぐに実行できる環境へ

EventHubは、EC2環境での自社運用により多数発生していたインフラ管理業務を、Kinstaの導入によって大幅に削減し、大きな課題を解消しました。具体的なKinsta導入後の効果には、以下3つの点が挙げられます。

運用効率の向上と作業負荷の削減

以前は、アクセス解析にはGoogle アナリティクス、サーバー負荷の確認にはAWSなど、複数のツールを併用する必要がありましたが、Kinstaへの移行後、MyKinsta上ですべてのサイト管理を行えるようになったことで、運用が格段に楽になりました。

「インフラ周りの運用工数が削減されたことで、本来注力すべき『サイトをどう設計するか、どう見せていくか』といった業務にしっかりと時間を使えるようになったのが一番大きなところです」

実際に、チーム全体で月あたりおよそ10時間の作業削減を実現しています。

パフォーマンスと安定性の確保

Kinstaでは、サーバーやPHPの自動最適化、隔離コンテナ技術の採用、オートスケーリングなどにより、パフォーマンスのチューニングが不要です。EventHubでは、Kinstaへの移行後にトラフィック急増によるサイトダウンのアラートがほぼ発生しなくなり、開発メンバーは大きな安心感を得ることができたといいます。

「以前は、アクセス増加を懸念して広告出稿を控えたり、記事の公開数を思うように増やせなかったりといった課題があったのですが、現在はそうしたシステム起因の制約で足踏みすることは一切なくなりました。おかげで効果のある施策を積極的に打ち出せています」

セキュリティと開発環境の強化

WordPress特有の脆弱性や不審なリクエストへの対処をKinstaに一任することで、セキュリティ面での不安も大幅に軽減することができました。さらに、ステージング環境を簡単に構築できるようになったことで、安全な開発フローも確立できています。

「本来集中したい開発に集中できるというのがKinstaの大きな強みだと思います」

以前は、アクセス増加を懸念して広告出稿を控えたり、記事の公開数を思うように増やせなかったりといった課題があったのですが、(Kinsta導入後の)現在はそうしたシステム起因の制約で足踏みすることは一切なくなりました。おかげで効果のある施策を積極的に打ち出せています。

Kana Onishi

Kinstaにて日本市場向けローカライゼーションを担当。コンテンツの翻訳や日本のお客様の導入事例を執筆しています。