WordPressサイトの機能を拡張するなら、プラグインやテーマをインストールするもの。しかし、そのプラグインまたはテーマの既存フォルダが検出されると、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」というエラーメッセージが表示されることがあります。このエラーが発生すると、そのプラグインやテーマを使ってサイトの管理や更新を行うことができません。

幸い、このエラーの原因となっている既に作成されているフォルダは、簡単に削除できます。フォルダを削除してしまえば、プラグインやテーマを自由にインストール、更新することができるようになります。

「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーの解決方法について動画での解説もご用意しています。

この記事では、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーの概要と発生する原因について触れた後、4つの簡単な解決方法をご紹介していきます。では、早速本題に入りましょう。

「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーとは

WordPressで作成したサイトの外観や機能を変更する際は、目的に応じてテーマやプラグインを選択することになります。セキュリティを強化するプラグインは欠かせませんが、速度の最適化や、サイトデザインの編集に役立つプラグインなども人気です。

しかし、テーマやプラグインのアップロード時にエラーが発生することがあります。通常であれば、アップロードが成功すると、そのプラグインまたはテーマ名で新規フォルダが作成され、そこでzipファイルが解凍されます。

アップロードしようとしているもののフォルダがすでに存在している場合は、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」というメッセージが表示されます。このエラーが発生すると、アップロード処理が停止し、プラグインやテーマを有効化することができません。

では、次にこのエラーの原因を見ていきましょう。余談ですが、プラグインのアップロードやテーマの変更を行う際には、万が一に備えて、事前にテストを実施することをお勧めします。Kinstaを利用している場合は、無料のステージング環境か、プレミアムステージング環境で簡単にテストを行うことができます。

「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーの発生理由

エラーの発生は厄介ですが、このテーマやプラグインに関連したエラーは、原因さえわかれば簡単に解決することができます。

最も一般的な原因の1つは、アップロードされたソフトウェアがすでにサイトにインストールされている場合。すでに使用しているプラグインやテーマの最新バージョンをインストールすると、同じフォルダが存在しているという通知が表示されることがあります。

プラグインがすでにインストールされていることを伝える通知
プラグインがすでにインストールされていることを伝える通知

また、プラグインやテーマのインストール失敗後にも発生することがあります。これは、インストールが中断された際に、空のインストール先フォルダだけ作成されて、残ってしまっているのが原因です。再アップロードを行うには、空のフォルダを削除しなければなりません。

あるいは、プラグインやテーマを最近削除した場合。ソフトウェアを削除すると、保存先フォルダも自動的に削除されますが、稀にファイルが残ってしまうことがあります。

そして、WordPressサイトのファイル内に同一のインストール先フォルダが存在している場合も原因になり得ます。これが発生する理由もまたいくつか考えられますが、解決方法は同じです。既存のフォルダを削除することになります。

「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーを解決するには(4つの手法)

さて、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーのについて分かったところで、肝心の解決方法を見ていきましょう。他のWordPressエラーに比べれば、比較的簡単です。

いくつかの方法がありますが、いずれにしても既存の保存先フォルダを削除して、新規ファイルをアップロードできるようにすることになります。それでは、以下4つの手法をそれぞれご説明していきます。

1. 既存のフォルダをアップロードされたファイルで置き換える

テーマやプラグインを自分でアップロードする際、既に同じものをインストールしたことを忘れていたなんてことも。この場合、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」のエラーメッセージが表示されます。

「目的のフォルダーはすでに存在しています」
「目的のフォルダーはすでに存在しています」

一言で言えば、このエラーは、同じファイルが何度もアップロードされることを防いでくれる役割を果たしています。したがって、同じパスの既存フォルダが検出されると、このような警告が表示されます。

この場合は、「アップロードしたもので現在のものを置き換える」ボタンをクリックするだけでOKです。これで、新規ファイルがアップロードされ、古いものが削除されます。

「アップロードしたもので現在のものを置き換える」をクリック
「アップロードしたもので現在のものを置き換える」をクリック

もしくは、アップロードを中止して、既存のテーマやプラグインをそのまま使用する手もあります。どちらにしても、サイトのファイルを編集する手間を省くことができます。ただし、これはプラグインやテーマをzipファイルでアップロードする場合のみです。

2. ファイルマネージャーを使用して既存のフォルダを削除する

WordPressで既存フォルダを新規フォルダで置き換えることができない場合は、自分で削除する必要があります。作業を始める前に、 サイトのバックアップを作成しておくことをお勧めします。サイトのファイルを編集するのに抵抗があっても、外部バックアップを作成しておけば安心です。サイトのファイルを編集する際には必ず行いましょう。

次に、サーバーでサイトのファイルがどのように管理されているかを確認します。通常、利用しているサーバーによって、ファイル転送プロトコル(FTP)クライアントまたはcPanelのどちらかを使用します。

方法1. FTPクライアントを使って既存のフォルダを削除する

FTPクライアントでサイトのファイルにアクセスする方法を選んだ場合は、サーバーに接続してファイルを閲覧、編集することになります。

FTPクライアントに接続するには、ログイン認証情報が必要です。Kinstaを利用している方であれば、MyKinstaにログインします。

MyKinstaにログイン
MyKinstaにログイン

次に「サイト」に移動して、該当のサイトをクリックします。

サイトをクリックして、FTPクライアントに接続
サイトをクリックして、FTPクライアントに接続

情報」画面の「SFTP/SSH」セクションで「ホスト」、「ユーザー名」、「パスワード」、「ポート」を確認することができます。後ほどコピー&ペーストすることになるため、この画面はこのまま開いておいてください。

「SFTP/SSH」セクションを確認
「SFTP/SSH」セクションを確認

次に、FTPクライアントを開きます。FileZillaは、FTP、FTPS、SFTP接続をサポートしており、無料でダウンロード可能です。

FileZilla
FileZilla

Kinstaを利用している場合は、SSHファイル転送プロトコル(SFTP)を使用するために、FileZillaの設定を変更します。SFTPを使用すると、より安全にファイルを転送することができます。この設定の変更は、「ファイル」>「サイト マネージャ」に移動します。

「ファイル」から「サイト マネージャ」に移動
「ファイル」から「サイト マネージャ」に移動

次に「新しいサイト」をクリックして名前を付けます。画面右側に表示されている「プロトコル」は、「SFTP – SSH File Transfer Protocol」に変更します。

プロトコルの設定を「SFTP - SSH File Transfer Protocol」に変更
プロトコルの設定を「SFTP – SSH File Transfer Protocol」に変更

「プロトコル」セクションの下にある「ホスト」と「ポート」に先ほどMyKinstaで確認した情報を貼り付け、「接続」をクリックします。

ホスト名とポート番号を貼り付けて「接続」をクリック
ホスト名とポート番号を貼り付けて「接続」をクリック

次に表示されるポップアップ画面で、先ほどMyKinstaで確認したユーザー名とパスワードを入力してください。「OK」をクリックすると、サイトの接続が完了です。

Kinstaのサーバー情報を入力して接続
Kinstaのサーバー情報を入力して接続

サイトがFileZillaに接続されると、「リモート サイト」セクションにサイトのファイルが表示されます。保存先フォルダを削除するには、「public」>「wp-content」に移動します。その後、エラーの原因となっているソフトウェアに応じて、「plugins」または「themes」フォルダのどちらかを開きます。

pluginsまたはthemesフォルダを開いて問題を確認
pluginsまたはthemesフォルダを開いて問題を確認

次に、該当のソフトウェア名のフォルダを開きます。これが新たなバージョンのインストールを妨げている原因です。右クリックで削除しましょう。

該当のプラグインまたはテーマのフォルダを探して削除
該当のプラグインまたはテーマのフォルダを探して削除

これで、WordPressの管理画面でプラグインまたはテーマの再インストールができるようになります。

方法2. cPanelを使って既存のフォルダを削除する

FTPクライアントの代替として、cPanelを使用しているサーバーもあります。ユーザーフレンドリーなコントロールパネルで、サイトのファイルを表示、編集することができ、専門知識に自信のないユーザーでも安心です。

FTPクライアント同様、cPanelの使用をする際には、使用しているサーバーのログイン認証情報が必要になります。通常、ホスティングプランの契約後、サーバー側からcPanelアカウントへのアクセス用リンクが提供されます。または、以下のリンクからもアクセス可能です。

http://www.yoursite.com:2082

https://www.yoursite.com:2083

cPanelのコントロールパネルを開いて、「public_html」フォルダを探してください。中には、テーマやプラグインのデータがすべて格納された「wp-content」フォルダがあります。

public_htmlフォルダ内のwp-contentフォルダを見つける
public_htmlフォルダ内のwp-contentフォルダを見つける

エラーの原因となっているソフトウェアに応じて、「wp-content」フォルダ内の「plugins」または「themes」を選択します。

pluginsまたはthemesフォルダを選択
pluginsまたはthemesフォルダを選択

プラグインを削除する場合には、「plugins」フォルダを開き、該当のプラグイン名のフォルダを探します。今回の例では、Jetpackプラグインを削除するとします。

Jetpackプラグインを削除
Jetpackプラグインを削除

「jetpack」フォルダを選択して、右クリックで「削除」をクリック。なお、プラグインフォルダ全体ではなく、特定のプラグイン名のフォルダだけを削除してください。

プラグイン名のフォルダのみを削除
プラグイン名のフォルダのみを削除

テーマを削除する場合も、これと同様の手順です。「themes」フォルダを開き、該当のテーマ名のファイルを削除します。

WordPressの管理画面に戻ると、該当のプラグインまたはテーマがサイトから削除されています。これで、再度インストールを実行することができます。

3. WP-CLIを使用して既存のフォルダを削除する

より効率的に、WordPress CLI、またはWP-CLIを使って既存フォルダを削除する方法もあります。WordPressのコマンドラインで、さまざまな管理作業を実行可能です。

WP-CLIは、テキストベースのインターフェースで、プラグインの削除、ユーザー役割の追加、コメントの管理などのコマンドを実行できます。FTPクライアントでサイトのファイルを経由するよりもはるかに素早く削除することができます。ただし、WP-CLIコマンドの知識が求められるため、初心者にはお勧めできない手法です。

WP-CLIの使用にあたって、まずは次の最低限の要件を満たしているかどうかを確認しましょう。UNIX系の環境、PHPのバージョン5.6以降、WordPress3.7以上推奨です。

要件を満たしていることを確認したら、MyKinstaに移動します。「SFTP/SSH」セクションの「SSHターミナルのコマンド」を使用します。

SSHターミナルのコマンド
SSHターミナルのコマンド

このコマンドをコピーして、ターミナルに貼り付けます。Kinstaアカウントのパスワードを入力すると、サイトのファイルにアクセスすることができます。

コマンドをコピーしてターミナルに貼り付ける
コマンドをコピーしてターミナルに貼り付ける

既存のテーマを削除する場合は、以下のコマンドを使用します。

$ wp theme delete twentytwelve</code

「twentytwelve」を使用しているテーマ名に置き換えてください。プラグインの場合は、以下のコマンドを実行します。

$ wp plugin delete hello</code

「hello」を削除したいプラグイン名に置き換えます。

コマンドを実行したら、WordPressの管理画面に戻って、目的のテーマやプラグインを再度アップロードしましょう。

4. ファイルマネージャープラグインを使用する

FTPクライアントやWP-CLIの使用が面倒な場合には、File Managerプラグインを使って解決することも。WordPressの管理画面上でフォルダの編集、削除、アップロードを行うことができます。

FileManager
FileManager

まず、「プラグイン」>「新規追加」で、File Managerプラグインを検索して、インストール・有効化してください。

File Managerプラグインをインストール・有効化
File Managerプラグインをインストール・有効化

WP File Manager」タブをクリックすると、FTPクライアントやcPanelを使用する方法と同様、サイトのファイルを一覧で確認することができます。

「WP File Manager」をクリック
「WP File Manager」をクリック

次に、該当のフォルダを探すため、「public」>「wp-content」に移動します。

publicフォルダ内のwp-contentフォルダに移動
publicフォルダ内のwp-contentフォルダに移動

テーマを削除する場合は「themes」フォルダ、プラグインの場合は「plugins」フォルダを開き、該当のファイルを見つけます。他の方法と同様、右クリックで削除可能です。

該当のプラグインを削除
該当のプラグインを削除

次に表示される確認画面で「削除」をクリックすると、フォルダが削除されます。

「削除」ボタンをクリックして完了
「削除」ボタンをクリックして完了

管理画面の「プラグイン」または「テーマ」画面に戻ると、ソフトウェアが無効化され、ファイルが削除されたことを確認することができます。

プラグインの無効化を伝える通知
プラグインの無効化を伝える通知

これで、目的のプラグインまたはテーマを再アップロードすることができます。「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーは表示されなくなるはず。

なお、アップロードを完了してからの数日間は、既存のプラグインとの互換性に問題がないかどうか、サイトのパフォーマンスをよく監視してください。Kinstaを利用している場合は、Kinsta APMでパフォーマンスを簡単に監視することができます。

まとめ

プラグインやテーマのインストール時に、「インストールに失敗しました: 目的のフォルダーはすでに存在しています」エラーが表示されても、大丈夫。既存のフォルダを削除すれば、インストールを続行することができます。

このWordPressエラーの解決方法は、以下の4通り。

  1. 既存のフォルダをアップロードされたファイルで置き換える
  2. FTPクライアントまたはcPanelを使用して、既存のフォルダを削除する
  3. WP-CLIを使用して既存のフォルダを削除する
  4. File Managerプラグインで既存のフォルダを削除する

このエラーのトラブルシューティングを行う際、使用しているサーバーによっては、お問い合わせからログイン認証情報を確認しなければならないことがあります。Kinstaのホスティングプランなら、コントローラーパネル「MyKinsta」から、SFTPとWP-CLIの使用に必要な情報を簡単に確認することができます。