世界のECサイトの売上は、今や5.7兆ドル(約770兆円)に達しており、オンラインストアを立ち上げるなら、今ほど絶好の時期はありません。とは言え、WooCommerceとShopifyのどちらが最適なECサイトプラットフォームであるかを判断するのは、簡単ではありません。
そこで今回は、WooCommerceとShopify、2つの大人気ECサイトプラットフォームを比較してみたいと思います。両者にはいくつか大きな違いがあります。
この記事では、あなたのECサイトにとってWooCommerceとShopifyのどちらがより適切かを見極めるお手伝いをいたします。プラットフォームの使いやすさ、機能、そして誰にとっても大きな関心事である利用料金についてもご紹介します。
それでは早速見ていきましょう。
WooCommerceとShopifyについて動画での解説もご用意しています。
Shopifyのアプローチ
2006年に設立されたShopifyは、Tobias Lütke氏とScott Lake氏によって作られた包括的なECサイト構築プラットフォームです。彼らは、スノーボード用品のオンラインショップを構築した後に、このプラットフォームを開発しています。既存のECサイト構築ソリューションに不満があったため、自分たちで作ることにしたのです。
Shopifyは、ECサイトを立ち上げ、決済受け付けを開始するのに必要なすべての機能を標準で搭載しています。
ホスティング型ソリューションなので、ストアを運営する際、技術的な側面を心配する必要はありません。また、別途有料のホスティングサービスを利用する必要もありません。
Shopifyは使いやすさを重視しています。また、必要な機能がすべて揃っており、ほんの数分でオンラインストアを立ち上げることができます。
そのため、ECサイトを素早く作りたい人にShopifyは最適です。ショップのあらゆる項目を細かく調整する必要が無いのならば、Shopifyが便利です。
WooCommerceのアプローチ
それに対して、WooCommerceは、WordPressのCMS(コンテンツ管理システム)に追加するオープンソースのプラグインです。当初、WordPressのテーマを作成しているWooThemeが開発し、その後2015年にAutomattic社に買収されました。
何百万人ものユーザーを誇るWordPressをご利用の方であれば、他のWordPressプラグインと同じようにWooCommerceをインストールし、有効化することができます。サイトを持っていない場合、まずはWordPressをCMSとして採用し、ウェブサイトを作成する必要があります。
Shopifyとは異なり、ECサイトのレンタルサーバーと別途契約する必要があります。WooCommerceを自社サーバーで利用することもできますが、多くのユーザーはレンタルサーバーを利用しています。
レンタルサーバーの選択は非常に重要です。適切なプロバイダーを利用することで、多くの技術的な作業をご自身で行う手間を省くことができます。
例えば、Kinstaをご利用頂いた場合、常にお客様のWooCommerceストアは完全にバックアップされ、パフォーマンスも最適化されます。これにより、お客様は売上の改善など、より重要な作業に集中することができます。
WooCommerceはShopifyよりもセットアップや運用が複雑ですが、ストアのあらゆる側面を細かに調整できます。そのため、こちらは、特定の目標を実現したい、技術的な知識をお持ちの方におすすめです。
各プラットフォームのメリットとデメリット
WooCommerceとShopifyは、世界で最も有名なECサイトプラットフォーム二大巨頭と言えるかもしれません。しかし、先ほども触れたように、両社の間には1つ決定的な違いがあります。
- 自己ホスト型:WooCommerceを選択した場合、CMSにWordPressを使用し、自身でサーバーを用意(レンタルサーバーの契約など)する必要があります。
- ホスティング一体型:Shopifyが利用者に代わってソフトウェアのホスティングと管理を行うため、別途レンタルサーバーの契約を行う必要はありません。
これだけ見ると、Shopifyが有利なように思えるかもしれません。しかし、デメリットもあります。Shopifyはホスティングプラットフォームであるため、許可された変更しか行えません。WooCommerceでは、このような制限はありません。
このように、WooCommerceがShopifyに勝っている最も大きなポイントは、その柔軟性でしょう。ユニークな顧客体験を提供したい場合、これは特に重要になります。
例えば、独自の決済手順を構築したり、複数の価格体系を適用したり。そのような必要性が生じた場合に便利です。
しかし、この柔軟性には代償も伴います。WooCommerceは設定が難しく、セットアップに時間がかかります。
例えば、バリエーションも少なく、アイテム数も少ないシンプルな商品を販売する場合、そこまでの柔軟性は必要ないかもしれません。Shopifyの使いやすさとホスティング一体型のサービスがこの場合、より魅力的でしょう。
また、Shopifyは素早くストアを立ち上げたい場合にもおすすめです。複雑な商品を販売したり、独自のショッピング体験を設計したりする予定がない限り、Shopifyが基本的なニーズを満たしてくれるはずです。
WooCommerceとShopifyのマーケットシェア
ShopifyとWooCommerceは、世界でも最大級のECプラットフォームです。人気だけで選ぶのは賢明ではありません。しかし、それぞれのプラットフォームをどれだけの人が使っているか知っておいて損はないでしょう。
人気上位100万件のECサイトを見ると、そのうちの21%がShopifyを利用しています。一方、23%はWooCommerceを使用しています。
権威あるサイトでは、WooCommerceの人気の方が若干高いかもしれません。しかし、企業サイトにおけるこの2つのプラットフォームの成長可能性はまだまだ見込めます。
エンタープライズ市場以外に目を向けると、WooCommerceの方が圧倒的人気を誇ります。WooCommerceは600万以上のサイトで使用されているのに対して、Shopifyは400万以上のサイトで使用されています。
過去5年間のGoogleトレンドを見ると、Shopifyは一貫してWooCommerceよりも多く検索されていることがわかります。
Shopifyは独立したソリューションですが、WooCommerceが世界で最も人気のあるCMSと結びついている事実を無視することはできません。実際、ネット上のすべてのサイトの40%がWordPressを使用しており、すべてのECサイトの7%がWooCommerceを使用しています。
WordPressとの結びつきは、WooCommerceの人気の高さに大きく影響しています。既にWordPressサイトを運営している方の場合、WooCommerceがより魅力的なツールとなるでしょう。
各プラットフォームのストア構築の容易さ
注文を受ける機能を備えた完全なストアをいかに簡単に作れるか。これに焦点を当てるとすれば、確実にShopifyに軍配が上がります。WooCommerceでは、WordPressサイトをお持ちでない場合は、まずその構築から始めなければなりません。また、レンタルサーバーとドメインも必要です。
これらが既に揃っていない場合、WooCommerceのセットアップにはかなりの時間がかかってしまうでしょう。また、ホスティングサービスやドメインの取得など、追加費用が発生する場合もあります。
幸い、WooCommerceには便利なセットアップウィザードがあり、初期設定のほとんどはガイドに沿って行うことができます。この中で、決済システムの追加、通貨の選択、配送方法の選択などの設定が可能です。
また、WooCommerceストアのセットアップ方法に関する様々な記事、動画があります。しかし、学習に時間がかかるという点はどうしても否めません。WordPressサイトを初めて作成する方では、特にそうでしょう。
Shopifyはホスティング一体型ECサイトプラットフォームなので、オンラインショップ構築に必要な技術的で面倒な作業の多くを代わりに処理してくれます。ドメイン名、ホスティング、SSL証明書の提供などがその一例です。
Shopifyアカウントを作成し、テーマを選択し、ドメインを購入するか、既存のドメイン名を同期させることができます。Shopify独自の決済システムを使用するのであれば、即日クレジットカードでの支払いを受け付けることができます。
サイト機能調整の柔軟性
自己ホスト型のソリューションは、通常、ホスティング一体型の同様のサービスよりも柔軟でカスタマイズ性が高いものです。Shopifyは、ホスティング一体型のソリューションの中では柔軟性が高い方です。しかし、この点において、WooCommerceには、到底かないません。
WooCommerceは、ECサイトを構築するために必要な機能をすべて備えています。しかし、このプラットフォームの本当の強みは、その拡張性にあります。追加のソフトウェアを使って、WooCommerceプラットフォームのコアを拡張、カスタマイズすることができます。
例えば、買い物客のカゴ落ち率は約70%であり、カゴ落ち対策はオンラインショップにとって不可欠です。WooCommerceは標準でこの機能を備えていませんが、プラグインを使用して追加することができます。
WordPressの公式ディレクトリにはこのようなWooCommerceプラグインが多数登録されています。
さらに、専用のWooCommerce拡張機能ストアまで用意されており、たくさんの公式アドオンが利用できます。
また、WooCommerceはいくつかの人気のサードパーティソリューションとも統合できます。これには、人気のCRM(顧客関係管理)ツールもいくつか含まれています。
また、開発者の方であれば、WooCommerceのストアにカスタムコードを追加することも可能です。このように、WooCommerceは非常に柔軟でカスタマイズ性の高いプラットフォームとなっています。
Shopifyのストアを拡張したい場合、いくつかのShopifyアプリを使用することができます。とは言え、これもShopifyが許可するアドオンやソフトウェアに制限されています。WooCommerceに、この制限はありません。
ShopifyがWooCommerceより優れている点の1つは、標準で備わったマルチチャネル統合機能です。これにより、Facebook、Instagram、eBay、Walmart、TikTokなどで商品を宣伝・販売することができます。WooCommerceでは複数のチャネルで販売を行いたい場合は、専用のプラグインをインストールする必要があります。
ストアデザインの柔軟性
WooCommerceもShopifyにも、訪問客に良い第一印象を残す、スタイリッシュなテーマが揃っています。1,000以上のWooCommerceテーマから好きなものを選び、ストアの雰囲気を自在に変えることができます。
また、外部のサイトでも優れたWooCommerceテーマは提供されています。例えば、ThemeForestでは1,200のWooCommerceテーマが公開されています。
Shopifyストアのデザインを変更したい場合、WooCommerceよりもテーマの選択肢は少なくなります。とは言え、ShopifyはECサイト専用のプラットフォームなので、どのテーマもデザイン性に優れ、売上を伸ばすのに最適なものばかりです。
WordPressのコミュニティでは、洗練されたWooCommerceテーマが作成されていますが、品質の管理はあまりされていません。Shopifyのテーマの場合、品質の高さは保証されます。WooCommerceの方が選択肢は多いですが、Shopifyはより厳選されたテーマが提供されています。
しかし、その中でも優れたShopifyテーマを利用するとなると、有料になることは覚悟しておきましょう。数百ドルすることも珍しくありません。
Shopifyのテーマの中には、HTMLやLiquidのコードスニペットを追加することができるものもあります。これらのコードが、設定が含まれているテンプレート、セクション、ブロックにレンダリングされます。
しかし、この機能は限定的なもので、選択したShopifyのテーマによって異なる場合があります。WooCommerceはオープンソースのプラットフォームであるため、テーマは無制限にカスタマイズすることができます。
各プラットフォームの決済手段
支払いに関しては、対応している決済手段は多ければ多いほど良いです。中には、特定の地域で普及している決済システムも存在します。
例えば、2020年には、アジア太平洋地において、電子ウォレットまたはモバイルウォレットがECサイト取引全体の60%を占めていました。しかし、ラテンアメリカではわずか20%に過ぎません。
できるだけ多くの決済手段に対応することで、サイトの魅力を引き上げることができます。幸い、WooCommerce、Shopifyのどちらも複数の決済システムに対応しています。お客さんが非常にニッチな支払い方法を使用しない限り、どちらのプラットフォームを選んでも問題はないはずです。
WooCommerceは、Stripe、PayPal、Square、Authorize.Netなど、主要な決済システムのすべてに対応しています。また、多くの地域の決済システムにも対応しています。例えば、新興市場に特化したPencePayなども含まれます。
ただし、決済システムの中には、追加のWooCommerce拡張機能の購入が必要なものもありますので、ご注意ください。
Shopifyは一切設定が不要な独自の決済システムも設けています。Shopify Paymentsを利用する場合、取引手数料はかかりません。
また、Shopifyは幅広い外部の決済システムにも対応しています。しかし、これらを使用する場合、追加料金が発生するというのが最大の難点です。
手数料は、ベーシックプランで2%、スタンダードで1%、プレミアムで0.5%となっています。このため、Shopifyを選択する場合は、独自の決済システムの利用を検討するといいでしょう。
WooCommerceにも独自の決済システムがありますが、追加料金が発生します。しかし、外部の決済システムを利用する際の手数料はかかりません。支払う必要があるのは銀行や選択した決済システムの取引手数料だけです。
WooCommerceとShopify、各プラットフォームの料金
Shopifyの基本的な料金体系は明確であり、プラットフォームの利用にいくらかかるかを事前に簡単に把握できます。ベーシック($39)、スタンダード($105)、プレミアム($399)の3つのプランから選択できます。
プランによって、取引ごとに最大2.9%+30セントの手数料が別途発生します。プレミアムプランの場合、手数料は2.4%+30セントと割安。
有料のテーマやアプリケーションを使用する場合、オンラインストアのコストはかさみます。また、外部の決済システムを使用する場合にも、追加料金が発生します。しかし、プレミアムプランではこれらの費用も割安になります。
年払いでプランを契約すると、25%割引が適用されます。
WooCommerceの料金体系はもう少し複雑です。WordPressのコアソフトウェアとWooCommerceのプラグインは、無料でダウンロードできます。ランニングコストを抑えたい場合は、WordPressのリポジトリにある無料のWooCommerceテーマやプラグインを利用すると良いでしょう。
また、WooCommerceの公式サイトには、無料のテーマがいくつか用意されています。
ただし、有料のWooCommerceテーマや一部の公式WooCommerce拡張機能に費用が発生する場合があります。また、WordPressサイトをまだお持ちでない場合は、レンタルサーバーとドメインの取得にも費用がかかります。
このような変動的な要素により、WooCommerceでストアを運営するためのトータルコストを計算するのは、Shopifyの定額プランと比べて困難です。しかし、無料/有料含め、様々なアドオンが豊富に用意されているため、ご予算に合わせてWooCommerceを利用することは可能だと思われます。
WooCommerceとShopify間の移行は容易か?
ECサイトプラットフォーム間での移行はあまりおすすめできません。データの損失、注文の漏れ、カスタマーエクスペリエンスへの悪影響などの懸念があるからです。幸い、WooCommerceとShopify間の移行をサポートするプラグインは、いくつか存在します。
Cart2Cartは既存のShopifyストアからデータを転送することができる人気の移行プラグインです。移行中にデータをCart2Cartのサーバーに保存することで、ストアのお客さんへの影響を最小限に抑えることができます。
WooCommerceをインストールしたら、Shopifyストアと新しいWooCommerceストアの認証情報を入力するだけでOKです。その後、転送したいデータを指定し、本番の転送を実行する前に、任意でデモ移行を実行できます。
あるいは、LitExtensionもあります。こちらの自動化ツールでは、ShopifyからWooCommerceへさまざまなデータを転送できます。
また、LitExtensionを使用することで、注文ID、商品説明文(短いバージョンと長いバージョン)、商品のSKU(在庫単位)を移行することができます。これにより、シームレスな移行が可能になり、データ移行後の設定の作業量を減らせます。
WooCommerceからShopifyに移行する場合、公式の移行アプリもご検討下さい。WooCommerceから顧客、商品、注文データをエクスポートし、新しいShopifyストアにインポートすることができます。
詳しくは、「ShopifyからWooCommerceへの移行」という記事で解説しています。
WooCommerceとShopifyで利用できるサポート
Shopifyは使いやすいツールですが、時折、サポートが必要になることもあるでしょう。幸いにも、プラットフォームには記事や解説、ステップバイステップガイドなどが満載のヘルプセンターがあります。
動画形式がお好きな方は、ShopifyのYouTubeチャンネルや定期的に開催されるウェビナーも要チェックです。
より体系的なサポートをご希望の場合、Shopify Learnポータルがおすすめです。こちらでは、90人以上のShopifyのプロによる無料のオンデマンドコースが利用できます。
学習リソースは非常に便利ですが、時にはマンツーマンのサポートが必要な場合もあります。Shopifyの公式フォーラムでは他のShopifyユーザーとつながり、質問を投稿することができます。
また、Shopifyのサポートスタッフがメール、ライブチャット、電話にて年中無休で対応しています。もし、まだShopifyを利用していない、より詳しい情報を知りたい場合でも、サポートに問い合わせることが可能です。
同様に、WooCommerceにも素晴らしい学習リソースがあります。公式ドキュメントには、WooCommerceストア運営に関する様々な事柄を網羅した詳細な記事が満載です。
また、テーマ別のガイドも充実しています。初めて利用する方は、「New WooCommerce Store Owner Guide(新たにWooCommerceストアを作成した方のガイド)」が便利です。
また、WooCommerceブログでも、多くの有益な記事を見ることができます。技術的な記事だけでなく、優れたECサイトを構築するための一般的なアドバイスも公開されています。
オンラインストアの運営では、ダウンタイムやパフォーマンスの低下、エラーなどが発生すると、収益に多大な影響を与える可能性があります。そのため、年中無休のサポートが利用できるレンタルサーバーがおすすめです。これにより、WooCommerceサイトに何らかの問題が発生した場合でも、プロに問い合わせ、ストア復旧のサポートを受けることができます。
各プラットフォームでの配送とドロップシッピングの取り扱い
物理的な製品を販売する場合、シームレスな出荷機能が非常に重要です。ShopifyもWooCommerceも海外発送が可能です。しかし、ShopifyはCanada Post、FedEx、UPS、DHL、USPSと標準で提携しているため、やや優位です。
また、どちらのプラットフォームでもドロップシッピングが利用できます。ドロップシッピングとは、在庫を抱えない販売モデルで、ベンダーから商品を購入し、ベンダーが直接、顧客(買い物客)に商品を発送します。
ドロップシッピングを適用する場合でも、サイト自体は通常のECサイトとなんら変わりのない外観となります。しかし、どちらのプラットフォームでも、ドロップシッピングに役立つ機能がいくつか搭載されます。
Shopifyの場合、Aliexpress Dropshippingなど、人気の高いマーケットプレイス専用のアプリケーションが利用できます。
同様に、WooCommerceでも、外部のマーケットプレイスから直接商品をインポートできる様々なプラグインが利用できます。AliExpressと統合できるプラグイン、AliDropshipがその一例です。また、クリック一つで注文処理を自動化することもできます。
ドロップシッピング事業を始めるなら、WooCommerce、Shopifyのどちらもおすすめです。ただ、これらのマーケットプレイスは、独自の会費、送料、その他経費がかかることが多いので注意してください。ドロップシッピングによる利益はただでさえ少ないのに、これらの費用により、それがさらに減ってしまう可能性があります。
どちらのプラットフォームの方が検索エンジン向けに最適化(SEO)されているか
検索エンジン最適化(SEO)は、オンラインショップの収益にかなりの影響を与える可能性があります。実際、多くのECサイトの収益の40%以上は、オーガニックトラフィックによるものです。さらに、オンラインにおける買い物の39%は、検索という行為の影響を受けています。
WooCommerceのコードは、標準でSEOが考慮されています。また、商品ページにメタディスクリプションとタイトルを追加し、URLをカスタマイズすることもできます。これらの対策により、ストアページが関連する検索結果に表示されやすくなります。
さらに、追加のプラグインをインストールすることで、WooCommerceのSEO効果を高めることができます。Yoast SEOやThe SEO Frameworkなど、SEOに特化して設計された強力なソフトウェアがその一例です。
これらのプラグインを使用すると、オンページSEOをより細かく調整することができます。また、SEOの状態を評価し、各商品ページを最適化するための実用的なヒントも得られます。
Shopifyにも、ストアに基本的なSEO情報を簡単に追加することができます。商品ページの説明やタイトルの作成などがその一例です。
WooCommerceのプラグインの方が種類は豊富ですが、ShopifyアプリストアにはSEO Boosterなどの有用なSEOプラグインがあります。
このプラグインでは、ストアをスキャンして詳細なSEOレポートを作成することができます。それに基づき推奨事項を実践することで、うまくいけば検索結果表示順位を上げることができます。
WooCommerceとShopify、各プラットフォームの安全性
オンラインストアでは、クレジットカード、デビットカード情報などの顧客情報を取り扱います。そのため、ハッカーのターゲットになるリスクがあります。
Shopifyはホスティングプラットフォームなので、ハッキングからユーザーのストアを保護する責任は主にShopify側にあります。そのため、SSL証明書など、重要なセキュリティ機能がいくつか組み込まれています。
ユーザーが安全にインターネットを利用できるよう、最近のブラウザは南京錠のアイコンを表示し、サイトがSSLで保護されていることを示します。
この証明書によって、ユーザーは閲覧中のサイトが信頼できることが分かり、安心して利用できます。そのため、Shopifyに標準搭載のSSLを利用することで、売上の増加に繋げることができるかもしれません。
これに対して、WooCommerceプラグインには、セキュリティ機能は搭載されていません。ハッキングからストアを保護するために、自身で対策を講じる必要があります。そのため、ここでもまた、追加のプラグインをいくつかインストールする必要があります。
有名なプラグインはたくさんありますが、中でもSucuriのセキュリティパッケージは特に人気です。
プラグインを有効にすると、ストアを構成するすべてのディレクトリ、プラグイン、テーマ、コアファイルについて「Known good(既知の正常な状態)」という分類が作成されます。コンテンツが侵害された場合、Sucuriが脅威を通知します。
セキュリティプラグイン探し/設定は、それなりの労力を要します。セキュリティに力を入れているレンタルサーバーを利用することで、安全なWooCommerceストア構築に要する時間とコストを、最小限に抑えることができるかもしれません。
Kinstaでは、すべてのお客様にCloudflare SSLを無料で提供しているため、証明書の取得や設定に悩む必要はありません。また、二要素認証、IPジオロケーション制限、疑わしいIPからのアクセス自動ブロックに対応しています。
在庫管理のしやすさ
WooCommerceは在庫を細かく管理することができる、柔軟でカスタマイズ性の高いツールです。使い慣れたWordPressのエディターを使用して、新しい商品をアップロードしたり、既存の商品を編集したりすることができます。
WooCommerceと同様に、Shopifyでも商品の迅速な追跡、在庫アラート、レポート作成などの重要な在庫管理機能が利用可能です。どちらのプラットフォームでも、CSVファイルにより商品カタログを一括アップロードすることができます。この機能により、時間を大幅に節約できます。
しかし、2つのツールで大きく異なる点は、製品のバリエーションです。これは、特定の製品に割り当てられる属性のことです。
例えば、Tシャツを販売する場合、色やサイズの違いがあるかもしれません。その一つ一つを製品バリエーションと呼びます。
WooCommerceでは、製品バリエーションの数に制限はありません。一方、Shopifyでは、1つの商品につきバリエーションは100種類、オプションは3つまでという制限があります。この制限を増やしたい場合は、サードパーティ製のShopifyアプリを使用する必要があります。
WooCommerceとShopifyのどちらを使用するべきか
オンラインストアを素早く立ち上げるなら、Shopifyがおすすめです。高度なEC機能とスムーズなセットアップを兼ね揃えています。
専門知識はほぼ不要で、誰でも利用することができますが、プラットフォームを所有するわけではないため、販売ごとに手数料が発生します。
一方のWooCommerceは、既存のWordPressサイトを高機能ECサイトに変身させることができます。
プラグインとテーマが豊富に揃っているため、思い通りのWooCommerceサイトを作成することができます。ただし、スムーズにWooCommerceサイトを運用するには、信頼できるホスティングサービスが不可欠。
WooCommerceとShopifyの比較について、何かご質問はありますか?以下のコメント欄でお聞かせください。
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