インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、現代の私たちの日常生活に密接に関わっています。たとえば、Instagramを使いたいとき、Amazonで買い物をしたいとき、外国に住む友人とオンラインゲームで遊びたいとき、あるいは海外のクライアントとウェブ会議を行いたいときなど、インターネットライフを快適にするあらゆる機能を提供してくれる、縁の下の力持ちです。
インターネットは、仕事にしても普段の生活にしても、ほとんどの人が当たり前のように使用していますが、すべてはISPによって実現しています。
ということで、今回はISPを取り上げます。ISPの仕組みや必要性、そして優れたISPを選ぶコツなどについてご説明します。
ISPとは
インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、ユーザーがインターネットにアクセスして利用できるように、さまざまなサービスを提供する企業です。個人所有、地域所有、営利、非営利など形態はさまざまで、提供サービスにはインターネット接続、ウェブホスティング、トランジット、メールサービス、プロキシサーバー、コロケーション、ドメイン登録などがあります。
一言で言えば、ISPなしにはインターネットに接続できず、オンラインゲームやSNS、通販などを楽しむこともできません。
代表的なISP
日本の代表的なISPには、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、KDDIなどが挙げられますが、米国の場合は以下のような組織が有名です。
- AT&T:米国最大のISPの一つで、多くの州で数百万人の顧客にデジタル加入者線(DSL)ブロードバンド、固定、光ファイバー無線などのサービスを提供している。
- Verizon:光ファイバーサービスの提供を開始した最初のISPの一つ。米国各州に拠点を置き、3,000万人以上の顧客にサービスを提供。高速DSLサービスもあり。
- Xfinity:インターネット、ケーブルテレビ、ワイヤレス、電話サービスを提供しており、約40州で約5,000万人以上が利用。20Mbpsから数百Mbpsの超高速インターネットサービス。
- Spectrum Internet:2014年に創業され、41州2,500万人以上の顧客を持つ。法人用と個人用の両方でさまざまなファイバーサービスとブロードバンドサービスを提供している。
- CenturyLink:36州で約5,200万人がDSL、光ファイバーサービスを利用。また、DIRECTVとのセット利用も可能。
ISPの起源
インターネットは当初、政府や一部の大学の研究部門で使用する目的で開発されましたが、次第に大学の学部や組織の職員にアクセスを提供し始めたことをきっかけに、他の組織や企業も間接的、直接的に利用するようになりました。
1980年代には、商業や公共利用でも促進され、規制当局は1991年までにインターネット利用に対する一部制限を撤廃し、一般ユーザーもWorld Wide Webを通じてインターネットにアクセスできるように。
当時米国では、America Online(現AOL)などのISPしか存在せず、電話回線を利用したダイヤルアップ接続で限定的なアクセスを提供していました。徐々に接続速度とオプションが増え、ケーブル経由のブロードバンドやDSLモデムのような先進技術を使ったインターネット経済が誕生し、1995年にはついに商用トラフィックからのインターネット利用制限が撤廃されました。
ISPの種類
90年代のISPは、ダイヤルアップサービス、通信事業者によるDSL、ケーブルテレビ会社提供のブロードバンドの3種類でした。しかしその後の20年間で、低速なダイヤルアップは衰退し、それ以外の選択肢が主流になっています。
主なISPの種類には、以下のようなものがあります。
ダイヤルアップサービス
ダイヤルアップインターネットは、電話回線を使用してインターネットに接続します。接続の確立にはモデムを使用し、アクセス番号(電話番号に似たもの)をダイヤルする必要があります。DSL接続の場合とは異なり、インターネットに接続している間は、その番号で電話をかけることはできません。
ダイヤルアップは固定電話から簡単にアクセスでき、安全かつ費用対効果も上々です。しかし速度が非常に遅く、インターネットの最大速度は56kbpsに制限されます。ウェブページやアプリによっては読み込みに時間がかかりすぎて、タイムアウトすることも珍しくありません。
これにより、多くの人は他のサービスを利用しています。2021年のStatistaによる調査では、米国でダイヤルアップを利用している世帯はわずか1.9%。ブロードバンドが利用できない地方の一部で利用されているものの、そうでない地域では使用されていません。
DSLサービス
デジタル加入者線(DSL)は、電話回線を通じてインターネット接続を可能にします。多くの住宅にはすでに電話接続用の配線があるため、このサービスは広く利用されおり、従来の通信事業者が提供しています。
DSL技術の場合は、電話信号が使用しない余分な信号を利用しています。DSLルーターを使用し、電話ケーブルを通して電話ジャックに接続するため、電話で通話中や、電話がかかってきている際にもインターネットを利用することができます。
DSLは、ユーザー間で共有されることはなく、他にインターネットにアクセスする手段がない場合には、最善の選択肢になり得ます。DSLサービスは、平均的な速度でインターネットを利用でき、高価な機器を購入する必要もありません。モデムを入手するだけで、電話回線を使ってインターネットに接続できます。なお、DSLサービスを利用する際は、速度が距離に影響するため、ISPが近くにあることを確認する必要があります。
昨年発表されたStatistaの別の調査によれば、米国の一般ユーザーの約57%がDSLやケーブルなどのブロードバンドを利用しており、最も人気のある選択肢になっています。
ブロードバンドサービス
ケーブルテレビ会社は、一般的にブロードバンドを提供しています。このサービスは同軸ケーブルを使用し、ケーブルテレビを家庭に届けています。ブロードバンド接続サービスまた、信頼性に優れ高速なインターネットサービスも提供しており、自宅やオフィスでさまざまな作業を行うことができます。インターネットの速度は、1Mbpsから100Mbpsに達することも。
ブロードバンドを利用する利点は、レイテンシが少ないことです。サイトにアクセスしたり、動画を見たり、オンラインゲームをプレイしたりといった特定の操作を実行する際、通常読み込みを待つ時間が短くなります。
ブロードバンドには幅広い用途があり、インターネット利用者の間で人気があります。先ほどの統計でも、50%以上のユーザーがブロードバンドを利用しています。このサービスは利用する地理的な場所にも左右され、近隣のユーザー間で共有され割り当てられた帯域幅が全員に分配される仕組みになっています。そのため、ユーザー数やトラフィックが少ないほど、インターネット接続は高速になります。
また、インターネットやケーブルテレビのようなサービスをセットで利用することができるため、総合的な利用料金がお得になることがあります。
光ファイバーサービス
光ファイバーの技術を用いたインターネット接続は、最速のサービスです。光ファイバーを提供するISPは、銅線ではなく、ガラス繊維で作られた光ファイバーケーブルを使用し、光の速度でデータ伝送を行います。光ファイバーを選択するメリットには、主に以下のようなものが挙げられます。
- 電磁干渉への耐性
- 毎秒ギガバイトのような高い帯域幅能力
- 最大150マイルの高い伝送信号
- 一貫性と信頼性
光ファイバーでは、最高速度のインターネットを最小限のレイテンシで利用できます。オンラインゲーム、ウェブ会議、動画配信などのレイテンシもほぼありません。動画の同時配信、大容量ファイルの共有、自宅やオフィスでのIoTデバイスの使用などを可能にする最大帯域幅とサポートで、高負荷のインターネット利用に対応できるように構築されています。
現在では、海底を走る光ファイバーで国同士の接続を確立し、干渉なしで驚異的なスピードを実現するなど、目覚ましい進歩を遂げています。しかし、光ファイバーは他の選択肢と比べて高価で、光ファイバー接続が可能な地域や施設は少ないのが現状です。
加えて、この技術が一般ユーザーに届くような配線設備されていない地域もまだ多く、比較的新しい技術であるため、衛星アンテナを通じた利用可能性を高める取り組みがなされています。
光ファイバー接続の代表例はGoogle Fiberで、多くのDSLサービスやケーブルサービスと同程度の価格で、フルギガバイトの帯域幅を提供しています。2021年の報告書によれば、多くの国でブロードバンド契約のうち光ファイバーの利用率が30%を超えています。
衛星インターネットサービス
衛星インターネットは、インターネットとユーザー間のデータ伝送に静止衛星を利用します。
データは宇宙から地球まで2万2,000マイルの距離を移動するため、かなりのレイテンシを引き起こす可能性があり、すべてのインターネット接続の中でも最も高いレイテンシを引き起こすことが予想されます。速度は天候に大きく左右されるだけでなく、ネットワークの混雑状況にも影響を受けます。
衛星のもう一つの欠点として、帯域幅に限りがあり常に接続が妨害される可能性があります。仕事やオンラインゲームのプレイなど、一貫した接続性が必要になる場合は、衛星インターネットは不向きです。
その一方で、地方や砂漠、山間部、農場など、ある程度遅くてもインターネットを利用できれば問題ないという場合には、うってつけの選択肢です。モバイルインターネットやダイヤルアップ接続よりも優れた選択肢になり、超高速とはいきませんが環境への影響が少なく、場所の自由度が高いというメリットがあります(自然災害後の復旧センターにも適している)。
Wi-Fiサービス
Wi-Fi接続を提供するISPも存在します。モデムが不要なため、複数のユーザーが簡単かつ柔軟にインターネットを利用できます。Wi-Fiにより、移動しながら利用することも可能です。最近では、小さなポケット型のルーターでWi-Fi接続を行えるため、どこにでも持ち運ぶことができ、好きな場所で仕事をすることができます。
さらに、Wi-Fiは世界各地で政府、ホテル、レストラン、駅などで無料提供されています。これにより、さらに多くの人がインターネットに接続でき、インターネットサービスを購入する予算がない人にはありがたい存在です。
アクセスサービス
アクセスサービスは、コンピューターモデム、光ファイバー、テレビケーブル、電話回線など、ユーザーの接続を確立するために様々な技術を用いてインターネットアクセスを提供します。中小企業や個人は、ダイヤルアップ用の銅線、ケーブルモデム、非対称デジタル加入者線(ADSL)などの一般的な選択肢を使用することができます。
一貫した高速インターネットを必要とする大中規模の組織には、イーサネット、より高速なDSL、同期光ネットワーク(SONET)などを提供。さらに、衛星インターネット接続を災害復旧や無線アクセスなどに利用することもできます。
ウェブホスティングサービス
ウェブホスティング会社は、ウェブホスティングソリューション、オンラインストレージシステム、メールサービス、クラウドソリューション、サーバー運用、仮想サーバーなどのサービスを提供するISPとしても機能します。Kinstaはこれに当たり、卓越したパフォーマンス、速度、スケーラビリティ、柔軟性を提供するホスティングサービスは多数あります。
メールサービス
メールサービスでは、メールボックスのストレージを確保し、メールドメインをホストすることができます。組織や個人向けにメールの送受信、保管を行うメールサーバーを提供しています。
IPトランジットサービス
ISPには階層構造があります。消費者がインターネットサービスに料金を支払うのと似ていますが、自社のネットワークを拡張したい契約ISPは、料金を支払って大規模なネットワークを持つアップストリームISPから、アクセスを提供してもらうことができます。
階層構造は以下のようになっています。
- Tier 1(第1階層)
- Tier 2(第2階層)
- Tier 3(第3階層)
- ネットワーク
- ISP
仮想ISP
仮想ISP(VISP)は、他のISP(またはホールセール型ISP)からサービスを購入し、VISPユーザーは、ホールセール型のISPが運営・所有するインターネットを利用します。
これには、音声通信を可能にする地域電話会社や、仮想移動体通信事業者などが該当します。
ISPの仕組み
先に述べましたが、ISPにはさまざまな階層があります。ここからは、ISPがどのようなもので、どのように運営され、エンドユーザーにインターネットサービスを提供しているのかを掘り下げてみます。
- Tier 1─最上位のISPで、ピアリング契約を通じてインターネットネットワーク全体にアクセス可能。日本での代表例はNTTコミュニケーションズで、世界的にはVerizon、Deutsch Telekom、Bhartiがある。
- Tier 2─Tier 1のISPからネットワークアクセスを購入する。家庭、個人、企業などは通常この階層からインターネットサービスを購入(Tier 1のISPが直接エンドユーザーにサービスを提供することも)。
- Tier 3─上位ISP(Tier 2)からネットワーク帯域幅を購入し、エンドユーザーに販売する。
考え方として、ISPは一定の料金でユーザーにインターネット接続を提供するゲートウェイ、またはアクセスポイントです。サービスが連携し合うことで、消費者にインターネット接続を提供しています。
続いては、ISPの仕組み。
インターネットトラフィックは、家庭や企業のネットワークから情報の目的地に到達するまで、多数のPoP(Point of presence)を通過します。モデムからTier 3、Tier 2、そしてTier 1ネットワークへとルーティングされることもあり、情報の取得後は、目的地にたどり着くまでにまた異なるISPを経由します。
接続性の確保には、ケーブル、電話回線、DSL、衛星、光ファイバー、Wi-Fiなど、さまざま技術が利用されます。
現在、エンドユーザーは、インターネットサービスとの確立を確立するためには、モデムとアカウントが必要です。モデムには、ISPに接続するためのケーブルコンセントまたは電話線があります。
アカウントでは、ISPがモデムに割り当てた固有のIPアドレスを確認できます。このような仕組みにより、一般ユーザーが気軽にインターネットにアクセスし、仕事でもプライベートでもインターネットを楽しむことができています。
ISPの役割
ビジネスを経営する場合も、単にブラウジングを楽しむ場合にも、必要なのは安全で安定したインターネット接続。スマートフォン、ノートパソコン、ビジネス機器、自宅のIoT機器など、あらゆるものにインターネットが必要であり、それを提供してくれるのがISPです。
一般に、利用料金を支払えば、複雑な処理はすべてISPが担ってくれます。また、サイト運営者の視点からは、ISPは訪問者が製品やサービスを検索・購入したり、記事を読んだりする際のユーザー体験の改善にも貢献してくれます。
続いて、ISPを利用するメリットをご紹介します。
強固なネットワークセキュリティ
サイバーセキュリティに関する問題は、近年急激に増えており、悪質業者の手口も絶えず変化しています。評判の良いISPによる安全な接続を使用することで、ネットワークとすべてのデータを保護することができます。
優れたISPは、暗号化、プライバシーポリシー、監視機能などの堅牢なセキュリティメカニズムを持っています。機能と性能はISPによって異なります。
高い帯域幅
ビジネスのすべての業務を支えるには、十分な帯域幅、そして十分な速度が必要です(仕事に限らず日常生活でも)。優れたISPのサービスを利用すれば、十分な帯域幅とスピードを確保し、作業を効率化することができます。
豊富な選択肢
ISPは通常さまざまなサービスを提供しており、個人または法人など、要件に基づいてプランを選ぶことができます。例えば、ビジネスには優れたスピードと帯域幅が確保でき、さらに事業の規模に応じたプランを選択できるのが一般的です。
信頼できるネットワーク
優れたISPを利用すれば、サーバーのダウンやレスポンスの遅延などの問題に遭遇することはほぼありません。高い信頼性と稼働率が保証され、さらに自動フェイルオーバーシステムにより、リンクがダウンしてもトラフィックを迂回することができます。
ビジネスを促進
一貫した質の高いユーザー体験を顧客に提供することは、提供サービスの改善にもつながります。売上、収益、ブランドに対する顧客ロイヤルティは、ビジネスの原動力。また、従業員も仕事がしやすくなり、生産性が向上する可能性もあります。
ISP用語集
ISPの分野では、以下のような用語が使用されます。
- ブロードバンド:インターネットサービスの一種。ダウンロード速度は最低25Mbps、アップロード速度は最低3Mbps。
- Wi-Fi:スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、バーチャルアシスタントなどの端末をインターネットに接続するためのワイヤレスインターネットサービス。電波を飛ばすルーターが必要。
- 帯域幅:ネットワークが一度に送信するデータ量
- パケット:インターネットを介して送信されるデータの伝送単位。パケットが目的地に届かないことを「パケットロス」と言い、レイテンシや速度低下が生じる。
- データ上限:インターネットサービスのプランには1ヶ月に使用できるデータ量の上限が設定されています(プランによっては無制限のものも)。
- バンドル:インターネット接続やケーブルテレビ接続など、複数のサービスをバンドル(日本語で「束ねる」という意味)で提供するISPがある。バンドルサービスには、VolP(Voice over Internet Protcol)、ホームオートメーション、セキュリティプロトコルの強化など。
- ADSL(非対称デジタル加入者線):家庭向けのDSLサービス。アップロードとダウンロード速度が高速。
- SDSL:企業向けDSLサービス。アップロードとダウンロードの速度が同等であるのが特徴。クラウドバックアップやオペレーションなどのプロセスを高速化することができる。
- 一貫性:ISPのインターネットサービスがどれだけ信頼できるかを示す。
- ダウンロード速度:データをダウンロードする速度。インターネットで何かを検索したり、動画をビデオをストリーミング再生したり、オンラインゲームをしたり、ページを閲覧したり、音楽を再生したりする場合には、データのダウンロードが必要になる。
- アップロード速度:写真を友人に共有するなど、インターネットを介して情報を送信する速度。
- レイテンシ:ウェブページにアクセスする際など、インターネットから情報を要求するときに発生する遅延。
- Mbps、Kbps、Gbps:メガビット/秒(Mbps)は、ネットワーク経由でデータが移動する際のアップロードとダウンロードの速度を秒単位で表す。1Mbpsは1000kbps(キロビット/秒)、1000Mbpsは1ギガビット/秒(Gbps)に相当する。
- ホットスポット:インターネットにワイヤレス接続できる物理的な場所。
- モデム:モジュレータデモジュレータの略で、コンピュータ、スマートフォンなどのデジタル機器でのデータ伝送を可能にし、インターネットで使うデジタル信号を相互変換する電子機器。。ルーターと同じ機器内で使用できる。
- ルーター:モデムと接続し、電波を利用してワイヤレス接続を可能にする装置。
- VoIP:Voice over Internet Protcolの略。電話回線ではなくブロードバンドサービスを使用して電話をかけたり応答したりできる技術やアプリ。使って電話をかけたり応答したりできる技術やアプリ。
- スロットリング:ISPがインターネット接続の速度を低下させること。主に以下のような状況で起こる。
- データ容量の上限に達した場合
- 夕方、週末、休日などのピーク時にデータ使用量が多い場合
- ファイル共有、トレントなどの違法行為が疑われた場合
- 主に帯域幅を確保する目的で意図的にサイトの速度が下げられた場合(業務効率化プラットフォームなど)
ISPの選び方
優れたインターネット接続とサービスを利用するため、ISPは慎重に選びましょう。以下のような点を考慮してみてください。
接続タイプ
インターネット接続のタイプは、まず最初に考慮すべき点です。上でご紹介したとおり、ブロードバンド、光ファイバー、ケーブル、ダイヤルアップ、衛星、DSL、銅線ベース、ワイヤレスなど多数あります。
超高速通信が必要な場合は、光ファイバーや、ケーブルや銅線を使ったブロードバンドがおすすめです。ただし、利用する場所の地域でサポートされているかどうかは確認しなければなりません。
可用性
都市部であれば、利用状況、予算、要件に応じて、多数の選択肢がありますが、地方の場合は、選択肢が限られる可能性が高いです。ISPを選ぶ際には可用性の調査も大切です。
当然ですが、利用する地域で利用可能なインターネット接続を選択してください。都市部を離れると、ブロードバンド、衛星、4G LTE、ダイヤルアップなど、選択肢が少なくなります。
利用できるかどうかを確認した上で、評判の高いISPを選択してください。
速度
次に重要になるのは速度でしょう。仕事にインターネットを利用する場合は、すべての業務、システム、サービスが常にスムーズに動作するよう、優れたスピードが必要になります。予期せぬ障害によってデータを失うことのないよう、クラウドバックアップサービスを提供してくれるISPがおすすめです。
また、速度は物理的な場所にも影響を受け、都市部であれば数千Mbps程度、地方であれば数Mbps程度になります。
したがって、プランで提示されている速度や帯域幅だけでなく、可能であれば自分でテストを行ってみてください。満足のいかないサービスに高額な利用料金を払うことになる前に、スピードテストを実施し、どのくらいの速度が期待できるかをチェックしておきましょう。
アップロードとダウンロードの速度は異なるため、アップロードとダウンロードの速度についても確認することが大切です。仕事で利用する場合は、ウェブの閲覧だけでなく、情報の共有、サイトやアプリの変更、ウェブ会議への参加などをスムーズに行えるよう、アップロードとダウンロードの両方が高速でなければなりません。
趣味や日常生活で利用する個人の場合は、情報を送信(アップロード)するよりも、サイトの閲覧やゲーム、動画の配信などで情報をダウンロードする速度の方が重要になるため、ダウンロード速度に注目しましょう。
料金
何に投資するにしても、料金は常に重要な決め手となります。中小企業や個人であれば、仕事を遂行するのに十分な帯域幅と速度を提供してくれる手頃なプランで十分でしょう。
大企業で業務を推進するのに高速接続が求められる場合には、堅牢なネットワーク、帯域幅、速度などの観点から、最高クラスのISPが望ましいです。
適したISPを選ぶには、自宅または職場で利用可能な接続タイプでサービスを提供するISPの価格と機能を比較し、価格と機能のバランスが良いものを選びましょう。
透明性
また、優れたISPは、自社の責任とサービス内容を明確に定義するサービスレベル契約(SLA)を提示しています。SLAに目を通し、以下のような点を確認することで、混乱や摩擦を避けることができます。
- アップロードおよびダウンロード速度
- サービス配信に持続的な遅延が発生しない旨
- パケット伝送速度のテスト
- ネットワークの保護
- ネットワーク上における制限
- 明確な支払い条件
- サービスを停止する時間
- サービス復旧のためのプロトコルなど
SLAは、利用者とサービスを提供する企業間での合意を確立するもので、稼働率、パケットロス、レイテンシ、応答時間など、サービスに関する情報が詳細に記載されています。これにより両者間でのサービスの透明性が高まり、真にどのようなサービスを利用できるのかがわかります。
しかし、すべてのサービスがSLAを提供しているわけではなく、最初に提示された以上の料金を請求される可能性もあります。隠れた料金やサービスの制限などがあるかもしれません。
SLAにしっかり目を通した上で、利用するサービスを決めてください。
FUP
Fair Use Policy(FUP)とは、インターネット接続リソースをユーザーが公平に利用するための規約です。
大容量のデータを消費した後、インターネットの速度が低下した、という経験があるかもしれません。これは、スロットリングによるものです。
ISPが無制限のプランを提供していても、大量のデータを消費すると、速度制限がかかることがあります。これは、ISPが供給できる帯域幅に上限があるため。1人のユーザーがすべての帯域幅を消費すれば、他のユーザーのインターネット体験が低下してしまいます。
このような事態を避けるため、そのようなユーザーのインターネット速度を下げ、すべてのユーザーが公平に利用できるようにします。とはいえ、日常的にインターネットを利用するユーザーが、何時間も動画を再生したり、SNSをスクロールしたりする程度では、速度は低下しません。
カスタマーサポート
カスタマーサポートもまた、軽視できない要素です。インターネット接続が頻繁に中断されたり、数時間にわたってダウンしたりすると、ビジネスに致命的な打撃を与えかねません。競争力が試される今日のビジネス環境では、サイトの稼働率は重要ですが、時には不測の問題が発生することも。そんなときに速やかにカスタマーサポートを利用できると便利です。
ISPを選ぶ際には、知識豊富で親切なスタッフによるサポートをチャット、メール、電話など、さまざまなチャネルを通じて利用できるかどうかを確認してください。Reddit、Quora、Googleなどで評判を調べて、利用者がカスタマーサポートに対してどのような感想を述べているかを確認した上で、最終決定を下しましょう。
現在利用しているISPの確認方法
現在利用しているISPがわからない場合には、スピードテストを実行すると、ISP名とアップロードおよびダウンロード速度が表示されます。テストツールには、Ooklaなどがおすすめです。
また、whoismyisp.orgのようなIPアドレスを調べることができるサイトも多数あり、これでもISP名を確認できます。
ISPに関するよくある質問
最後に、ISPに関するよくある質問とその回答をご紹介します。
1. ISPにはどんな情報が公開されますか?
ISPには、IPアドレスが公開されます。これにより、消費したコンテンツや訪問したサイトのような閲覧履歴など、オンライン上での行動も追跡することができます。
ISPによる顧客ベースの追跡は、データ保護法で認められており、ユーザーデータを第三者に販売することを許可している国もあります。
これに抵抗がある場合は、プロキシやVPNを利用することで、自分のIPアドレスを隠すことができます。また、プライバシー重視の安全なブラウザや検索エンジンに切り替えて、ISPによる追跡を回避する手もあります。
2. 全国規模のISPと地域ISPの違いはなんですか?
全国規模のISPは、国内各地のユーザーにインターネットサービスを提供しています。競争力のある価格でユーザーの要件を満たす堅牢なインフラと機能を持っており、信頼性にも優れていますが、利用地域によってはサポートされていない可能性もあります。
一方、地域ISPは、地方の小さな地域を対象にインターネットサービスを提供しています。全国規模のISPとの違いとして、サービスエリアがやや狭くなります。
3. インターネットサービスの料金相場を教えてください。
インターネットサービスの料金は、ISP、プランの速度、場所、接続タイプ、機能などによって異なります。光ファイバーやブロードバンドのような高度な接続性を備えたプランは、高額になります。同様に超高速な接続を求める場合は、平均あるいは低速のプランと比べて、当然料金が上がります。
平均して、光ファイバー、衛星、ケーブルのインターネットサービスは月額20〜数百ドル、DSLは月額50ドル程度かかります。
4. インターネットサービスに必要な機器はありますか?
必要になる機器は、ウェブと通信するためのモデム。それ以外には、ノートパソコンやスマートフォン、ゲーム機など、インターネット接続機能を持つデジタル機器が必要になります。
タブレットやスマートフォンなどのワイヤレス機器の場合は、Wi-Fiルーターが必要です。最近では、ルーターとモデムの両方を内蔵したゲートウェイが一般的に使用されています。
また、機器をルーターに接続するための同軸ケーブルまたはイーサネットケーブルも必要になります。
その他の設定では、以下のような機器も必要になるかもしれません。
- 衛星接続用のアンテナ
- 光ファイバー用の光ネットワーク端末(ONT)
- DSL用のラインフィルター
まとめ
インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、今日切っても切り離せないインターネットの世界への扉を開いてくれる存在。インターネット接続サービスを提供することで、ビジネスと継続的な顧客へのサービス提供を支援してくれています。
通販、SNSでの交流、オンラインゲーム、どのような目的であっても、ISPはインターネット利用にセキュリティ、スピード、信頼性を与えてくれます。
ISPを選ぶ際には、職場や自宅など、利用する場所をサポートしている接続タイプ、速度と帯域幅、カスタマーサポート、SLAなどを確認し、要件と予算に応じたものを選んでください。
ISP選びの際に役に立ったISPに関する知識はありますか?以下のコメント欄で、ぜひお聞かせください。