Google Chrome、Microsoft Edge、Firefoxのような信頼性の高いブラウザでは、簡単にブラウジングを楽しむことができます。しかし、時にはどうしても「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」のような厄介なエラーメッセージに遭遇することも。

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーの解決方法は、幸い非常に簡単です。例えば、ファイアウォールを無効にしたり、ブラウザキャッシュをクリアリしたりなど、単純な操作で解決できる可能性があります。

この記事では、「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーの原因と6つの解決方法についてご説明していきます。

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーの解決方法について動画での解説もご用意しています

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーとは

ウェブサイトにアクセスしようすると、「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」というエラーメッセージが表示されることがあります。このエラーはサイトの閲覧を妨げるため厄介です。

「「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラー(Chrome)
「「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラー(Chrome)

Google ChromeやSafariなど、ブラウザを問わず発生します。

「「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラー(Safari)
「「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラー(Safari)

このエラーには通常、GZIP圧縮が関係しています。GZIP圧縮とは、WordPressサイトを簡単に最適化できる効果的な手法です。

誰かがサイトにアクセスしようとすると、ブラウザはcontent-encoding: gzipレスポンスヘッダーを探してGZIP圧縮の有無を確認します。このヘッダーを検出すると、自動的に圧縮ファイルを取得し、解凍してユーザーに配信します。

GZIP圧縮の仕組み
GZIP圧縮の仕組み

このプロセスで何らかの問題が生じると、この「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーが返されます。

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーの原因

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーの概要がわかったところで、一般的な原因を見ていきましょう。

  • ファイアウォール:分散型サービス拒否(DDoS)攻撃、総当たり攻撃、マルウェアなどから保護するセキュリティ機能である一方、時にブラウザを混乱させて「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーを引き起こすことも。
  • キャッシュやCookieの破損:ブラウザキャッシュは、コンテンツ配信の高速化に役立ち、Cookieはアフィリエイトなどに欠かせません。時々キャッシュをクリアしなければ、古いコンテンツや破損したコンテンツがブラウザに問題を引き起こすことがあります。
  • エンコーディングエラー:先にも触れた通り、GZIP圧縮が問題を引き起こすことがあります。また、HTTPリクエストヘッダーがエンコードされていないにもかかわらず、サイトのコンテンツがエンコードされていることを示しているせいで、エラーが発生している場合も。
  • DNSアドレスが正しくない:DNSアドレスに誤りがある場合も、このエラーにつながりかねません。
  • DNS設定:キャッシュ同様、DNSの設定が古かったり、破損していたりする可能性があります。

以上はほんの一例。すぐに解決できるものもあれば、やや手間がかかるものもあります。次のセクションで、具体的な解決策を見ていきます。

「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーを解決するには(6つの方法)

それでは、「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーを解決する方法を6種類ご紹介します。例として最も使用されているブラウザであるGoogle Chromeを使用していきます。

1. ファイアウォールを無効にする

ファイアウォールはオンライン上の脅威からデバイスを保護しますが、時にこのエラーの原因になることも。

そのため、ファイアウォールを無効にして解決することがあります。まずはMacデバイスで無効化する方法を見ていきましょう。

システム環境設定」>「セキュリティとプライバシー」を開き、「ファイアウォール」タブを選択します。

Macのファイアウォール設定
Macのファイアウォール設定

ファイアウォールが既にオフになっている可能性もありますが、オンになっている場合は、ウィンドウ左下にある鍵をクリックしてください。

パスワードを入力すると、セキュリティ設定を変更することができます。

ファイアウォールをオフにする」をクリックしたら、再度鍵をクリックしてロックして変更を保存します。

ファイアウォール設定をオフにする
ファイアウォール設定をオフにする

Windowsの場合も似たような手順で、「コントロールパネル」>「システム」>「プライバシーとセキュリティ」に移動したら、「Windows セキュリティ」を選択して、「ファイアウォールとネットワーク保護」タブを開きます。

Windowsでファイアウォールを管理
Windowsでファイアウォールを管理

ファイアウォールをオフにしたら、ブラウザに戻り、エラーが解消されているかどうか確認してみてください。

2. ブラウザキャッシュとCookieをクリアする

ファイアウォールの設定でエラーが解決しない場合は、キャッシュデータに問題がある可能性も考えられます。キャッシュはコンテンツ配信を高速化しますが、定期的にキャッシュをクリアしないと、複雑な問題を引き起こすことがあります。

また、Cookieに問題がある可能性も。したがって、キャッシュとCookieの両方をクリアしてみてください。

Google Chromeを開いて、画面右上の3つの点をクリックし、「その他のツール」>「閲覧履歴を消去」を開きます。

Google Chromeの設定
Google Chromeの設定

すると、以下のようなポップアップが表示されます。

Google Chromeで閲覧履歴を消去
Google Chromeで閲覧履歴を消去

念のため、期間は「全期間」を選択することをおすすめします。また、「Cookie と他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れてください。

最後に「データを削除」をクリックしたら、エラーが出たページに戻り、エラーが消えているかどうかを確認しましょう。まだ解消されない場合は、次の解決策に移りましょう。

3. GZIP圧縮を無効にする

GZIP圧縮はサイトのパフォーマンスを向上させる画期的な方法ですが、圧縮処理中に問題が発生すると、「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」を引き起こすことがあります。

そのため、続いてGZIP圧縮を無効にしてみてください。これには、ModHeader – Modify HTTP headersのようなChrome拡張機能を使用します。拡張機能のページにアクセスし、「Chromeに追加」をクリックするだけで完了です。

ModHeader - Modify HTTP headers
ModHeader – Modify HTTP headers

このボタンをクリックすると、確認画面が表示されます。「拡張機能を追加」を選択して続行します。

自動的にModHeaderの管理画面が自動的に表示されますが、この画面は閉じてしまっても問題ありません。ナビゲーションバーの横にあるModHeaderのアイコン(以下参照)をクリックしてください。

ModHeaderのリクエストヘッダー設定
ModHeaderのリクエストヘッダー設定

「Request headers」で「Name」フィールドに「accept-encoding」、「Value」フィールドには「gzip;q=0,deflate;q=0」を入力してください(以下参照)。

ChromeでGZIP圧縮を無効化
ChromeでGZIP圧縮を無効化

これで、ブラウザでGZIP圧縮が無効になります。エラーが出たページに再度アクセスし、エラーが消えているかどうかを確認しましょう。まだ解決しない場合は、この拡張機能を削除してから、次の策に移りましょう。

4. DNSサーバーアドレスを設定する

別の原因として、ドメインネームシステム(DNS)の設定に誤りがあることも考えられます。DNSサーバーのアドレスを変更して、エラーが解消できるか試してみましょう。

現在お使いのデバイスでは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)提供のデフォルト設定を使用している可能性がありますが、簡単に変更できます。いずれにせよ、元のサーバーアドレスに戻したい場合を想定して、アドレスはメモしておいてください。

Macの場合は、「システム環境設定」>「ネットワーク」に移動し、「Wi-Fi」に接続されていることを確認した上で、「詳細」>「DNS」タブを開きます。

MacデフォルトのDNSサーバーアドレス
MacデフォルトのDNSサーバーアドレス

左隅にある「」をクリックして、このサーバーアドレスをGoogle Public DNSに置き換えます。

GoogleのIPv4アドレス「8.8.8.8」または「8.8.4.4」(または両方)を入力します。

サーバーをGoogle Public DNSに変更
サーバーをGoogle Public DNSに変更

または、GoogleのIPv6アドレスを使用することもできます。最後に「OK」をクリックして変更を保存しましょう。

Windowsの場合は、「設定」>「ネットワークとインターネット」を開き、「プロパティ」をクリックします。

Windowsのネットワークとインターネット設定
Windowsのネットワークとインターネット設定

IP 割り当て」の「編集」をクリックします。

IP割り当て
IP割り当て

表示される「IP 設定の編集」ウィンドウで、「手動」を選択し「IPv4」のトグルスイッチをオンにします。フィールドにIPアドレスを貼り付けたら、「保存」をクリックしてください。

WindowsでIPアドレスを変更する
WindowsでIPアドレスを変更する

この手順で何か問題が発生した場合は、Google公式の解説ページを参照してみてください。

5. DNSキャッシュをクリアする

DNSサーバーアドレスを再設定してもエラーが消えない場合は、DNSキャッシュをクリアしましょう。Macでは、ターミナルを使ってクリアすることができます。

ターミナルは、Spotlight検索で探すことができます。

Macのターミナル
Macのターミナル

ターミナルを開いたら、以下のコマンドを実行してください。

sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder

その後、管理者パスワードを入力し、再度Enterキーを押すと、DNSキャッシュがクリアされます。

Windowsの場合も同様で、コマンドプロンプトを開いて以下を実行します。

ipconfig /flushdns

その後、問題のページにアクセスし、エラーが消えているかどうかを確認してください。

6. ブラウザでDNSキャッシュをクリアする

まだエラーが解決されない場合、最後に試してみたいのが、ブラウザでDNSキャッシュをクリアすること。

Chromeで新規タブを開き、検索バーに「chrome://net-internals」を貼り付けると、以下のようなページが表示されます。

chrome://net-internals
chrome://net-internals

左側のメニューから「Sockets」を選択して、「Flush socket pools」ボタンをクリックします。

ChromeのDNSキャッシュをクリア
ChromeのDNSキャッシュをクリア

その後、エラーが出たページに戻って、正常に動作しているかどうかを確認しましょう。

まとめ

ブラウジング中、予期せず「ERR_CONTENT_DECODING_FAILED」エラーに遭遇してしまうことがあります。この原因は、複雑なエンコード/デコードの問題から、ファイアウォールや破損したキャッシュのような単純な問題まで様々。いずれにしても、できる限りすぐに解決したいものです。

まずはファイアウォールを無効にし、ブラウザのキャッシュとCookieをクリアすることから始めましょう。それでも解決しない場合は、GZIP圧縮を無効にするか、DNSキャッシュをクリアするか、DNSサーバーアドレスを再設定する必要があるかもしれません。

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