数ヶ月のベータテストを経て、KinstaはHTMLページ、JavaScript、CSSファイルのようなアセットを光速で配信する手段として、静的サイトサーバーの正式公開に至りました。
Kinstaでは、静的サイトプロジェクトの構築後には、Cloudflareグローバルネットワークの260+のデータセンターにデータが配信されます。
「高速で無料」という文言に驚きを隠せない方もいるかもしれません。
しかし本当に高速かつ無料です。これについて説明をするために基本からおさらいします。そもそも静的ウェブサイトとは？
静的サイトの基本
「静的サイトサーバーは、バックエンド処理なしでファイルを配信します。このシンプルさが、効率的で高性能なホスティングオプションを実現しています」とKinstaの開発部長Andras Gerencserは語ります。
Gerencserによると、静的ウェブサイトの典型的なコンポーネントであるHTML、CSS、JavaScript、メディアファイルは、サーバー上で実行されるコードによって動的に生成されることなく、ブラウザに配信することができます。
「基本的な例としては、個人のポートフォリオ、履歴書の一部として紹介したいウェブサイト、シンプルなビジネスウェブサイト、マーケティングページ、ドキュメントサイトなどがあります。静的サイトジェネレーターを使って、MarkdownファイルやCMSなどの他のソースから静的アセットをコンパイルすることも可能です」
静的サイトサーバーの立ち上げに貢献したKinstaのJavaScript開発者であるMichael Fullerは、静的サイトジェネレーターが入力情報を「機能するサイト」に変えると付け加えます。
「その手段として、テーマやプラグインの提供、テキストの置き換え、ページ間のリンクの作成、画像の最適化、コードの圧縮、ドキュメントのHTMLへの変換などの反復作業を自動化します」と彼は言います。
そしてGerencserは、静的サイトというものの、それ以上に動的になり得ると説明します。続きをご覧ください。
「静的サイトサーバーを使えば、ウェブアプリケーションサーバープラットフォーム上のNode.jsサービスや、WordPress専用マネージドサーバー上で動作するヘッドレスWordPressなど、あらゆる種類のバックエンドを選択してフロントエンドのセットアップを行うことができます」
Fullerはこれを「複合的アプローチ」と呼んでいます。
「JavaScriptは通常、静的なアセットとして提供されるため、JavaScriptフレームワークを使用する静的なサイトを作成し、個別に管理するサーバーとやり取りすることができます。こうすることで、最初の読み込み時間における速度のアップと、動的サイトの柔軟性の両方を確保することが可能です」
静的サイトサーバーで無料にて利用できるもの
静的サイトの構築とデプロイの機能に加えて、無料のSSL証明書、独自ドメインのサポート、およびサイト管理用APIがご利用いただけます。以下の制限内で無料となっています。
- 1企業アカウントあたり100件の静的サイト
- 1サイトにつき1件の同時ビルド
- 1サイトあたり1GBのビルドイメージサイズ
- 1企業アカウントあたり月間600分のビルド時間
- 1企業アカウントあたり月間100GBの帯域幅
Kinstaの静的サイトサーバーの仕組み
Kinstaの静的サイトは、BitBucket、GitHub、またはGitLabのGitリポジトリを用意することから始まります。サイトのビルドとデプロイに必要な設定やGitリポジトリとの接続は、MyKinstaを介して管理することになります。
ウェブサイトの構築に静的サイトジェネレーターを使う必要はありません。サポートされているGitサービスのいずれかのリポジトリにウェブアセットを用意し、静的サイトとしてデプロイすることができます。
静的サイトを追加すると、MyKinstaのシステムにより、さまざまな種類の主要静的サイトジェネレーターで必要とされるビルド設定が自動で検出されます。
「その後、システムにより、リポジトリからファイルがKinstaのKubernetesクラスタ内にある隔離状態のPodに渡されます。そこで、必要に応じてビルドコマンドを実行することが可能になります。そして出力された静的ファイルは、CloudflareのR2ストレージにアップロードされます」とGerencserは言います。
「つまり、お客様のファイルが世界260以上のCloudflareサーバーに配信され、ウェブサイトの訪問者に近いロケーションから配信されます」
静的サイトを立ち上げれば、独自ドメインと無料SSL証明書サポートを使って運営可能です。
静的サイト構築の時
Kinstaの静的サイトサーバーで素早い稼動を目指すには、互換性のある静的サイトジェネレーターのすぐに使える使用例をご覧ください。コピーしてすぐに使えるGitリポジトリが用意されています。
静的サイトを次のレベルに引き上げ、JavaScriptを使用して動的コンテンツを生成してみませんか？静的サイトサーバーをウェブアプリケーションサーバーやマネージドデータベースサーバーと組み合わせることで、ウェブプロジェクトに必要なバックエンドを構築できます。