サイトを運営していると、画像や動画などのメディアファイルを追加する機会は頻繁に訪れます。ところが、WordPressデフォルトのメディアライブラリでは、ファイルの一括アップロードすることができません。
多くのファイルをアップロードする際には、ファイル転送プロトコル(FTP)クライアント経由でアップロードするのが効率的です。大量のファイルやサイズの大きなファイルも一度に追加することができます。
このページでは、WordPressのメディアライブラリにファイルを一括アップロードする方法を3つの簡単ステップでご紹介します。では、早速本題に入りましょう。
ファイルの一括アップロードが有用になる事例
新規投稿で使用する画像を数点アップロードする程度であれば、メディアライブラリのアップロード機能で十分です。複数の画像、音声ファイル、動画を選択して、アップロードエリアにドラッグ&ドロップすることができます。
しかし、以下のような条件では、アップロード時にエラーが発生する可能性があります。
- ファイルサイズが大きい(一部のWordPressサイトではデフォルトで最大アップロードサイズが2MBに設定されていることも)
- 大量のファイル(数百単位)
上記いずれかであれば、WordPressのメディアライブラリよりも、ファイル転送プロトコル(FTP)を使用して一括アップロードする方がはるかに効率的です。
FTPでファイルをアップロードするだけではだめな理由
FTP経由でファイルを一括アップロードすることは、全く問題なく実現可能です。特に特別な手順を踏む必要もありません。ただし、アップロードしたファイルをWordPressのメディアライブラリで使用するようにするには、追加の操作が必要になります。
FTPでアップロードされたファイルは、サーバーに保存されます。ファイルに直接リンクすることは可能ですが、WordPressに登録しない限り、メディアライブラリに表示されることはありません。
メディアライブラリにファイルを表示させるには、以下の作業を行います。
- FTPでアップロードフォルダにファイルを追加する
- プラグインを使ってアップロードしたファイルをメディアライブラリに登録する
以下、この手順を詳しく見ていきましょう。専門知識は不要です。スクリーンショットを見ながら、実行してみてください。
WordPressのメディアライブラリにファイルを一括アップロードする方法
WordPressのメディアライブラリにファイルを一括アップロードするには、以下を用意します。
- サーバーのFTPアカウント情報─Kinstaを利用されている場合の見つけ方は、以下でご説明します。別のサーバーを利用されている方は、お使いのサーバー管理画面で入手してください。
- FTPクライアント─サーバーにファイルをアップロードすることができるソフトウェア。任意のFTPクライアントを使用してください。無料のものをお探しなら、FileZillaがお勧めです。
- Media Sync─アップロードしたファイルをメディアライブラリに登録できる無料プラグイン。
上記を用意したら、早速取りかかりましょう。
ステップ1. FTP経由でサイトに接続する
まずは、FTPまたはSFTP(Secure FTP)でサイトに接続します。一般的なサーバーではFTPを使用していますが、Kinstaでは、安全を考慮し、SFTPを使用しています。
ここでFTPクライアントが必要になります。以下のスクリーンショットの例では、FileZillaを使用していきます。
サイトに接続するために、FTPログイン情報(Kinstaの場合はSFTP)を入手します。Kinstaをご利用の場合は、MyKinstaにログイン後、「WordPressサイト」>(サイト名)>「情報」に移動して、認証情報を確認してください。「SFTP/SSH」セクションのホスト、ユーザー名、パスワード、およびポート情報を使用します。
これで、FTPでサイトに接続可能です。Kinsta以外を利用している方は、同じ情報を適宜入手してください。
以下のように、SFTPの詳細情報をFTPクライアントに貼り付けます。
ホスト名の前には「sftp://」を付けてください(例: sftp://35.224.70.159)。また、ドロップダウンでSFTPを選択できるFTPクライアントもあります。
情報を入力して「Quickconnect」をクリックすると、処理が開始されます。
ステップ2. ファイルをアップロードする
FTPクライアント経由でサイトに接続されているかどうかを確認します。以下のように、接続完了のメッセージが表示されていればOKです。
次に、WordPressサイトのUploadsフォルダにファイルをアップロードします。「Remote site」タブを展開したら、以下のスクリーンショットに従って、Uploadsフォルダを見つけてください。
これで、「Local site」でアップロードしたいファイルに移動できるようになります。あとは、ファイルを「Remote site」のUploadsフォルダにドラッグするだけです。
ファイルのサイズによっては、アップロードに時間がかかる場合があります。完了したら、次のステップに移りましょう。
ステップ3. アップロードしたファイルをWordPressのメディアライブラリに登録する
FTPでのアップロードが終了すると、ファイルがサーバー上に保存されます。先にも触れましたが、これだけではWordPressのメディアライブラリに表示されません。
アップロードしたファイルをライブラリに転送するには、無料プラグインのMedia Syncをインストールして有効化します。有効化したら、「メディア」>「Media Sync」に移動します。「Sync – uploads directory」セクションの「Scan Files」をクリックしてください。
すると、FTP経由でアップロードしたファイルが一覧表示されます。すべてのファイルを選択し、「Import Selected」をクリックします。
メディアライブラリにファイルを一括インポートインポートが完了したら、メディアライブラリに戻ってみましょう。FTP経由でアップロードしたファイルがすべて表示されるはずです。
以上で、WordPressのメディアライブラリへのファイルの一括アップロードが完了です。新規ファイルの追加、編集、管理など、メディアライブラリの機能をさらに拡張するヒントはこちらをご覧ください。
代替方法
今回ご紹介したシンプルな手法以外にも、以下のような代替方法があります。
- WP All Importプラグイン(有料)を使用して、サーバーから画像をインポートする。
- コマンドラインを使用して、WP-CLIで画像をインポートする。wp media importコマンドで、ファイルやURLで添付ファイルを作成することができます。
いずれの方法でも、メディアライブラリにファイルを簡単に一括アップロードすることができます。もうファイルを1点ずつアップロードする必要はありません。
まとめ
WordPressサイトに大量のファイルを追加したい場合、デフォルトのアップロード機能では不便に感じることも。特にサイズの大きなファイルや、何百点ものファイルをアップロードしようとすると、内臓のメディアライブラリでは処理しきれないことがあります。
WordPressに大量のファイルをアップロードするには、まずFTPクライアントのUploadsフォルダに追加します。その後、Media Syncプラグインを使って、アップロードしたファイルをメディアライブラリに登録しましょう。これで、WordPress内でファイルを扱えるようになります。
スムーズに操作を行うには、FTP情報をサクッと入手できることが大切です。KinstaのWordPress専用マネージドホスティングプランなら、コントロールパネルのMyKinstaで素早く確認することができます。