「WordPressサイトでAIを活用したいけど、何から手をつければいいのかわからない」とお考えの方は多いはず。
WordPressサイトでAIを使用するには、専用のAIプラグインを使用するのがベストです。OpenAIなど、他のソースからのモデルを使用してテキストや画像コンテンツを生成したり、チャットボットで訪問者の質問に回答したり、カスタムコードを記述したりすることが可能になります。
今回は、ウェブサイトにおけるAIのあらゆる用途を想定し、おすすめのWordPress AIプラグインを厳選してご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
WordPressサイトでのAI活用例
WordPressサイトにAIを導入することで、さまざまなことを実現可能です。おすすめプラグインをご紹介する前に、主な用途をご紹介します。
- テキストコンテンツの生成:ブログのタイトルや見出しのような短いテキストから、WooCommerceの商品説明、さらには長文のブログ記事全体まで生成することができます(ただしAIが生成した記事の校正は必要)。
- チャットボット:ChatGPTの活用など、チャットボットの構築にも役立ちます。さらに顧客の質問への回答に役立つチキベースなどを用いて、チャットボットのトレーニングを行うことも可能です。
- 画像生成:ゼロから画像を生成したり、アップロードした画像を修正したりすることができます。
- コード生成(HTML、CSS、JavaScript、PHPなど):特定の要素をスタイル設定するためのカスタムCSSなど、短いコードスニペットの生成や微調整も行うことができます。さらにWordPressのプラグイン全体をゼロから構築できるツールも。
- レイアウト:ElementorやDivi Builderなどのページビルダープラグインのデザインレイアウトを生成することも可能です。
- 画像の代替テキスト:画像の代替テキスト(alt属性)を自動生成して、サイトのアクセシビリティを高め、ページのSEOを強化するのにも役立ちます。
- 音声合成と音声認識:テキストコンテンツを音声に変換(Text-to-speech)したり、音声をテキストに変換(Speech-to-text)したりすることで、サイトのコンテンツに音声を統合することもできます。
1つAIプラグインで複数の用途をカバーできるものもあれば、特定の目的に特化したプラグインもあります。もちろん、上記以外の用途に使えるプラグインも存在します。
おすすめのWordPress AIプラグイン9選
それでは早速、おすすめWordPress AIプラグインまたはソリューションを見ていきましょう。
各プラグインの機能、サポートAIモデル(GPT 4など)、価格帯もご紹介します。
1. AI Engine
AI Engineは独自のAIチャットボットからコンテンツの生成、メディアファイルの名前変更など、あらゆるタスクに役立つ多目的AIプラグインです。
定評のある開発者Jordy Meow氏によるもので、WordPress.orgで特に人気の高いAIプラグインです。
その理由の一つは、さまざまな種類の機能やAIモデルのサポートによって、あらゆる方法でAIをWordPressに統合できる柔軟性にあります。
WordPressにAIを導入しその可能性を探りたいという方におすすめの選択肢です。
機能
AI EngineはさまざまなAI機能をサポートしています。
- AI搭載チャットボット(コンテンツの認識やドキュメントページの学習可能)
- バックエンドエディター用AIアシスタント
- 短文または長文のテキスト生成(ブログ記事やWooCommerce商品など)
- Media File Renamerプラグインとの統合によるファイル名の自動更新(文脈に応じたファイル名への変更)
- 独自のフォームをデザインするAI搭載フォームビルダー
- テキストから音声、または音声からテキストへの変換機能
AIモデル
AI Engineプラグインを使用する場合は、自分で別途AIモデルに接続しなければなりません。例えば、OpenAIのモデルを使用したい場合にはOpenAIのアカウントを作成し、プラグインの設定にAPIキーを追加します。
できるだけ多くの主要モデルをサポートすることに力を入れており、現在はOpenAI、Anthropic、Googleに対応しています。GPT-4o、GPT-4、Visionのような最新のOpenAIのモデルも含まれます。
価格
AI Engineには、多くの機能が付帯する無料版があります。
AIフォーム、コンテンツを認識するチャットボット、埋め込み、独自のアシスタントなどの機能を利用するには有料版が必要になり、1サイトにつき59ドルから購入できます。
また、AI EngineはOpenAIのアカウントを使用するため、状況によってはOpenAIへのも投資が必要になります。
2. AI Power
AI Powerもまた人気の多目的WordPress AIプラグインで、WordPress.orgで入手できます。
AI Engine同様、幅広いAIモデルをサポートしており、コンテンツ生成やチャットボットなど、さまざまな用途に役立ちます。
WordPressでAIアプリケーションの実験を行いたいという場合には、AI Powerも有力候補になります。
機能
AI Powerは、おそらく最も幅広いAI機能を揃えているプラグインです。
- 短文または長文のテキスト生成(クラシックエディター、ブロックエディター、WooCommerceの商品説明など)
- 画像生成
- チャットボット(サイトのコンテンツで訓練可能、PDFドキュメントを共有して議論することも)
- バックエンドエディター用のAIアシスタント
- 音声合成(GoogleおよびElevenLabs)およびテキスト読み上げ(Whisper API)
- 独自のフォームをデザインできるAIフォームビルダー
- Yoast SEO、Rank Math、All In One SEOによるコンテンツ最適化
AIモデル
AIモデルを自分で接続するため、アカウントが必要になります。
OpenAIモデル(GPT-4、GPT-4o、Vision)、Gemini、Anthropic、Mistral、LLaMAなど、様々なモデルがサポートされています。
価格
AI Powerにも、多くの機能を無料で利用できる無料版があります。
チャットでのPDFドキュメントの分析、チャットボットの管理、Google スプレッドシートとの統合などの高度な機能は有料版に搭載されています。
有料版は1年間のライセンスは96ドル、永続ライセンスは290ドルで購入可能です。
使用しているAPIや使用量によっては、AIモデルにも課金が必要になるかもしれません。
3. Elementor AI
Elementor AIは、Elementorのインターフェースから直接利用できるAIサービスです。Elementorで構築したサイトをより効率的に作成、管理するのにAIを活用したいという場合に理想的です。
Elementor AIは単独のプラグインではなく、Elementorプラグインから利用することになります。ElementorのAIサービスを利用するにはサブスクリプションが必要です。
機能
Elementor AIには現在、以下のような機能があります。
- 短文または長文のテキスト生成
- 画像生成
- コードスニペット生成
- コンテナレイアウトとワイヤーフレームの生成(他にはないElementor特有の機能)
AIモデル
Elementor AIには独自のAI接続があるため、自分で別途何かを設定する必要はありません。
価格
Elementor AIは、Elementorプラグインやホスティングサービスに支払う料金に加えて、別途料金が発生します。
- AI Starter:月額2万4,000クレジットで年間48ドル
- AI Power :月額5万クレジットで年間99ドル
使用クレジットはプロンプトの種類によって異なります。
- テキストプロンプト1件:1クレジット
- コードプロンプト1件:1クレジット
- 画像プロンプト1件:33クレジット
- コンテナプロンプト1件:40クレジット
4. CodeWP
CodeWPはWordPressサイトにインストールするプラグインではなく、WordPressに特化したコードアシスタントチャットボットです。
WordPressサイト構築コードに特化しているため、WordPress開発者や上級ユーザーに適しています。
1行のコードから、プラグイン全体のコードまで生成することができます。
CodeWPの特徴として、WordPress自体はもちろん、数多くの人気WordPressプラグインも学習しています。WooCommerce、Gravity Forms、Advanced Custom Fields、Easy Digital Downloadsなどの有名プラグインには、専用モードが用意されています。
機能
CodeWPは、以下のようなWordPressに特化したコードの記述をサポートしてくれます。
- 1行のコード
- フックを使用して何かを変更するような独自のコード
- プラグイン
例えば、Gravity Formsモードを利用して、Gravity Forms PHP APIを使ってフォームの動作を変更する関数を作成させることができます。
AIモデル
CodeWPには、WordPressに最適化され最新、安全、そしてシンプルなコードの出力を訓練された独自のAIモデルが搭載されているため、自分でAIモデルを接続する必要はありません。
価格
CodeWPには、お試し用の無料プランがあります。
有料版はProプランは月額18ドルから、Agencyプランは最大月額48ドルで利用できます。
5.Alt Text AI
Alt Text AIはその名の通り、特定の用途に特化したAIプラグインで、サイトの画像に自動的に文脈に沿った代替テキスト(alt属性)を追加します。
スクリーンリーダーを使用しているユーザーを考慮し、正確な代替テキストを画像に追加することは欠かせません。代替テキストはサイトのアクセシビリティを高め、ページ内のSEOを強化するのに役立ちます。
機能
ブログ記事内の画像やWooCommerceの商品画像など、サイトにアップロードする画像に代替テキストを自動的に追加できます。
AIモデル
独自のAIモデルが搭載されているため、自分での設定は不要です。
価格
25の無料クレジットを使って、プラグインの性能を試してみることができます(代替テキストの生成には画像1枚につき1クレジット)。
無料クレジットを使い切った後は、月額プランまたは必要なだけクレジットを購入することができます。
- 月額プラン:100クレジットで月額5ドル〜
- クレジットパック:100クレジットで3ドル〜
6. Divi AI
Divi AIはElementor AIと似たソリューションで、DiviテーマおよびDivi Builderプラグイン用に構築されています。
Elegant Themes(Diviの開発元)から直接提供されており、Divi Builderのインターフェースからアクセスします。
コンテンツやコードの生成だけでなくページ全体のレイアウト作成にもAIを活用でき、この点は他の万能AIツールとは一線を画していいます。
機能
Divi AIでは現在、以下のような機能でAIを利用できます。
- 短文または長文のテキスト生成
- 画像の生成(または修正)
- HTML、CSS、JavaScriptを含むコードの生成
- トップページ全体のデザインやコンテンツの生成などのDiviレイアウトの生成
Elegant Themesは機能の導入にも取り組んでおり、本記事執筆時点ではまだ利用できませんが、以下のような機能も近日追加予定です。
- 個々のセクションの生成
- コンテンツ、画像、独自のレイアウトを含むサイト全体の生成
AIモデル
Divi AIには独自のAIモデル接続があるため、設定は不要です。
価格
Divi AIを利用するには2つの方法があります。
すでに有効なElegant Themesライセンスを持っている場合は、月額21.36ドルまたは年間193ドル(月額16.08ドル)でDivi AIを追加可能です。
ライセンスを持っていない場合は、年間228ドルでDivi AIとDiviをはじめとするElegant Themesの製品をパッケージで利用することができます。
7. AI Bud
AI Budは、AI EngineやAI Powerに似た多目的AIプラグインです。
様々なAIモデルをサポートしており、さまざまな種類のテキストや画像の生成、AIチャットボットなど、幅広い用途に役立ちます。
他のプラグインにはない独自の機能や特徴はありませんが、多目的なAI機能を導入したい場合には検討する価値があります。
機能
AI EngineやAI Power同様、多数の用途があります。
- AI搭載チャットボット
- 短文または長文のテキスト生成(WooCommerce商品にも対応)
- 代替テキストを含む画像の生成
- ブロックエディターとクラシックエディターの両方で使えるAIライティングアシスタント
- SEOメタデータ生成(タイトルと説明文)
AIモデル
AI BudではOpenAIモデル、Claude、Google Geminiなど、さまざまなAIプラグインを使用できます。
動作させるには自分のアカウントが必要で、OpenAIのモデルを使用するには、APIキーを使用してOpenAIのアカウントに接続します。
価格
AI Budには、テキストと画像の生成機能を持つ無料版があります。
AIチャットボットなどの高度な機能には有料版が必要で、1サイトにつき49.99ドルから利用可能です。
また、OpenAIアカウントなど、自分でAIモデルを接続する必要があるため、場合によっては別途費用が必要になるかもしれません。
8. Rank Math Content AI
Rank Math Content AIは、Rank Math SEOプラグイン内で利用できるAI機能です(別途サブスクリプションが必要)。
AIを活用してコンテンツ制作を効率化できるだけでなく、コンテンツのSEOを強化することもできます。この点は、今回ご紹介するプラグインと比較してもユニークな機能です。
Rank Math SEOプラグインを使用していて、WordPressでのコンテンツ作成プロセスを高速化し、改善してくれるソリューションをお探しであれば、ぜひ検討してみてください。
機能
- WordPressエディターでの短文または長文のテキスト生成(Gutenberg、クラシックエディター、Elementor、Diviをサポート)
- 独自のSEOタイトルやメタディスクリプションの記述を含む検索エンジン最適化
- キーワードとトピックの調査
- スペル・文法チェッカー
AIモデル
Rank Math Content AIは独自のモデルを搭載しているため、別途の設定は不要です。
価格
Rank Math Content AIを利用するには、別途サブスクリプションが必要です。
月間5,000クレジットで月額5.99ドルから、月間3万クレジットで最大月額16.99ドルのプランの中から選択できます。
タスクによって必要なクレジット数は異なり、たとえばテキストの生成は単語1つにつき1クレジットから、コンテンツAI調査のリクエストには500クレジット必要です。
9. WPBot
WPBotは、サイトにAI搭載チャットボットを導入することに特化したプラグインです。
OpenAIのモデルと機能を利用し、独自のコンテンツ/知識ベースに基づいてチャットボットをトレーニングし、機能を向上させることができます。
機能
サイトのデータに基づいて訓練された独自のGPTアシスタントなどのAI搭載チャットボット作成
AIモデル
正確なAIチャットボットを作成するには、OpenAIの統合を利用してください。自分のOpenAIのアカウントを設定し、OpenAIのAPIキーを使用してプラグインを接続する必要があります。
価格
WPBotは無料版がありますが、OpenAIを利用したチャットボットを作成するには有料版が必要です(無料版ではDialogFlowのサポートのみ)。
WPBotの有料版は49ドルからで、より多くの機能が組み込まれたライセンスは189ドルで購入できます。
また例によって、OpenAI APIの使用量に応じてOpenAIへの課金も必要になります。
WordPress AIプラグインを使用する際の注意点
WordPress AIプラグインは、サイトやワークフローの改善に非常に便利ですが、使用する際にはいくつかの点に注意が必要です。
長文のコンテンツをAIで生成する場合
今回ご紹介したプラグインの多くは、長文のブログコンテンツを生成を支援するものです。しかし、生身の人間によって編集されていない長文コンテンツ、特に一括コンテンツの生成には注意が必要です。
- Google/SEO:GoogleはAIに対するスタンスを多少は緩和していますが、公開サイトにAIで生成したコンテンツを多用することは推奨されません。長文のAIコンテンツに頼りすぎると、長期的にはSEO上の問題を引き起こす可能性があります。
- 訪問者との信頼関係 :特にAIコンテンツに馴染みのある訪問者は、AIコンテンツを使用していることを見極めることができるため、信頼関係が壊れてしまう恐れがあります。
現状として、AIプラグインは一括コンテンツ生成に使うのではなく、短文のテキストやライティング支援ツールとして活用するのが賢明です。
追加の負荷に対応できるホスティングを利用する
AIコンテンツの生成は通常、利用するAIモデルのサーバーで行われますが、サイトが外部サービスとやり取りする必要があるため、リソースを大量に消費することになります。
したがって、利用しているホスティングサービスがその負荷に対応できるかどうかを確認しましょう。特に安価な共用サーバーでは、対応できない可能性があります。
AIの導入によるサイトのパフォーマンス低下を避けるには、Kinstaのようなパフォーマンス重視のマネージドWordPressホスティングを利用してください。
Kinstaは、パフォーマンスに最適化されたアーキテクチャと管理された経験を誇り、技術的な問題を心配することなく、サイトへのAIの統合に専念することができます。
KinstaのWordPress専用マネージドホスティングの詳細はこちらをご覧ください。
APIを使用する場合の使用量と料金の確認
Elementor AIやDivi AIを利用する場合は、クレジットモデルに基づいて毎月固定料金を支払うことになります。クレジットが不足し、上位プランにアップグレードするということはありえますが、基本的には予期せぬ支払いが発生することはありません。
しかし中には、APIキーを使用して自分のOpenAIアカウントに接続する必要があるプラグインも存在します。
APIの使用量には理論的には上限がなく、慎重に使用しなければ予期せず高額な料金を請求される可能性があります。
予期せぬ請求を避けるには、毎月の最大使用量に基づいて、OpenAIアカウントに制限(リミット)を設定してください。
- ソフトリミット:使用量の上限を超えるとOpenAIから通知メールが届く
- ハードリミット:使用量の上限を超えるとAPI呼び出しがブロックされる
別のAIモデルやサービスを使用している場合も、使用量に制限を設けることができるかどうかを事前に確認することをお勧めします。
また、今回ご紹介したプラグインの中には、使用量の分析に役立つ機能を持つものがあります。例えば、AI Engineの有料版では、使用量を分析した統計データを確認できます。
まとめ
ウェブサイトに導入したいおすすめのWordPress AIプラグイン、ElementorやDiviのような既存ツールの拡張機能、そしてコンテンツ作成やチャットボット導入を支援するソリューションをご紹介しました。
要件に応じたプラグインを選んでWordPressサイトでAIを活用し、その可能性を探ってみてください。
そしてどのAIプラグインを選ぶにしても、ご利用中のWordPressホスティングがその負荷に耐えられることを確認しましょう。
現在利用しているホスティングサービスでは不安がある場合は、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングをお試しください。すべてのお客様に専門エンジニアによる無料のサイト移行サービスを提供しています。
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