WooCommerceストアの立ち上げは大仕事。ショップの基本設定から商品の追加、在庫の管理まで、多くの作業が必要です。これに加えて、商品生産やマーケティングなど、もちろんその他の重要な仕事にも気を配らなければなりません。オンラインストアの開設を億劫に感じる人がいるのも無理はありません。
しかし、そんな不安を解消し、オンラインストアの管理を効率化してくれるプラグインやツールは多数あります。 この記事では、WooCommerceの商品追加・管理方法を順を追って詳しく見ていきます。
また、商品管理に役立つおすすめプラグインも9種類ご紹介します。
まずは、WooCommerceでの商品追加方法から始めましょう。
WooCommerceの商品追加方法
WooCommerceで商品を追加する方法は非常にシンプルですが、注意すべき点がいくつかあります。以下、その手順をご紹介します。
ステップ1. WordPressにログインしてWooCommerceをインストール
まずは、WordPressサイトにログインします。ログインすると、WordPressの管理画面が表示されます。WordPressの設定でお困りなら、MyKinstaの利用をぜひご検討ください。Kinstaが開発したWordPress等に強い管理画面、MyKinstaを使うと、サイトの設定管理の作業を効率化することができます。
WordPressはインストールしたものと仮定して(まだの場合には、まずはインストールしてください)、WooCommerceプラグインをインストールします。インストール方法は、他のプラグインと同じ手順になります。
商品を追加する前に、WooCommerceのセットアップも必要です。WooCommerceのセットアップ方法についてはこちらをご覧ください。
設定を終えたら、商品を追加する準備が完了です。
ステップ2. 商品を追加する
WooCommerceをインストールしたら、早速商品を追加していきましょう。
WordPress管理画面の左側にある「WooCommerce」をクリックします。「商品」>「新規追加」に進んでください。
すると、商品の詳細情報を入力するページが表示されます。
ステップ3. 商品名と説明文を追加する
まず最初に必要なのは、商品名と説明文です。
ここで入力する商品名は、フロントエンドの商品ページで表示される名前になります。説明文には、詳しい商品の情報を入力してください。
また、その下にある「商品の簡単な説明文」セクションでは、商品名の下に表示する短い説明文を入力することができます。
商品名と説明文のフィールドは、どちらも見出し、リスト、リンクなどが追加できる様、リッチテキスト対応です。
ステップ4. 商品データを追加する
商品名と説明文を入力したら、次に商品データを入力します。
「商品データ」セクションの上部には、ドロップダウンメニューがあります(デフォルトでは「基本的な商品」に設定)。以下から任意の商品タイプを選択します。
- 基本的な商品
- グループ化された商品
- 外部/アフィリエイト商品
- バリエーションのある商品
また、ドロップダウンメニューの右隣には、「バーチャル」と「ダウンロード可能」のチェックボックスがあり、その名の通り、発送の必要がない、形のない商品を扱う場合(後者は、購入後にダウンロードができる商品の場合)には、これにチェックを入れます。
画面左側には、いくつかのタブが表示されており、ここで具体的な商品データを入力していきます。各タブの概要は以下の通りです。
一般
「一般」タブには、商品の標準価格とセール価格を入力します。
商品の割引を行う場合には、最初のフィールドに標準価格、2つ目のフィールドにセール価格を入力してください(セール商品でない場合は、2つ目のフィールドは空白のままでOK)。
在庫
「在庫」では、商品の在庫数の確認と在庫管理を行うことができます。
バリエーションのある商品の場合、このタブを表示するには、各バリエーションで「在庫を管理しますか?」にチェックをいれると、在庫を管理することができるようになります。「在庫」タブの各項目は以下の通り。
- SKU:商品SKU(Stock Keeping Unit)とは、在庫のある商品を一意に識別するための管理単位。SKUがある場合には、このフィールドに入力する。
- 商品在庫:在庫がある場合は「在庫あり」、在庫がない場合は「在庫切れ」を選択。
- 個別販売:チェックを入れると、ユーザーが一度に1つの商品しか購入できなくなる。
また、「在庫を管理しますか?」にチェックを入れると、以下の項目が管理可能になります。
- 在庫数:この商品の在庫数を入力します。バリエーションがない場合は、その数を入力します。バリエーションがある場合は、各バリエーションごとに数を入力する必要があります。
- お取り寄せを受け付けますか?:許可すると、在庫切れの商品が注文できるように(バックオーダー)。「許可しない」、「許可し、顧客に通知する」、「許可する」から選択可能。
- 在庫低下を知らせる数値:文字通り、入力した任意の在庫数に達すると在庫低下の通知を受け取ることができる。
配送
「配送」タブでは、商品の出荷データを入力します。デフォルトで以下の設定が行えるようになっています。
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- 重さ:商品の重量(ポンドまたはキログラム)
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- 大きさ:商品の長さ、幅、高さ(センチメートル単位)
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- 送料区分:商品の送料
関連商品
「関連商品」タブでは、商品のアップセルとクロスセルの設定が行えます。
それぞれの概要は以下の通り。
- アップセル:その商品のアップグレード版があれば、関連商品としてリンクすることが可能(例:商品が標準的なヘッドホンであれば、ノイズキャンセリング機能が搭載されたヘッドホン)。
- クロスセル:その商品を補完する商品があれば、関連商品としてリンクすることが可能(例:商品がヘッドホンであれば、ポータブル充電器など)。
属性
「属性」タブでは、バリエーションのある商品に関する詳細設定(色やサイズ、素材など)を行うことができます。例えば、商品がシャツの場合、「カラー」属性では色展開、「サイズ」属性ではサイズ展開を追加することが可能です。
属性を追加するには、「追加」ボタンをクリックします。すると、新規の行が表示され、名前と値を入力することができます。最後に、「属性の保存」をクリックして完了です。
上級者向け
最後に「上級者向け」タブでは、購入時の注意事項の表示、レビューの有効化、メニュー注文の追加が可能です。
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- 注意事項:商品の購入後に表示される短いメッセージを入力可能
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- レビューを有効化:チェックを入れると、ユーザーが商品に関するレビューを書き込むことができるようになる。
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- メニューの順序:商品一覧ページでの表示順序(例えば、順序を1にすると一番最初に表示されるようになる)
以上の必要情報をすべて設定し終わったら、忘れずに「下書きとして保存」をクリックして保存してください。
ステップ5. 商品画像を追加する
次は、商品画像の追加です。
「商品画像」セクションの「商品画像の登録」をクリックします。
以下の手順で、商品画像を追加してください。
WordPressのメディアライブラリが表示された後、パソコンから画像をアップロードするか、すでにサイトにアップロードされている画像を選択します。
使用する画像を選択したら、「商品画像に設定」ボタンをクリックします。
商品ギャラリーを追加すると、1つの商品ページから複数の商品画像を閲覧できるようにすることもできます。
これを行うには、「商品ギャラリー」 セクションの「商品ギャラリーイメージの追加」をクリックします。
WordPressのメディアライブラリが表示された後、パソコンから画像をアップロードするか、すでにサイトにアップロードされている画像を選択します。
使用する画像を選択したら、「ギャラリーに追加」ボタンをクリックします。
ステップ6. 商品タグと商品カテゴリーを追加する
次は、商品のタグとカテゴリーを追加しましょう。
タグは、商品の説明に使用され、買い物客がオンラインストア上で類似の商品を見つけるのに役立ちます。カテゴリーは、商品をグループ化するのに使用されます(Tシャツ、パンツなど)。
タグを追加するには、まず「商品タグ」セクションまでスクロールし、使用したいタグを入力します。すると、入力に合わせて既存のタグが予測表示されます。使用したいタグが表示されない場合(あるいはまだタグを作成していない場合)は、タグを入力して「追加」ボタンをクリックして作成することができます。
カテゴリーの追加も似たような手順になります。すでに作成したカテゴリーを使用する場合は、「商品カテゴリー」セクションに表示される該当カテゴリーにチェックを入れます。新規追加する場合は、「新規カテゴリーを追加」をクリックしてください。
ステップ7. 商品を公開する
商品の設定を終えたら、商品を公開しましょう。
編集ページ上部に戻って、「公開」ボタンをクリックして公開します。
プラグインやWooCommerceの拡張機能をインストールしている場合は、商品のフィルタリング、より詳細な在庫管理、変数値の設定など、さらに高度な設定も行えますが、これでWooCommerceストアで商品販売を行う基本的な準備は完了です。
公開後は、すぐに商品ページに多くのユーザーが集まることを期待しましょう。
WooCommerceの商品管理に役立つおすすめプラグイン10選
WooCommerceで商品を追加する方法が分かったところで、作業を効率化してくれる優れたプラグインを見ていきましょう。どのプラグインも、WooCommerceでの商品追加の手間を削減し、さらに機能を追加して、商品の表示方法を最適化できるように設計されています。ただし、プラグインをインストールするにあたって、サイトの速度に悪影響を与える可能性があることは覚えておいてください。
1. Product Add-Ons
Product Add-Onsは、チェックボックス、テキストフィールド、ドロップダウンリストなどを商品ページに追加できるプラグインです。購入時の詳細設定や、関連商品の追加購入などの機能を使いたい場合に有用です。
例えば、購入者が自分の名前を入れることができるTシャツを販売するとします。Product Add-Onsを使えば、ユーザーが自分の名前を入力できるテキストフィールドを商品ページに追加することができます。
パーセンテージの料金、予め設定した項目のドロップダウンメニュー、画像ベースの選択項目なども設定可能です。
また、プレゼント包装など、購入時に選択できる項目のチェックボックスを追加すれば、商品のアップセルを行えます。
Product Add-Onsは、1ライセンス(1サイト)で年間49ドルから購入可能です。
2. Variation Swatches for WooCommerce
WooCommerceストアでバリエーションのある商品を販売するなら、Variation Swatches for WooCommerceの使用を検討してみてください。
このプラグインを使うと、商品のバリエーションを選択するデフォルトのドロップダウンメニューを、ラジオボタン、色見本、画像見本に変更することができます。
ユーザーが一目で商品のサイズ展開、色展開などを把握することができるようになり、ユーザー体験が向上します。
また、バリエーションの選択も簡単になることから、売上アップも見込めるでしょう。
Variation Swatches for WooCommerceは、WordPressのプラグインディレクトリから無料で入手可能です。拡張機能を搭載した有料版もあり、1サイトにつき年間49ドルから購入できます。
3. WooCommerce Product Add-Ons Ultimate
WooCommerce Product Add-Ons Ultimateを使用すると、商品ページに20種類近くのフィールドを追加することができます。
チェックボックス、ドロップダウン、ラジオボタン、画像、スウォッチ、ファイルのアップロードなど、様々な方法で商品ページをパーソナライズ可能です。
高度な機能には、条件付きロジック、パーセンテージ価格、グローバルフィールドがあります。また、他の商品をアドオンとして追加することもできるため、複雑な複合商品の取り扱いも。
Product Add-Ons Ultimateは、2018年にリリースされた定評のあるプラグインで、サポートとドキュメントも充実しています。YouTubeには解説動画も多数あり、直感的で使いやすい選択肢です。
4. Product Addons for WooCommerce
Product Addons for Woocommerceも優れたプラグインです。テキスト、チェックボックス、ドロップダウンリスト、ラジオボタン、画像などを商品ページに追加することができ、カスタムフィールドと商品の設定項目を追加することで、買い物体験をパーソナライズすることができます。
最初にご紹介したProduct Add-Onsの類似プラグインですが、WordPressのプラグインディレクトリから無料で手に入れることができます。
5. WPC Composite Products for WooCommerce
WPC Composite Products for WooCommerceは、複数の商品(パーツ)で構成される商品を販売することができる便利なプラグインです。
例えば、自分でパーツを選んで構成・購入できる自転車などが良い例になります。このプラグインを使用すると、自転車を構成する個々のパーツをすべて組み込んだ1つの商品を追加することができます。
これによって、買い手は欲しいパーツを選んで、好みの自転車を注文することができるようになります。
このプラグインもプラグインディレクトリから無料でインストール可能です。有料版は、1ライセンス(1サイト)につき年間29ドルから購入できます。
6. Subscriptions for WooCommerce
定期的に補充が必要になる商品を販売するショップには、Subscriptions for WooCommerceがお勧めです。
このプラグインを使用すると、定期的に自動的に出荷される定期購入型の商品を販売することができます。購入者が商品を受け取る頻度は、毎月、四半期、毎年など、複数の期間から選んで設定可能です。
例えば、コーヒー、紅茶、ペットフードなどの販売に適しています。
このプラグインも無料で利用できます。有料版では、より多くの支払いゲートウェイとの統合、定期購入に関する高度な設定(およびサポートと更新対応)などの機能が付帯して、一回払いの99ドルで利用できます。
7. Extra Product Options For WooCommerce
商品ページの要素を増やしたい場合には、Extra Product Options For WooCommerceも試してみる価値があります。
テキストフィールド、ドロップダウンリスト、チェックボックス、ラジオボタンなどを商品ページに追加できます。価格設定ルールの作成や条件付きロジックも作成することができ、商品販売の可能性を広げてくれる優れたプラグインです。
さらに、独自の商品フィールドの追加(最大19種類)、カスタムセクションの作成、表示ルールの設定も。
Extra Product Options for WooCommerceも無料ですが、有料版には、さらに多くの商品フィールド、価格変更方法、複雑なフィールドの検証機能などが揃っており、1サイト年間39ドルから利用できます。
8. WooCommerce Pre-Orders
予約注文を行いたい場合には、WooCommerce Pre-Ordersの出番です。
このプラグインを使用すると、販売前の商品の事前注文を受け付けることができるようになります。商品が販売されると自動的にユーザーのクレジットカードで決済が行われ、商品の発送が行われます。
予約注文の決済方法も柔軟に設定することができ、割引や送料無料など、予約注文をした顧客に特典を用意することも可能です。
WooCommerce Pre-Ordersは、1サイトにつき年間129ドルから利用できます。
9. Wholesale for WooCommerce
卸売業者向けに販売を行う場合には、Wholesale for WooCommerceを使用してみてください。
一般消費者向けのストアとは別に、卸売顧客用のストアを設けることができ、顧客グループごとに価格設定と在庫管理が行えます。
また、注文の最小値、商品の取り寄せ(バックオーダー)、自動税金計算などの機能も組み込まれています。
1サイトにつき年間99ドルから購入可能です。
10. Advanced Product Fields(Product Addons)for WooCommerce
最後にご紹介するのは、商品ページのより高度な編集が可能になる、Advanced Product Fields (Product Addons)です。
このプラグインを使用すると、購入商品に数々の選択肢を追加したり、決済ページに高度な設定を加えることができます。
テキストフィールド、ドロップダウンリスト、チェックボックス、ラジオボタンが商品ページに追加できるだけでなく、買い物客が画像とファイルをアップロードすることも。さらに、条件付きロジックや価格設定ルールなどの優れた機能も利用できます。
このプラグインにも無料版があります。有料版では、より多くの商品フィールド、高度な条件付きロジック、繰り返し使用可能なフィールド、多くのプラグインとの互換性などの機能が揃っており、1サイトにつき年間59ドルで利用できます。
まとめ
WooCommerce商品の追加と管理は、手間をかけずに効率化したいところ。適切なプラグインを活用することで、快適なワークフローを確立することができます。
オンラインストア管理を楽にするもう1つの方法は、WooCommerceホスティングを利用すること。Kinstaでは、WooCommerceストアに特化したホスティングプランをご用意しています。ワンクリックの簡単インストール、SEO、超高速読み込みなどの機能が、ECサイト運営の負担を軽減します。
また、ECサイトの売上を伸ばすWooCommerceガイド決定版では、WooCommerceサイトを成功させるコツもご紹介しています。
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