WordPressサイトを運営していれば、一時的または恒久的にサイトを非公開にしたいという状況があるかもしれません。リブランディングや大規模な更新、あるいは一時休止など、さまざまな理由が考えられますが、WordPressサイトを非公開にする方法を知っておいて損はありません。

今回は、一時的な変更を加える際のメンテナンスモードプラグインの使用から、サイトの完全非公開方法まで詳しくご紹介します。また、リダイレクトの適切な管理とSEOの健全性を維持するためのヒントも見ていきます。

WordPressサイトを削除する方法

WordPressサイトを非公開または削除する方法は、ご利用中のホスティングサービスによって異なります。

Kinstaをご利用の場合は、専用コントロールパネルのMyKinsta、またはKinsta APIを介してWordPressサイトの作成と削除を簡単に実行することができます。その他のホスティングサービスでは、cPanelで操作を行うのが一般的です。

KinstaでWordPressサイトを削除する

Kinstaでは、WordPressサイトを作成、管理、および削除するための直感的な専用コントロールパネル「MyKinsta」、および開発者向けにAPIを提供しています。

MyKinstaでWordPressサイトを削除する手順は以下のとおりです。

  1. MyKinstaにログイン
  2. 左サイドバーの「WordPressサイト」を選択し削除するサイトを選択
  3. 情報」画面で「サイトのリセット」と「サイトの削除」セクションを見つける
  4. サイトの削除」をクリックするとサイトが完全に削除される

サイトを削除すると、サイト全体にアクセスすることができなくなります。Kinsta APIを使用してサイトを削除するには、サイトIDとAPIキーを使用して、https://api.kinsta.com/v2/sites/{site_id}にDELETEリクエストを送信します。

curl -i -X DELETE
'https://api.kinsta.com/v2/sites/{site_id}'
-H 'Authorization: Bearer '

送信すると、MyKinsta同様、数秒後にサイトが完全に削除されます。

cPanelでWordPressサイトを削除する

cPanelは、ウェブホスティングサーバーの管理用管理するためのユーザーフレンドリーなGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を提供するコントロールパネルです。

cPanelでサイトを削除するには、以下の手順に従ってください。

  1. yourdomain.com/cpanelにアクセスし、「ユーザー名」と「パスワード」を入力してcPanelにログイン
  2. ソフトウェア」セクションの「WordPress Manager by Softaculous」を選択
  3. 削除したいサイトを見つけてドロップダウンアイコンをクリックし、インストールに関するオプションを表示
  4. Remove(削除)」または「Uninstall(アンインストール)」をクリック

    cPanelでWordPressサイトを削除またはアンインストール
    cPanelでWordPressサイトを削除またはアンインストール

その後、プロンプトに従って、ファイルとデータベースを含むWordPressサイトを完全に削除します。

WordPressサイトを一時的に非公開にする方法

コンテンツを削除しないWordPressサイトの一時的な非公開は、メンテナンスや更新などが必要な状況で便利です。

これにはさまざまな方法がありますが、最も手っ取り早いのは、メンテナンスモードプラグインを使用することです。サイトを停止する間、訪問者にメッセージを表示することができます。

手順は以下のとおりです。

  1. WordPress管理画面にログイン
  2. プラグイン」>「新規追加」に移動する
  3. 「メンテナンスモード」または「近日公開」などでプラグインを検索(おすすめはLightStart – Maintenance Mode, Coming Soon and Landing Page Builder
  4. 今すぐインストール」>「有効化」をクリック
  5. 管理画面の左メニューから「LightStart」を開き、サイトの停止中に表示するページのテンプレートを選択

    LightStartの任意のメンテナンスページを選択
    LightStartの任意のメンテナンスページを選択

  6. ページを選択して「Continue」をクリック
  7. LightStartの「Settings」ページに移動して有効化などの設定を行う

WordPressの固定ページと投稿を非公開にする方法

コンテンツの修正やサイトのメンテナンス、機密情報の保護などの理由から、サイト全体ではなく特定のコンテンツを削除したいこともあります。以下、固定ページや投稿を非公開する方法をご紹介します。

方法1. 下書きに切り替える

投稿や固定ページを下書きに切り替えると、更新作業を行う際、その投稿や固定ページを素早く非公開にすることができます。

  1. WordPress管理画面の「固定ページ」または「投稿」に移動
  2. 非公開にしたい固定ページまたは投稿にカーソルを合わせて「編集」をクリック
  3. ブロックエディターのサイドパネルにある「下書きに切り替える」を選択

    ブロックエディターで固定ページまたは投稿を下書きに切り替える
    ブロックエディターで固定ページまたは投稿を下書きに切り替える

  4. ポップアップで「OK」をクリックして動作を確認

これでコンテンツが非公開になります。

方法2. 一括操作を行う

一度に複数の投稿や固定ページを非公開にするには、一括操作の機能が便利です。

  1. WordPress管理画面で「固定ページ」または「投稿」に移動
  2. 非公開にしたい固定ページまたは投稿の横にあるチェックボックスを選択
  3. 一括操作」ドロップダウンから「編集」を選択して右にある「適用」ボタンをクリック

    一括操作ドロップダウンから「編集」を選択
    一括操作ドロップダウンから「編集」を選択

  4. 表示されるメニューで「ステータス」を「下書き」に変更して「更新」をクリック

    一括編集メニューでステータスを「下書き」に更新
    一括編集メニューでステータスを「下書き」に更新

これで効率的に複数のコンテンツを非公開にすることができます。

方法3. 表示状態を非公開にする

固定ページや投稿の表示状態を「非公開」にすると、そのコンテンツがサイト管理者と編集者のみに表示されるようになります。

  1. ブロックエディターで非公開に設定したい固定ページまたは投稿を開く
  2. 「表示状態」をクリックして「非公開」を選択

    ブロックエディターの表示状態で「非公開」を選択
    ブロックエディターの表示状態で「非公開」を選択

  3. ポップアップで「OK」をクリックして変更を確認

パスワード保護」を選択すると、パスワードを知るユーザーのみが固定ページや投稿にアクセスできるようになります。

サイトを非公開にする際のSEOに関するヒント

サイトの非公開は、SEOに大きな影響を与える可能性があります。メンテナンスのために一時的にサイトを停止する場合であっても、完全にサイトを閉鎖する場合であっても、あるいは新しいプラットフォームに移行する場合でも、検索エンジンでの表示順位に与える影響を最小限に抑えるため、慎重に作業を行うことが重要です。

以下、SEOに関する注意事項をご紹介します。

1. 非公開の代わりにアーカイブにする

サイトから一部のコンテンツを削除したい場合は、削除するよりもアーカイブするのが得策です。

アーカイブすることで、コンテンツを非公開にしながら、リンクでアクセスすることもできます。検索エンジンはアーカイブされたページを見つけてインデックスするため、SEO効果の維持にも役立ちます。

WordPressでこれを行うには、LH Archived Post Statusのようなプラグインが必要になります。プラグインを使用すると、固定ページや投稿にカーソルを合わせると「Archive」という設定が選べるようになり、ステータスをアーカイブにすることができます。

LH Archived Post Statusをインストールすると出現する「Archive」メニュー
LH Archived Post Statusをインストールすると出現する「Archive」メニュー

固定ページや投稿を編集する際にも、ステータスをアーカイブに設定したり、アーカイブする日付を指定したりすることができます。これにより、SEO効果を維持したまま不要なコンテンツを公開中のサイトから「削除」することができます。

固定ページや投稿のステータスをアーカイブにしたり、アーカイブする日付を指定して事前予約したりすることも
固定ページや投稿のステータスをアーカイブにしたり、アーカイブする日付を指定して事前予約したりすることも

2. SEOとユーザーエクスペリエンスを維持する

コンテンツを非公開にすると、サイトのSEOとユーザーエクスペリエンスが損なわれます。リンク切れや404エラーは訪問者のイライラの種となり、検索エンジンでの表示順位が下がりかねません。

リダイレクトとインデックスの設定を適切に行うことで、この影響を最小限に抑えることができます。Kinstaをご利用の場合、MyKinstaでリダイレクトルールを簡単に追加可能です。

MyKinstaでリダイレクトを追加するには、サイトの「リダイレクト」画面を開き「リダイレクトルールの追加」をクリックします。リダイレクトの種類は、恒久的な移転の場合は301を選択するのが一般的です。リンクジュースの大部分を新たなURLに渡すことで、SEOの価値を維持することができます。一時的な移転の場合は、302リダイレクトを選択してください。

MyKinstaでリダイレクトルールを追加
MyKinstaでリダイレクトルールを追加

また、Yoast SEOのようなプラグインを使用して、WordPressサイトにリダイレクトを設定することも可能です。

非公開のコンテンツについては、検索エンジンがインデックスしないように設定することができます。WordPress管理画面の「設定」>「表示設定」に移動します。「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」のチェックを外せばOKです。

WordPressの表示設定で「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」のチェックを外す
WordPressの表示設定で「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」のチェックを外す

3.コンテンツの公開を自動化する

コンテンツの公開日を予約することは、コンテンツの戦略的な管理に効果的です。キャンペーンやイベント関連ページなど、時間の影響を受けやすいコンテンツを自動的に削除することができたら、更新する手間がなくなり、古い情報がサイト上に残るリスクも軽減されます。

PublishPress Futureのようなプラグインを使用すると、コンテンツの変更を自動化し、スケジュールすることができます。プラグインをインストールして有効化したら、投稿または固定ページのブロックエディターのサイドパネルに出現する「PublishPress Future」セクションを見つけて、実行したい操作(投稿ステータスを「下書き」や「アーカイブ」に変更するなど)を選択して実行日時を設定します。

PublishPress Futureで操作と実行日時を指定
PublishPress Futureで操作と実行日時を指定

まとめ

WordPressサイトの削除または一時的な非公開は、簡単に実行することができます。サイト全体を完全に削除するのか、一時的に非表示にするのか、あるいは特定の固定ページや投稿を非公開にするだけなのかによって操作が異なります。

サイト管理を効率化するなら、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングがお勧めです。エンジニアによる24時間年中無休のカスタマーサポートと便利なツール群を利用できます。ぜひ一度お試しください。

Joel Olawanle Kinsta

Kinstaでテクニカルエディターとして働くフロントエンド開発者。オープンソースをこよなく愛する講師でもあり、JavaScriptとそのフレームワークを中心に200件以上の技術記事を執筆している。