「ERR_FILE_NOT_FOUND」は、人気ブラウザのGoogle Chromeを使用していると遭遇するエラーメッセージ。ブラウザ用の拡張機能の開発中に発生することもあれば、単にブラウジングしている際に表示されることも。いずれにせよ、このエラーは、ブラウザがアクセスできないリソースがあることを意味します。

しかし多くの場合、リソースやファイルが存在しないというわけではありません。トラブルシューティングの方法さえ押さえておけば、ファイルにアクセスして、すぐに開発作業を再開したり、通常通りウェブを閲覧したりすることができます。

この記事では、「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの概要とその原因についてご紹介します。併せて、トラブルシューティングの方法と、Chrome以外で遭遇する可能性のある類似エラーについても見ていきます。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーとは

「ERR_FILE_NOT_FOUND」は、ブラウジングを行なっていると遭遇する可能性のあるHTTPエラーコードです。簡単に言うと、ブラウザが特定のファイルやリソースにアクセスできないことを意味し、以下のように表示されます。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」のエラーメッセージ
「ERR_FILE_NOT_FOUND」のエラーメッセージ

このエラーに限らず、HTTPエラーに遭遇したらまず最初に行うことは、ブラウザに表示されるエラーの詳細を確認すること(URLが正しいかどうかの確認もお忘れなく)。

上のスクリーンショットでは、「ファイルが見つかりませんでした─移動、編集、削除された可能性があります」と表記されています。つまり、利用できないファイルにアクセスしようとしていることになります。

この場合、Chrome以外のブラウザを使用しても同じエラーに遭遇する可能性があります(この具体的な文言はGoogle Chrome特有)。

また、アクセスしようとしているファイルやディレクトリに問題がなくても、Chromeのある要素が原因になって、このエラーが発生することがあります。これについては、後ほど詳しくご説明します。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの原因

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの原因は、そのメッセージの内容とは裏腹に、Chromeの問題ではなく、サイトのサーバー側の問題であることが一般的であり、やや特殊なエラーです。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」のエラーメッセージは、特定のファイルがもう存在せず、ブラウザが見つけられないことを示したものですが、実は高確率でChromeの拡張機能が原因となっています。

インストールしている拡張機能が特定のサイトと予期せぬやり取りをすることで、エラーが発生します。

ほかのソフトウェアにも同じことが言えますが、拡張機能にはバグがある可能性があります。さらに、複数の拡張機能をインストールしている場合は、互換性の問題も生じることも。また、拡張機能を更新していない場合もエラーの原因となります。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの解決方法(3つの手法)

Chromeの「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの主な原因は拡張機能にあるため、解決するには、拡張機能まわりの操作が必要です。ここからは、その手順を詳しく見ていきます。

1. 拡張機能を無効にする

Chromeの拡張機能を1つずつ無効にすることで、エラーの原因となっている拡張機能を特定することができます。

Chromeの右上にある縦線3点リーダーをクリックして設定メニューを開きます。「その他のツール」>「拡張機能」に移動すると、すべての拡張機能が表示されます(有効・無効どちらも)。

Google Chromeの拡張機能
Google Chromeの拡張機能

拡張機能を無効にするには、右下にあるトグルスイッチをクリックするだけでOKです。現在有効になっているものをすべて無効化していきます。下のスクリーンショットでは、トグルスイッチがグレーになっており、無効になっていることがわかります。

拡張機能を無効にする
拡張機能を無効にする

有効になっているものを1つずつ無効化し、その都度エラーが表示されているページを強制的に再読み込みしてみてください。Windowsであれば、ページを開いたまま、Control + F5 で実行可能です。

ページを強制的に更新すると、キャッシュされたバージョンを使用せずに、ページがゼロから再読み込みされます。エラーが消えない場合は、その拡張機能に問題がないことがわかります。

原因となっている拡張機能を特定するまで、同じ手順を繰り返しましょう。なお、この段階では、拡張機能を一時的に無効化するだけに留めておいて、エラーが消えるかどうかを確認することをお勧めします。また、拡張機能がアップデート可能である場合は、最新の状態にしてから再試行してみてください。

2. ユーザーデータフォルダから持続する拡張機能を削除する

特定の拡張機能を削除しても解決しない場合は、その拡張機能が何らかのファイルを残していないかどうかを確認します。削除してもファイルが残ることはよくあることです。

拡張機能のファイルは、Windowsの場合、ローカルユーザーのAppDataフォルダ下にある「Chrome」>「User Data」>「Extensions」ディレクトリに保存されます。

このディレクトリは、隠されているためアクセスするのに手間がかかります。1番簡単なのは、Windows + Rを実行して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開き、以下を貼り付ける方法です。

%LOCALAPPDATA%GoogleChromeUser DataDefaultExtensions

貼り付けると、以下のようになります。

Windowsでコマンドを実行
Windowsでコマンドを実行

OK」をクリックすると、Chromeの拡張機能フォルダが開かれます。以下のように表示されるはず。

The Google Chrome extensions directory in Windows
WindowsのGoogle Chrome extensionsディレクトリ

なお、拡張機能を名前で識別することはできません。各フォルダは拡張機能に対応しており、各フォルダを開いて拡張機能のアイコンファイルまたはmanifest.jsonファイルを見つければ、比較的容易に特定できます。

各フォルダ内のmanifest.jsonファイルを開き、ファイル先頭にある対応する拡張子の名前を確認します。

拡張機能のmanifest.jsonファイルを編集
拡張機能のmanifest.jsonファイルを編集

次に、以前に削除した拡張機能に対応するフォルダがあるかどうかを調べます。拡張機能を削除した直後にextensionsディレクトリにアクセスし、更新日順にフォルダを並べ替えると効率的です。

最後に変更されたフォルダが、直前に削除した拡張機能に対応しているはず。もしそうでなく、対応するフォルダが見つからない場合は、その拡張機能がファイルを残していないことを意味します。ファイルが残っていない状態で、「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーが続く場合には、Chromeを初期化する必要があるかもしれません。

3. Chromeをリセットする

拡張機能を無効にしても問題が解決しない場合は、Chromeのリセットオプションを使用して、ブラウザをデフォルトの設定に戻しましょう。この操作を行うと、すべての拡張機能が無効化され、Cookieやキャッシュファイルなどの一時的なデータがすべて削除されます。

Chromeの縦三点リーダーから、「設定」に移動し、「リセットとクリーンアップ」を選択します。それから、「設定を元の既定値に戻す」をクリックすると、確認画面が表示されます。

Google Chromeをリセット
Google Chromeをリセット

なお、Chromeをリセットしても、ブックマークや保存したパスワードが消えることはありません。これは単なるトラブルシューティングのための機能であり、ほとんどの場合、この操作を行うと、「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーが解決するはずです。

Chrome以外で「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーが発生する事例

Chromeは、拡張機能に何かしらの問題が生じた際に「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーを返すため、他のブラウザでは、基本的にこれに対応するものはありません。これは、Chromeと違って他のブラウザが独自のアドオンに依存していないためです。

このエラーは、他には以下のような場所で見られることがあります。

  • EAndroid:Chromeはモバイル端末ではリソースにアクセスできないため、他のブラウザに変更することをお勧めします。
  • Outlook:ブラウザがOutlookインターフェース内のPDFリソースにアクセスできない場合にこのエラーが表示されることがあります。この場合、Chromeの拡張機能をトラブルシューティングするのが賢明です。
  • Windows 10:Windows 10では、Chromeがリソースを返せないことから、拡張機能のトラブルシューティングが必要です。
  • PDFのプレビュー:PDFの添付ファイルを表示できない場合は、PDF関連の拡張機能に問題がある可能性が高いです。
  • JavaScript:HTMLページをテストしている際に、ブラウザがクエリを読み込めず、このエラーが発生することがあります。クエリのパスが正しく入力されているかを確認してください。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」は、Google Chrome独自のエラーメッセージですが、この手のエラーはどのブラウザ(Microsoft Edge)でも起こる可能性があります。他のブラウザで表示される「ERR_FILE_NOT_FOUND」に近いものは、HTTP 404エラーです。

他のブラウザでエラー発生した際には、404エラーの解決方法や、一般的なHTTPエラーの解決方法をご覧ください。特にインターネットを日常的に利用される方には有益な情報になるはずです。

高性能のサーバーでエラーを回避できるのか

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーは、サーバー側ではなく、ほとんどの場合は、Chromeの拡張機能の問題によって発生します。

したがって、サーバーを移行しても、このエラーの発生に影響を与えることは基本的にありません。それでも、KinstaのようなWordPress専用マネージドホスティングサービスを利用すれば、一般的なHTTPエラーやWordPress固有の問題の発生を最小限に抑えることができます。

優れたサーバーを利用することに加えて、WordPressのトラブルシューティングの基本は習得しておくことをお勧めします。事前に備えておけば、サイトでエラーが発生しても、すぐに解決にあたることができます。

まとめ

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーは、HTTP 404エラーに似たGoogle Chrome特有のメッセージです。一般的に、Chromeの拡張機能が原因となっています。つまり、解決するには、拡張機能のトラブルシューティングが必要です。

「ERR_FILE_NOT_FOUND」エラーの解決方法として、まずは拡張機能を無効にしてみてください。次に、拡張機能によって残ったデータを削除しましょう。それでも解決しなければ、Chromeを初期設定に戻します。

高性能サーバーを選べば、必要時にはいつでもカスタマーサポートに連絡したり、トラブルシューティング方法を確認したりすることができます。WordPress専用マネージドホスティングのメリットについては、Kinstaのホスティングプランをご覧ください。