Windows、macOS、LinuxにNode.jsとnpmをインストールする方法

Node.jsはまさに救世主。世界中の悩めるJavaScript開発者に救いの手を差し伸べる存在です。複数の言語やフレームワークの間を行ったり来たりする手間が大幅に削減されました。

Node.jsによって、サーバーサイドとクライアントサイドの両方がリアルタイムで徹底的に通信し、データを交換できる、双方向接続のウェブアプリケーションを構築できるようになりました。WebSocket上でリアルタイムのウェブアプリケーションのプッシュを夢見た開発者にとって、革命に他なりません。

つまるところNode.jsは、ウェブ開発スキルを次のレベルに引き上げる強力なツールです。フルスタックJavaScript開発者を目指すなら、これを無視するわけにはいきません。

そこで今回の記事では、Node.jsをコンピュータにインストールする方法を解説し、ウェブ開発のスタートダッシュを切るお手伝いをしたいと思います。

Node.jsとは

まず大事な注意事項から。Node.jsはプログラミング言語ではありませんのでご注意ください。

この事実はすでに多くの方がご存知だとは思いますが、新たな開発者がNode.jsを独自のプログラミング言語と勘違いする可能性はあるため、繰り返し説明しておきます。プログラミング言語とは全くの別物です。

Node.jsはJavaScript言語を対象としたオープンソースの実行環境であり、JavaScriptの特徴を調整し、機能をアップグレードしたものです。その結果、フロントエンドとバックエンドの開発にJavaScriptを使うことができ、JavaScriptだけでフルスタック開発が可能になります。

当初、Node.jsはリアルタイム性能、プッシュバックアーキテクチャ実現のために設計されました。しかし、その後、イベントドリブン、ノンブロッキングのサーバサイドプログラミングに不可欠な要素という立ち位置にまで成長を遂げました。今日、従来のウェブサイトやAPIサービスのほとんどが、Node.jsに依存しています。

Node.js登場以前は、何らかのデータをデータベースに保存したり、プログラムをデータベースに接続しようとすると、サーバサイド言語のサポートが必要でした。JavaScriptではバックエンドの処理を制御することができなかったためです。そのため、PHP、Python、Ruby、C#などのサーバーサイド言語を学ぶか、バックエンド開発者の力を借りる必要がありました。

Node.js（実行環境）では、JavaScriptで直接データベースを操作することができます。つまり、バックエンドの言語として機能するということです。その結果、最終的にはNode.jsの恩恵によりJavaScriptだけでプログラムを構築し、実行することが可能になりました。

Node.jsはV8 JavaScriptランタイムエンジンを根幹に持ち、イベントドリブンのノンブロッキングI/Oアーキテクチャを採用しています。これらすべてが、Node.jsを構築し、製品を堅牢なパフォーマンスへと導くのに力を発揮します。

Node.jsは誰が使っているのか

W3Techsによると、現在、すべてのウェブサイトの1.4%がNode.jsを使用しており、これは2,200万以上のサイトにあたります。この数字は、Node.jsのユーザー数をうかがい知る上で便利な指標となるでしょう。さらに、Node.jsは13億回以上ダウンロードされています。このように、統計データがNode.jsの市場規模を物語っています。

IT業界にいるかもしれない友人から業界の大物まで、あらゆる人がNode.jsを活用しています。Node.jsは開発者のパフォーマンス増幅、開発プロセスの高速化に寄与します。現在、最もインテリジェントなトレンドの1つは、どこでもJavaScriptを使用することで、Node.jsがその場に登場することです。

Node.jsを使用している世界的企業は以下の通りです。

1. NASA
2. Twitter
3. Netflix
4. LinkedIn
5. PayPal
6. Trello
7. eBay
8. Walmart
9. Mozilla
10. Medium

上の企業を見てみると、それぞれ別のサービスや製品でビジネスを展開していることがわかります。業種は様々ですが、Node.jsの採用という重要な共通点があります。実際、Node.jsを使うことで、どんな業界であろうと、あらゆる開発の問題を解決することができます。

Node.jsを使用する利点

技術スタックに適したプログラミングプラットフォームの選択は、投資する労働力そのものと同じくらいに重要です。プラットフォーム選定の際には、いくつもの要素を考慮する必要があります。例えば、学習曲線、開発速度、コミュニティ、規模といったものです。

Node.jsを使用するメリットは以下の通りです。

• シンプルな構文
• 緩やかな学習曲線
• 素早いスケーリングが可能
• オープンソースで柔軟性がある
• クロスプラットフォーム開発
• 単一言語によるフルスタック開発
• リアルタイムコミュニケーション
• 広範にわたる活発なコミュニティ

Node.jsの前提条件

Node.jsをインストールする前に、基本を理解し、その他にも関連するファイルをすべてダウンロードしておく必要があります。

まず、JavaScriptとその構文について基本的な理解を持っていると役に立ちます。Node.jsを利用する際に便利です。

また、オブジェクト指向プログラミング（OOP）言語の基本的な理解があれば、サーバーサイドのプログラミングの際に有用です。

最後に、急いで深いレベルの学習を目指すのではなく、一度に一歩ずつ進んでいくことが大切です。千里の道も一歩から、という意識を常に念頭に置きながら、学習を進めてください。

システム要件

Node.jsの実行に、特別なハードウェアの設定は必要ありません。現代のほとんどのコンピュータは、Node.jsを効率的に処理することができます。BeagleBoneやArduino YÚNのような超小型コンピュータでもNode.jsを動作させることができます。

ただし、同じシステム上で他にメモリを大量に消費するソフトウェアが動いていると、それは障壁になり得ます。しかし、ほとんどの場合（よっぽど性能の低いコンピュータでない限り）心配する必要はありません。

LTSバージョンと現行バージョン

Node.jsには2つの種類があり、LTSバージョンとCurrentバージョンから選んでダウンロードすることができます。

最初のバージョンはLTS（Long-Term Support）で、これは市場に出てからしばらくの間、すべての必須サポートが付属するバージョンという意味です。その結果、このバージョンを使うことで、ヘルプやコミュニティを利用したり、豊富な情報を参照したりできます。

その持続性と18ヶ月に及ぶサポートサイクルのため、ほとんどのユーザーにこのLTSバージョンが推奨されています。安定したバージョンであるため、バックエンド作成し、堅牢な結果を期待できます。

Currentは、最新バージョンです。最新の機能が搭載されています。しかし、このバージョンはサポートが短く（約8ヶ月）、バグが発生している可能性があります。そのため、このバージョンはフロントエンドの開発にのみ使用することが推奨されています。

上記のすべての要因を考慮すると（手間を省くことを重要視するかぎり）、多くの人がLTSバージョンに行き着くものです。一方、新しい技術を試してみたい、冒険好きな上級ユーザーであれば、Currentバージョンをインストールすることを選択することができます。

Node.jsとnpmのインストール方法

Node.jsのインストール方法は、各オペレーティングシステムで異なります。コアとなるセットアップファイルがOSごとに違うためです。とは言え、Node.jsの開発元により、各システムに必要なファイルが用意されているので心配は要りません。

次の項目では、Windows、macOS、およびLinux OSへのNode.jsのインストールについて説明します。

WindowsにNode.jsをインストールする方法

WindowsにNode.jsをインストールする手順は以下の通りです。

1. Windowsインストーラのダウンロード

まず、Node.jsの公式サイトからWindowsインストーラ(.msi)をダウンロードします。このMSIインストーラデータベースには、既存のNode.jsバージョンをインストール、アップデート、または修正するために不可欠なインストーラファイルがまとめて組み込まれています。

また、このインストーラは、Node.js パッケージマネージャ (npm)も含んでいます。つまり、npmを個別にインストールする必要はありません。

ダウンロードの際には、お使いのOSに応じた正しいバージョンを選択してください。例えば、64ビットのオペレーティングシステムを使用している場合は64ビット版を、32ビット版を使用している場合は32ビット版をダウンロードしてください。

2. インストール作業の開始

.msiファイルを開いて実行すると、インストールプロセスが始まります。しかし、インストールプロセスを実行する前に、パラメータを設定する必要があります。

インストーラファイルをダブルクリックして、実行します。Node.jsの使用許諾契約書に同意するかどうかが尋ねられます。先に進むには、「I accept…」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。

次に、Node.jsをインストールする先を選択します。ディレクトリを変更しない場合は、Windowsのデフォルトの場所にし、再度「Next」ボタンをクリックします。

次の画面では、カスタムセットアップオプションが表示されます。Node.jsのデフォルトの機能で標準的なインストールをしたい場合は、「Next」ボタンをクリックします。そうでない場合は、ツリー内のアイコンから特定の要素を選択してから「Next」をクリックします。

Node.jsでは、ネイティブモジュール用のツールをインストールするオプションが用意されています。これが必要であればチェックボックスをクリックし指定します。そうでなければ、「Next」をクリックしてデフォルトのまま進みます。

3. WindowsでNode.jsのインストールを実行する

これが最も簡単な手順です。「インストール」ボタンをクリックして、インストールを開始します。

システムにより数秒から数分でインストールが完了し、成功のメッセージが表示されます。「Finish」ボタンをクリックして、Node.jsのインストーラを終了します。

4. Node.jsのインストールを確認する

これでインストール作業は完了です。Node.jsが正常にインストールされたかどうかを確認しておきましょう。

正しいバージョンがインストールされたチェックするために、PCのコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力します。

Node --version

また、npmのバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。

npm --version

Node.jsのバージョンとnpmが正しくインストールされていれば、CMDプロンプトにバージョン名が表示されるはずです。

macOSにNode.jsをインストールする方法

macOSにNode.jsをインストール手順は以下の通りです。

1. macOSインストーラのダウンロード

macOSへのNode.jsのインストールは、Windowsとほぼ同じ手順で行います。Mac用のインストールファイルをダウンロードします。そして、起動するとすぐにインストーラが残りの作業を案内してくれます。

まず、Node.jsのウェブサイトからmacOSのインストーラ（.pkg)ファイルをダウンロードします。64bit版しかないので、どちらをダウンロードするか悩む必要はありません。

2. macOSでのNode.jsのインストールを開始

「ダウンロード」フォルダにインストーラファイルがないか確認し、クリックするとインストールが開始されます。

Node.jsのインストーラは、Node.jsのコアファイルを搭載しており、その結果、インストール作業ではインストーラファイルからNode.jsとnpmの両方がインストールされることになります。そのため、npmを別途インストールする必要はありません。

次に、「Continue」をクリックして、インストールを進めます。

Node.jsをインストールするには、使用許諾条件に同意する必要があります。使用許諾契約書の中身が気になる場合には、「Agree」ボタンをクリックして続行する前に、一読してください。

この画面でインストール先を選択します。通常、OSによりデフォルトのインストール先が決定されます。もし、他の要件がある場合は、場所を変更することができます。そうでない場合は、デフォルトの場所で問題ないでしょう。

3. macOSでNode.jsのインストールを実行する

ここまでで、macOSにNode.jsをインストールするために必要な環境設定はすべて完了しました。最後に「Install」ボタンをクリックします。

インストール処理が成功すると、確認メッセージが表示されます。npmはNode.jsのインストーラ内に統合されているため、この通知にはnpmのインストールが完了した旨も表示されるはずです。

最後に、「Close」ボタンをクリックして、ダイアログボックスを閉じます。

4. macOSへのNode.jsのインストールを確認する

これで、macOSへのNode.jsのインストールは成功しました。しかし、インストールが正常に行われたか、またNode.jsとnpmのバージョンがmacOSで正常に動作しているか確認する必要があります。

Node.jsのバージョンを確認するには、macOSのターミナルを開き、「Command + Space」キーをクリックするか、検索バーからターミナルを検索します。

Node.jsのバージョンを確認するには、次のように入力します。

Node --version

また、npmのバージョンを確認する場合は、以下のコマンドを実行します。

npm --version

Node.jsとnpmのバージョンが表示されていれば、どちらも正しくインストールされ、問題なく動作しています。そうでない場合は、エラーを見つけるために再確認するか、インストールをもう一度試してください。

LinuxにNode.jsをインストールする方法

Linuxは、他のオペレーティングシステムとは少し異なる動作をします。これは、オープンソースであり、より多くの自由度、カスタマイズ性能、高度な機能が存在することに起因しています。

あなたがコマンドを気軽に使えるのであれば、Linuxを快適に使いこなせるはずです。LinuxオペレーティングシステムにNode.jsをインストールする最も簡単な方法を説明します。

1. LinuxディストリビューションのNode.jsバージョンを選択する

Linuxオペレーティングシステムには、その多様性から、何百ものディストリビューションがあります。ユーザーは、その中から好きなものを選択して、各バージョンの特定の機能をカスタマイズし、利用することができます。

まず、Node.jsのバイナリディストリビューションページから、選択したディストリビューションに対応したインストール方法を見つけてください。今回の記事では、説明のためにUbuntuを使用することにします。

2. コマンドラインツールCurlのインストール

Node.jsのインストールを行う前に、お使いのシステムにcurlコマンドラインユーティリティがインストールされていることを確認してください。インストールされていない場合は、以下のコマンドをターミナルに貼り付けて、curlをインストールします。

sudo apt install curl

インストールの許可を確認するために、システムのパスワードを要求される場合があります。パスワードを入力すると、curlのインストールが開始されます。

3. Node.jsのインストールを開始する

Node.jsのインストールコマンドをターミナルにコピー＆ペーストし（今回の例ではUbuntuの配布ページから取得）、システムがNode.jsのインストールを開始できるようにする必要があります。

例えば、ここではNode.js v14.xをインストールしますが、これはUbuntuのインストールコマンドです。

curl -fsSL https://deb.nodesource.com/setup_14.x | sudo -E bash -

sudo apt-get install -y nodejs

ターミナルにcurlコマンドラインが既にインストールされているはずですので、最初のコマンド（curlコマンド）をターミナルにコピー＆ペーストして実行します。

curlコマンドにより、Node.jsのインストールプロセスが始まり、システムの更新が行われ、Linux OSにNode.jsをインストールするために必要なすべてのNode.jsライブラリがダウンロードされます。

これで、Node.jsのすべてのライブラリとリソースがPCにダウンロードされました。最後のコマンドで、Node.jsとnpmのPCへのインストールが完了します。

上記のインストール手順から2行目のコマンドをコピーして、Linuxのターミナルに貼り付けます。

sudo apt-get install -y nodejs

これで、Node.jsがLinuxディストリビューションに正しくインストールされました。最後に「Clear」コマンドを入力し、ターミナルをクリアします。

4. Linux UbuntuディストリビューションへのNode.jsのインストールを確認する

Node.jsのインストールが完了したので、インストールが成功したかどうかを確認します。インストールを確認するには、ターミナル上で2つの簡単なLinuxコマンドを実行します。

Node.jsのバージョンを確認するには、次のように入力します。

Node --version

そして、npmのバージョンを確認するには、次のように入力します。

npm --version

Node.jsのバージョンとnpmが正しくインストールされていれば、LinuxターミナルにNode.jsとnpmのバージョン名が表示されます。これは、LinuxディストリビューションにNode.jsとnpmが正常にインストールされたことを意味します。

npmのバージョン確認と更新

npmはNode.jsのパッケージマネージャです。パッケージの依存関係を管理します。npmがなければ、フレームワークをアップロードするたびに、すべてのNode.jsパッケージを手作業で解凍する必要があります。しかし、npmにより、この作業を自動化することができます。

npmを定期的に更新することで、ローカルパッケージも最新のものになり、プロジェクトで使用するコードも改善できます。しかし、npmは選択したNode.jsのバージョンで自動的にインストールされるため、最新のnpmのリリースを見逃すことがよくあります。そのような場合は、npmのバージョンを確認し、簡単な手順で手動で更新することができます。

npmのバージョンを確認し、更新する手順は、Windows、macOS、Linuxで非常に似ており、それぞれで同じコマンドを実行することになります。

Windowsでのnpmアップデート

npmのバージョンを確認するには、以下のコマンドを実行します。

npm -v

…または

npm --version

そして、npmのバージョンを更新するには、次のコマンドを実行します。

npm install -g npm@latest

WindowsのCMDプロンプトでこのコマンドを実行すると、数秒後にnpmのバージョンが更新され、追加パッケージがインストールされます。最後に、バージョンを再確認することで、npmのバージョン更新をチェックすることができます。

macOSでのnpmアップデート

macOSでnpmのバージョンを確認するには、ターミナルを開いて以下のコマンドを実行します。

npm -v

…または

npm --version

npmのバージョンを更新するには、macOSのターミナルで以下のコマンドを実行します。

npm install -g npm@latest

Linuxでのnpmアップデート

Linuxでnpmのバージョンを更新するには、ターミナルに以下のコマンドを入力します。

sudo npm install -g n

…そして、次に以下を実行します。

sudo n latest

まとめ

Node.jsは、フロントエンドとバックエンドの両方で有用であることから、急速に人気を集めているプログラミング環境です。何千人ものアクティブユーザーが広大なコミュニティを作り、新しい開発者とその質問がすれ違わないよう手助けしています。

要するに、Node.jsはシンプルなので簡単に始められ、それと同時に高度なアプリケーションを作成する能力には並外れたものがあります。また、短期間でフルスタックの開発者になることも可能です。これらの特徴から、Node.jsは次世代プログラミングの優れた選択肢であると言えます。

Windows、macOS、またはLinuxにNode.jsをインストールする上で知っておくべきポイントを他にご存知ですか？コメント欄でお聞かせください。