カリグラフィーは出版物やデジタル素材に様々な形で利用されています。その特徴的な形状とスタイルは、すぐさま見る人の注意を引きます。また、文字通り時代を超えて愛されている活字書体です。
手書きの文字からデジタル形式へと移行したカリグラフィーは、今ではマーケティング素材、サイトの見出し、ソーシャルメディアのグラフィックなど、様々な場所で活用されています。まだデザインに取り入れたことがないという方は是非この機会にご検討ください。
まずは、カリグラフィーの歴史について少しお話しします。
カリグラフィーの変遷
カリグラフィーは何世紀にも渡り使用されてきたアートの形です。手書きであれ、印刷物用にデザインされたものであれ、カリグラフィーを使用することで1文字1文字に大きな特徴と個性が生まれます。実用性と表現力の両方を兼ね揃えています。
読みやすさという観点では最も優れているとは言えないものの、インパクトを与えるデザインです。それぞれの文字が個々の美しさを持っています。
カリグラフィーの歴史の概要
カリグラフィーの起源は、文字が動物の骨に刻まれていた古代中国の時代に遡ります。その後、筆と紙を使用して書かれるようになりました。その後、カリグラフィーの文化は日本と韓国に渡り、それぞれ独自のスタイルに発展。
最も親しみ深いのはラテン・アルファベットを用いた西洋のカリグラフィーでしょう。ローマ人は羽根ペンを用いて長いロール状の紙に文字を書きました。その後、キリスト教の修道士が聖書の文章を書き写すのに使用されるようになりました。最終的には、羽根ペンの代わりに鋼のペン先を採用することで、よりシャープな線へと変化しました。
カリグラフィーという言葉はギリシャ語の「美しく書く」という意味の言葉に由来しますが、このスタイルは世界中で見られます。アラビア語やヘブライ語など、世界各地にこの書体があります。
印刷物におけるカリグラフィー
活字が発明されるまで、全てのカリグラフィーは手書きで作成されていました。その後、1450年代のイギリスで、1文字ずつ文字を金属片に彫刻し、1ページ分に並べ、フレームに入れる手法になりました。
その後、プレス機への配置、インクの塗布、紙の上に押し当てるという手法に。活字のパーツが同じスタイルで作成されたものであれば、この方法で複数のコピーを印刷することが可能です。
カリグラフィーフォントの使用が効果的なケース
カリグラフィーフォントは読みづらくなってしまうため本文テキストには適していません。しかし、他の場面では非常に効果的です。次に挙げるのはそのほんの一例です。
2021年におすすめのカリグラフィーフォント
さて、お待たせしました。
ここからは2021年におすすめのカリグラフィーフォントの一覧を一挙にご紹介します。使用する前に各HTMLフォントのライセンスの詳細をきちんと読み、ご自身の用途に適しているかどうか必ずご確認ください。それだけ念頭において、早速見ていきましょう!
1. Sketsa Ramadhan
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Sketsa Ramadhanはアラビアのカリグラフィーの文化をベースとした美しいカリグラフィーフォントです。大きなアクセント記号と這うように伸びた合字が特徴で、たくさんの書体から選べるこのフォントは、アラブの雰囲気を取り入れたい方におすすめです。
2. Lovely Home
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次にご紹介するLovely Homeは、 全体的に装飾的な華やかさがありながら、若干のシンプルさも備えています。ゆったりとした広い文字間と、楽しげな文字の接続部分、そして全体的に古典的な見た目が特徴のこのフォントは「家」の表札にぴったりです。
3. Beautiful People
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Beautiful Peopleもおすすめです。このカリグラフィーフォントは文字が若干右側に傾斜しており、それが少しフォーマルで上品な印象を与えます。招待状などにぴったりです。デジタルメディアでは、ロゴや見出しにも最適です。
4. A Aidilfitri Font
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A Aidilfitri Fontもアラビア語から着想を得たフォントで、テキストに歴史的情緒と上品さを加えてくれます。タイトルや見出しに使うとよいでしょう。若干読みにくくはありますが、キャッチコピーに使ってもいいかもしれません。
5. Caranda
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他にもCarandaがおすすめです。こちらのカリグラフィーフォントも筆記体にかなり近い古典的なフォントです。非常に装飾的ですが、けばけばしくならないのが特徴です。
6. Beautifuly
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Beautifulyもまた繊細さが特徴の素晴らしいカリグラフィーフォントです。フェミニンで装飾的なフォントですが、それほど読みにくくはありません。こちらのフォントにも興味深い記号がいくつか含まれています。
7. Brotherline
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もしくはBrotherlineはどうでしょうか?こちらは今まで紹介した中で最もシンプルなフォントです。かっちりとしていてやや幾何学的。こちらにも記号が含まれているので、テキストのカスタマイズの幅が広がります。
8. Birds of Paradise
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Birds of Paradiseもまたおすすめです。こちらは比較的スタンダードなカリグラフィー(筆記体)フォントで、見出し、サブヘッダー、ロゴ、ソーシャルメディアのグラフィックを強調するのに最適。失敗のない安定の選択肢です。
9. Calling Angels
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Calling Angelsも是非検討していただきたいフォントです。各文字の線が二重になっており、独特で古典的な印象を与える素晴らしいフォントです。これを使えば、まるで古い映画のインタータイトルのような雰囲気が出せます。
10. Russel Dexter
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もしくはRussel Dexterはいかがでしょうか?古典的な西洋のカリグラフィーと現代的なディティールを組み合わせたフォントです。細い線と太い線の組み合わせが文字に深みと面白みを加えます。
11. Hello Olivia
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Hello Oliviaの方が気にいるという方もいるでしょう。筆記体のこのフォントは、ゆったりとした合字と渦巻き形で飾られた部分が特徴的。装飾的でありながら、軽快で陽気な雰囲気も併せ持ったフォントです。
12. Champignon
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Champignonもまたスタイリッシュなフォントです。招待状や証明書、またはウェブサイトの見出しやロゴにも適した豪華なデザインです。洒落たデザインでありながら、読みやすさも損なわれていません─見事なバランスです。どこか親しみやすさを感じるフォントで、有名なロゴのフォントを連想させます。
13. Lambresia
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Lambresiaは様々な場面で使われている美しいフォントです。手書きのようなスタイルが控え目で気楽な印象を与えます。非常にいい意味で「のんびり」とした雰囲気を醸し出しています。おおらかな印象のフォントなので、見出し、署名、タイトルに最適です。
14. Sindentosa
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Sindentosaもまた、おすすめのカリグラフィーフォントのひとつ。「優しい」フォントという説明がされていますが、まさにその通りです。このフォントには539個もの記号が含まれているので非常に多用途。書体自体は、傾きが無くまっすぐです。明確で読みやすいフォントですが、ポイントで装飾が施されており、読みやすさを損なわずにデザイン性が加えられています。
15. Moonday
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もしくはMoondayを使用してみてはいかがでしょうか?こちらは大胆で、分厚く、かなり独特なカリグラフィーフォントです。文字のあちこちで太い線から非常に細い線へと変化するデザインが、実際のカリグラフィーのような印象を与えます。ペンの動きで実際に再現できそうな線です。
16. Acuentre
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Acuentreは非常に装飾的なフォント。中世を思わせる昔懐かしい雰囲気でありながら、どこか現代的な魅力も併せ持ちます。大げさなほど派手でたくさんデザインのアクセントが盛り込まれているので、非常に目立ちます。大胆で伝わりやすいフォントをお探しの場合Acuentreはおすすめです。
17. Hanitha
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Hanithaもまた魅力的なフォントです。この美しい筆記体フォントは、大胆でよく目立ちます。存在感を出すデザインになっています。「i」のドットがハート型になっているのが特に印象的。ゆったりとした合字とくるりとした装飾がデザインをさらに美しくしています。
18. Valentina Walker
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Valentina Walkerは様々な用途に適したフェミニンでお洒落なフォントです。魅力的なデザインで、読みやすく、スタイリッシュでありながら、うるさすぎません。一歩間違えると派手になりすぎるようなフォントが並ぶ中、こちらのValentina Walkerは控え目で気取らないフォント。
19. Blacksword
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Blackswordもまた手堅いフォントです。こちらのフォントは曲線的で、ブラシを使ってたった今描かれたような印象。文字は若干右に傾いていて、装飾が施されているため、手書きのような魅力があります。
20. BlackChancery
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BlackChanceryはサイトに古典的なスタイルを取り入れたい場合におすすめの、豪華なフォントです。こちらのフォントは昔ながらの手書き原稿や書物を思い起こさせます。昔から存在する老舗のブランドの雰囲気を出したいのであれば、BlackChanceryがぴったりです。
21. Beyond Wonderland
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もしくはBeyond Wonderlandの方が魅力的に感じる人もいるかもしれません。文字自体は標準的な筆記体フォントです。しかし、文字の頭の部分の渦巻き形、エフェクトの適用、線の部分のダメージなど、様々なアクセントが加えられることで独特なデザインとなっています。
22. Mael
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Maelは間違いなく目立つフォント。明らかにケルト文字から着想を得ているこのフォントは、見る人の注意を引くシャープで大胆な線が特徴的です。昔のカリグラフィーのスタイルと現代的なフォントのトレンドの絶妙なバランスが魅力で、タイトルやソーシャルメディアのグラフィックなどにぴったり。
23. A Dark Wedding Font
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もしくはA Dark Weddingを検討してみてもいいでしょう。二重の線やあちらこちらに見られるアクセントのドットが特徴的なこちらのフォントも、伝統的な西洋のカリグラフィースタイルに大きく影響されています。昔を思わせる雰囲気を出しつつ、最低限の読みやすさを損ないたくないという場合に最適。
24. Pure Evil 2
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Pure Evil 2もまた是非ご検討いただきたいフォントの一つです。不吉な予感や不気味な雰囲気を伝えたい場合は特におすすめです。太い線とシャープな角、全体的に幾何学的なデザインのこちらのフォントは、ホラー映画のインタータイトルに使われていそうです。
25. Satanas Humanum Salvator
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Satanas Humanum Salvatorもまた、目立たせたい時に効果的なフォントです。特に、中世風のカリグラフィーフォントをお探しの場合ぴったり。伝統的なデザインの典型例で、ペンの動きとその書き順を示した数字付きの矢印まで描かれています。非常に独特なフォントなので、全ての用途に適しているとは言えませんが、レパートリーの一つとして加えておいてもよいでしょう。
26. Benegraphic
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Benegraphicも是非ご検討いただきたいフォントです。伝統的なカリグラフィーフォントのデザインに現代的な雰囲気をプラス。例えば、線はそこまでシャープでなく、若干柔らかい印象になっています。手書き風の文字をそこまで意識しておらず、どちらかというとグラフィカルなデザインです。
27. Seven Swordsmen BB
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Seven Swordsmen BBも是非ご覧いただきたいフォントです。先ほどのフォントとは反対に、伝統的なカリグラフィーをより意識しており、実際のペンのストロークを忠実に再現。この大文字フォントはタイトルや見出しに最適です。
28. CalliGravity
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CalliGravityもまた豪華なカリグラフィーフォントの一つです。今回ご紹介したフォントの中ではやや柔らかい印象で、堅苦しくないデザインにしたい見出しやタイトルに最適です。洒落ていながらも堅苦しくないフォントをお探しの方におすすめ。
29. Dukeplus
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Dukeplusに惹かれる方もいるかもしれません。こちらも西洋の伝統的なカリグラフィーをベースに、独特なデザインで表現したフォントです。伝統的なカリグラフィーの形状や線を維持しつつも、クリーンな線ではなく、不規則な線を採用。おそらく手書き文字の不規則さを表現しているのでしょう。インクが部分的に強く染み込んでいるような巧妙なデザインとなっています。
30. Squealer
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Squealer は幾何学的かつ伝統的で大胆なフォントをお探しの方におすすめしたい、印象的なフォントです。太い線とシャープな角、そして角ばった形状が個性的。不規則な要素を一切取り払って、均一さを重視したデザインのこのフォントには間違いなく一定の需要があるでしょう。
31. Fiddums
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Fiddumsもまた、目を引くカリグラフィーフォントの一つ。間違いなく、あの“薄気味悪い家族”の映画のタイトルから着想を得たフォントでしょう。伝統的なカリグラフィーの要素に、風変わりなデザインが加えられていて、気味の悪い雰囲気を醸し出しています。どのような用途であれ、このフォントを使えば印象的になることまちがいなし。
32. Anglo Text
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Anglo Textもまた伝統的な印象のフォントの一つです。歴史ある西洋のカリグラフィースタイルを踏襲していて、輪っかや渦巻き、アクセントにより文章の意味が少しわかりづらくなっています。タイトルに使用しても問題ありませんが、テキスト自体の意味ではなくその雰囲気が重要となる、さり気ない背景のデザインに使用するとより効果的でしょう。
33. Erotique Sans
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または、Erotique Sansもおすすめです。こちらはシンプルでありながら上品なデザインの非常に多用途なフォント。装飾やアクセントにより洒落た雰囲気を醸し出しています。しかし、読みにくさは一切感じないので、是非レパートリーに加えておきたい便利なカリグラフィーフォントです。本文テキストには適していませんが、サブヘッダー、引用文などに使うといいでしょう。
34. Millie
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Millieもまた、サイトのデザインに是非使用したい手堅い選択肢。こちらの幾何学的なフォントは、若干右側に傾斜しており、手書きのような印象です。角ばったフォントでありながら、個性的で現代的な雰囲気も併せ持ちます。伝統的なカリグラフィーのストロークを維持しつつも、古臭さは一切感じません。
35. Beignet JF
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もしくはBeignet JFを使用してもいいでしょう。こちらは伝統的なカリグラフィーのペンのストロークやスタイルを踏襲しつつ、古風さを感じさせないフォントです。事実、こちらは時代を超えて愛されるデザインであり、サイトの見出しやブログのグラフィックなどに最適です。
36. ITC Zapf Chancery
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ITC Zapf Chanceryは大胆でよく目立つフォント。このフォントには装飾などのプラスアルファの要素はありませんが、タイトルや見出しなどに使うのには間違いなく便利です。カリグラフィーフォントは必ずしも過度に装飾的である必要はありません。シンプルで分かりやすいものがあってもいいでしょう。
37. Corvetta
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Corvettaはのんびりとした手書き文字を模倣して作られています。良い意味で「脱力感」のあるカリグラフィーフォント。カジュアルでありながらシックなのが特徴です。例えるならば、フォーマルなディナーというよりも、気軽なブランチのような雰囲気。
38. Slight
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もっとライトな雰囲気をご希望であれば、Slightがおすすめです。こちらのフォントは、その名の通り、ペンをうっすら紙に当てて線を引いたようなデザインです。くるくると踊るような渦を描く手書き風の文字は、タイトルやロゴ、もしくは結婚式の招待状に最適です。
39. Madelyn
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Madelyn もまたおすすめのカリグラフィーフォントです。輪っかを描く文字とスタイリッシュなオフセット印刷のような線が特徴的。若干不規則なデザインが手書きのような印象を与えます─それこそが、こちらのフォントの魅力だと言えるでしょう。ブラシで描いたようなデザインは、タイトル、ロゴ、見出しなどに効果的です。
40. Amarone
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Amaroneもまた是非検討してみたいカリグラフィーフォントの一つです。こちらのフォントは、文字を書いている時に少し掠れてしまったようなデザインになっています。全てのラインが途切れていて、むらが出ています。それがフォントに質感を生み出し、テキストに個性的な印象を与えます。
41. Puzzled
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もしくはPuzzledはいかがでしょうか?こちらのフォントは伝統的なカリグラフィーの路線からは少し外れ、現代的でグラフィカルな印象を与えてくれます。現代的な筆記体を模倣していますが、家の表札に見られるような手書き文字とは一味違います。それより少し洒落たデザインになっています。
42. Piraglen Script Pro
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Piraglen Script Proも是非ご覧いただきたい豪華なカリグラフィーフォントです。文字自体は単純な筆記体ですが、文字の始めと終わりは非常に上品。装飾や渦巻き形が充実しています。
43. Marisa
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Marisaもまたおすすめのフォントです。伝統的なカリグラフィーフォントではないものの、ゆったりとした合字やアクセントのドットなど、カリグラフィーの要素をうまく取り入れています。その飾り気の少なさ故に非常に読みやすく、どのような用途にも適しています。
44. Mallaire
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もしくはMallaireはいかがでしょうか?こちらは非常に装飾的です。上品で洗練された印象のフォントで、小洒落たシャンパンのボトルに使われていそう。また、合字が非常に充実しています。さらに、私が特に気に入っているのは、線の先端にドットがついているところです。まるで、ペンのストロークの最初にペン先が紙に長く触れすぎたためインクが紙に染み込んだかのような印象。
45. Auteur
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Auteurの方が好みという方もいるかもしれません。こちらのフォントは少し読みづらい部類に入りますが、見た目が美しく、タイトルや見出しに彩りを添えたい場合に最適です。右側に強く傾いており、大きく下に下がった合字部分と装飾により、流れるような上品な印象を与えます。
46. Nature Boy
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また、Nature Boyもおすすめのフォントです。こちらのフォントは筆記体の要素はありませんが、カリグラフィーの文字の形状を含んでいるため、おすすめのフォントとしてご紹介しています。古典的なおとぎ話に出てきそうなフォントで、斬新さを取り入れたい場合に最適です。
47. Snell Roundhand
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最後にご紹介するのはSnell Roundhand。通常の筆記体とカリグラフィーフォントの中間のような選択肢です。文字のデザインは単純ですが、スタイリッシュな合字がデザインを補っています。モノグラムで使用するとさらに効果的。
まとめ
新しいサイトを作成する際やサイトをリニューアルする際、早い段階でフォントを検討することが重要です。お選びになったフォントがサイトの雰囲気を大きく左右します。その中でカリグラフィーフォントを取り入れることで、サイトのデザインをよりスタイリッシュで洗練したものにすることができます。
今回はカリグラフィーの大まかな歴史とデジタルメディアへの進出の経緯についても触れ、オンラインでのおすすめのカリグラフィーフォントの使用例についても簡単にご説明しました。さらにサイトで利用できるおすすめのカリグラフィーフォントをたっぷりと盛り込みました。全体的なデザインという点ではそれぞれ千差万別ですが、そのスタイルと繊細さは共通しています。
カリグラフィーフォントは何と言っても見た目が美しいのが特徴。サイトに上品さを少し加えたい方は、今回ご紹介したフォントをご活用ください。是非、フォントを選んで、サイト作成をお楽しみください。
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