ユーザーの追加や管理は、WordPressの優れた機能です。状況によっては、WordPressのユーザー情報をエクスポートして、別の目的に使用したり、別のサイトに移行したりする必要があります。
そこで今回は、WordPressでユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法をご紹介します。
WordPressのユーザー情報をエクスポートする状況
WordPressでユーザー情報をエクスポートする必要がある状況は、以下のようなものが考えられます。
- 顧客や読者と連絡を取るために、ユーザー情報へのオンラインアクセスが必要な場合
- 新規サイトを作成し、旧サイトからユーザー情報を移行する必要がある場合
- 2つ目のWordPressサイトを作成するために、元サイトのユーザー情報を複製したい場合
- マルチサイトを独立したサイトに移行する際(その逆も然り)、ユーザー情報が個別に保存されていて、一緒にエクスポートできない場合
データ保護に関する懸念事項
WordPressのユーザー情報をエクスポートする前に、データのこの用途の使用にユーザーが同意しているかを必ず確認しましょう。
サイトの管理を担当する組織内の情報であれば、エクスポートは問題になりませんが、顧客または読者のデータをエクスポートする場合、ユーザーはサイト外での使用に同意していないかもしれません。
作業を始める前に、まずはデータ収集時の同意内容と現地の法律を確認してください。場合によっては、弁護士などに法的助言を求める必要があるかもしれません(本記事は法的助言ではありません)。
WordPressでユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法(2つのプラグイン)
WordPressのユーザー情報をインポートまたはエクスポートする手っ取り早い方法は、プラグインを使用することです。WordPressサイトからコンピュータにダウンロードしたファイルにユーザー情報をエクスポートし、そのファイルをアップロードして別のサイトにユーザー情報をインポートする、ということが可能になります。
これには、以下2つのプラグインがおすすめです。
Import Export WordPress Users
Import Export WordPress Usersプラグインでは、すべてのユーザー情報をエクスポートすることも、単一または複数の権限グループのユーザー情報だけをエクスポートすることもできます。また、エクスポートするデータも指定できるため、不要なフィールドはスキップできます。
CSVファイルが生成され、そのCSVファイルを別のサイトにアップロードすることでユーザー情報をインポートできます。すべてのユーザー権限グループと、WooCommerceの顧客をはじめ他のプラグインによって追加された権限グループも処理可能です。ただし、住所はエクスポートされないため、WooCommerceの顧客をエクスポートしていて、今後の注文のために住所の記録を保持する場合は、上記のWooCommerce Export Customer List CSVプラグインを使用します。
プラグインを使用してWordPressでユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法は、後ほどご紹介します。
WP All Export / WP All Import
WP All Exportプラグインでは、ユーザー情報だけでなくWordPressのあらゆるデータをエクスポートできます。姉妹プラグインであるWP All Importと併用すると、ユーザー情報のインポートも可能です。
さまざまなカスタマイズ機能が組み込まれていますが、ユーザー情報のエクスポートを行うには、有料版の購入が必要です。
Import Export WordPress Usersを使用してユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法
人気エクスポートプラグインのImport Export WordPress Usersを使用して、ユーザー情報をエクスポート、インポートする手順をご紹介します。
Import Export WordPress Usersを使用したエクスポート
Import Export WordPress Usersを有効化したら「Users」>「User Import Export」に移動します。
- 「User Roles」フィールドを選択し、エクスポートする権限を指定する。
- 除外したいレコードがある場合は、「Offset」フィールドを使用する。データの一括エクスポートをする際、何千人ものユーザー情報があり、小分けでエクスポートしたい場合にも有用。「Limit」フィールドでエクスポートするレコードの数を制限することもできる。
- 下にスクロールして、エクスポートしないフィールドを選択解除するか、すべての項目をエクスポートする場合はすべてを選択したままにする。
- 「Export Users」をクリックすると、CSVファイルが生成される。
Import Export WordPress Usersを使用したインポート
ユーザー情報をインポートするには、「Users」>「User Import Export」に移動して、「User/Customer Import」タブを選択します。
- 「Choose File」をクリックして、CSVファイルを選択する。
- 「Upload file and import」をクリックして、データをアップロードする。
これで、CSVファイルからサイトにユーザー情報がインポートされます。
WooCommerceでユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法
ユーザー情報をインポート/エクスポートできるプラグインの多くは、WooCommerceのユーザー情報にも対応していますが、住所などのWooCommerce特有のフィールドはエクスポートされない場合があります。
住所を含むすべてのユーザー情報をエクスポートするには、WooCommerce Export Customer List CSVプラグインがおすすめです。
エクスポートするフィールドと顧客情報を指定し、エクスポートを実行して、データをCSVファイルに送信します。
このプラグインにはインポート機能がないため、データを別のサイトに移行するのではなく、オフラインでも顧客情報にアクセスしたいECサイト向けに設計されています。
WordPressマルチサイトでユーザー情報をエクスポートまたはインポートする方法
WordPressのマルチサイトからユーザー情報をエクスポートする場合は、すべてのサイトのユーザー情報をエクスポートするか、単一のサイトのユーザー情報をエクスポートするかによって手順が異なります。
Import Export WordPress Usersを使用すると、マルチサイトの1つのサイトからユーザー情報をエクスポートし、別のマルチサイトのサイト、または独立したサイトにインポートできます。
WordPressの購読者情報をエクスポートまたはインポートする方法
ユーザー情報をエクスポートするプラグインでは、購読者情報もエクスポートすることができますが、ニュースレターの購読者登録のために別のプラグインを使用していたり、Jetpackプラグインを使用してWordPress.comの購読者を追加している場合はどうでしょう。
Import Export WordPress Usersは、すべての権限グループをエクスポートするため、ユーザー情報がサイトに保存されている場合はエクスポートされます。メーリングリストプラグインなどを使用して購読者情報を収集し、WordPressサイト外のサービスにデータを送信している場合は、WordPressサイトからではなく、そのサービスからユーザー情報をエクスポートしなければなりません。 Jetpackを使用してWordPress.comで購読者情報を収集している場合は、Jetpackの購読者モジュールを使ってエクスポート可能です。
ユーザー情報の一括エクスポート
ユーザー情報をエクスポートするプラグインには、一括エクスポート機能があります。Import Export WordPress Usersプラグインを使用すると、エクスポートするレコードの数を指定できるため、1名のユーザーからすべてのユーザーまで、任意のレコードをエクスポートできます。
まとめ
ユーザー情報にオフラインでアクセスしたい場合、または別のサイトにインポートしたい場合は、WordPressのユーザー情報をエクスポートする必要があります。
関連して、WordPressサイトをエクスポートする方法はこちらでご紹介しています。
Import Export WordPress Usersプラグインを使用すると、ユーザー情報をエクスポートして、オフラインでそのデータを使用したり、別のサイトにインポートしたりできます。WooCommerceサイトを運営している場合は、WooCommerce Export Customer List CSVプラグインを使用すれば、住所を含むすべての顧客情報をエクスポートできます。