Google Chromeには、ブラウザ閲覧中に遭遇する可能性のある特有のエラーがいくつか存在します。その1つが、インターネット接続の問題を示唆する「ERR_NETWORK_CHANGED」エラー。解決しなければ、ウェブサイトにアクセスすることができなくなります。

ネットワーク設定の変更が原因で、ウェブの閲覧ができなくなることはよくあること。しかし、この手のエラーのトラブルシューティングは、比較的シンプルです。また、今回ご紹介する解決策は、「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーだけでなく、インターネット接続に関連する他のエラーにも応用可能。サイトのダウンを最小限に抑えることができます。

この記事では、Chromeの「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーの概要、原因、そして解決方法を見ていきます。

「ERR_NETWORK_CHANGED」の解決方法について動画での解説もご用意しています

「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーとは

ほとんどのブラウザのエラーメッセージには、考えられる原因の簡単な説明も一緒に表示されます。Chromeの「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーの場合は、ネットワーク接続に問題がある可能性を示すメッセージが表示されます。

具体的には、「接続が中断されました/ネットワークの変更が検出されました」というメッセージです。

Chromeの「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーメッセージ
Chromeの「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーメッセージ

つまり、インターネットには接続できているものの、機能していないことを意味します。原因としては、IP(インターネットプロトコル)アドレス、ネットワーク構成、プロキシ設定、または接続に影響を与える何らかの要因などさまざまです。

厄介なエラーではありますが、インターネット接続が可能であるということは、修正可能であるということ。インターネット接続がなければ、サービスプロバイダーが問題を解決してくれるのをただ待つことしかできません。

なお、その他の一般的なブラウザでも、このような接続エラーが見られることがありますが、「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーはGoogle Chrome特有です。

「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーの原因

Chromeの「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーは、ネットワーク接続に問題があることを意味し、ウェブブラウジングが行えなくなります。また、インターネット接続が必要なアプリケーションを使用できなくなることも。

このエラーは、IPアドレスが原因で発生していることがほとんどです。アドレスが突然変更されたか、ドメインネームシステム(DNS)の問題で、ネットワークがIPアドレスを解決できないことが考えられます。

有効なIPアドレスがないと、ブラウザ(この場合はChrome)が他のサーバーとの接続を確立できないため、ウェブを閲覧することができなくなります。このエラーはしばらくすると自動的に解決されますが、基本的なトラブルシューティングを行えば、すぐに解決可能です。

「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーを解決するには(4つの方法)

冒頭でも触れた通り、これからご紹介するトラブルシューティング方法は、「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーだけでなく、あらゆる接続エラーに有効ですが、まずはインターネット接続が切断されていないことを確認してください。

インターネット接続が切断されていない場合は、早速トラブルシューティングを進めていきましょう。切断されている場合は、解決までしばらく待つか、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に問い合わせて、問題解決を依頼してください。

1. ルーターを再起動する

接続やホームネットワーク(家庭内LAN)の問題があると思われる場合は、まず最初にルーターをリセットすることから始めましょう。これは、ルーターの電源プラグを抜くだけ。その後1分ほど待ってから、再接続してください。

再起動が完了するまでには、接続後、1〜2分かかることがあります。ルーターのランプを確認し、無線LANが機能し始めたら、コンピュータに戻りましょう。

ほとんどの場合、実はこれだけで解決します。まだ、エラーが表示されている場合には、次のトラブルシューティングに移りましょう。

2. ネットワーク設定をリセットする

ルーターを再起動しても解決しない場合は、次にコンピュータからネットワーク設定全体をリセットしてください。具体的には、コンピュータのIPアドレスを更新し、ローカルDNSキャッシュをクリアします。

ブラウザキャッシュについては、ご存知の方も多いはず(Chromeのキャッシュなどのブラウザキャッシュのクリア方法を含め)。ローカルDNSキャッシュもこれと同じ仕組みです。同じURLを何度もIPアドレスに解決する手間を省くため、コンピュータはDNS情報をローカルに保存します。

Windowsでネットワーク設定をリセットするには、Windows + Rキーを押して、「ファイル名を指定して実行」を起動します。「CMD」と入力して、コマンドプロンプトを開きます。

Windowsでプログラムを実行
Windowsでプログラムを実行

コマンドウィンドウを開いたら、以下の行を1つずつ貼り付け、それぞれEnterキーで実行していきます。

IPCONFIG /FLUSHDNS

NBTSTAT –R

NETSH INT IP RESET

NETSH WINSOCK RESET

これによって、DNSキャッシュがクリアされ、Windowsのネットワーク設定が再起動されます。コマンドを実行したら、Chromeを再度開き、任意のページに移動して、エラーが消えているかどうかを確認してみてください。

macOSの場合は、ターミナルを開く必要はなく、お使いのWi-Fiまたは有線接続をネットワーク設定から削除するだけでOKです。その後接続を再追加すると、設定がリセットされます。

3. プロキシ設定を確認する

プロキシサーバーは、お使いのコンピューターとリモートサーバーの間に介在するシステム。VPN(仮想プライベートネットワーク)とは異なり、アプリケーションやサーバーが使用する特定の接続を介してのみトラフィックをルーティングします。

プロキシを使っている場合、SOCKS5またはHTTPサーバーのどちらかを使用している可能性が高いです。SOCKS5プロキシは、より高いセキュリティが確保されますが、速度が遅くなります。一方、HTTPプロキシサーバーは、制限されているウェブサイトへのアクセスを可能にします。

プロキシには使用するメリットがありますが、インターネット接続に問題を引き起こすことがあります(パソコンとサーバーを仲介する他のシステムも然り)。

Windowsでプロキシ設定を変更するには、「スタート」メニューを開き、「インターネットオプション」と入力し、表示されるオプションを選択します。すると、「インターネットのプロパティ」の設定ウィンドウが開きます。「接続」>「LANの設定」に移動してください。

プロキシ設定を変更
プロキシ設定を変更

LANにプロキシサーバーを使用する」を選択している場合は、チェックを外します。また、「自動構成」の「設定を自動的に検出する」が選択されていることも確認してください。

カスタムプロキシサーバー
カスタムプロキシサーバー

OK」をクリックして変更を保存し、Chromeでエラーが消えているかどうかを確認します。解消されていれば、プロキシサーバーに原因があったことがわかります。

その場合、プロキシサーバーの使用を一時的に中止するか、別の選択肢に変更することをおすすめします。いずれにしても、また正常にChromeでブラウジングが行えるようになります。

macOSでプロキシ設定を変更する場合も、同様の手順です。「システム設定」>「ネットワーク」に移動し、右側のメニューからサービスを選択。選択したサービスの「詳細」>「プロキシ」に移動して、手動または自動のプロキシ設定を選択します。

macOSのプロキシ設定
macOSのプロキシ設定

OK」をクリックしたら、Chromeを開き、エラーが解消されているかを確認してください。エラーがまだ表示される場合は、お使いのコンピュータのDNS設定が原因かもしれません。

4. DNSの設定を確認する

ウェブサイトを閲覧する際、ブラウザはDNSサーバーに接続し、閲覧しているURLに対応するIPアドレスを確認します。使用するDNSサーバーは、お使いの端末の設定やISPによって異なります。

通常、デフォルトでISPのDNSサーバーが使用されるため、別のDNSサーバーを使用するように設定する必要は特にありません。ただし、Chromeで接続エラーが発生した場合には、設定の見直しが解決策になり得ます。

Windowsでの操作は、まず「ネットワークの状態」画面を開き、「ネットワーク設定の変更」>「アダプターのオプションを変更する」を選択します。

Windowsの「ネットワークの状態」画面
Windowsの「ネットワークの状態」画面

すると、利用可能なネットワーク接続が一覧表示されます。複数が有効になっている場合もありますが、アクティブなインターネット接続は1つです。識別しづらい場合は、お使いのWi-Fiネットワークの名前が含まれているものを探してください。

アクティブな接続を右クリックし、「プロパティ」を選択したら、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選んで「プロパティ」をクリックします。

利用可能な複数のネットワーク接続
利用可能な複数のネットワーク接続

次の画面では、デフォルトで「IPアドレスを自動的に取得する」と「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」が選択されています。独自のIPアドレスやDNSサーバーを使用している場合は、一時的にデフォルトの設定に戻してみてください。

WindowsのDNS設定
WindowsのDNS設定

デフォルト以外のDNSサーバーを使用し続けたい場合には、一時的に別のDNSに切り替えることで、エラーを解消できるはず。

利用可能なパブリックDNSサーバーは多数あり、中にはリクエストをより高速に解決してくれるものもあるため、ブラウジングが高速化される可能性もあります。DNSの設定を変更したら、「OK」をクリックして保存し、エラーが消えているかを確認してみてください。

まとめ

Google Chrome特有の「ERR_NETWORK_CHANGED」エラーは、インターネット接続やIPアドレスに問題が原因で発生します。日常的にインターネットを利用していると、時に接続エラーに遭遇するもの。基本的なトラブルシューティングの方法を把握しておけば、簡単に対処できます。

ほとんどのインターネット接続に関連するエラーは、OSを問わず同じ手順でトラブルシューティングを行うことができます。まずは、ルーターを再起動し、ネットワーク設定をリセットすることから始めましょう。それでも解消されない場合は、プロキシとDNSの設定を見直してください。

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