コンピュータのhostsファイルを使用すると、DNSの内容を上書きし、手動でホスト名(ドメイン)をIPアドレスにマッピングできます。この方法は移行時、DNSが伝播する前に別のサーバーからウェブサイトがどのように見えるかを確認する場合に便利です。
Kinstaを含む多くのホスティング会社では、DNSの変更前にサイトに訪問できる一時URL(Kinstaではsitename.kinsta.cloud)を提供していますが、サイトの内部リンクやテンプレート内に異なるドメイン名がハードコーディングされている場合は、完全に再現されない可能性があります。特にこれは、別のホスティングプラットフォームにサイトを移行した後によく見られます。
Kinstaのサイトプレビュー機能
KinstaのWordPress専用マネージドホスティングをご利用の場合は、Kinstaサーバー上にサイトを移行する際、hostsファイルを編集する必要はおそらくほぼありません。サイトプレビュー機能がバックグラウンドで動作し、サイトのマークアップに埋め込まれたドメイン名をページのプレビューに使用する一時URLにマッピングします。
サイトプレビュー機能は、MyKinstaから利用できます。
以上で完了です。このように非常にシンプルです。
hostsファイルを編集してKinstaサイトをプレビューする
基本的にはこのサイトプレビュー機能で事足りますが、サイトで一時URLでは動作しないツールを使用している可能性があります。その場合は、以下の手順に従ってhostsファイルを編集してください。まずはサイトIPアドレスを探して、ドメインのDNSレコードを確認しましょう。
KinstaのCloudflareの統合は、サイトIPアドレスがCloudflareのサーバーに紐付くことを意味します。これは、Kinstaサイトの外部IPアドレス(サイトがアウトバウンド接続を行う際に一部のサービスが表示するもの)や、SFTPまたはSSHで接続するために使用するホストIPアドレスとは異なります。
ドメインの所有権を確認するには、Cloudflare DNSを使用していないドメイン(非Cloudflareドメイン)、またはCloudflare DNSを使用しているドメイン(Cloudflareドメイン)の指示に従います。
確認を終えたら、後述の「Windowsでhostsファイルを編集する」または「Macでhostsファイルを編集する」セクションに進んでください。
Kinsta以外のサイトをプレビューする前に
コンピュータ上でhostsファイルを編集することは、基本的にコンピュータ上でDNSを偽装することを意味します。ファイルの編集、または後ほどご紹介する無料ツールを使用する前に、以下2つの準備が必要になります。
1. サイトのドメイン名を確認する
この作業のポイントは、DNSがまだサポートしていないアドレスでウェブサイトを表示することにあります。そのため、サイトのドメイン名が必要です。
サイトを別のホスティングに移行したばかりであれば、ドメイン名は以前のサイトで使用されていたものである可能性が高いです。
2. サイトのIPアドレスを確認する
ホスティング会社によって割り当てられたIPアドレスを確認してください。通常であれば、コントロールパネルに表示されるはずです。
ドメイン名とサイトのIPアドレスをメモしたら、以下の3つのいずれかの方法で、DNSを変更する前にサイトをプレビューしましょう。
方法1. 何も編集せずにKinsta以外のサイトをプレビューする
hostsファイルを編集することに抵抗がある場合は、無料のオンラインツール「SkipDNS」で簡単にプレビューすることができます。
重要)SkipDNSは、DNSを変更する前にウェブサイトの外観を表示するためだけに設計された外部サービスです。サイトの速度やパフォーマンスを評価するには、後ほどご紹介する方法のいずれか、またはホスティング会社が提供する一時URLを使用してください。サイトのパフォーマンスを適切に測定するには、DNSを有効にした状態でスピードテストツールを使用するのが最善です。
ステップ1
skipdns.linkにアクセスし、ドメイン名とIPアドレス(先ほど準備したもの)を貼り付けます。
SSL証明書がすでにインストールされているかどうかにもよりますが、「Flexible SSL」にチェックを入れることも可能です。
また、以下は一時的に無効にすることをお勧めします。
- CDN(CDN Enablerのようなプラグインを使用している場合、一時的に無効にしてください)
- Adobe Fonts(可能であればコメントアウトするか、ヘッダーから削除してください)
無効にする方法がわからない場合は、利用しているホスティング会社に問い合わせるか、2つ目の方法を実践してください。
ステップ2
これでプレビューが作成されたら、「Check it」をクリックします。
ステップ3
DNSを変更する前にWordPressサイトを表示するための一時URLが割り当てられます。一時URLにアクセスして、すべてが正常に動作することを確認します。
2. Windowsでhostsファイルを編集する
この方法では、hostsファイルを編集して、本番サイトをより忠実に再現します。CDNやウェブフォントを無効にしなくて良いのが、この方法のメリットです。
効率的に作業を進めるには、Hosts File Editorのような無料のアプリケーションが便利です。一度に複数のエントリを管理したり、絞り込みや並べ替えを行ったりすることができます。
アプリケーションを使用しない場合は、以下の手順に従ってWindowsでhostsファイルを編集してください。
ステップ1
hostsファイルは通常、追加のアクセスが必要になります。そのため、まずは管理者としてテキストエディターを開いてください。スタートメニューをクリックし、テキストエディターを検索して右クリックしたら、「管理者として実行」を選択します。これは、メモ帳やNotepad++、Atomなどのテキストエディターでも代替可能です。以下は、Sublimeを使用した例です。
ステップ2
テキストエディターで「ファイル」>「開く」をクリックし、次の場所を参照します。
C:\Windows\System32\drivers\etc\
ステップ3
hostsファイルを選択し、「開く」をクリックします。
ステップ4
ファイルの一番下に、IPアドレス(先ほど用意したもの)とドメイン名(この例ではwpdev.inkを使用)を貼り付けます。リダイレクトをテストしたい場合は、wwwあり、またはwwwなしバージョンも追加してください。
192.168.1.2 wpdev.ink 192.168.1.2 www.wpdev.ink
上記を追加したら、ファイルを保存します。
ブラウザを起動し、挿入したドメインに移動すると、サーバー上と同じように表示され、WordPressの管理画面にログインしたり、サイト内の要素をクリックしたりできるようになります。テストを終えたら、hostsファイルからDNS情報を削除してください。その後、ドメインレジストラ、またはサードパーティのDNSサービスを通じて、DNSをサーバーに紐付けます。
方法3. Macでhostsファイルを編集する
Macでhostsファイルを編集する手順は以下の通りです。
ステップ1
画面下部の「Finder」アイコンをクリックします。「アプリケーション」>「ユーティリティ」を開きます。
ステップ2
「ターミナル」を開き、以下を貼り付けてEnterキーを押します(通常、管理者パスワードの入力も必要)。
sudo nano /private/etc/hosts
ステップ3
再度Enterキーを押して、ファイルの編集を始めます。キーボードの矢印で下にスクロールし、IPアドレス(先ほど用意したもの)とドメイン名(この例ではwpdev.inkを使用)を挿入します。リダイレクトをテストしたい場合は、wwwあり、またはwwwなしバージョンも追加してください。
192.168.1.2 wpdev.ink 192.168.1.2 www.wpdev.ink
次にCtrl + Oを押すと、ファイルに書き込むかどうかの確認が行われるため、Enterキーを押してください。画面の下に書き込みの確認が表示されます。その後、ターミナルを閉じます。
ブラウザを起動し、挿入したドメインに移動すると、サーバー上と同じように表示され、WordPressの管理画面にログインしたり、サイト内の要素をクリックしたりできるようになります。テストを終えたら、hostsファイルからDNS情報を削除してください。その後、ドメインレジストラ、またはサードパーティのDNSサービスを通じて、DNSをサーバーに紐付けます。