広告に書かれていなくても、ホスティングには必ず制限があります。無制限のディスク領域や帯域幅などはありません。会社によっては、そのように宣伝して販売しているかもしれませんが、結局はアカウントを停止したり、超過料金を請求することになります。しかし、Kinstaではこの種の、騙すようなアプローチは行わず、明確にプランの制限を示しています。この記事では、PDFDOCXMP3ホスティングを最適にオフロードする方法をご紹介します。オフロードすることで、WordPressホストへの影響を心配する必要はなくなり、帯域幅やディスク容量の減少が大幅なコスト削減につながります。

PDF、DOCX、MP3のストレージのオフロード

PDF、DOCX、MP3ファイルを大量に抱えるサイトの多くが最初にぶつかる問題が、ディスク領域の枯渇です。MP3ファイルは、画像ファイルの最適化のように、常に小さなファイルサイズに圧縮できるとは限りません。すぐにホスティングプラン全体の容量を占め、アップグレードを余儀なくされます。典型的なMP3ファイルのサイズは約3MB。大した大きさでないように聞こえるかもしれませんが、サイトに1,000個のMP3ファイルがあれば、それだけで3GBになります。この問題の解決には様々な方法がありますが、Kinstaのお客様で非常にうまく動作している方法をご紹介します。

Kinstaのディスク容量アドオン

外部の設定を必要としない、簡単なソリューションを希望するKinstaユーザー向けには、ダッシュボード「MyKinsta」のディスク容量アドオンがあります。追加ディスク容量は1GBあたり1ドルで、20GB単位で購入できます。しかもディスク容量アドオンは、Kinsta CDNやダッシュボードの分析と100%互換性があります。

重要:Kinstaユーザーは、すべてのタイプのビデオファイル(avi、mp4、mpeg、mpg、webm、movなど)を外部でホストする必要があります。多くはYouTube/Vimeoなどのサービスが提案されますが、これが唯一の選択肢ではありません。メディアを外部にオフロードする場合は、以下のAmazon S3およびGoogle Cloud Storageとの統合ガイドを参照してください。

mykinsta disk space add on

Amazon S3へのストレージのオフロード

元のサーバー(WordPressホスト)のディスク領域を消費しないように、ストレージをどこか別の場所にオフロードする必要があります。最も簡単な方法の一つが、Amazon S3のようなサービスとの統合です。ウェブホストに非常に似ていますが、一般に、より安価な帯域幅とストレージが提供されます。主に追加のバックアップが必要なサイトや、ダウンロード、ソフトウェア、ビデオ、ゲームなどの大容量ファイルを提供する大規模サイトに使用されます。Amazonは非常に信頼性が高く、実績がある上に、その巨大なインフラストラクチャのため、非常に安価にストレージを提供しています。S3の顧客には、Netflix、Airbnb、SmugMug、Nasdaqなどがあります。

WordPressとAmazon S3の詳細な統合ガイドをご覧ください。S3にオフロードしたファイルを、ローカルサーバーから削除するオプションを有効化すると、WordPressホストで必要なディスク領域を大幅に削減できます。

Amazon S3─ローカルサーバーからのファイルの削除
Amazon S3─ローカルサーバーからのファイルの削除

Google Cloud Storageへのストレージのオフロード

また、WordPressとGoogle Cloud Storageでも、これと同じようなアプローチが取れます。メディアファイルをGoogle Cloud Storageから直接配信し、セカンダリバックアップとして使用し、CDNと連携できます。ローカルに保存されたファイルは自動的に削除され、ディスク領域を節約します。

WordPressとGoogle Cloud Storage
WordPressとGoogle Cloud Storage

CDNでのPDF、DOCX、MP3のキャッシュ配信

もう1つのシナリオは、ホスティング業者のディスク領域は十分あるものの、帯域幅の消費が問題の場合です。この場合、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を使用して、PDF、DOCX、MP3ファイルの配信をオフロードおよびキャッシュできます。WordPressでCDNを使用すべき理由については、こちらの記事をお読みください。また、このアプローチは、上で説明したストレージのオフロードと組み合わせられます。

KinstaなどのWordPressホストもコンテンツをキャッシュしますが、サイトの更新中や、開発またはテスト目的のキャッシュのクリアを考えると、通常はCDNでのキャッシュの方が堅牢です。CDNにキャッシュされたアセットは、頻繁に削除されることを意図しておらず、従って、コンテンツをより速く配信できます。CDNでのキャッシュは、トラフィックの急増によるホストの負荷を防止し、帯域幅のコストを削減します。せっかくネット上でサイトが話題になっても、途方もない請求書が来るような事態は避けたいものです。

平均してCDNは、トラフィックを最大70%オフロードします。

CloudflareでPDF、DOCX、MP3をキャッシュする方法

Cloudflareは、主に無料プランと大規模なネットワークにより、WordPressユーザーに人気のCDN事業者です。KinstaユーザーであればCloudflareのCDNを活用できます。自身のCloudflareアカウントの設定や、カスタムルールの設定は不要で、MyKinstaでKinsta CDNを有効にするだけで済みます。追加費用はかかりません。Kinsta CDNを有効にした後で、サイトのPDFやDOCXファイルのキャッシュに問題がある場合は、当社のカスタマーサポートが24時間365日、喜んでサポートいたします。

Kinsta以外のユーザーが、自身のCloudflareアカウントを設定するには、以下の有用なチュートリアルを参照ください。

Cloudflareはデフォルトで、PDFとDOCXファイルをキャッシュします。しかし、MP3ファイルをキャッシュするには、WordPressサイトのページルールを設定する必要があります。

Cloudflareページルールの作成

ページルールを作成するには、Cloudflareにログインし、「Page Rules」をクリックします。次に、「Create Page Rule」をクリックします。

Cloudflareのページルールの作成
Cloudflareのページルールの作成

ページルールを使用すると、トラフィック上のURLリクエストにマッチする動的なパターンを作成できます。以下の構文例は、Cloudflareですべての.mp3ファイルをキャッシュするページルールを作成します。

https://yourdomain.com/*.mp3*

「設定」の下で、「Cache Everything」オプションを選択してください。

Cloudflareの.mp3をキャッシュするページルール
Cloudflareの.mp3をキャッシュするページルール

以下は、開発サイトでのmp3の例です。Cloudflare(サーバー:cloudflare-nginx)から読み込まれ、キャッシュステータスが「HIT」を示していて、CDNキャッシュから配信されていることがわかります。

CloudflareでのMP3のキャッシュ
CloudflareでのMP3のキャッシュ

まとめ

今回の記事で、PDF、DOCX、MP3のホスティングを最適にオフロードする方法について、少しでもご理解いただけると幸いです。Amazon S3や一般的なCDN事業者のストレージソリューションを使用すると、ディスク容量や帯域幅を減らし、コストを削減できます。