今日、WordPress開発において、自動テストと継続的インテグレーション(CI)を導入しない手はありません。開発効率を大幅に高め、コードの質を保証し、さらにはデプロイメントのプロセスも効率的になります。

今回は、最新の開発プラクティスがWordPressプロジェクトにいかに変革をもたらし、信頼性の向上とメンテナンスの簡素化に貢献してくれるかをご紹介します。ワークフローを改善したい開発者から、ウェブプロジェクトでより高い水準を目指している企業まで、WordPress開発における自動テストとCIの役割を理解することは、競争力維持の鍵となります。

今回取り上げるプラクティスが、必ずや堅牢でエラーのないサイト開発、WordPress(とそれ以外の分野)における卓越性の新たな基準の設定につながるはずです。

手動テストから自動テストへの移行

WordPressを含むソフトウェア開発において、手動テストが主流だった時代は過去のもの。手動テストから自動テストへの移行は、ソフトウェア開発者の需要が時代の流れとともに変化したことを裏付けています。

手動テストは、アプリケーションの機能を理解する上での基礎となりますが欠点もあり、特に反復的なシナリオでは、時間がかかり、多くのリソースを消費することになります。

QAチームが、ECサイトのリリースサイクルごとにテストケースを実行するために何時間も費やすことを想像してみてください。手間がかかることはもちろん、人為的なミスも発生しやすくなります。この懸念は、アプリケーションの複雑さと規模が大きくなればなるほど顕著になります。

これに対して、自動テストには以下のような利点があります。

業務効率の最大化

テストの自動化は、手動テストでは実現できないレベルの効率性をもたらしてくれます。テストケースの迅速な実行を可能にし、それに伴う時間と労力が大幅に削減できます。

ツールの選択肢が豊富

テストスクリプトの作成と実行を簡素化してくれるツールも存在します。例えば、WordPressの会員制サイトであれば、自動化によって、時間がかかり人為的ミスが発生しがちなアカウント登録からプロフィールの設定まで、さまざまなシナリオを含むテストカバレッジを拡大することができます。

開発パイプラインへの統合が容易

さらに自動テストは、開発パイプラインに直接統合することができます。これは、頻繁な更新が予想されるアジャイルやDevOps環境では特に便利です。

継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)はアジャイル開発チームにとって必要不可欠。自動テストはまさにこれに適合し、各リリースの安定性と信頼性を保証してくれます(詳しくは後ほど)。

WordPressアプリケーションの機能性が高まり、統合されるにつれ、手動テストは実用的でなくなります。自動テストでは複雑なシナリオも難なく処理され、アプリケーションのすべてのコンポーネントが確実に連動します。

WordPressにおすすめのテスト自動化ツール

WordPressでの自動テストは、コードの質と信頼性を確保するために欠かせません。まずはテストの自動化に役立つツールをいくつかご紹介します。

PHPUnit

PHPUnit
PHPUnit

PHPUnitは、WordPressのコア開発チーム推奨のPHPコード用の公式のテストフレームワークです。WordPressのプラグインやテーマの安定性と信頼性を確保する機能が満載。PHPUnitの設定は以下のような手順になります。

  1. テストリポジトリの確認GitやSVNを使用してWordPressのテストリポジトリを複製。
  2. テスト環境の設定:テスト環境の設定は、状況や好みに応じて幾つかの方法の中から選択可能。
  3. テストの実行:テスト環境の設定後、ワークフローに特化したコマンドでテストを実行。テスト結果として通過率と失敗率に関するインサイトを取得でき、これをもとにデバッグプロセスを強化できる。

PHPUnitを使用すると詳細なテストプロセスを作成できるため、開発の初期段階で問題を検出することができ、ソフトウェアの品質向上に役立ちます。テストの繰り返しやヒューマンエラーの軽減に欠かせないツールです。

WP-CLI

WP-CLI
WP-CLI

WP-CLIは、WordPressの公式コマンドラインインターフェース(CLI)で、PHPUnitテストの設定と管理を簡素化します。WP-CLIは以下の手順で使用します。

  1. インストール:WP-CLI のインストールは、コマンドラインで簡単に実行可能。
  2. プラグインの単体テストの設定:重要な機能であるwp scaffold plugin-testsコマンドが、プラグインの単体テストに必要なすべてのファイルを生成(サンプルテストファイルの作成とPHPUnit用の設定ファイルを含む)。
  3. テスト用データベースのセットアップ:隔離されたテスト環境のために欠かせない個別のテスト用データベースをセットアップ。この作業はinstall-wp-tests.shスクリプトによって自動化。
  4. テストの作成と実行:すべてのセットアップを終えたら、プラグインの単体テストを記述し、phpunitコマンドで実行。プロセス全体が効率的になる。

Cypress

Cypress
Cypress

Cypressは、ウェブアプリケーション向けに設計されたモダンで万能なエンドツーエンドのテストフレームワーク。WordPressサイトと相性の良いツールです。オープンソースでウェブブラウザ上で動作し、より便利なテスト環境を確保できます。Cypressのセットアップ手順は、以下のようになります。

  1. インストールnpm経由でインストールできるため、既存プロジェクトのセットアップに簡単に組み込める。
  2. フレームワークの準備:インストールすると、自動的にプロジェクトディレクトリに以下のフォルダが生成される。
    1. Fixtures─JSONなどのデータファイルの格納場所
    2. Integration─テストの格納場所
    3. Plugins─内部動作のカスタマイズ
    4. Support─再利用可能なコードや変数のような全体でアクセス可能なファイルの格納場所
  3. テストの作成mochaの構文を使用し、テストはdescribe()it()で構成される。この構造により、テストスイートとテストケースを簡単に定義可能。
  4. テストの実行:ユーザーインターフェースまたはコマンドラインから実行。テスト結果は理解しやすい。

Cypressのテストに対するアプローチは、非常にインタラクティブかつ視覚的であるため、テストの作成やデバッグ、理解が容易です。WordPressサイトでの実際の訪問者のやりとりを再現するテストの構築に特に便利です。

Behat

Behat
Behat

Behatは自動テスト、特にビヘイビア駆動開発(BDD)で広く使用されているPHPフレームワークです。動作の観点からソフトウェアをテストすることに重点が置かれ、技術的な動作はもちろん、ビジネス上の要件を満たしていることを保証してくれるという点において、PHPコミュニティにおいて特別な存在です。セットアップ方法は、他のフレームワークとはやや異なります。

  1. インストールComposer経由でインストールし、WordPressプロジェクトと統合可能。
  2. 設定behat.ymlファイルで行い、テストドメイン、コンテキスト、その他必要なパラメータを定義。
  3. テストの記述Gherkin記法により、人が読める自然な形式で書くことができる。WordPressサイトに対するユーザーインタラクションを再現するシナリオを作成可能。

Codeception

Codeception
Codeception

Codeceptionもまた、WordPressに非常に効果的かつ堅牢なPHPテストフレームワークです。単体テスト、機能テスト、受け入れテストなど、さまざまなテストを一箇所で実行できることから、包括的なWordPressのテストに特に有用である。使用手順は以下のとおり。

  1. インストール:Composer経由でインストールし、WordPressプロジェクトに簡単に統合可能。
  2. 初期化:インストール後は、WordPressのプロジェクトディレクトリで初期化され、デフォルトの設定ファイルcodeception.ymlとtestsディレクトリが作成される。
  3. 設定codeception.ymlファイルをカスタマイズし、 acceptance.suite.ymlfunctional.suite.ymlのようなスイート設定ファイルを作成し、プロジェクトの要件に合わせたテスト環境やパラメータを定義。

開発環境とツールの統合

自動テストツールをさまざまなWordPress開発環境に統合することで、さらに開発プロセスを合理化・強化することができます。続いて、上で挙げたフレームワークをどのようにさまざまな開発環境に統合できるかを見ていきます。

Docker

Docker
Docker

Dockerはコンテナ化プラットフォームで、WordPress開発用に隔離された環境を作成するのに理想的です。コンテナ内でアプリケーションを実行することができ、オペレーティングシステムからある程度切り離されます。テストフレームワークをコンテナ化したWordPress環境に簡単に統合可能です。例えば、PHPUnitテストは本番環境を模倣したDockerコンテナ内で実行し、テストと本番のデプロイメントの一貫性を確保することができます。

DevKinsta

DevKinsta
DevKinsta

DevKinstaは、Kinstaが提供する無料ローカルWordPress開発ツール。PHP、NginxMySQLを含む完全なホスティングスタックでWordPressのローカルインスタンスを作成可能です。ユーザーフレンドリーで、ローカルマシンからWordPressサイトをデザイン、開発、デプロイするのに適しています。OSはmacOS、Windows、Ubuntuと幅広くサポートし、前述のテストフレームワークにも対応。統合することで実際のサーバー環境に限りなく近い状態でテストを実行することができます。

MAMPとWAMP

MAMPとWAMP
MAMPとWAMP

MAMPWAMPは、人気のあるローカルサーバー環境で、WordPress開発に比較的簡単にセットアップ可能です。必要なコンポーネントをすべて揃えたローカルサーバーを簡単に実行できるため、WordPressサイトのローカル開発・テストにうってつけ。例えば、Behatをセットアップして、ローカルのWordPressに対してテストすると、異なるPHPとMySQL設定下でプラグインやテーマ、WordPressのコア機能をテストすることができます。

Vagrant

Vagrant
Vagrant

VagrantもWordPress開発におすすめです。仮想マシン(VM)を中心にさまざまな用途に対して異なる設定を行うことができるため、WordPress 開発で高度なカスタマイズと柔軟性を実現可能です。使用したいフレームワークを設定するだけで、テストを実行できます。

自動テストのベストプラクティス

自動テストはテーマ、プラグイン、カスタマイズ性、そして思い通りのテストの実行を保証し、WordPress開発全体に改善をもたらします。

続いては、自動テストを最大限に活用するために、ベストプラクティスをご紹介します。

テスト駆動開発(TDD)

TDDは、従来のソフトウェア開発プロセスを覆します。最初にコードを書いからテストを行うのではなく、コードを書く前にテストを書く手法です。

まずは失敗するテストを作成し、それをベンチマークとして実際のコードを書くというもので、テストによって定義されたとおりに、コードが正確に実行されることが保証されます。シンプルながら強力な開発手法です。手順は以下のようになります。

  • テストを書く:特定の機能や特徴のテストを書くことから始める。
  • テストを実行する:対応するコードがまだ存在しないため、テストが失敗するかどうかを確認する。
  • コードを書く:テストが通過するコードを記述する。
  • テストを再度実行する:書いたコードがテストに通過し、既存の機能を妨げていないかを確認する。
  • コードを整理するリファクタリング):コードをクリーンアップして最適化し、コーディング標準とベストプラクティスに準拠していることを確認する。

このプロセスを繰り返し行い、各段階で信頼できるコードベースを維持しながら、ソフトウェアの機能を徐々に高めていくことができます。

プラットフォームの複雑さと、信頼性と質の高いコードの必要性を考慮すると、TDDはWordPress開発に理想的です。WordPress開発者は、プラグインやテーマの開発にTDDを取り入れ、新機能や変更がバグを引き起こしたり、既存の機能を妨げたりしていないかを確認することができます。

モッキングと依存性注入

TDDを取り入れる際に重要になるのがモッキングと依存性注入です。この2つは信頼性と再現性のあるテストの作成に欠かせません。

モッキングは、データベースのような複雑なコンポーネントや利用できない要素を模擬することで、レスポンスが遅かったり結果が予測できなかったりといった本番の問題に対処する代わりに、本番と同じような振る舞いをする「モックアップ」を作成します。これにより、テストをスムーズに実行し、アプリケーションのパフォーマンスに焦点を当てることができます。

依存性の注入(DI)とは、ソフトウェア内のオブジェクトが適切に動作するのに必要な要素を外部から提供する手法です。テスト目的であれば、実際の依存関係をモックオブジェクトに置き換えることができます。これによりテストの実行が高速化され、実際にテストしたいコンポーネントを確認できます。

TDDにおいて、モッキングと依存性注入は、アプリケーションの一部を切り離し、コンテキストなしでテストするために連携して使用されます。ヒントは、バランスを保つこと。モックアップを使って依存関係を管理する目的は、テストプロセスを(複雑にするのではなく)単純化することにあります。

モックオブジェクトは、統合を再現するのに適していますが(データベースやネットワークなど)、テスト環境をセットアップするほうが簡単な場合もあります。実際のテストに影響を与えることなく手間を削減するモックを作成し、コードをクリーンでテストしやすい状態に保つ依存性注入のスタイルを選択することが重要です。

高いテストカバレッジの確保

WordPressプロジェクトで高いテストカバレッジを確保することは、仕事の質と信頼性を高める鍵となります。このセクションでは、その重要性とテスト方法について掘り下げていきます。

テストカバレッジとは、コードをリリースする前にアプリケーションのどれだけの部分をテストしたかを測定するもので、通常はパーセンテージで示されます。WordPressの文脈では、プラグインやテーマを隈なくテストすることを意味します。これには以下のような利点があります。

  • バグの早期発見:エンドユーザーの手に渡る前に問題を発見することで、ユーザー体験を改善し、リピーターを増やすことができる。
  • チームワークの向上:コードが十分にテストされていることをチーム内で共有することで、共同作業が容易になり、不安なく変更を加えることができる。
  • 顧客満足度の向上:不具合のないサイトは、必然的に訪問者の満足度を高め、より多くの利益につながる。

テストカバレッジを向上するには

WordPressプロジェクトのテストカバレッジを向上するヒントには、以下のようなものが挙げられます。

  • 複数のテストタイプを使用する:ひとつのテスト形式に絞らず、単体テスト、結合テスト、機能テスト、パフォーマンステストなど、さまざまなテストを実施し、プロジェクトの隅々まで確認すること。単体テストにはPHPUnit、ビヘイビア駆動開発にはBehat、総合的なテストにはCodeceptionがおすすめです。
  • テスト環境は慎重に準備する:ローカル環境から初めて、早い段階で不具合を修正すること。それからステージング環境に移行し、本番サイトを忠実に再現した条件下でテストを行います。これにより、確認漏れを防ぐことができます。
  • 継続的インテグレーション(CI)を取り入れる:これによって、コード変更の統合とテストが常にループされ、問題の早期発見につながるだけでなく、チームでの共同作業も効率化されます。

完璧なテストカバレッジをただ追求するよりも、賢く網羅することが重要です。プロジェクトで注意が必要な部分に焦点を絞りましょう。テストカバレッジを高めるには、綿密な計画、適切なツール、そして品質テストへの着実な取り組みが欠かせないことに留意してください。

継続的インテグレーション(CI)

継続的インテグレーション(CI)は、WordPress開発者にとって重要なプラクティスであり、共有リポジトリへの定期的なコード更新に重点を置いています。ビルド、テスト、デプロイを自動化し、スムーズな共同作業を実現し、WordPressでは機能、プラグイン、テーマなど、新たな要素を障害なく追加するのに役立ちます。

CIがWordPressにもたらすメリット

継続的インテグレーションは、WordPress開発に適しており、自動テストと一緒に導入することで、以下のようなことが可能になります。

  • 共同作業が容易になる:複数の開発者が一度に異なるプロジェクトに取り組むことが可能になり、修正の高速化、生産性の向上がもたらされる。
  • バグの早期発見:問題を初期段階で検出することで、より堅牢な最終製品を開発できる。
  • ワークフローがより円滑になる:異なるWordPressコンポーネントの統合が簡単になり、互換性の問題を回避できる。

WordPress開発のワークフローにCIを導入するには

自動テストとCIの導入は非常に簡単です。

Gulp
Gulp

大まかな手順は以下のとおりです。

  • ツールのセットアップWebpackGulpようなコンパイルツールを使用してアセットをセットアップ。
  • 要件に応じたCIツール選び:使いやすさ、他のツールとの統合、拡張性を優先すること。WordPress開発には、Jenkins、Travis CI、CircleCIなどが堅実な選択肢。
  • 徹底的にテスト:WordPressコミュニティでは一般的でないとしても、コーディング標準や単体テストなどの自動テストを導入することで、プロジェクトの質を格段に上げることができる。
  • デプロイ:ホスティングしている場所によって方法は異なるが、CIツールによってプロセスが効率化される。
  • 品質チェック:ローンチ後にQAを自動化することで、ページ速度からSEOまで、すべてを高い水準に保つことができる。

CIだけでなく、継続的デプロイメント(CD)は、最新の変更をスムーズに本番稼動させ、ストレスのない更新を実現してくれます。多くの場合、ステージングサイトでの本番前の確認を伴いますが、大きなローンチの前に進捗状況を提示し、すべて問題ないことをチェックするために非常に重要になります。CDについては、後ほど詳しく取り上げます。

定期的なテストのメンテナンス

テストの定期的なメンテナンスは、特に継続的なWordPressプロジェクトに重要です。メンテナンスによってテストを最新の状態に保ち、進化するコードと同期させ、バグを見つけたり、新機能や修正を検証したりする準備を常に整えておくことができます。

テストのメンテナンスが重要な理由

プロジェクトが成長するにつれ、コードは複雑になります。テストを定期的に更新することで、プロジェクトの最新バージョンに対応し、バグを早期発見することができます。

また変更があるたびにゼロから作り直すよりも効率的です。高い質を維持しながら、テストカバレッジを包括的に保つことができます。

テストメンテナンスのベストプラクティス

基本的には、テストのメンテナンスも同じようなプロセスをたどります。以下のような点を考慮、優先することをお勧めします。

  • チームで取り組む:計画と更新を定期的にチームで行い、メンバー全員がそれを把握するようにすること。
  • 定期的にテストをチェックする:定期的にテストを見直し、課題や改善点を見つけて修正すること。
  • テストをリアルタイムで更新する:コードの変更があるたびにテストも更新すること。これを徹底することで、テストが古くなったりテストの効果がなくなったりするのを防ぐ。
  • 自動テストメンテナンスツールを使用するTestsigmaのようなツールは、テストケースの自己修復のような機能を提供してくれるため、ソースコードの変更に応じてテストを自動的に調整できる。これによりテストメンテナンスに必要な作業を大幅に削減。

自動テストで解消可能なWordPressの課題

自動テストは、WordPress開発者にとって特に管理が難しい特定の領域を支えてくれます。これには、以下2点が挙げられます。

プラグインとテーマの互換性とコアの更新

自動テストは、特にWordPressコアのバージョンアップ後に、プラグインとテーマの互換性を確保したいときに非常に役立ちます。Theme Checkのようなツールは、WordPress Theme Review標準の遵守を自動化するもので、互換性を維持しながら、優れたテーマを開発する際には重宝します。

自動化フレームワークの文脈では、テストを開発とデプロイのプロセスに統合することが強調されています。 この統合により、コア機能からプラグインやテーマに至るまで、WordPressサイトのあらゆる側面が完全に動作し、最新バージョンのWordPressと互換性を保ち、コアの変更による潜在的な競合や問題から解放されます。

さまざまなホスティング環境への対応

WordPress開発者にとって、異なるホスティング環境での互換性の確保も課題になり得ます。ホスティングプラットフォームには、それぞれ独自の設定や細かな違いがあり、WordPressコア、プラグイン、テーマの機能に影響を与えることがあります。

自動テストフレームワークでは、そんなさまざまな環境条件を再現することができるため、どこにデプロイされているかにかかわらず、WordPressコンポーネントは期待通りに動作し、あらゆるホスティングプラットフォームで一貫した信頼性の高いユーザー体験が維持されます。

WordPress開発における継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)

先にも触れましたが、改めて継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)の概要と、WordPress開発にとって重要である理由を掘り下げていきます。CI/CDはコードのビルド、テスト、デプロイといった開発プロセスのいくつかのステップを自動化し、ワークフローを効率化してくれます。

継続的インテグレーション(CI)には、コード変更を共有のコードベースに定期的に統合することが挙げられ、変更が行われるたびに自動テストを実行することで、エラーの早期発見につながります。

継続的デプロイメント(CD)は、統合されたコード変更を自動的にデプロイすることで、このプロセスを拡張。これにより更新が迅速かつ定期的にリリースされ、デプロイ中に大規模なエラーが発生するリスクを低減します。

CI/CDへの自動テストの統合

CI/CDパイプラインにおいて、自動テストは複数のプラグインやテーマ、コアの更新、チーム内でのコードの質と安定性の維持に役立つため欠かせません。自動テストには、以下が含まれます。

  • コードの更新ごとにテストを実行し、バグを早期に発見する
  • ブラウザテストやSEO、アクセシビリティの監査など、デプロイ後の品質保証(QA)を行う

WordPress開発におすすめのCI/CDツール

Branch
Branch

WordPress開発に使えるCI/CDツールは多数あり、それぞれ特徴が異なります。すでにいくつかご紹介しましたが、以下も参考にしてみてください。

  • Jenkins─プロジェクトのビルド、デプロイ、自動化用のプラグインが多数揃ったオープンソースの自動化サーバー。
  • Travis CI─使いやすさとGitHub統合で知られ、様々なプログラミング言語とプラットフォームに対応にしており、WordPressプロジェクトにおすすめ。
  • GitHub Actions─GitHubリポジトリ内での独自ソフトウェア開発ライフサイクルのワークフローを提供し、WordPressプロジェクトのコードのビルド、テスト、デプロイなどのタスクを自動化できる。
  • Branch─設定済みの環境とワークフローによって、WordPressのCI/CDパイプラインを簡素化し、細かな設定なしで優れたWordPressサイトの構築に集中できる。

いずれのツールも、WordPress標準に対応するコードのチェック、単体テストの実行、ステージング環境や本番環境への更新のデプロイなどのタスクを処理してくれます。コード開発からデプロイ、問題の軽減などに貢献してくれるため、WordPressプロジェクトを最小限の作業量で一貫して更新、保守管理することが可能です。

まとめ

この記事では、自動テストと継続的インテグレーション(CI)がWordPress開発にいかに貢献してくれるかをご紹介しました。この2つを導入することで、安定性が高く質の高いWordPressサイトをより簡単に構築することができます。

また、ワークフローを改善し、優れたローカル開発ツールを活用したい方には、直感的で高性能なDevKinstaがおすすめです。WordPressプロジェクトを効率的に進めることができます。さらに、KinstaのWordPressホスティングとも完全統合可能。自動テストを導入する前に、ぜひチェックしてみてください。

Jeremy Holcombe Kinsta

Kinstaのコンテンツ&マーケティングエディター、WordPress開発者、コンテンツライター。WordPress以外の趣味は、ビーチでのんびりすること、ゴルフ、映画。高身長が特徴。