ブラウジングを行ったり、ウェブサイトにアクセスしたりしていると、時としてエラーに遭遇することがあります。数あるエラーの中でも、特に一般的なものの1つとして、「DNS_PROBE_STARTED」エラーが挙げられます。
ドメインネームサーバー(DNS)関連のエラーは、一見面倒ですが、解決策はあるのでご安心を。このエラーの場合は、比較的に簡単な方法でトラブルシューティングを行い、すぐにブラウジングを再開することができます。
この記事では、「DNS_PROBE_STARTED」エラーの意味と主な原因をご紹介した後、6つの解決方法を見ていきます。それでは、早速本題に入りましょう。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーの解決方法について動画での解説もご用意しています。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーとは
「DNS_PROBE_STARTED」エラーは、通常、DNSまたはネットワークに問題があることを意味します。使用しているコンピューターがDNSサーバーに接続できないのという理由が一般的です。
DNSは、インターネットの電話帳とも呼ばれ、覚えにくいIPアドレスの代わりに、覚えやすいドメイン名を使ってサイトに接続できるようにするシステム。例えば、104.18.42.131のようなIPアドレスが「www.kinsta.com」のようなサイト名に変換されます。
DNSプローブは、指定されたホスト(サーバー)名、またはIPアドレスの到達可能性をテストすることができるネットワーク診断ツールです。サーバーが特定のホスト名を解決するのにかかる時間を測定することで、DNSサーバーの性能を測ることも可能です。
DNS関連のエラーはさまざまで、例えば以下のようなものがあります。
- DNS_PROBE_BAD_CONFIG─VPNが原因で発生するエラー
- DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN─AndroidとiOSのエラー
- DNS SERVER NOT RESPONDING(DNSサーバーは応答していません)
「DNS_PROBE_STARTED」は、DNSプローブの起動に失敗したことを示すエラーメッセージで、原因は複数考えられます。また、Chromeで見られるのが一般的ですが、Microsoft EdgeやAndroidブラウザなど、他のブラウザで発生することもあります。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーの主な原因
「DNS_PROBE_STARTED」エラーが表示される原因には、いくつかの共通点があります。まずは、DNSサーバーのダウン。これは、DNSまたはネットワークの設定の誤りに起因します。
または、ネットワークアダプターやルーターに問題がある可能性も。あるいは、ウイルス対策やファイアウォールをインストールしている場合は、DNSリクエストがブロックされ、このエラーを引き起こしていることも考えられます。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーの解決するには(6つの方法)
このエラーについて押さえたところで、本題となる解決策を見ていきましょう。全部で6種類の方法をご紹介します。
なお、今回は、WindowsでChromeを使用している状況を想定します。Macやその他のブラウザを使用している場合、使用コマンド等は適宜置き換えてください。
1. IPv4/IPv6 DNSアドレスの変更
まず最初に、IPv4/IPv6のDNSアドレスを変更します。詳細は省略しますが、この2つのインターネットプロトコルには、技術的に若干異なります。IPv6が最新バージョンではあるものの、IPv4が未だ最も普及しています。
コントロールパネルを開いて、「ネットワークとインターネット」>「ネットワークと共有センター」をクリックします。左側のメニューから、「アダプターの設定の変更」を選択してください。
すると、「ネットワーク接続」ウィンドウが表示されます。ネットワーク上で右クリックして「プロパティ」を選択します。
表示された画面で、一覧から「インターネットプロトコルバージョン 4(TCP/IPv4)」を選択し、右下の「プロパティ」ボタンをクリックします。
「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択して、「優先DNSサーバー」に「8.8.8.8」、「代替DNSサーバー」に「8.8.4.4」をそれぞれ入力してください。
完了したら、「OK」をクリックして変更を保存しましょう。すべてのウィンドウを閉じてから、サイトに再アクセスし、エラーがまだ発生するかどうかを確認してください。まだ解決されていない場合は、次の方法に移りましょう。
2. DNSキャッシュをクリアする
DNSキャッシュは、OSやブラウザが最近アクセスしたIPアドレスをデータベースに保存します。しかし、データベースが古い場合は、「DNS_PROBE_STARTED」エラーのようなネットワーク接続のエラーを引き起こす可能性があります。
そのため、次にDNSキャッシュをクリアしましょう。これには、コマンドプロンプトを開きます。Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、「cmd」と入力して、Enterキーを押します。
macOSの場合は、「ユーティリティ」>「ターミナル」に進み、コマンドプロンプトウィンドウに以下を貼り付けます。
ipconfig /flushdns
Enterキーで実行すると、お使いのコンピュータのキャッシュから不正なDNSエントリが削除されます。その後、以下のコマンドを実行してください。
ipconfig /renew
これで、コンピュータのIPアドレスが更新されます。最後に以下を貼り付けます。
ipconfig /registerdns
Enterキーを押してコマンドを実行すると、コンピューターのDNS設定がインターネットサービスプロバイダ(ISP)に登録されます。「exit」と入力してEnterキーを押すと、コマンドプロンプトが終了します。
3. ブラウザのキャッシュとCookieをクリアする
「DNS_PROBE_STARTED」エラーがまだ消えない場合は、キャッシュとCookieをクリアしてください。この手順はブラウザによって異なります。
Google Chromeの場合は、右上にある縦三点リーダーをクリックして、「その他のツール」>「閲覧履歴を消去」と進みます。
表示されたウィンドウで、「基本」タブにある3つの項目をすべて選択し、「データを削除」をクリックします。
Macやその他のブラウザでの詳しい手順についてはこちらを参照してください。
4. ネットワークアダプターのドライバーを削除して再インストールする
古いネットワークアダプターのドライバーは、さまざまなエラーを引き起こす可能性があります。今回の「DNS_PROBE_STARTED」エラーも例外ではありません。
このエラーまだ解消されない場合は、デバイスマネージャーからネットワークアダプターを削除し、再度インストールしてみてください。Windowsの場合は、Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、「devmgmt.msc」と入力して、Enterキーを押します。
「デバイスマネージャー」ウィンドウで「ネットワークアダプター」を開きます。右クリックで「デバイスのアンインストール」を選択してください。
「デバイスマネージャー」ウィンドウを閉じて、コンピュータを再起動します。その後、先ほどの画面(「デバイスマネージャー」>「ネットワークアダプター」)に戻り、メニューバーから「操作」>「ハードウェア変更のスキャン」を選択します。
これで、ネットワークアダプターが再インストールされます。サイトに再度アクセスし、エラーの有無を確認しましょう。
5. ウイルス対策ソフトとファイアウォールを無効にする
ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入は、あらゆるマルウェア含めさまざまな問題を防ぐことができるため重要です。
しかし、「DNS_PROBE_STARTED」エラーがまだ解決されていない場合は、ウイルス対策ソフトがDNSリクエストをブロックしている可能性が考えられます。一時的に無効にして、エラーが消えるかどうかを見てみましょう。
あるいは、ファイアウォールを一時的に無効にする、または設定を調整することで解決する可能性もあります。
ファイアウォールの設定を確認するには、コントロールパネルを開いて、検索フィールドに「control」と入力し、Enterキーを押します。「システムとセキュリティ」を選択して、「Windows Defender ファイアウォール」の「Windowsファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
次のウィンドウで、「設定の変更」をクリックします。
DNSクライアントが一覧で見つけられない場合は、「+」のアイコンをクリックして追加してください。完了したら、「OK」 をクリックして変更を保存します。
6. ルーター/モデムを再起動する
最後の解決策は、ルータまたはモデムの再起動です。これで、お使いのコンピュータとDNSサーバーの接続がリセットされます。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーが、例えばChromeなどの特定の1つのブラウザのみで見られて、Microsoft Edgeなどの他のブラウザでは表示されない場合、この手順は無視してください。ネットワークやインターネット接続にではなく、ブラウザの設定に問題がある可能性が高いです。
コンピュータ、ルーター/モデムの電源を切った後、電源プラグをコンセントから抜いて、数分待ちましょう。その後、ルーター/モデムの電源を入れて、1~2分後にパソコンの電源を入れてください。
まとめ
DNS関連のエラーは、問題の原因が不明な場合は特に厄介です。しかし、「DNS_PROBE_STARTED」エラーなら、いくつかのトラブルシューティングを行えば、比較的すぐに解決することができます。
「DNS_PROBE_STARTED」エラーの解決策は6種類。エラーが消えるまで1つずつ実行してみてください。いずれかの方法で解決できるはずです。
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