経験や学歴がなくても簡単に始められる人気の仕事といえば、ウェブ開発。自宅からいつでも始めることができ、数週間から数ヶ月の学習と実践を積み重ねれば、サイト開発のスキルを身につけることができます。

とはいえ、「何から手をつけていいのかわからない」という方も多いはずです。簡単なHTMLを書くだけなら比較的簡単ですが、実際にクライアントに納品できる機能的なウェブサイトを作るのは難易度が格段に上がります。また、ウェブ開発の世界には様々なルールがあり、やや複雑です。

そこでこの記事では、開発者を目指すためのリソースをお探しの方、またはウェブ開発をさらに掘り下げたい方向けに、おすすめのオンライン学習プラットフォーム、ウェブ開発ツール、そして仕事の見つけ方を解説していきます。

ウェブ開発者になる方法について動画でも解説しています

ウェブ開発者とは?

ウェブサイトには、個人からチーム全体まで様々な人が関わるのが一般的ですが、ウェブ開発者がサイトの構築に欠かせない存在です。ウェブ開発者はコードを書いて、ウェブ上で機能するウェブサイトを作り上げます。

ウェブ開発者の主な仕事は、コードを書くことであり、コードは特定のプログラミング言語で書かれたコマンドや指示を意味します。コードは、パソコンのOSからウェブサイトのバックエンドまで、オンラインのあらゆる側面を司ります。

例えば、ウィキペディアのトップページにアクセスして、このようなシンプルなサイトを作るには何が必要かを想像してみてましょう。ウェブ開発者は、サイドバー、テーブル、トップバーなど、ページレイアウトを構築します。また、特集記事から記事を抜粋したり、サイトに動的なコンテンツを組み込むスクリプトも設定する必要があります。

そして記事、およびその改訂版を保存するデータベースも、開発者が設定します。

ウィキペディアのトップページ
ウィキペディアのトップページ

このように、かなりの作業量が求められ、タスクをひとつひとつ積み重ねていくことで、機能的なウェブサイトが完成します。

インターネットの急激な普及に伴い、プログラマーの需要は高く、仕事も見つけやすいジャンルです。最近では個人でもウェブサイトを持つことは珍しくなく、多くのユーザーを助けることができます。

ウェブ開発者の仕事内容

ウェブ開発者の主な仕事内容は以下のとおり。

  • コードを使ってウェブサイトやプロトタイプを作成する
  • 視覚的に美しいレイアウトをデザインする(ゼロから作る、またはウェブデザイナーと協力)
  • コードのクリーンアップやエラーのデバッグを行い、ウェブサイトの保守管理を行う
  • SQLを使ってデータベースを作成する
  • クライアントと一緒にプロジェクトスコープを決定し、ウェブサイトの機能やデザインの詳細を決定する

専門領域はいくつもあり、どの分野に特化するかによって仕事内容も大きく変わります。例えば、フロントエンドやバックエンドの技術を専門とすることもできれば、サーバーを稼働させるシステム管理者になることも可能です。

ウェブ開発者になるメリット

ウェブ開発者は、誰でもなれる職業というわけではありませんが、参入障壁が低く、気軽に始められる仕事のひとつです。また給料は比較的高く、常に需要があるため、仕事も見つけやすいのが特徴です。

また、基本的なことはすぐに独学で身につけることができます。また、開発やプログラミングに関心のある人の中には、課題に取り組み、それを解決することにやりがいを感じる傾向が見られます。

年々成長し、継続的に需要のあるIT業界に参入するのは、賢い選択とも言え、コーディング言語のトレンドを追う意欲と能力があれば(ウェブ開発では、常に新たな言語が登場し、それを取り入れたい企業は多数)、安定した仕事が高確率で手に入ります。

2020〜21年のコーディング言語のトレンド
2020〜21年のコーディング言語のトレンド

また、ウェブ開発は柔軟性のある仕事で、フリーランスとして働くこともできれば、会社に就職することもできます。仕事内容・働き方・スキル・言語は、自分次第です。

ウェブ開発という職業が自分に適しているかどうかを知るには、初心者向けのコーディングに挑戦してみるといいかもしれません。理解できるようであれば、向いているかもしれません。

ウェブ開発者の給与と需要

ウェブ開発者になるかどうかを決定するには、平均給与や仕事を得る難易度が気になります。

ウェブ開発者PHP開発者WordPress開発者の平均給与については、それぞれ別の記事でご紹介しています。

例えば、Indeedによると、米国のウェブ開発者の平均年収は82,129ドル(約1,300万円)です。

2026年1月のウェブ開発者平均年収
2026年1月のウェブ開発者平均年収

日本国内の場合、マイナビ転職エージェントの記事によると、Webエンジニアを含むIT関連の平均年収は、約500万円~600万円と言われています。したがって、英語での業務に対応できる場合は、米国をはじめとする海外の求人も選択肢の一つになりそうです。

もちろん、実際の給与は経験レベル、専門とする言語や技術、フリーランスか会社勤めかなどによって異なります。上記はあくまで基準値として覚えておいてください。

需要に関しては、米国労働局の予測によると、2024年〜2034年にかけて、ウェブデザイナーと開発者の需要は7%増加するとされています。これはその他多くの職業の平均成長率を大きく超えています。

また、ウェブ開発の仕事の中には、競争率が高いものもあります。例えばフロントエンド開発は、スキルを身につけやすいため、給与が平均より下がり、仕事が見つけづらい可能性があります。

ウェブ開発者になるのは大変?

ウェブ開発は、プログラミングの基礎があれば比較的始めやすい仕事です。ただし、すべての仕事が誰にでも簡単にできるわけではなく、もちろんコードの理解に人一倍苦労する人もいます。

比較的スムーズにウェブ開発者になれる人もいれば、なかなか馴染めない人もいます。しかし、多くの場合、最初にある程度の努力を重ね、その後は実践を積み重ねていくことで、必要なスキルを身につけることができます。

ウェブ開発者になるための道筋は、他の職種と比べて比較的シンプルで、学ぶための手段も豊富に用意されています。また、専門分野の幅が広く、柔軟で多様性のある仕事であるため、自分の学習スタイルやスキルに合った分野を見つけやすいのも特徴です。

ウェブ開発を習得するには、継続的な学習意欲と努力が欠かせず、問題解決能力も求められます。基本的な内容は理解しやすい一方で、学習を進める中で解決に時間がかかる課題に直面することもあるでしょう。

ウェブ開発の要件

ウェブ開発者になるために必要な要件は、例によって、専門とする分野によって異なります。例えば、バックエンド開発者にはデータベースの作成や管理に関するスキルが求められる一方で、フロントエンド開発者は必ずしもそうしたスキルを必要としない場合もあります。

また、使用できるプログラミング言語やフレームワークの違いによって、開発者の役割や種類は区別されます。

専門分野に関わらず、一般的にウェブ開発者として活躍するには、以下のようなスキルと知識が必要になります。

  •  

    少なくとも1つのウェブ言語に精通(職種により必要な習熟度は異なる)

  • その他の関連スキル(ウェブフレームワーク、ライブラリ、Gitなど)に関する知識
  • コードの記述、デバッグに必要な問題解決能力
  • バグの発生を未然に防ぐため、細部にまで気を配る注意力
  • 他の開発者、クライアント、デザイナー、テスターと協働するためのコミュニケーション能力と協調性
  • 自分で問題を解決できる一定レベルの自立性
  • 自発的な学習ができる能力
  • 一般的なウェブ開発ツールへの精通

ウェブ開発者になるのに大学の学位は必要?

多くの求人では、応募者にコンピュータ・サイエンス、またはそれに関連する分野の準学士号の取得を求めています。学士号やオンラインコースでの資格取得を要件とする企業もあります。

しかし、仕事を見つけるのに大学の学位が必須というわけではありません。実務経験や充実したポートフォリオを重視するケースも多々あります。近年の求人では、学位よりも経験をどのように証明できるかが問われる傾向が強まっています。

ウェブ開発は高度な技術を要する一方で、独学も可能な分野であるため、資格の有無よりも、実際の業務をどの程度理解し、遂行できるかが重要になります。

独学でスキルを身につける場合、実務経験や学位のない状態で最初の仕事を得るのは簡単ではないかもしれません。その場合は、個人開発によるポートフォリオを作成したり、フリーランスとして実務経験を積んだりするのが一般的です。

大学の学位取得が難しい場合は、コーディングブートキャンプなどのオンライン資格を代替手段として検討するのもありです。

ウェブ開発者の種類

ウェブ開発は専門性の高い仕事で、「ウェブ開発者」と単に名乗る人はあまりいません。仕事内容、サイトのどの部分を専門とするか、どのような技術を扱うかによって、さまざまな職種があります。

  • フロントエンド開発者(クライアントサイド開発者):フロントエンド・クライアントサイド開発者は、スキルを身につけるのが比較的容易であるため、多くの人が選ぶ職種。使用する言語は、HTML、CSS、JavaScript。BootstrapとjQueryも人気あり。
  • バックエンド開発者:サーバーやデータベースなどの技術を扱う。バックエンドの言語は何十種類もあるため、バックエンド開発者がまったく同じスキルセットを持つことはほとんどない。一般的な言語には、Java、Ruby、PHP、Python、MySQLなど。
  • フルスタック開発者:フロントエンドとバックエンドの両方を扱う開発者で、サーバ側とクライアント側の両方をこなすのに十分な言語に精通している必要あり。

上記は3つの主要な職種ですが、ウェブエンジニア、セキュリティエキスパート、WordPress開発者、モバイルウェブ開発者、ウェブアプリケーション開発者など、さらに特定の分野に特化した職種も存在します。

ウェブ開発者への道のり

ウェブ開発者になるまでの道のりは人それぞれで、経験や背景によって直面する課題も異なりますが、全体的に見ると、ウェブ開発のキャリアパスには共通する流れがあります。

  1. ウェブ開発の学習方法─大学に進学する場合はどの学位を取得するのか。進学しない場合は、資格取得を目指すのか(オンライン講座?オンライン上のリソースを活用して独学で学ぶ?)。
  2. 専門分野(フロントエンド、バックエンド、フルスタックなど)─ウェブ開発のさまざまな分野を一通り学んだうえで決めることもできるが、特定の分野に集中して学習を進める前に、ある程度方向性を定めておく必要がある。
  3. 習得するプログラミング言語と技術

もちろん、これらの決定事項は必ずしもこの順序で決定する必要はなく、専門分野を先に選んでから学習方法を決めてもOKです。すでに学びたい言語がある場合は、それに合わせて講座や学習手段を選ぶことができます。

必要な基礎スキルを身につけたら、ポートフォリオを作成するために実践的な経験を積むことが重要です。実際にプロジェクトに取り組むことで、現場で求められるスキルや考え方を身につけることができます。まずはサーバーを立ち上げ、自分自身のサイトを構築してみてください。その後、小規模なプロジェクトをいくつか経験することで、今後進むべき方向性がより明確になります。

必要な知識を習得し、充実したポートフォリオを用意できれば、ウェブ開発者として実務に取り組む準備が整います。

便利なウェブ開発学習リソース(海外版)

ウェブ開発のスキルを独学で身に付けたいという方向けに、以下おすすめの学習リソースをご紹介します。リソースは主に英語で提供されていますが、独学やオンライン学習を選ぶ方にとって理想的なスタート地点となります。また大学で学習中の方にも、授業を補完するリソースになるかもしれません。

1. StackOverflow

StackOverflow
StackOverflow

開発者になるならまず知っておきたいのが、StackOverflowです。プロジェクトで行き詰まったときに頼りになる、開発者なら誰でも知っているサイトです。あなたの抱いている疑問は大抵既に誰かが質問しており、回答がされているはずです。そうでない場合も、経験豊富な人々で構成されるコミュニティが助けてくれます。

初心者専用のサイトではありませんが、すべての学習段階において役立ちます。

2. W3Schools

W3Schools
W3Schools

W3Schoolsは、さまざまなウェブ言語や標準規格の基礎を解説してくれる、初心者向けの優れたサイトです。コーディングに慣れていなくても、容易に理解することができます。

3. Codecademy

Codecademy
Codecademy

多くの言語と技術を学習できる初心者向けの講座をお探しの場合、Codecademyがお勧めです。さらに、コンテンツの大部分が無料です。有料の機能もありますが、講座自体は無料で利用できます。

4. Udemy

Udemy
Udemy

もっと上級者向けの講座や、より具体的なスキルが必要な方にはUdemy(ユーデミー)がぴったりかもしれません。プロの講師による何千もの講座があり、中には認定を受けられるものもあります。

5. Roadmap.sh / WordPress Developer Roadmap

Roadmap.shが提供するWordPress開発者ロードマップ
Roadmap.shが提供するWordPress開発者ロードマップ

Roadmap.shのWordPress Developer Roadmap(WordPress開発者ロードマップ)は、WordPressでの開発に必要なスキル、ツール、概念を体系的にまとめた概要をわかりやすく紹介しています。基礎から高度な開発トピックへと段階的に学べる構成になっているため、WordPress開発の世界に足を踏み入れたい世界中の人にとって定番のリソースになっています。

6. GitHub Learning Lab

GitHub Learning Lab
GitHub Learning Lab

Gitは、技術的なスキルを持っていない人にとっては、理解するのがとても難しいものです。コツさえつかめば簡単なのですが、最初のハードルを越えるのは難しいものがあります。GitHub Learning Labは、シンプルで楽しく、インタラクティブなチュートリアルで学習できます。

7. DevKinsta

DevKinsta
DevKinsta

WordPress開発の学習にご興味がありますか?DevKinstaのご利用をおすすめします。こちらは無料の開発スイートであり、ローカル環境でWordPressサイトを簡単に構築することができます。テストや開発に使用して、作成したサイトをKinstaサーバーに楽々移行可能です。

8. FreeCodeCamp

FreeCodeCamp
FreeCodeCamp

コードを学びながら資格を取得しませんか?Codecademyとは異なり、FreeCodeCampは非営利団体であるため100%無料です。各認定は取得までに要する時間は約300時間で、様々なスキルから選んで学ぶことができます。

9. DevDocs

DevDocs
DevDocs

開発者なら誰しも、何十種類ものツールのドキュメントを探すのを面倒に感じたことがあるでしょう。DevDocsは、これらのドキュメントを1つのアプリにまとめ、簡単に閲覧できるようにした無料のオープンソースのツールです。

10. Team Treehouse

Team Treehouse
Team Treehouse

Treehouseは、ウェブ開発などの基礎を一から教えることを目的とした、初心者向けの便利なサイトです。動画を用いたこの学習プラットフォームでは、対話型の課題にもチャレンジできます。有料のサービスではありますが、初心者が一から開発を学ぶのにぴったりなサイトです。

11. Coursera

Coursera
Coursera

Courseraには、他の学習プラットフォームとは異なるユニークな点があります。Courseraでは、資格取得と専門大学の学位取得が可能です。大学に入学するよりも安く済むにも関わらず、大学とほぼ同じ内容を、同じ教授から学ぶことができます。

Courseraには認定コースと非認定コースがあるので、正規の学位取得を目指している方は、選択するコースをしっかりと確認しましょう。

12. Egghead.io

Egghead.io
Egghead.io

Eggheadでは、開発に関するさまざまなテーマについて、役立つワンポイントレッスンを公開しています。数十種類のトピックがあり、さらにそれぞれのトピックに関するたくさんの記事があり、開発に関するあらゆる側面を網羅しています。また、プロの講師による講座も用意されています。

13. CSS-Tricks

CSS-Tricks
CSS-Tricks

CSS-Tricksでは講座は提供していませんが、フロントエンドのウェブ開発に関する質の高い記事を公開しています。JavascriptやCSSをマスターしたいなら、たくさんの情報やハウツー記事が見つかります。

14. Udacity

Udacity
Udacity

Udacityは、技術に特化した有料のオンライン講座を提供しています。ウェブ開発だけでなく、サイバーセキュリティ、データサイエンス、ビジネスなど、専門性の高い講座を受けることができます。

15. プログラミングスクール

多くの課題に取り組みながら集中的に学びたい方には、プログラミングスクールや短期集中型コースがおすすめです。初心者向けに基礎や学習のコツを丁寧に教えるものから、経験者でも気を抜けないような実践的なプログラムまで、さまざまなレベルのものがあります。

大学などの教育機関が提供している場合もありますが、オンライン形式で受講できるものも数多く存在し、中には無料で参加できるものも。目的や予算に応じて選択可能です。

学習負荷は高めですが、コードの学習に行き詰まりを感じている方にとっては、良い刺激となり、学習へのモチベーション向上につながります。

HackReactorFullstack AcademyCodeSmithなどをチェックしてみるといいかもしれまん。

ウェブ開発の仕事を見つけるには

ウェブ開発スキルを身に付け、ポートフォリオを作成できたら、いよいよ仕事を探す時です。

会社に就職する場合は、求人を探して応募し始めましょう。地元の求人媒体のほか、Google CareersIndeedといった求人サイトで国内外の仕事を見つけることができます。

一方、フリーランスとして活動する場合は、まず自分のポートフォリオとなるウェブサイトを用意しましょう。ただし、サイトを公開しただけで自然にクライアントが集まる可能性は低いため、自ら積極的に働きかける必要があります。

Upworkなどのプラットフォームは、経験を積むためや小規模な案件を獲得する手段としては有効ですが、高単価な案件は見つかりにくいかもしれません。

クライアントを獲得するためには、人脈づくりも重要です。オープンソースプロジェクトに参加してつながりを広げたり、知人から仕事を紹介してもらったりするのも賢い方法です。また、可能な範囲で自分のサービスや実績を積極的に発信していきましょう。

フリーランスとして活動するにしても、会社に就職するにしても、ウェブ開発関連の求人情報を定期的にチェックすることが大切です。

まとめ

ウェブ開発は、新しいスキルを積極的に学び、自分の手で成長していくことを楽しめる人にぴったりの分野です。今回ご紹介したウェブ開発リソースは、学習の第一歩としてはもちろん、より熟練した開発者へと成長していく過程でも役立ちます。

また、革新的で成長中のIT企業での仕事をお探しでしたら、Kinstaの求人情報もぜひチェックしてみてください。

Salman Ravoof

独学のウェブ開発者、ライター、クリエイターでもあり、大の無料オープンソースソフトウェア(FOSS)好き。その他の好きなものは、科学、哲学、写真、芸術、猫、そして食。詳しい仕事情報はウェブサイトおよびXアカウントで公開している。