AWS市場シェア─収益と成長、競合との比較(2021年)

Amazon Web Services(AWS)は2006年に設立された、サービスとして現代のクラウド基盤を提供した最初の企業です。設立以来、特にホスティングとデータストレージの両方で、AWSは業界のリーダーです。

AWSとは何か?

Amazon Web Services(AWS)は、Amazon独自のインフラと経験を活かしたクラウドサービスプロバイダーです。AWSは、MicrosoftのAzureのような企業の一部門ではなく、Amazonの子会社です。

AWSは、基本的なホスティングやデプロイメントから、アナリティクス、ブロックチェーン、機械学習など、様々なクラウドサービスを提供しています。

AWSが提供する様々なクラウドコンピューティング製品
AWSが提供する様々なクラウドコンピューティング製品

すべてのストレージとコンピューティング資源は、世界各地に分散したデータセンターのネットワークから供給され、遅延が少なく、優れたユーザー体験を提供します。

AWSは、ホスティングとAmazon Simple Storage Service、通称「Amazon S3」と呼ばれるストレージサービスのほか、エラスティックブロックストレージなどを提供しています。

ウェブホスティング市場におけるAWSの現在のシェアは5.8%

まず、最も身近なデータとして、ウェブホスティング業界におけるAWSの市場シェアを見てみましょう。

W3Techsによる、世界のウェブホスティングサービスにおける、最新のクラウド市場シェアの数字は以下のとおりです。

ウェブホスティングの市場シェア(出典:W3Techs)
ウェブホスティングの市場シェア(出典:W3Techs)

Amazonは5.8%で2位。1位のGoDaddyグループと肩を並べています。Googleは3.2%で5位、Microsoftは商用およびプライベートのウェブホスティングを合わせても1%のシェアしかなく、明らかに出遅れています。

AWSは特にホスティング企業ではありませんが、すでにEndurance Group(安価な共用ホスティング大手BluehostとHostgatorを含む)を追い抜き、クラウド大手ビッグ3の中で明確なリードを確立しています。

5.8%をちっぽけな数字と考えた方は、一緒にその実際の意味を考えてみましょう。

AWSを利用しているアクティブなウェブサイトは900万以上

ウェブホスティング市場では、わずか数パーセントという数字が大きな意味を持ちます。その大きさを説明するために、現在AWSでホスティングされているアクティブなウェブサイト数を見てみましょう。

BuilWithの最新データによると、推定9,054,410のウェブサイトがAWSによってホスティングされています。

2012年から2020年までのAmazonの利用統計(出典:BuiltWith)
2012年から2020年までのAmazonの利用統計(出典:BuiltWith)

900万人。これは、スイスの全人口よりも多い数字です。

AWSは、Netflix、Facebook、BBCなど、多くのグローバル企業や有名企業に選ばれているホスティングサービスプロバイダーです。

Netflixでは、データ量の多い動画を扱うため、ストレージやコンピューティングのニーズに合わせて10万台以上のサーバーインスタンスを使用しています。この他、多くの大手企業がウェブサイトやデータのホスティングにAWSを利用しています。

上位10万サイトにおけるクラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWith)
上位10万サイトにおけるクラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWith)

上位10万のクラウドホスティングプロバイダーの中で、Amazonは34%の市場シェアを持ち、ビッグ3の中でインターネットの大きな部分を占めています。

Google Cloud Platformは13%、Microsoft Azureはわずか7%で、AWSの4分の1以下のシェアです。

しかし、もちろん、IaaS市場もウェブホスティングだけではありません。ある調査では、技術者の61%が、現在AWSでクラウドアプリを運用していると回答しています。また、デプロイメント用のAmazonのPaaS(Platform as a Service)製品も市場をリードしています。

AWSの過去と現在の収益

AWSの過去10年間の四半期報告書や年次報告書を見ると、驚異的な成長を遂げていることがわかります。

わずか7年で、収益は10倍以上になりました。

2013年から2019年までのAWSの年間収益成長率(出典:Statista)
2013年から2019年までのAWSの年間収益成長率(出典:Statista)

2013年の31億ドルから2019年に350億ドルを超えるまで、AWSの収益成長は控えめに言っても着実に進んでいます。将来クラウドプラットフォームは、10億ドル規模のビジネスになるだけでなく、数十億ドル、もしかすると1,000億ドル規模のビジネスにもなり得ることを示唆しています。

しかし、売上高と市場シェアの両方で巨大な成長を達成した一方、新興のクラウドサービスも成長のスピードを増しており、必然的にAWSは減速し始めています。

AWSはクラウド市場でシェアを拡大し続けるか?

まず、パブリッククラウド市場全体の予想成長率を見てみましょう。Gartnerの専門アナリストによると、パブリッククラウド全体の収益は、2019年の2,278億ドルから2022年には3,546億ドルに成長すると予測しています。

世界のパブリッククラウドの収益予測(出典:Gartner)
世界のパブリッククラウドの収益予測(出典:Gartner)

IaaSは、前年同期比24%の驚異的な成長率で劇的に伸びると予測されています。IaaSとPaaSの市場を合わせると、今後数年間で580億ドル以上の収益増加が見込まれます。

次に、AWSの成長率を見てみましょう。AWSは、初期には爆発的な成長率を誇っていましたが、現在は減速し始めています。

AWSの収益の伸び(出典:CNBC)
AWSの収益の伸び(出典:CNBC)

ご覧のように2019年は5年以上ぶりに成長率が40%を割り込み、第2四半期、第3四半期、第4四半期と連続して40%を下回っています。

Synergy Research Groupのデータでも、AWSはすでに市場全体に比べて減速し始めています。一方、Microsoft、Google、Alibaba、Tencentなどの主要な競合は依然として成長を続けており、その過程で市場シェアも拡大しています。

クラウドプロバイダーの競合(出典:Synergy Research Group)
クラウドプロバイダーの競合(出典:Synergy Research Group)

例えば、Microsoft Azureは、2019年第4四半期に、業界の平均成長率をはるかに上回る前年比62%の成長を記録し、マーケットリーダーの1社としての地位を確立しています。

 他のクラウドソリューションが成熟した中、AWSはもはや明確な革新者でも、市場のリーダーでもありません。

さらに、多くの大企業は、単一のクラウドプロバイダーへの依存を好まず、AWSの優良顧客が部分的に移行し始めています。例えばAppleは、4億〜6億ドルのクラウド利用をGoogle Cloud Platformに移行しています。

全体として、AWSは継続的な成長を続けるものの、市場のパイが大きくなるにつれて、AzureやGoogleのような、より速いペースで成長している競合にシェアを奪われる可能性が高いでしょう。

AWSは安全か?

AWSは、顧客のために安全でコンプライアンスを遵守するプラットフォームの維持に専念しています。ユーザーはクラウド上で処理、保存する、あらゆる機密データに対して、スケーラブルなアクセス制御と暗号化を利用できます。

AWS security features – security, identity, and compliance.
AWSのセキュリティ機能

セキュリティ上の脅威を継続的に監視することで、潜在的な脅威が実際の問題につながる前に、リアルタイムに検出して対処できます。しかし、もちろん、どんなに安全なシステムを構築しても、ユーザーエラーは防げません。

注目を集めたCapital Oneのケースも、不満を持った元社員がサイトのファイアウォールを不正に設定したことが原因で発生し、脆弱性につながりました。

ユーザーが自分でウェブサイトやシステムを設定する場合、設定ミスによる個々のアカウントやウェブサイトの脆弱性は避けられません。

AWSとGoogle Cloud Platformの比較

ここまでは、クラウドコンピューティングやサービスにおけるAWSの一般的なシェアを取り上げてきましたが、競合他社との比較については見てきませんでした。

このセクションでは、AWSとGoogle Cloud Platformの両方を深く掘り下げ、様々な分野でどちらが優れているかを見ていきます。

まず、ウェブホスティングのマーケットシェアにおいて、両社がどのような位置関係にあるかをW3Techsのデータで見てみましょう。

過去のウェブホスティングプロバイダーの利用状況(出典:W3Techs)
過去のウェブホスティングプロバイダーの利用状況(出典:W3Techs)

驚くべきことに、この1年間で、AmazonもGoogleも、わずかながらシェアを落としています。AWSは0.1%減の5.8%、Googleは0.2%減の3.2%です。

しかし、アクティブなウェブサイトについてBuiltWithのデータを調べると、その数字はより接近します。

クラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWith)
クラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWith)

900万サイト、800万サイトという数字は、767,602サイトのMicrosoftを始めとする他のIaaSプロバイダーと比べると、明らかに突出しています。

IaaS、PaaS、プライベートクラウドサービスからなる完全なクラウドの収益に関しては、AWSがGoogleよりもはるかに大きなシェアを占めています。

収益がこれを反映しています。AWSは今年初めに年間400億ドルを達成しましたが、Google Cloud Platformは年間100億ドルを達成したばかりです。

Synergy Research Groupの調査では、AWSと競合他社の間には依然として大きな差があることを確認できます。

IaaS、PaaS、プライベートクラウドの市場シェアの伸び(出典:Synergy Research Group)
IaaS、PaaS、プライベートクラウドの市場シェアの伸び(出典:Synergy Research Group)

2019年の市場シェアは、AWSが33%、Microsoftが16%、Googleが8%で3位でした。

しかし、市場のシェアがすべてではありません。ホスティングやクラウドサービスを利用する際に最も重要な要素の一つが信頼性です。

稼働時間に関しては、Google Cloud PlatformとAWSは業界をリードしており、両者ともダウンタイムは、2018年5月から2019年5月の間に合計で約300時間しか報告していません。

AWS、Azure、Google Cloud Platformの報告されたダウンタイム(出典:NetworkWorld)
AWS、Azure、Google Cloud Platformの報告されたダウンタイム(出典:NetworkWorld)

表面的には、AWSの報告された時間が338時間であったのに対し、Google Cloud Platformは361時間で、AWSの方がわずかに信頼性が高くなりました。

AzureとGoogle Cloud Platformの間には大きな開きがあり、その差は1,500時間以上にも及びます。

詳細については、インフラ、サービス、セキュリティ、ネットワーク、遅延などを網羅した解説記事「Google Cloud PlatfromとAWSの比較」をご覧ください。

AWSとMicrosoft Azureの比較

AmazonとMicrosoftは現在、クラウドインフラ市場の2大巨頭であり、AWSとAzureを比較することには大いに意味がありそうです。

しかし、W3Techsの最新のデータによるウェブホスティングの面に目を向けると、話が変わります。

過去のウェブホスティングプロバイダーの利用状況(出典:W3Techs)
過去のウェブホスティングプロバイダーの利用状況(出典:W3Techs)

Amazonは5.8%で第2位のホスティングプロバイダーですが、Microsoftは1%で、ページビルダーのWixやSquarespaceのようなニッチなプレーヤーにも負けています。

BuiltWithの最新データによる、最もアクセスの多いウェブサイトのトップ10,000においても、AWSが大きくリードしています。

上位10,000サイトにおけるクラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWIth)
上位10,000サイトにおけるクラウドホスティングの利用状況(出典:BuiltWIth)

Amazonは41%のシェアですが、Azureは6%に止まっています。

収益に関して言えば、MicrosoftはAzure単体の収益の数字を公表していません。Microsoftのインテリジェントクラウドサービスの2019年の収益は114億5000万ドルですが、そのうちの何パーセントがAzureによるものかは明らかになっていません。

一方、AWSは2019年に350億2000万ドル以上の収益を上げました。Microsoft全体の数字の3倍以上です。

AWSは大きなリードを持っていますが、Microsoft Azureははるかに速く成長しています。2019年第4四半期、AWSの対前年比の成長率はわずか34%であるのに対し、Azureは62%という驚異的な成長を遂げました。

AWSはまた、国防総省との100億ドル規模のクラウドインフラ契約をMicrosoftに奪われました(ただし、Amazonはこの決定を訴え、取り消そうとしています)。

Microsoftはさらに別の注目すべき契約を獲得しました。NBAとの複数年契約により、AzureとSurfaceを使用して観客にパーソナライズされた体験を提供する予定です。

高収益のパブリッククラウド案件において、AWSではなくMicrosoftが採用されたことで、Microsoftはさらに有利になり、成長の優位性も高まりました。

しかし、もし、市場シェア以上に気になる点がある場合はどうでしょうか?

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