ウェブサイトを更新したら突然クラッシュ、という心臓が止まるような経験をしたことはありますか?
投稿や更新、コメントがすべて一瞬で失われてしまうというのは冷や汗が出る場面です。
そんな悲惨な状況を回避する策があります。サイトがダウンしたとしても、しっかりと日頃からバックアップを作成していれば、その影響は最小限にとどまります。「サイトのクラッシュ=一巻の終わり」とは限りません。
プラグインの競合、ハッキングの試み、サーバーエラーによるサイトのダウンも同様です。
Kinstaでは、サイトデータとその円滑な運用の重要性を十分に理解し、予期せぬ災難やサイバー攻撃からサイトを保護するために設計されたバックアップ機能を提供しています。
毎日の自動バックアップから高度な災害復旧戦略まで、常にサイトが保護され、最大限稼働した状態を保つことを保証します。
今回は、Kinstaのバックアップ機能をご紹介します。強力なバックアップ機能を活用して、サイトとデータをどのように保護することができるかを見ていきましょう。
バックアップの利点
ウェブサイトのセキュリティと継続性は、バックアップソリューションによって大きく左右されますが、バックアップには具体的にどのような利点があるのかが気になります。まずはバックアップの利点をいくつかご紹介します。
安心とセキュリティ
信頼できるバックアップシステムを持つ大きなメリットは、安心感にあります。サイトのデータが定期的に保存され、万が一の事態に陥ってもすぐに復元できることを知っているだけで不安は解消し、ビジネスの大事な側面に集中することができます。
包括的なバックアップシステムは、ホスティングサーバーのクラッシュ、ハッキング、またはヒューマンエラーのような予期せぬ出来事が発生した際、サイトを速やかに再稼働するのに役立ちます。
データ損失からの保護
ウェブサイトは様々な方法でデータ損失の影響を受けるものです。例えば、管理者権限のあるユーザーが誤ってファイルを削除してしまったり、更新を反映してサイトを壊してしまったりといった人為的なミスによって発生することがあります。また、マルウェア攻撃やハッキングの試みなど、外部からの脅威によっても起こり得ます。
このような事態が発生する前にバックアップ戦略を確立しておくことで、データベースやメール、メディア、コンテンツに至るまで、サイトを構築するすべてのコンポーネントを安全に保存し、復旧可能な状態を保つ「セーフティネット」として機能します。これにより運用データ、個人情報のような機密性の高いユーザー情報を保護します。
また、結果として信頼性を高め、GDPRなどのデータ保護規制に遵守することもできます。現在、Backblazeの調べによると、調査対象となったユーザーの54%がデータ損失の経験があると回答したにも関わらず、毎日バックアップを作成していているのはわずか10%でした。
ビジネスの継続性
バックアップの最も重要な側面の一つは、ビジネスを継続させる能力です。オンラインでビジネスを展開する企業にとって、サイトのダウンや収益の損失に直結し、顧客を失う可能性もあります。効率的に管理されたバックアップがあれば、負担を最小限に抑えながらサイトを迅速に復元できます。
Kinstaのバックアップ機能
Kinstaでは、サイト管理の負担を軽減する包括的なマネージドホスティングソリューションを提供しています。Google Cloud Platformの堅牢なインフラストラクチャを活用して、WordPressサイトに安全で信頼性の高いホスティング環境を確立。データの整合性を確保しながらすべてのバックアップを素早く復元可能です。
以下、Kinstaの各バックアップ機能を詳しくご紹介します。
自動および手動バックアップ
さまざまな要件を考慮したバックアップ方法をご用意していますが、まずはファイル、データベース、および設定を含む完全なスナップショットであるサイトのバックアップが毎日自動で作成されます。
バックアップはGoogle Cloud Platform上に安全に保存され、必要な時には簡単に復元可能です。
バックアップのより細かな制御が必要な場合、あるいはサイトに大きな変更を加える場合には、手動でバックアップを作成することも可能です。専用コントロールパネルの「MyKinsta」上で数回のクリックで作成でき、プランにもよりますが最短14日間保存されます。
手動のバックアップは一度に最大5つまで保存可能です。
時間単位のバックアップアドオン
ECサイトや会員制サイトなど、動的コンテンツやトランザクションが特に多いサイトでは、毎日のバックアップよりも頻繁にバックアップが必要になることがあります。これを考慮し、時間単位のバックアップアドオンもご利用いただけます。
時間単位でバックアップを作成することで、万が一のことがあっても、ほぼすべての状態を確実に復元することができ、データの損失を最小限に抑えます。1時間または6時間のいずれかを選択できます。
セキュリティを強化する特別機能
上記でご紹介した定期的なバックアップに加えて、テーマやプラグインの更新、ステージング環境の本番環境への反映、サイトの検索と置換またはリセット、バックアップを使ったサイトの復元などのような重要な操作を行う際には、システム生成バックアップも作成されます。これにより、変更時に何かしらの問題が発生しても、すぐに変更を加える前の状態に戻すことができます。
Kinstaのバックアップシステムは、データ保護とサイトが安全に稼働しているという安心感を提供できるように設計されています。データの整合性やサイトの可用性を気にすることなく、ビジネスの成長に全力投球することができます。
LXDコンテナ技術
Kinstaでは、LXDコンテナ技術を使用してホスティングサービスを管理しており、各WordPressサイトは安全で隔離された環境で実行されます。完全隔離されたコンテナでの実行は、強力なセキュリティ層になります。
各コンテナは独立したサーバーのように動作しますが、関連するハードウェアコストが発生することはありません。このセットアップにより、同じユーザーが所有するサイト間であってもリソースが共有されることはなく、パフォーマンスの安定性とセキュリティが強化されます。同様にバックアップにも高い安全性が確保されます。
コンテナは、システムリソースを効率的に管理するのに特に効果的です。名前空間(namespace)コントロールグループ(cgroups)を使用してCPU、メモリ、I/Oなどのリソースを分離して管理し、各コンテナが「公平な量」のリソースを使用することで、システム全体のパフォーマンスと安定性が維持されます。このアプローチにより、1つのコンテナがリソースを独占したり、他のコンテナの邪魔をしたりすることがなくなります。
Kinstaのホスティングはスケーラブルで信頼性の高いWordPressホスティング環境をお探しの方にとって良い選択肢となります。
外部バックアップアドオン
Amazon S3やGoogle Cloud Storageのようなサードパーティのクラウドプラットフォームにバックアップを保存したい場合には、外部バックアップアドオンを利用することもできます。毎週または毎月バックアップを作成し、その内容はファイルのみ、データベースのみ、または両方のいずれかを選択できます。
このアドオンで、特定の要件に応じてバックアップをカスタマイズしながら、データを安全に外部環境に保存できます。プライマリサーバー環境から離れた場所にバックアップを保存することで、効果的な災害復旧戦略となり、データ保護の強化につながります。
外部バックアップアドオンは、MyKinstaで外部ストレージのアカウント情報を入力することで、簡単に設定可能です。複雑な設定やサードパーティプラグインなしで外部バックアップを効率的に管理することができます。
Kinstaのバックアップ機能の管理
MyKinstaは使いやすいインターフェースが搭載されており、WordPressサイトのバックアップを簡単に管理できます。続いて、MyKinstaまたはKinsta APIを経由してバックアップを管理する方法をご紹介します。
MyKinstaでバックアップを管理する
MyKinstaでバックアップを管理するには、以下の手順に従ってください。
- MyKinstaにログインし、左サイドバーから「WordPressサイト」をクリックして、バックアップを管理したいサイトを選択します。
- 「バックアップ」画面を開くと、「毎日」「毎時」「手動」「システム生成」「外部」「ダウンロード」のタブが表示されます。
- 手動バックアップを作成する場合は、「手動」タブをクリックし、「今すぐバックアップ」をクリックするだけで完了です。バックアップには識別するための簡単なメモを残すことができます。手動バックアップは、ホスティングプランに応じて、最短14日間保存されます。
- バックアップを復元するには、一覧から復元したいものを選択し、「復元先を選択」をクリックして復元先となる環境(本番またはステージング環境)を選択します。
「ダウンロード」タブを開くと、サイトのデータベースとファイルの.zipファイルをローカルコンピュータに保存することができます。
ダウンロードしたバックアップには、サイトのファイルやデータベース、リダイレクト、Nginxルールなどの設定もすべて含まれているため、包括的な復元ポイントとなります。
Kinsta APIでバックアップを管理する
APIは主に開発者が利用する手段です。Kinstaではバックアップの管理をはじめとする様々な操作向けにAPIエンドポイントを提供しており、例えばSlackのようなシステムと統合することができます。
具体的には、以下のようなタスクを実行できます。
- Kinsta APIを使用してPOSTリクエストまたはDELリクエストを送信し、バックアップを作成または削除。開発ワークフロー内でバックアップタスクを自動化できる。
- GETリクエストを送信して、特定の環境で利用できるすべてのバックアップ情報を取得。サードパーティのアプリケーションや自分で構築したダッシュボードでの監視やログに有用。
- POSTリクエストを送信して、バックアップを復元。復元プロセスの自動化や大規模なアプリケーションのエコシステム内でのバックアップ管理の統合に役立つ。
- ダウンロード可能なバックアップへのリンクも取得でき、アプリやサービスに直接ダウンロードする機能を簡単に統合できる。
KinstaAPIとMyKinstaを併用することで、バックアップの管理がさらに簡素化され、サイトのデータを保護しながら、常に復元可能な状態を確保することができます。直感的なMyKinstaと高度なKinsta APIを提供することで、一般ユーザーと開発者の両方に配慮しています。
まとめ
今回は、使いやすく高性能なKinstaのバックアップ機能をご紹介しました。バックアップのセキュリティと分離を保証するLXDコンテナ技術から、MyKinstaとKinsta APIを通じたバックアップを管理する柔軟性まで、マネージドソリューションを求める方にとっても、自分で手を動かしたい開発者の方にとっても便利で包括的なバックアップソリューションです。
優れたバックアップシステムをはじめとする、機能豊富なKinstaのWordPress専用マネージドホスティングは、企業サイトから個人ブログまで、あらゆるビジネスのパフォーマンスと信頼性を最大化します。Kinstaをぜひ一度お試しください。
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