Chromeでウェブサイトにアクセスしようとしたら、「このサイトにアクセスできません」の文字とともに、エラーコード「ERR_CONNECTION_CLOSED」が表示されたという経験はありませんか?

他のエラーメッセージとは異なり、「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーはウェブサイトではなく、コンピュータからサイトへの接続に問題があることを意味します。

一時的な不具合でページを再読み込みすることですぐに解消されることもありますが、場合によってはコンピュータ上でトラブルシューティングを行う必要があります。

この記事では、「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーを掘り下げ、12の解決方法をご紹介していきます。

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーの解決方法について動画での解説もご用意しています

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーとは

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーの意味を理解するには、サイトへのアクセス時にChrome上で何が起こっているかを知る必要があります。

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーの表示例
「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーの表示例

リンクをクリックしたり、アドレスバーにサイトのドメイン名を入力したりすると、Chromeがそのサーバーに接続します。接続が確立されると、コードや画像など、ページの表示に必要な特定のファイルが要求されます。

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーは、Chromeが接続を試みたものの、コンピュータまたはインターネット接続に問題があり、接続を確立できない、または維持できなくなったことを意味します。

サイトのサーバーに接続できないことから、Chromeがサイトをレンダリングできず、代わりのこのエラーメッセージを表示します。

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーを解決するには、サイトのサーバーへの接続を妨げている要因を突き止める必要があります。

なお「ERR_CONNECTION_CLOSED」は、サーバーサイドの問題(サイトがダウンしているなど)によって発生する「ERR_CONNECTION_REFUSED」エラーとは異なります。

Google Chromeの「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラー解決方法(12種類)

それでは早速、「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーの原因を突き止めるためのトラブルシューティング方法を見ていきましょう。

1. インターネット接続を確認する

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーに遭遇したら、まず最初に行うべきことは、インターネット接続の確認です。

サイトへのアクセス時にインターネット接続が切断された可能性もゼロではありません。

ケーブルが抜けた、Wi-Fiの圏外に移動した、ルーターに問題がある、モバイルデータ通信が不安定であるなどの理由が考えられます。

PCやモバイルのアプリを開いて、使用できるかどうかを確認するのも手です。例えば、Spotifyを使用している場合、ダウンロードしていない曲を再生してみることで、インターネット接続が確立されているかがわかります。問題なく再生できる場合は、原因は他にあります。

2. ネットワーク設定をリセットする

インターネットが正常に動作していても、デバイスのネットワーク設定に誤りがあり、サイトへの接続がブロックされて、このエラーが発生することもあります。

この原因は一般にTCP/IP設定にあることが多く、ネットワーク設定をリセットすることで解決できます。

Windowsでのリセット方法

Windowsでネットワーク設定をリセットするには、管理者としてコマンドプロンプトを開きます(コマンドプロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択)。

プロンプトを開いたら、いくつかのコマンドを実行します。

まずは以下のコマンドを貼り付け、Enterキーを押してTCP/IP設定をリセットします。

netsh int ip reset

続いて、以下のコマンドでWindows Socketsのインターフェース(Winsock)をリセット。

netsh winsock reset

最後に、変更を確定するためにコンピュータを再起動してください。

コマンドプロンプトでコマンドを実行
コマンドプロンプトでコマンドを実行

macOSでのリセット方法

macOSを使用している場合は、コマンドラインインターフェースを使用せず、以下の手順でネットワーク設定をリセットすることができます。

  1. システム設定」を開く
  2. ネットワーク」タブを開く
  3. 接続しているインターネットを選択する
  4. 詳細」をクリック
  5. TCP/IP」タブを選択
  6. DHCPリースを更新」をクリック

3. ファイアウォールまたはウイルス対策ソフトの設定を確認する

ファイアウォールやウイルス対策ソフトの設定が厳しすぎる可能性もあります。

コンピュータの安全確保のため、ファイアウォールがサイトへの接続をブロックしているかもしれません。

これを確認するには、コンピュータのファイアウォールまたはウイルス対策ソフトを一時的に無効にしてみてください。これでエラーが解消される場合は、ファイアウォールの設定をリセットして潜在的な設定ミスを解決するか、別のウイルス対策ソフトに移行します。

WindowsとmacOSの内蔵ファイアウォールを無効する方法は以下のとおりです。

  • Windows:コントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」>「ファイアウォールの状態の確認」>「Windows Defender ファイアウォールの有効化または無効化」>「Windows Defender ファイアウォールを無効にする」を選択
  • macOS:システム設定を開き、「ネットワーク」>「ファイアウォール」に移動してトグルスイッチをオフ
Windows Defender ファイアウォールを無効化
Windows Defender ファイアウォールを無効化

4. 仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用する

特定のサイトにアクセスしたときにだけこのエラーが表示される場合は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)がそのサイトをブロックしている可能性があります。

これを回避する方法は、ProtonVPN(無料)のようなVPNサービスを利用することです。VPNは接続を暗号化し、ISPによるブロックを回避することができます。

5. VPNまたはプロキシサーバーを無効にする

VPNの使用が解決方法になり得る一方で、VPNやプロキシサーバーを使用している場合は、サービスが正しく動作していないと「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーを引き起こすこともあります。

これを確認するには、使用しているVPNやプロキシサーバーを無効にしてみてください。これでエラーが解消されるようであれば、VPNまたはプロキシが原因になっています。

VPNを無効にするには、ソフトウェア自体を閉じるか無効にします。たとえばChromeの拡張機能でVPNを有効にしている場合は、Chromeの「設定」>「拡張機能」から無効にできます(拡張機能については後ほど詳しく)。

プロキシサーバーを無効にするには、デバイスの接続設定に移動します。Windowsでの手順は以下のとおりです。

  1. コントロールパネルを開き、「インターネット オプション」を検索
  2. ネットワーク設定のポップアップを開く
  3. インターネットのプロパティ」の「接続」タブを開く
  4. LAN の設定」をクリック
  5. 設定を自動的に検出する」および「LAN にプロキシ サーバー使用する」のチェックを外す
Windowsでプロキシサーバーを無効化
Windowsでプロキシサーバーを無効化

macOSでのプロキシ設定の管理方法はこちらをご覧ください。

6. DNSキャッシュをクリアする

サイトを訪問する際、ブラウザとコンピュータは、訪問先のドメインに紐付いているサーバーの実際のIPアドレスを調べる手段が必要になります。コンピュータは、ドメインネームシステム(DNS)を利用してIPアドレスを調べます

インターネット利用の高速化を図るため、コンピュータはサーバーのIPアドレスをローカルのDNSキャッシュに保存します。このキャッシュに何らかの誤りがある場合も、「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーを引き起こすことがあります。

これについては、コンピュータのDNSキャッシュをクリアすることで、有効なIPアドレスへの接続が可能になります。

コンピュータのDNSキャッシュをクリアしたら、以下にアクセスしてChromeブラウザのDNSキャッシュもクリアします。

chrome://net-internals/#dns

Clear host cache」をクリックします。

ChromeでDNSキャッシュをクリア
ChromeでDNSキャッシュをクリア

7. Chromeのブラウザキャッシュをクリアする

DNSキャッシュのクリアに加えて、Chromeブラウザのキャッシュもクリアしましょう。

ブラウジング高速化のため、Chromeはサイトの一部静的ファイルをブラウザキャッシュと呼ばれるローカルキャッシュに保存します。このキャッシュが破損すると、「ERR_CONNECTION_CLOSED」をはじめとする様々なエラーを引き起こすことがあります。

Chromeのキャッシュをクリアするには、Chromeブラウザバーから以下にアクセスします。

chrome://settings/privacy

次に、「閲覧履歴データを削除」をクリックします。

Chromeの閲覧履歴データを削除
Chromeの閲覧履歴データを削除

ポップアップウィンドウで、クリアするデータを選択します。

  1. 期間に「全期間」を選択
  2. ブラウザキャッシュをクリアするには、「キャッシュされた画像とファイル」を選択
  3. データを削除」をクリックして確定
削除するデータを選択
削除するデータを選択

8. Cloudflare DNS(1.1.1.1)を使用する

先ほどDNSキャッシュのクリアについて触れました。DNSとは、コンピュータとChromeがサイトのドメインの背後にあるサーバーのIPアドレスを調べるために使用するものです。

この検索を実行するDNSサービスはコンピュータで設定可能です。しかし、コンピュータが使用するように設定されているサービスに問題がある場合は、「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーが発生する可能性があります。

これを解決するには、CloudflareのDNSキャッシュサーバサービスの1.1.1.1(無料)を使用するように設定してみてください。デバイス別の1.1.1.1の設定方法はこちらをご覧ください。

9. Chrome拡張機能を無効にする

Chrome拡張機能の中には、何らかの方法で接続を妨害し、意図せず「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーをトリガーするものがあります。

これを確認するには、すべての拡張機能を無効化してみてください。その後エラーが解消されれば、いずれかの拡張機能に問題があることがわかります。特定するため、拡張機能を1つずつ有効化していきましょう。

Chrome拡張機能の管理ページには「設定」>「拡張機能」、または以下のアドレスから直接アクセス可能です。

chrome://extensions/

Chrome拡張機能の管理ページ
Chrome拡張機能の管理ページ

10. Chromeを更新または再インストールする

古いバージョンのChrome を使用している場合も、互換性や設定の問題で「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーが発生する可能性があります。

したがって、Chromeの最新バージョンを使用しているかどうかも確認してください。また、必要に応じてChromeを再インストールしてみるのも手です。

Chromeの更新を確認するには、以下のアドレスにアクセスします。

chrome://settings/help

アクセスすると、新しいバージョンがある場合は自動的に更新が行われます。その後、「再起動」をクリックして、ブラウザを再起動すれば完了です。

Chromeを最新バージョンに更新
Chromeを最新バージョンに更新

AndroidまたはiOSデバイスでエラーが発生している場合は、アプリストアまたはシステム設定からChromeアプリを更新することができます。

11. Chromeの設定をリセットする

Chromeに問題がある可能性を排除するには、Chromeをデフォルトの設定にリセットします。

Chromeにはこのための機能が組み込まれています。「設定」>「設定のリセット」にアクセスし、「設定を元の規定値に戻す」をクリックします。

Chromeの設定を元の規定値に戻す
Chromeの設定を元の規定値に戻す

12. コンピュータのマルウェアをスキャンする

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーが発生する原因として、コンピュータに悪意のあるソフトウェアやウイルスが存在する可能性があります。

包括的にこの問題をチェックするには、Malwarebytesなどのマルウェアスキャナーを使用して、デバイスのマルウェアスキャンを実行することをおすすめします。

まとめ

「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーは、ウェブサイトにアクセスしようとして発生するGoogle Chrome固有のエラーです。これはデバイスの接続に問題があり、Chromeがサイトのサーバーに正常に接続できないことを意味します。

このエラーを解決するには、デバイスの接続を妨げている原因をトラブルシューティングする必要があります。この記事でご紹介した12の方法を順番に実践していけば、エラーを解決しブラウジングを再開できるはずです。