投稿を予定していた時間に公開し忘れてしまった、なんて経験はありませんか?昨日公開するはずだったのに、急用ができてしまって、気づいた時にはもう手遅れ。特に、公開予定の記事が特定の祝日に関連した内容であったり、タイムリーな投稿であったり、近日開催されるイベントの告知であったりした場合には、大きな後悔が残ります。そんな事態は何としても避けたいもの。

事前に記事の予約投稿をしておけば、一件落着。このようなミスを未然に防ぎ、ブログをスムーズに運営することができます。今回の記事では、WordPressで予約投稿を行う3つの方法をご紹介します。初心者の方にも簡単な設定です。

本題に入る前に、まず予約投稿の必要性について少し考えてみましょう。

WordPressでの予約投稿について動画での解説もご用意しています

WordPressの予約投稿が便利な理由

WordPressの予約投稿を活用すれば、記事を整理された状態に保ちつつ、手間を大幅に削減することができます。ニュースサイトやブログを運営している場合、記事を一定の間隔で公開することは特に重要です。コンテンツの一貫性を保つことで信頼を築き、ユーザーが再訪してくれる確率が上がります。

また、休みを取りたい時や、サイトを一時的に休止しなければいけない状況でも予約投稿は有用です。ブログを一時休止する代わりに、事前に複数の予約投稿を設定しておけば、サイトから離れている間も通常通り運営できます。

予約投稿が便利な理由をもう少し詳しく見てみましょう。具体的には、以下のようなメリットがあります。

  • トラフィックが最も多くなる時間帯に投稿することができる:投稿した記事をできるだけ多くの人に見てもらうには、アクセス数の多い時間帯に公開するのが最適。例えば、子育てブログを運営しているとしたら、子供を持つ人が子育ての合間にインターネットを利用することの多い日中に公開するのがベストといった具合です。
  • 一貫性のあるコンテンツ発信を行うことができる:ブログ訪問者の信頼を獲得したいのであれば、定期的にコンテンツを公開するのが鍵。他にも仕事を持っている場合、一定のペースで更新するのは大変ですが、予約投稿を設定しておけば、忙しい時期にも確実に記事を公開できます。
  • コンテンツを書きためておいて、日にちをずらして公開できる:公開したいコンテンツがたくさんあるものの一挙に公開するには多すぎる場合、一度に公開するコンテンツの量を管理することができます。
  • (海外からの投稿などにおいて)時間帯を調整して投稿できる:これについては説明不要かと思いますが、読者のタイムゾーンの狙い通りの時間帯に合わせて無理なく確実に公開することができます。
  • 確実に予定通りにコンテンツを公開できる:タイムリーな話題や出来事について記事を書いている場合、これは特に重要です。毎回予定通りに記事を公開できれば、新鮮な情報を求める読者の信頼を勝ち取ることができます。
  • 季節や休暇にちなんだ記事を事前に書いておくことができる季節や休暇にちなんだ記事は、事前に準備しておくことができると安心。予約投稿をしておけば、休暇中もゆっくり過ごすことができます。
  • 休暇中も通常通り投稿を続けることができる:ブログが中断してしまわないよう、休暇前に数本の記事を書きためて予約投稿しておけば、準備万端です。
  • 投稿に最適な時間帯を探ることができる:さまざまな時間に記事を公開してみて、どの時間帯に最もアクセス数が増えるか確認することができます。最も読者が集まる時間を把握できたら、その時間帯で予約投稿を設定しましょう。

これで予約投稿のメリットが明確になったはず。次はその設定方法を見ていきましょう。

予約投稿の設定方法

WordPressの予約投稿は、数分程度で簡単に設定できます。以下、3つの設定方法をご紹介していきます。

方法1. Gutenberg(ブロックエディター)を使用する

まずは、WordPressのブロックエディターを使って予約投稿を行う方法。これが1番簡単で、プラグインをインストールする必要もありません。

WordPressで新しい投稿または固定ページを作成します。今回は投稿を例に見ていきます。

投稿エディターに入ると、右側の投稿パネルの「公開」が「今すぐ」に設定されているはずです。

ブロックエディターで投稿の公開日時を設定
ブロックエディターで投稿の公開日時を設定

今すぐ」のリンクをクリックすると、ドロップダウンが表示され、投稿を公開する特定の日時を選択することができます。

この例では、12月25日の午前8時にこの投稿を公開するように設定します。日時を選択したら、「予約投稿」ボタンをクリックしてください。

投稿の公開日時を設定した画面の様子
投稿の公開日時を設定した画面の様子

これで完了です。投稿が選択した日時に自動的に公開されるようになります。

方法2. WordPressクラシックエディターを使用する

WordPressのクラシックエディターを使っている場合も、同じ方法で予約投稿の設定を行います。

まずは、先ほどと同様、新しい投稿または固定ページを作成します。今回も投稿を例に挙げます。

投稿エディターに入ると、WordPress管理画面の右側にある「公開」パネルに「すぐに公開する」の文字があります。

クラシックエディターではデフォルトで「すぐに公開する」に設定されている
クラシックエディターではデフォルトで「すぐに公開する」に設定されている

すぐに公開する」の横にある「編集」の文字をクリックすると、好きな日時を設定できるドロップダウンが表示されます。

クラシックエディターで記事の公開日時を設定
クラシックエディターで記事の公開日時を設定

この例では、10月31日の21時に公開するとします。日時を選択したら、「OK」ボタンをクリックします。

青い「公開」ボタンをクリックすると、予約完了です。

公開日時を設定したら「公開」ボタンをクリックして完了
公開日時を設定したら「公開」ボタンをクリックして完了

クラシックエディターを使用する場合も、これで完了。選択した日時に自動的に公開されます。

方法3. プラグインを使用する

ブロックエディターを使用していない場合、または公開日時をさらに細かく管理したい場合には、プラグインを使用する方法もあります。

特に人気のあるの予約投稿用プラグインが、SchedulePress。無料で使用できます。

SchedulePress
SchedulePress

まずは、このプラグインをインストールして有効化しましょう。有効化したら、WordPressの管理画面から「投稿」>「新規追加」に進みます。すると、投稿の編集エディターが表示されるため、先ほどご紹介した2つの方法と同様に、投稿を書いて公開日時を設定していきます。

画面右側には、クラシックエディターの「公開」パネルがあります。投稿の公開日時を設定しましょう。

この例では、7月4日の18時に公開するように設定します。設定後は「OK」ボタン、そして「公開」ボタンをクリックすれば完了です。

SchedulePressをインストールしたクラシックエディターで投稿の公開日時を設定
SchedulePressをインストール後、クラシックエディターで投稿の公開日時を設定

SchedulePressには、予約投稿を行った記事を設定した未来の日時ですぐに公開できる気の利いた機能も(現在の日時で公開することも可能)。

SchedulePressで予約投稿された記事に表示される公開日を設定
SchedulePressで予約投稿された記事に表示される公開日を設定

有料版では、自動予約機能、カレンダー表示、プロジェクトの事前計画、大量の投稿を一括で公開予約する機能など、より高度な機能が利用でき、投稿が公開されると自動的に主要SNSで共有できる機能もあります。

予約投稿にまつわるヒントと裏技

さて、これでWordPressの予約投稿を行う方法はご理解いただけたはずです。しかし、予約投稿に関連した操作はこれだけではありません。最後にこの機能を最大限に活用するヒントや裏技をご紹介します。

タイムゾーンを設定する

投稿を特定の時間に公開する場合は、WordPressサイトのタイムゾーンの設定を確認しておきましょう。

WordPressはデフォルトでUTC(協定世界時)に設定されていますが、WordPressの管理画面の「設定」>「一般」から変更することができます。

WordPressのタイムゾーンを変更
WordPressのタイムゾーンを変更

住んでいる地域に合わせてタイムゾーンを設定してください。設定後、「変更を保存」ボタンをクリックして保存します。

すべての予約投稿を表示する

予約投稿を行ったすべての投稿を確認したい場合は、「投稿」>「投稿一覧」に移動しましょう。

ページの上部から「公開予約」のリンクをクリックします。

公開予約した投稿を確認
公開予約した投稿を確認

このページで、予約状態にある投稿について、編集、削除、早期公開などの管理を行うことができます。

予約投稿の早期公開

予約公開を設定した記事を予定日時よりも早く公開したい場合は、「投稿一覧」に移動して該当する記事を選択します。

投稿の編集画面で「公開」ボタンをクリックするだけでOKです。設定していた公開日時にかかわらず、すぐに公開することができます。

予約投稿に失敗した投稿を管理する

何らかの理由で予定日時に公開されなかった場合、その投稿に「予約投稿の失敗」というメッセージが表示されるようになります。

投稿一覧」ページにて、赤い文字で「予約投稿の失敗」と表示されている投稿を選択すると、公開に失敗したすべての投稿を確認することができます。

予約投稿に失敗した投稿を確認
予約投稿に失敗した投稿を確認

予約投稿に失敗した記事を公開したい場合は、エディターから「公開」をクリックするだけでOKです。公開したくない場合には、投稿自体を削除するか、公開日時を再度設定してください。

予約投稿が失敗する原因はさまざまですが、一般的にはcronジョブのエラーが考えられます。

cronジョブは、WordPressが特定の機能を実行するために必要なバックグラウンドタスクの1つです。更新の確認や投稿の公開予約などに使われています。

WordPressサイトのcronジョブが正しく動作していないと、予約投稿が失敗する可能性があります。このエラーの発生理由には、以下のようなものが挙げられます。

しかし、ほとんどの場合はサイトの「トラフィック不足」に起因しています。cronやスケジューラは、ページ読み込み時のみ実行されるため、投稿の公開のタイミングでサイトへのアクセスがないとうまく機能しないことがあります。cronジョブが実行されなければ、予約投稿が行われません。

サイトのcronジョブが失敗の原因である場合は、自分でcronジョブを実行することで解決できます。

実行するには、サイトの「wp-config.php」ファイルに以下の短いコードを貼り付けてください。

define('DISABLE_WP_CRON', true);

FTP接続を使いこのコードを貼り付けると、WordPressでcronジョブが自動で実行されなくなります。つまり、必要に応じ自分で操作することになります。

その後、サイトのcPanel等にアクセスし「詳細」から「cron ジョブ」を選択し、間隔を空けて実行されるようにcronジョブを設定してください。

それでも解決しない場合、またはコードの記述に関する知識があまりない場合は、プラグインを使用する方法もあります。誰かがブログやサイトにアクセスすると予約投稿に失敗した記事が公開される(再試行される)無料プラグインのSchedule Post Triggerがおすすめです。

Schedule Post Trigger
Schedule Post Trigger

この方法では、コードを編集したり、cronジョブを設定したりする必要はなく、プラグインを有効化するだけでOKです。

また、サーバーレベルでcronジョブを設定してくれるサーバーを選ぶという手もあります。KinstaのマネージドWooCommerceホスティングでは、15分間隔でcronジョブが実行されます。

KinstaのマネージドWooCommerceホスティングは予約投稿をサポートしてくれる
KinstaのマネージドWooCommerceホスティングは予約投稿の動作漏れすら防ぐ

Kinsta APMは、サイト全体のパフォーマンスを引き上げ、予約投稿が失敗する可能性を低減するのに有用です。

予約投稿の設定を取り消す

予約投稿を取り消すには、ブロックエディターから投稿を編集すればOKです。

クラシックエディターの場合は、「公開予定日時」の横にある「編集」をクリックします。

予約投稿の設定を編集して予約を取り消す
予約投稿の設定を編集して予約を取り消す

ドロップダウンメニューをクリックし、投稿を「下書き」に戻して「OK」をクリックします。

投稿ステータスを「下書き」にして予約投稿を取り消す
投稿ステータスを「下書き」にして予約投稿を取り消す

最後に「更新」をすれば完了です。これで予約投稿が取り消され、投稿が公開されることはなくなります。その後は、別の日時を設定して再度予約投稿を設定するか、「公開」ボタンをクリックしてすぐに公開することもできます。

公開済み投稿を予約上書きする(プラグイン使用)

デフォルトでは、公開状態の記事に対する変更を予約することはできませんが、リビジョン機能を活用できます。この機能は、投稿に加えたすべての変更点を記録してくれるため、必要に応じて復元することが可能です。

また、Advanced Schedule Postsプラグインを使用すると、投稿を予約上書きすることができます。すでに公開されている投稿を含め、あらゆる投稿の変更が対象です。

Advanced Schedule Posts
Advanced Schedule Posts

手順は、プラグインのインストール後、該当する投稿を編集し、「公開」パネルの「更新」ボタンをクリックするだけ。

すると、予約設定が表示され、加えた変更を公開する日時を指定できます。選択後、「更新」 ボタンをクリックすると、予約上書きが設定されます。

投稿の有効期限を設定する(プラグイン使用)

投稿を特定の日時まで公開する(期間限定のものにしたい)場合は、PublishPress Futureが有用です。このプラグインでは投稿の有効期限を設定できます。期限に到達すると、設定内容に応じて、投稿ステータスが「承認待ち」、「下書き」または「非公開」になります。

PublishPress Future
PublishPress Future

このプラグインをインストール、有効化した後、有効期限を設定したい投稿を選択し、「PublishPress Future」パネルまでスクロールします。

PublishPress Futureで投稿の有効期限を設定
PublishPress Futureで投稿の有効期限を設定

投稿の有効期限を設定する」のチェックボックスにチェックを入れ、投稿の有効期限を選択します。また「期限切れ時の処理」のドロップダウンで、期限切れ後のステータス(下書き、非公開、削除など)を選びます。設定を終えたら、ページ上部までスクロールし、「更新」をクリック。

まとめ

今回の記事では、WordPressの予約投稿機能を様々な角度からご紹介しました。予約投稿を取り消す方法、公開された投稿を予約上書きする方法もぜひ活用してみてください。

予約投稿は、コンテンツの鮮度を保ち、定期的に読者へ新しいコンテンツを届けるのに有用です。手間の削減にもつながり、その分サイトの他の作業に時間を充てられるようになります。

WordPressの予約投稿についてご不明点がありましたら、以下のコメント欄でお聞かせください。

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Matteo Duò Kinsta

Head of Content at Kinsta and Content Marketing Consultant for WordPress plugin developers. Connect with Matteo on Twitter.