支払い処理業者や決済代行システムの選択は、事業において重要な決断です。将来的に厄介なことに巻き込まれないためにも、信頼性の高いサービスを選択することが必要不可欠。中でもStripeとBraintreeは、デジタル決済プラットフォームとして高い人気を誇ります。
透明性の高い料金体系と詐欺防止の技術を誇るこの2つのサービスは、スタートアップ企業にも、老舗企業にもぴったり。
ではStripeとBraintreeを比べたとき、どちらがより優れているのでしょうか?
今回はそちらをテーマにした記事です。
早速見ていきましょう!
StripeとBraintreeはどんなサービス?
Stripe、Braintreeはいずれも事業者が決済を取り扱う手助けをしてくれるオンラインツールです。
どちらの企業も支払い処理、支払い代行システム、マーチャントアカウントまで、決済関連の全ての機能を備えています。
これらのサービスを利用すれば、オンラインで販売する商品の決済手続きを簡単に設定可能です。自動で入金確認を行い、高度な詐欺防止機能もあります。
事業者がオンラインで代金を受け取るのに必要なあらゆる機能がここに。
Braintreeは支払い処理業者なのか
おそらく皆さんがより馴染み深いStripeと同様、Braintreeもまたオンラインでの決済を手助けするサービスです。支払い処理業者とは銀行口座同士の送金手続きを円滑に進める手助けをする第三者機関です。
Braintreeが提供するサービスはそれだけではありません。
BraintreeではオンラインやECサイトの支払いサイクルを全て取り扱っています。
- 決済代行システムにより、安全に顧客のクレジットカード情報を収集・保管
- 決済代行システムがデータを分析し、潜在的な詐欺のリスクを検出
- 情報を処理し、該当の銀行口座またはクレジットカードから事業者のマーチャントアカウントへの送金を実行
後ほどプラットフォーム上のマーチャントアカウントの残高を別の銀行口座に送金することも可能です。
このようにBraintreeはオンラインで決済を受け付け、処理する手続きを全て網羅したサービスです。
PayPalとBraintreeの違い
Braintreeは法人向けの決済代行システム、支払い処理、マーチャントアカウントに特化したPayPalの子会社です。資金の個人間送金や個人の顧客全般向けの取引にはあまり強くありません。
Braintreeを利用する企業はApple Pay、Venmo、クレジットカードなどから直接決済を受け付けることができます。
また、決済の手続きの際、ユーザーがPayPalのサイトにリダイレクトされることはありません。Stripeと同じく、サイトに直接Braintreeの決済システムを導入できます。
PayPalはBraintreeを所有しているのか
公式ロゴからも分かるとおり、その答えは「イエス」です。
PayPalは2013年にBraintreeを買収しました。2013年から2015年にかけては、当時のPayPalの親会社であったeBayが間接所有する子会社でした。
しかしPayPalが独立した際、新しいPayPalの独立会社に属するように。そのため、現在もPayPalの直接子会社であり、密な提携先でもあります。
StripeとBraintreeのマーケットシェア
2つのサービスの大きな違いの一つはそのマーケットシェアです。有名なサイトでのウェブ技術使用の動向を調査するSimilarTechのデータからは、2つのサービスのマーケットシェアには大きな差があることが分かります。
Braintreeは、世界でトップクラスの約2.5万件のサイトやECストアで利用されています。一方のStripeは、全世界で66万以上のサイトで利用されており、市場シェアは20%弱を占めています。
また、話題性にも差があります。Stripeには大規模なマーケティング予算があり、認知度向上に力を入れています。トレンドの上位にランクインし、ユーザーを継続的に増やしています。
Braintreeはシェア拡大にそこまで力を入れていないため、その人気には若干先細りの傾向が見られます。
しかし、先ほどご紹介したとおり、Braintreeの親会社はPayPalです。PayPalはStripeよりも大きなマーケットシェアを誇るばかりか、理論上の市場価値はStripeの約2倍と言われています。
そのため、Braintreeがすぐに市場から消えてしまうということはまずないでしょう。
利用料金、取引手数料、その他手数料
料金に関して言えば、BraintreeとStripeは差がないと言っていいでしょう。主要なクレジットカード、デビットカード、デジタルウォレットによる送金には1取引あたり2.9%の手数料と0.3ドルの固定料金がかかります。
PayPalとは違い、Braintree、Stripeのいずれも、マイクロペイメント(少額決済)に特定のレートを設定していません。
とは言え、もう少し詳しく見ていきましょう。
隠れた料金など、両者の拮抗を破るような手数料は本当にないのでしょうか?
Braintree
Braintreeでは公式ページで料金に関する詳細とポリシーを公開しています。Braintreeのマーチャントアカウントを使用する場合、アカウントの設定自体には定期使用料も登録料金も発生しません。
ご覧の通り、Venmoなどのデジタルウォレットから主要なクレジットカードまで、ほとんどの取引に通常の手数料が適用されます。
国際クレジットカードの使用と外貨での取引には、それぞれ取引毎に1%の手数料が上乗せされます。そのため、外貨での国際取引の場合、合計手数料は取引毎に4.9% + 0.3ドルとなります。
通常手数料: 全てのクレジットカード/その他支払い方法に対して、2.9% + 0.30ドル
- アメリカドル以外の通貨の場合+1%、アメリカ国外のクレジットカードの場合+1%
- ACH送金の場合75% (上限は5ドル)
Stripe
Stripeのサイトにもそのサービス料金の詳細が掲載されています。Stripeのセットアップにも登録料や定額使用料金などは一切発生しません。
こちらも、ほとんどの主要なクレジットカード、Apple Payやその他のデジタルウォレットに通常の手数料が適用されます。
Braintreeと同様に、Stripeでも海外送金に追加手数料が発生します。国際クレジットカードの使用、外貨送金ではそれぞれ、通常の手数料に1%ずつ上乗せされます。こちらも、外貨での国際取引の場合、合計手数料は取引毎に4.9% + 0.3ドルとなります。
通常手数料: 全てのクレジットカード/その他支払い方法に対して2.9% + 0.30ドル
- アメリカドル以外の通貨の場合+1%、アメリカ国外のクレジットカードの場合+1%
- ACH送金の場合80%(上限は5ドル)
勝者: 引き分け
BraintreeのACH送金手数料はStripeより0.05%低くなっていますが、多くのECサイトやオンラインビジネスにとっては取るに足らない違いでしょう。
アメリカ国内のビジネスでACH送金を推奨している場合でも、5ドルの上限が設定されているので、いずれにして高額支払いの場合はその定額手数料が適用されます。
紛争、チャージバック手数料
ECサイトにおいて、紛争とチャージバックは残念ながら避けて通ることはできません。意図される送金が無効になるばかりか、多くの支払い処理業者はマーチャント側に追加の手数料を請求します。
通常、チャージバックはクレジットカードの詐欺や不正使用の際に発生します。決済代行システムの詐欺対策アルゴリズムがどれだけ高度でも、紛争を完全に排除することは不可能です。
BraintreeはPayPalの子会社ですが、チャージバック手数料はPayPalよりも5ドル安価で、1取引あたり15ドルとなっています。
Stripeの手数料も1取引あたり15ドルで完全に同額です。
チャージバック手数料:
- Stripe:15ドル
- Braintree:15ドル
どちらもPayPalよりは安いものの、15ドルという料金はECサイトでの取引単価の90%よりも高額になっています。そのため、そもそも不正な取引を防止することが何よりも重要です。
StripeはStripe Radarという高度な詐欺防止機能を提供しており、Kinstaでも詳細なテストを実施しました。結果、詐欺行為による支払いとチャージバックをなんと98%も削減できました。
Braintreeもまた詐欺対策機能を提供しており、詐欺による損失を平均60%削減できます。
勝者: Stripe
手数料は同じなので、詐欺対策機能の精度で判断しました。15ドルといえば、大抵の取引手数料よりも高額です。
最終的に入金されることのない支払いに対して決して払いたくない金額でしょう。物理的な商品を販売している場合、配送料や商品の製造コストに関連する損失まで被ることになります。
だからこそ、Stripeでは詐欺を未然に防ぐためにRadarというサービスを提供しています。Stripeはその顧客数ゆえにBraintreeよりも多くのデータを所有しています。そのため、より優れた詐欺対策を行うことに成功しています。
Kinstaでも詐欺行為による支払いを排除できたため、あなたの事業でもきっと役に立つはずです。
返金手数料
もう一つ、事業運営において時に直面する現実が、返金です。商品の在庫が切れてしまったり、顧客の住所が配送できない地域だったりすることも。
幸いStripeでもBraintreeでも返金手数料は発生しません。一方で、残念ながら元の支払い処理手数料は払い戻しされません。
- Stripe:返金に手数料は発生しませんが、元の支払い手数料も払い戻されません。
- Braintree:返金に手数料は発生しませんが、元の支払い手数料も払い戻されません(※ただし、2018年8月以前に登録のアカウントを除く)
勝者: 引き分け
Braintreeに随分前に登録した方以外は、いずれのサービスを利用しても差はないでしょう。
対応している国と通貨
次は、それぞれのサービスが利用できる国を見ていきましょう。ここでご紹介するのは、マーチャントアカウントを設定できる国であり、決済が受付可能な相手の居住国ではありませんのでご注意ください。
Stripe: 利用可能な国
次の国々でStripeのマーチャントアカウントを開設することができます*。
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- ブラジル(プレビュー)
- ブルガリア
- カナダ
- キプロス
- チェコ共和国
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ジブラルタル(招待制のみ)
- ギリシャ
- 香港
- ハンガリー
- インド(プレビュー)
- アイルランド共和国
- イタリア
- 日本
- ラトビア
- リヒテンシュタイン(招待制のみ)
- リトアニア
- ルクセンブルグ
- マレーシア
- マルタ
- メキシコ
- オランダ
- ニュージーランド
- ノルウェー
- フィリピン(招待制のみ)
- ポーランド
- ポルトガル
- ルーマニア
- シンガポール
- スロバキア
- スロベニア
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
- アラブ首長国連邦(招待制のみ)
- イギリス
- アメリカ
*ここに掲載された国はマーチャントアカウントを設定できる地域です。対応した支払い方法、通貨であれば、世界中どこからでも決済を受け付けることができます。
Stripeは大半の西ヨーロッパの国々、アメリカ、カナダ、オーストリアといくつかのアジアの国々で利用できます。
Braintree: 利用可能な国
Braintreeは次の国々から登録し、使用できます*。
- アンドラ
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- ブルガリア
- カナダ
- クロアチア
- キプロス
- チェコ共和国
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ジブラルタル
- ギリシャ
- ガーンジー島
- 香港
- ハンガリー
- アイスランド
- アイルランド
- マン島
- イタリア
- ジャージー島
- ラトビア
- リヒテンシュタイン
- リトアニア
- ルクセンブルグ
- マレーシア
- マルタ
- モナコ
- オランダ
- ニュージーランド
- ノルウェー
- ポーランド
- ポルトガル
- ルーマニア
- サン・マリノ
- シンガポール
- スロバキア
- スロベニア
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
*ここに掲載された国はマーチャントアカウントを設定できる地域です。対応した支払い方法、通貨であれば、世界中どこからでも決済を受け付けることができます。
勝者: 引き分け
Braintreeはヨーロッパをより幅広く網羅しており、Stripeは南米と中央アジアにも進出しています。
なお、上記はマーチャントアカウントに対応した国々の一覧です。StripeもBraintreeもアメリカ、カナダ、主要なヨーロッパの国々で利用可能です。
対応した支払い方法と通貨を使用する限り、世界中どこからでも決済を受け付けられます。
そのため、ヨーロッパの小さな国(Braintreeのみ対応)やブラジル(Stripeのみ対応)などにお住まいでない限り、どちらを使っても問題ないでしょう。
対応通貨
Stripe、Braintreeのいずれも世界各国の大半の安定通貨に対応しています。いずれも、AED(UAEディルハム)からZWD(ジンバブエ・ドル)まで、135以上の対応通貨がサイトに掲載されています。
ジンバブエ・ドルでの決済を受け付けたい場合も含め、外国の顧客との取引で困ることはないでしょう。
勝者: 引き分け
StripeもBraintreeも幅広い種類の通貨に対応しているので、99%の企業はどちらを選んでも問題ないでしょう。
定期支払いとその他の支払いプラン
どちらのサービスでもほとんど全ての通貨で一括での決済を受け付けることができることはご紹介しました。
では、定期支払い、請求書の発行、支払いプランの設定はどうなっているでしょうか?
Stripe
Stripeでは、別個の請求サービスへ登録することで定額支払いを利用できます。最初の100万ドル以降、定期支払い料金の0.5%の手数料が発生します。
定期支払いに登録した顧客に対して、月次、年四回、または年次で請求を自動的に発行します。
自動の請求書照合は請求書1部あたり7ドルの固定料金が発生します。Stripe Billingは1回限りの支払いの請求書の送付にも利用できます。
分割払いプランを設定するには、Webhookをインストールし、Stripe APIを用いて独自のコードを組み込む必要があります。
Braintree
Braintreeの場合、別のサービスに登録することなく定期請求を設定できます。
プランを設定する際、独自の開発を一切せずに、支払いサイクルの数字を選択可能です。APIやWebhookを利用した開発を行うことなく、簡単に支払いプランを設定できます。
勝者: Braintree
Stripe Billingでは包括的な請求機能が利用できますが、取引毎に追加の料金が発生します。Braintreeの場合、カスタムコードを利用せずに簡単に支払いプランを設定できます。
支払い方法の比較
いよいよ支払い方法の比較に移ります。どちらのサービスの方がより幅広いクレジットカードやデジタルウォレット、支払い方法を利用できるでしょうか?
Stripe
まずはStripeで利用可能な支払い方法をご紹介します。主要なクレジットカード全てと、一部のデジタルウォレットに対応しています。
Stripeで利用可能なクレジットカード
- American Express
- Cartes Bancaires
- 銀聯(ユニオンペイ)
- Discover & Diners
- Interac
- JCB
- Mastercard
- Visa
Stripeで利用可能なデジタルウォレット
- Alipay
- Apple Pay
- Click to Pay
- Google Pay
- GrabPay
- Microsoft Pay
StripeではACH送金など他の決済方法にも対応しています。
Braintree
次はBraintreeが対応している支払い方法を詳しく見ていきましょう。全ての主要なクレジットカード、Venmo、PayPal、その他いくつかのデジタルウォレットにも対応しています。
Braintreeで利用可能なクレジットカード
- American Express
- 銀聯(ユニオンペイ)
- Diners
- Discover
- JCB
- Maestro
- Mastercard
- Visa
Braintreeで利用可能なデジタルウォレット
- Apple Pay
- Click to Pay
- Google Pay
- PayPal
- Samsung Pay
- Venmo
BraintreeではACH送金など他の決済方法にも対応しています。
いずれのサービスもアメリカの大手クレジットカード会社を網羅しています。
ご覧の通りどちらのサービスでも、Visa、Mastercard、Discover、American Expressなど、アメリカの主要なクレジットカードが使用できます。
また、日本の大手クレジットカード会社JCBと中国の大手クレジットカード銀聯(ユニオンペイ)にも対応しています。
勝者: Braintree
StripeとBraintreeはいずれもApple Pay、Google Pay、PayPal、Venmoなど、同じデジタルウォレットに対応しています。Alipayにも対応しているStripeは中国の顧客を多く抱える事業者により適しているかもしれません。一方で、BraintreeはSamsung Payが利用できるため、モバイル端末からの利用者が多いサイトにとってはより魅力的かもしれません。
Stripeはアメリカの事業者に最適なクレジットカードをより多く扱っているのに対し、BraintreeはMaestroなど、ヨーロッパをより広範に網羅しています。なお、Braintreeでは海外取引でAmerican Expressを使用する場合、追加のプロセスが必要となることがあるのでご注意ください。
決済の操作とユーザーの使い勝手
支払い処理において決済の操作よりも重要なものはないと言っても過言ではないでしょう。
優れた決済画面はかご落ちの件数を減らすのに対し、無駄な手順があると大きな売り上げの損失に繋がりかねません。
幸い、いずれのサービスでもユーザーの使いやすい決済画面を容易に作成できます。
Stripeの決済画面の例: Kickstarter
KickstarterではStripeの支払い代行システムを利用しており、決済の操作中に別のサイトへリダイレクトされることはありません。
決済画面は分かりやすく、使いやすいデザインになっています。
Kickstarterで何かしらのプロジェクトを支援したことがある方はStripeを利用しているはずです。
必要な情報を入力し、決済に進みます。注文内容を確認すると、クレジットカードの処理が開始します。
注文が確定すると、確認画面にリダイレクトされます(または、確認メッセージが購入画面と同じ画面上に表示されることもあります)。
このように、この上なくシンプルです。
Braintreeの決済画面の例: Bon-Ton
PayPalの決済システムではPayPalのサイトへリダイレクトされ、そこでログインまたは登録しなければなりません。
Braintreeの決済代行システムではそのようなことがありません。
決済画面にワンクリックのPayPalボタンを設置することも可能ですが、主な決済手段はクレジットカードでの支払いとなります。
Bon-Tonの決済画面から分かるように、別画面が表示されたり、別サイトにリダイレクトされたりすることなくクレジットカード情報を入力できます。
この点はStripeの決済手順と同じです。2つのサービスの使い勝手の間に大きな差はありません。
勝者: 引き分け
PayPalとStripeの決済画面の使い勝手には明確な差があるもののBraintreeに関しては全く事情が別です。
決済はご自分のサイトだけで完結でき、クレジットカードデータを自分で処理したり、保護したりする手間もなく保存することができます。
とは言え、ワンタッチでのPayPal決済も利用できるのは一部の事業者にとってはメリットになるかもしれません。
カスタマーサポートの比較
どのような事業者にとっても支払い処理は必要不可欠な部分です。商品やサービスの対価を正しく受け取ることができなければ深刻な事態に陥るでしょう。
そのため、支払い処理業者を選ぶ上でカスタマーサポートは重要な要素です。
Stripe
Stripeのカスタマーサポートは24時間、年中無休で利用できます。サービスはメール、リアルタイムのチャット、電話で利用できます。
電話番号は公開されていませんが、Stripeのカスタマーサポートのスタッフに電話をかけてもらうよう依頼することが可能です。
ライブサポートの平均待ち時間は3分です。
- メール: 24時間以内に返信。
- チャット: 英語でのみ利用可能。平均待ち時間は3分。
- 電話の依頼: 英語でのみ利用可能。平均待ち時間は3分。
Braintree
Braintreeのサポート窓口の営業日は月曜〜金曜までと標準的です。営業時間は月曜から木曜までは午前5時から深夜12時までです。
金曜日のメールの対応時間は午前5時から午後8時までです。電話の対応時間は午前8時から午後5時までです。
- メール: 月〜木曜は午前5時から深夜12時まで(CST)、金曜は午前5時から午後8時まで(CST)
- 電話: 月〜木曜は午前8時から午後7時まで(CST)、金曜は午前8時から午後5時まで(CST)
なお、緊急サポートは24時間年中無休で利用可能で、サポート担当者とエンジニアが常時待機しています。
ソーシャルメディアでのカスタマーサービスの評価
そのうたい文句とは裏腹に、ソーシャルメディアでは両社のカスタマーサービスに関する不満も見られます。
このツイートでは、Braintreeの顧客が数日たってもメールの返信がないことに不満を漏らしています。
投稿にタグ付けされているにもかかわらず、それに対するBraintreeからの返信やアクションはありませんでした。
このツイートでは60,000ドルが凍結されてしまったStripeのユーザーが責任者と連絡を取ろうと必死です。総合的なカスタマーサポートのスタッフでは電話で問題を解決できなかったということです。
Stripeのサポートスタッフがすぐさま返信し、問題を解決すべく、ユーザーのメールアドレスを記載したDMを送付するよう依頼しています。
勝者: Stripe
Stripeの総合サポートは24時間年中無休で、顧客の問い合わせに対して、ライブチャットだけでなく、ソーシャルメディアでも対応しています。
どちらの会社にも不満を持っている人がいるようですが、それは支払い処理が正常に動作していないと大きな損失につながるかもしれない不安からです。
一分一秒が重要です。
Stripe ConnectとBraintree Marketplace
StripeとBraintreeはいずれもマーケットプレイス向けの支払い代行システムを提供しています。
通常の支払い代行システムとの違いは、サブマーチャント(例えばあなたのアプリのユーザーなど)が支払いを受け付けたり、処理したりできるという点です。
この機能は分散型の個人間取引のアプリやプラットフォームで必要です(Kickstarter、Patreon、Etsyなどがそれに該当します)。
Stripe Connect
Stripe Connectは「プラットフォームのための支払いプラットフォーム」を自称しています。
大規模な顧客ベース、膨大なSDKライブラリ、非常に優れたドキュメンテーションを備えている上、取引手数料以外に料金はかからないため、非の打ち所がありません。
Stripeの強み:
- 大規模な顧客層
- 優れたAPIドキュメンテーション
- 豊富なSDK(独自の開発なしで幅広いカスタマイズが可能)
Braintree Marketplace
Braintree Marketplaceはマーケットプレイスビジネス向けのスケーラブルなサービスを自称しています。
マスターアカウントが自らのマーケットプレイスプラットフォームの販売者向けにサブアカウントを作成できるというシンプルな構造です。
サブアカウントでの取引に課す手数料を独自に設定することができます。
Braintreeの強み:
- シンプルな構造
- 主要アカウント下にサブアカウントが設定可能
- APIとRuby向けSDKの詳細なドキュメンテーション
勝者: Stripe Connect
ECサイト/CRMプラットフォームとの連携
StripeもBraintreeも3大ECサイトプラットフォームWooCommerce、BigCommerce、Magentoに対応しています。
WooCommerce
KinstaのユーザーはWordPressを利用しているため、世界で最も利用されているこのECサイトプラグインを無視することはできません。当社ではWordPressでStripeを設定する方法という記事も公開しています。
幸い、WooCommerceはどちらの支払いプラットフォームにも対応しています。
WooCommerceは自動で決済画面を生成するため、自力でコードを記述する必要は一切ありません。
また、決済手順の中で複数の支払いオプションを設定することも可能です。ここでは、メインの支払い方法はStripeが対応しているクレジットカード決済ですが、Braintreeを利用してPayPalでの決済を選ぶこともできます。
CRMとの連携
一方、CRMに関しては、2つのサービスの間に大きな差があります。
StripeはGro、Beacon CRM、Agile CRM、その他のプラットフォームとの連携が可能です。またscaleプランを利用する場合、SalesForceとStripe Billingを連携することもできます。
Braintreeではそうはいきません。
Braintreeでもそこそこの数のサードパーティーソフトウェアとの連携が可能です。しかし、CRMに関しては、直接連携できるのはSalesforceとAgile CRMのみです。
そのため、CRMやビジネスツールとの連携に関してはStripeが明らかに優位です。
勝者: Stripe
大手ECサイトプラットフォームはStripeとBraintreeの両方に対応していますが、CRM、ビジネスツール、定額支払いツールとの連携に関して言えば明確な差があります。
これらに関しては、より優れた選択肢が豊富に選べるStripeが明らかに有利です。
StripeとBraintree━どちらの方が優れているのか
一対一で比較をした項目の中で「引き分け」が数多くありました。手数料、料金体系は実質同じで、いずれの決済画面の操作性も優れています。
しかし、カスタマーサービス、詐欺対策、連携の観点ではStripeが若干優れているため、総合的に見ると僅差でBraintreeよりも上回っていると言えます。
- 大半の取引がクレジットカードで行われるアメリカに拠点を置くECサイトの場合、明らかにStripeが最適です。
- 多くの取引がPayPalまたはその他のデジタルウォレットで行われるヨーロッパに拠点を置く事業者の場合、Braintreeの方が適しているかもしれません。
StripeはBraintreeよりも優れているのか
Stripeの方がより手軽に導入できるはずです。
Braintreeの場合、Braintree Directに申し込むか、追加料金を支払いサードパーティのマーチャントアカウントを利用する必要があります。
決済の操作は似たり寄ったりで、既にご紹介したとおり、料金も実質同じです。しかし、Stripe Radarの方がカスタマーサービスの面で優れており、より多くの連携の選択肢があり、より質が高い詐欺対策を誇ります。
そのため、一般的なアメリカに拠点を置くECサイト事業者にとってはStripeの方が適しているでしょう。
しかし、StripeがBraintreeよりわずかに優れた点があるからと言って、全ての事業者にとってStripeの方が適しているとは限りません。
例えば、BraintreeはMaestroにも対応しています。Maestroは多くのヨーロッパの国々で利用されており、世界各国の顧客に対してサービスを提供する企業にとっては便利なクレジットカードです。
まとめ
決済代行システムと支払い処理業者の選択は決して軽い決断ではありません。今回の記事では信頼性の高い2つの大手サービスを取り上げ、料金、ユーザーレベルでの使い勝手、連携などあらゆる観点を比較してきました。
決済画面の操作性、料金、支払い方法、使い勝手に関してはStripeとBraintreeの間に大きな差はありません。
しかし、SaaSビジネスを展開している場合、Stripeの検討をお勧めします。詐欺対策機能、マーケットプレイス向けの選択肢、連携という点でBraintreeよりも優れています。そのため、Stripeの方がSaaSスタックの一部として連携しやすいです。
総合的に見ると、ECサイト事業者にとってはStripeの方が適していると言えるでしょう。
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