WordPressサイトへのファイルアップロードは、基本の作業です。ファイルをアップロードせずにサイトを立ち上げ・運営することももちろん可能ですが、写真などの要素が一切ないサイトは退屈になりがちです。画像、動画、PDF、その他のメディアを追加するなら、ファイルのアップロード方法は、知っておかなければならない知識です。
幸い、アップロードの手順は比較的シンプルです。また、WordPressユーザーであれば、ファイルの基本的なアップロード方法については既に馴染みがあることと思います。この記事では、初心者向けに基本的な手順を取り上げた後、サイト運営者と訪問者の両方にとって有用となる、プラグインの高度な機能を活用したファイルのアップロード方法もご紹介していきます。
まずは、WordPressのファイルアップロードプラグインの重要性からご説明します。
ファイルアップロードプラグインの重要性
これは、ファイルアップロードを管理するためという一言に尽きます。というのも、WordPressでは、ファイルのアップロード方法、アップロード後の保管場所などについては、ほぼ管理することはできません。この点は、ほとんどのユーザーにとって問題にならないでしょう。
ところが、WordPress上級者、開発者、経営者などにとっては、より良いユーザー体験の実現、ワークフローの効率化、セキュリティ強化の目的で、詳細な管理が欠かせません。
WordPressのファイルアップロードプラグインには、以下のようなメリットがあります。
- 高度な設定が可能に─サイト訪問者が画像やスプレッドシートなどをアップロードすることができるようになります(デフォルトでは特定の権限を持つユーザーのみバックエンドからアップロード可能)。
- セットアップが簡単─プラグインによっては、専門知識やコードの編集が不要です。
- セキュリティの強化─アップロードを許可するファイルタイプの検証などのセキュリティ機能が組み込まれており、悪意のあるファイルを排除することができます。
- ファイルタイプの指定─アップロードを許可するファイルタイプを制限することができます。
- 最大ファイルサイズの指定─サイト速度を低下させない様、アップロード可能なファイルの最大サイズを指定することができます。
- 他のソフトウェアとの統合─Google ドライブやDropboxなど、他の場所にあるファイルも簡単にアップロードすることができます。
- ファイルの保存場所を変更できる─アップロードされたファイルの保存先を変更することができます(デフォルトではwp-content/uploadsフォルダに格納される)。
- サムネイルなどの画像サイズを自動設定─サムネイルなどの画像サイズを自動生成することができ、多くの画像を扱う場合には手間を削減することができます。
- 画像に透かしを入れる─追加した画像の転用やダウンロードは防ぎたいもの。画像に透かしを入れるプラグインを使えば、画像の盗用対策になります。
- 充実した管理機能─既存ファイルの管理、整理、検索が容易になります。
ファイルアップロードプラグインが必要になる事例
WordPressデフォルトのファイルアップロード機能ではなく、プラグインを使用する方が便利な状況は多々あり、以下のようなものが挙げられます。
- お問い合わせフォームでユーザーにファイルを送信してもらいたいとき
- 投稿フォームでユーザーに画像などのファイルをアップロードしてもらいたいとき
- 使用しているフォームプラグインにファイルアップロードの機能を追加したいとき
- ファイルアップロードの処理やセキュリティ強化策を高度に管理したいとき
これが具体的にどんなことに役立つのかというと、例えば、以下のようなことが可能になります。
- 履歴書の受付
- コンテストの応募作品の受付
- フォーラムへの画像投稿
また、デフォルトでは許可できないファイルタイプのアップロードや、バックエンドのファイルアップロード機能を強化するプラグインもあります。
フロントエンドでのファイルアップロードを許可することの是非
ファイルアップロードは、ハッキングにつながる恐れもありますが、優れたプラグインであれば、通常これを保護する機能が搭載されています。ただし、セキュリティの面から、アップロードを許可するファイルの種類は制限してください。
セキュリティ強化策としては、以下が挙げられます。
- アップロードされたファイルをWordPressのインストール先と違うディレクトリに保存する
- ログインしたユーザーにのみファイルアップロードを許可する
- アップロードできるファイルの種類を制限する
- ウイルススキャン機能が組み込まれたプラグインを使用する
以上がファイルアップロードプラグインの機能と重要性についてでした。続いて、おすすめのプラグインをご紹介する前に、プラグインなしでファイルをアップロードする方法も見ていきます。
プラグインなしでファイルをアップロードする方法
ファイルをアップロードする1番簡単な方法は、WordPressのエディターにドラッグ&ドロップすることです(ブロックエディターでのみ有効)。
ブロックエディターでファイルを追加したい投稿、または固定ページを開きます。「+」をクリックし、左メニューから「ファイル」を選択し、ファイルブロックを作成。
次に「アップロード」(または「メディアライブラリ」)をクリックして、アップロードするファイルを選択します。他の場所に既にアップロードされているファイルのリンクを追加することも可能です。
ファイルを選択して「開く」ボタンをクリックすると、ファイルが投稿、または固定ページに追加されます。
ファイルの表示方法を変更したい場合には、ファイルブロックの上部にある縦三点リーダー(⁝)をクリックして、「追加設定を表示」に移動すると、テキストリンクやダウンロードボタンの設定などが可能です。
WordPressのおすすめファイルアップロードプラグイン7選
それでは、ここからサイトのファイルアップロード機能を強化してくれる、優れたファイルアップロードプラグインをいくつかご紹介します。なお、MyKinstaを利用している場合は、管理ツールのマルチサイト機能で、プラグインを簡単に事前インストールすることができます。サイトの管理、移動、複製なども簡単です。
1. Contact Form 7
Contact Form 7は、人気のお問い合わせフォーム作成プラグインです。また、フォームにファイルアップロード用のフィールドを追加することができる数少ないプラグインの1つでもあります。
この機能によって、フォーム送信時に画像などのファイルを一緒に送信してもらうことができます。さらに、複数ファイルの同時アップロードにも対応しており、スムーズに複数のファイルを送信することも可能に。ただし、これにはプラグインの拡張機能が必要になります。
Contact Form 7の拡張機能である「Drag and Drop Multiple File Upload – Contact Form 7」は、Contact Form 7にプラスαで以下のような機能を追加できる優れものです。
- ドラッグ&ドロップ式のアップロード
- ファイルタイプを検証
- ファイルサイズを検証
- 複数ファイルの同時アップロード
- Ajaxアップロード機能
Contact Form 7本体と同様に、この拡張機能も無料で利用することができます。
2. File Uploads Addon for WooCommerce
File Uploads Addon for WooCommerceも優れた選択肢です。WooCommerceの商品ページにファイルのアップロードフィールドを追加することができるようになります。
主な特徴は、以下の通り。
- (写真印刷など、注文にデータが必要になる商品向け)購入者によるファイルアップロードを許可
- カート、決済ページにファイルアップロードのフィールドを追加
- 特定のWooCommerce商品カテゴリーにのみ適用することも可能
したがって、注文時に画像や動画などのファイルアップロードが必要になるストアに有用です。
WordPressのプラグインディレクトリから無料で入手することができ、複数ファイルの同時アップロード、最大ファイルサイズ指定、最大/最小画像解像度の設定などの機能がある有料版は、年間19ドルからで利用できます。
WooCommerceを使ってECサイトを運営するなら、KinstaのマネージドWooCommerceホスティングプランの利用をぜひご検討ください。WooCommerceに特化したプランで、高性能のCDNとサーバーレベルのキャッシュでサイトを高速化し、お客さんのユーザー体験を向上することができます。
3. WordPress File Upload
WordPress File Uploadもおすすめのプラグインです。今回ご紹介する他のプラグインの中ではやや変わり種で、ショートコードを貼り付ける仕組みになっています。
ショートコードを貼り付けて、サイトの好きな場所にファイルアップロード用のフォームを設置することが可能です。他にも以下のような機能があります。
- 悪意のあるファイルアップロードを防止するセキュリティ機能
- ファイルアップロード時のメール通知
- 最大ファイルサイズの設定
- ファイルタイプの指定
WordPressのプラグインディレクトリから無料で利用することができ、より高度な機能がある有料版は、20ドル程度で購入可能です。
アップロードを許可するファイルの種類を増やしたいなら、WP Extra File Typesが頼りになります。
許可するファイルタイプ、および各ファイルタイプの最大サイズを指定することができ、以下のような機能が揃っています。
- ユーザー制限(特定の種類のファイルのアップロードを利用者毎に制限)
- ユーザー役割(メディアライブラリで特定の種類のファイルを閲覧できる人を設定)
- ファイルが(ブラウザで開かれず)自動でダウンロードされるように設定可能
このプラグインもWordPressのプラグインディレクトリから無料で入手できます。
5. GD bbPress Attachments
フォーラムの作成にbbPressプラグインを使用している場合は、GD bbPress Attachmentsが優れた選択肢です。bbPressのフォーラムの投稿にファイルをアップロードすることができるようになります。
他にも以下のような機能があります。
- トピックや返信へ添付ファイルを追加
- ファイルタイプの指定
- 最大ファイルサイズの指定
- サイトのフロントエンドからファイルアップロードが可能に
このプラグインも無料でインストールすることができます。
6. Big File Uploads
サイズの大きなファイルをアップロードできるようにするには、Big File Uploadsが有用です。
このプラグインには、以下のような機能があります。
- 最大ファイルサイズの指定
- ショートコードで、フロントエンドにファイルアップロード用フォームを追加
- ファイルアップロード時のメール通知
- WordPress管理画面でアップロードされたファイルの閲覧が可能
このプラグインも無料で利用できます。
7. File Manager
最後にご紹介するのは、管理画面からサイト上のすべてのファイルを管理することができるFile Manager。FTPやSFTPを使用した接続は不要で、すべての管理をWordPress管理画面上で行うことができます。
このプラグインには以下のような機能があります。
- ファイルおよびディレクトリのアップロード、削除、コピー、移動、編集
- 新規フォルダの作成
- ファイルのアクセス権の変更
- ファイルやフォルダの検索
このプラグインも無料で入手可能で、高度な機能がある有料版は、年間39ドルから購入できます。
まとめ
今回ご紹介した通り、WordPressサイトにファイルをアップロードするプラグインは多数存在しています。どれを選ぶべきかは用途によって異なりますが、この記事があなたの視野を広げて、より良いプラグインを見つけるきっかけになれば幸いです。
また、Kinsta APMのような便利な監視ツールを使うと、インストールしたプラグインや、サイトに加えた変更がサイト速度に悪影響を与えていないかをいつでも監視することができます。
どのような用途でファイルアップロード機能をお求めでしょうか?また、今回ご紹介したもの以外にもおすすめのプラグインがあれば、ぜひコメント欄でお知らせください。