ウェブ制作会社、代行業者、エージェンシーにとって、複数のWordPressサイトを管理することは、決して容易ではありません。顧客の要件に応じた個別のセットアップが必要になるだけでなく、定期的な更新、パフォーマンス監視、トラブルシューティングも時間を割かなければなりません。

事業の成長とともに、この複雑な作業は急速に膨れ上がります。加えて、適切な量のリソースを割り当てながら、すべてのサイトを安全に保ち、スムーズに運営することは、多くの作業と細部への細心の注意が求められます。

KinstaのWordPress専用マネージドホスティングでは、そんなお客様の苦労を考慮し、日々の業務の負担を軽減する独自のコントロールパネル「MyKinsta」を独自に開発・提供しています。複数のサイト管理を効率化する高性能ツールが多数組み込まれているため、本業に集中することができます。

今回は、cPanelのような既存のホスティングコントロールパネルが効率性に欠ける理由、そしてMyKinstaがどのように代行業を支えることができるかをご紹介します。

既存のコントロールパネル(cPanelなど)の問題点

cPanelのような既存のコントロールパネルに依存していると、複数の顧客サイトを管理する際、パフォーマンスや効率に影響を与える問題に直面することがあります。cPanelは共用サーバーで一般的に使用されており、共用サーバー環境では、単一のサーバー上のすべてのサイトにリソースが割り当てられます。これはつまり、トラフィックの多い1つの顧客サイトが、サーバー上ですべてのサイトが利用可能な帯域幅、CPUサイクル、メモリを消耗し、他の顧客サイトのパフォーマンスが低下したり、重要な瞬間にクラッシュしたりする可能性があることを意味します。

パフォーマンスの懸念だけでなく、セキュリティの面でも重大なリスクがあります。共用サーバーでは、1つのサイトが危険にさらされると、サーバー全体が危険にさらされます。これは当然、1つの顧客サイトに問題が発生すると、すべての顧客サイトが危険にさらされることを意味します。高いセキュリティ要件が求められるサイトを複数管理する代行業者にとって、共用サーバー環境は常に懸念事項になります。そして今日、ECサイト会員制サイトなどは特に、顧客情報を扱うため高いセキュリティ要件を持っており、セキュリティを最大化しなければなりません。

従来のホスティングコントロールパネルは、柔軟性に欠ける傾向にあります。サーバー設定やリソース管理を手動で行い、トラブルシューティングは異なる環境で実行しなければならず、非効率的です。ビジネスが拡大し、より多くの顧客を抱えるにつれ、これらの問題はさらに顕著に。1日にできることには限界があるため、事業全体の拡大が妨げられ、日々の業務が滞ってしまいます。

Kinstaの隔離コンテナ技術は、各WordPressサイトは必要なリソース(PHPMySQLNginx)を備えた専用のコンテナで実行するため、上で挙げたような問題が解消されます。

このため、ある顧客サイトでトラフィックの急増やパフォーマンスの問題が発生しても、他の顧客サイトに影響することは一切ありません。全体にわたって信頼性の高い運用を実現することができます。セキュリティも強化されるため、1つのサイトが万が一危険にさらされても、他のサイトの安全は引き続き確保されます。

一元化されたMyKinstaで複数のサイトを管理

cPanelのようなコントロールパネルを顧客ごとに使用しながら、複数のサイトを管理すると、すぐに圧倒されてしまいます。複数のタブを継続的に切り替えたり、異なる認証情報を使い分けたり、1つの設定を異なるプラットフォーム間で探したりする必要があります。このような非効率性は貴重な時間を奪い、生産性を低下させます。

サイトパフォーマンスの監視やセキュリティ監査の実施といった日常的な業務も、何十ものサイトにまたがって実施するとなるとすぐに複雑化され、手に負えなくなる可能性があります。

Kinstaの一元化されたダッシュボード「MyKinsta」は、このプロセスを簡素化します。すべての顧客サイトを一箇所で管理できるため、複数のコントロールパネルを使用する必要はありません。一箇所ですべてのサイトの情報に素早くアクセスでき、パフォーマンス測定基準、セキュリティレポート、バックアップ、設定のすべてを一元管理可能です。

MyKinsta上で新規サイトの追加、サイト間の移動、サイトの更新、重要なデータの取得が可能です。他の場所に移動する時間を削減し、大規模な顧客サイト管理を簡素化します。

MyKinstaで新規WordPressサイトを作成
MyKinstaで新規WordPressサイトを作成

サイト監視とレポートで顧客への透明性を確保

複数の顧客サイトの健全性とパフォーマンスを追跡することは、制作会社に共通する課題。パフォーマンス指標、稼働率データ、セキュリティレポートを別々のプラットフォームから手動で収集するのは面倒な作業です。また、手作業にはヒューマンエラーがつきものです。

複数のサイトでこれらの作業を繰り返すと、エラーの特定が遅れたり、最悪の場合は深刻な問題を完全に見落としてしまう可能性があります。顧客サイトの問題を診断し、包括的なレポートをまとめるために、断片的なツールを使って対応せざるを得なくなることも。このような後手に回った対応では、顧客からの信頼を損なう可能性があります。

MyKinstaにはサイト監視ツールも組み込まれており、単一のインターフェースからすべての顧客サイトのリアルタイムデータを追跡できます。主要なパフォーマンス指標、稼働率、およびセキュリティログは自動的に収集されるため、潜在的な問題が深刻化する前に簡単に対処できます。また、すべてのデータはエクスポートできるため、必要に応じてすぐに顧客向けの詳細なレポートを作成可能です。

より高度な監視が必要な場合には、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツールを有効にして、問題のトラブルシューティングを行うことも。APMも内蔵されているため、New Relicのような外部ツールを購入する必要はなく、必要に応じて有効化(または無効化)するだけでOKです。

MyKinstaのアプリケーションパフォーマンス監視
MyKinstaのアプリケーションパフォーマンス監視

この積極的な監視システムは、あらゆる問題を迅速に特定し、解決するのに有用です。また、顧客に対して高い透明性を確保することができ、パフォーマンスからセキュリティに至るまで、顧客は自分のサイトで起こっていることをすべて把握できます。これは顧客との信頼関係の構築につながります。

複数サイトの一括操作と更新

複数のサイトのプラグイン、テーマ、WordPressバージョンの更新は、手間のかかる作業です。管理するサイトの数だけでなく、各サイトに個別にログインし、更新が必要なものを確認し、更新を行なって、互換性の問題がないかテストするという一連の作業も必要になります。

この更新作業に人手を取られると、より重要なサイトパフォーマンスの改善や新機能の開発などの作業が滞ります。この作業はまた、些細な見落としでもサイトのセキュリティを脅かす脆弱性につながる可能性があるため、不整合のリスクも高まります。

各顧客サイトのプラグインの更新やテーマの調整、WordPressコアの更新には非常に時間がかかるものです。繰り返しの作業ゆえに確認漏れや遅れが生じるかもしれません。

ひいては、あるサイトが最新の状態である一方で他のサイトの更新は遅れている、というような一貫性のない環境が生まれる可能性があります。顧客に同等のセキュリティを提供できないのは問題であり、またパフォーマンスに問題がある顧客サイトも入り混じることで、混乱が生じます。

MyKinstaの一括操作機能を活用すれば、即座にこの問題が解消されます。セキュリティプラグインやWordPressコアの更新、テーマ設定の微調整などを複数のサイトにまたがって数回のクリックで実行可能です。

複数のサイトでWordPressテーマを一括更新
複数のサイトでWordPressテーマを一括更新

この機能は、更新をすべてのサイトに一貫して適用し、サイトのダウンを最小限に抑えるのに役立ちます。また、更新作業にかかる時間も削減されるため、顧客との関係構築、新規顧客の獲得、新機能の開発など、より価値のある作業に時間を充てることができます。

サイトの複製とステージング環境でセキュアな開発

更新や新機能のテストを本番サイトで直接行うことは非常にリスクが高く、通常は推奨されません。ちょっとした微調整も意図しない結果を招く可能性が十分あります。すべて順調だったのに変更を加えたことでサイトがダウンしてしまうということも珍しくありません。サイトが停止している時間は顧客のビジネスに悪影響を与え、収益や信頼の損失につながります。

このリスクは、複数の顧客サイトを管理している場合はより大きくなります。エラーの種類を問わず、複数のサイトをダウンさせてしまう可能性があるためです。たとえ短時間のダウンでも、顧客のビジネスの評判、収益、そしてプロとしての信頼性に悪影響を及ぼしかねません。1つのプラグインの更新が、このような連鎖反応を引き起こすことがあります。

Kinstaはこの点にも配慮し、代行業を営むお客様を考慮して、各サイトにステージング環境を提供しています。本番サイトで直接調整を行う代わりに、素早くサイトを複製し、ステージング環境にコピーしてテストを実行。新しいプラグインをテストする場合も、パフォーマンス設定を調整する場合も、あるいは新機能を導入する場合も、本番サイトに影響を与えず、安全にテストを行い、デプロイの準備を整えることができます。

ステージング環境は、MyKinstaから簡単にアクセス可能です。

MyKinstaでステージング環境を作成
MyKinstaでステージング環境を作成

ステージング環境でのテストや変更に満足し、バグや互換性の問題がないことを確認したら、数回のクリックで本番サイトにデプロイ可能です。これにより、本番サイトのダウンやクラッシュのリスクが劇的に軽減されます。

ステージング環境で問題が発生しても、本番サイトに影響を与える前に問題を特定し、修正することができます。

また、さらなる予防措置として、ステージング環境から変更をデプロイする際には、事前に自動バックアップが行われます。これで、本番サイトに万が一問題が生じても、すぐにデプロイ前の状態に復元できるため、さらなるセーフティネットを確保できます。

まとめ

複数のWordPressサイトを効率的に管理するには、適切なソリューションが欠かせません。リソース管理からセキュリティリスク、手間のかかる更新まで、従来のホスティングコントロールパネルでは、効率性の確保が困難でした。Kinstaのコントロールパネル「MyKinsta」は、一括操作機能にステージング環境、リアルタイムのサイト監視などの機能により、このような問題に対処しています。ワークフローの効率化、ビジネスの拡大、そして顧客へのより良いサービスの提供に役立ちます。

さらに、KinstaではWordPress管理画面のホワイトラベル化、自社サイト分の無料ホスティング、30日間の返金保証など、代行業思いの特典もご用意しています。WordPress専用マネージドホスティングは、ウェブ制作会社や代行業者、エージェンシーの皆さまの成長を後押しするために設計された包括的なソリューションです。

サイト管理の効率性にお悩みですか?まずはKinstaをリスクなしでお試しいただき、その性能をぜひ一度ご体験ください。

Jeremy Holcombe Kinsta

Kinstaのコンテンツ&マーケティングエディター、WordPress開発者、コンテンツライター。WordPress以外の趣味は、ビーチでのんびりすること、ゴルフ、映画。高身長が特徴。