ウェブ上で圧倒的な地位を誇るのがPHPです。全ウェブサイトの79%の稼働に貢献しているとのことです。これを柔軟に活用するために、開発者により、よく使われる関数を整理するかたちでPHPフレームワークが用意されています。
今日最も影響力のあるPHPフレームワークの2つとして、CodeIgniterとLaravelが挙げられます。その卓越したサービスは、インターネットに大きな恩恵をもたらしました。
ウェブアプリケーションの開発技術を探していたり、ウェブ開発のキャリアを追求したいのであれば、どちらも注目の価値ありです。しかし、ここで疑問が生じます。この2つのどちらを利用すべきでしょうか。
この記事では、それぞれのフレームワークのアーキテクチャ、主な機能、違い、そして利用者層を検証することで、その疑問にお答えしたいと思います。
それでは、CodeIgniterとLaravelを深く検討してみましょう。
CodeIgniterとLaravelについての動画での解説もご用意しています。
CodeIgniterとは
CodeIgniterはPHPフレームワークであり、他のPHPフレームワークと同様に、同じPHPコードを繰り返し書くこと面倒さを回避できます。PHPフレームワークであるにもかかわらず、フットプリントは驚くほど小さく、パフォーマンスの高さが特徴です。
2006年2月28日、EllisLabがCodeIgniterウェブフレームワークを発表しました。しかし2014年、CodeIgniterの権限はブリティッシュコロンビア工科大学(BCIT)に移譲されています。そして現在に至るまで、BCITがCodeIgniterの全バージョンのリリースとメンテナンスを担当しています。
CodeIgniterは、包括的な機能の付帯する、シンプルで魅力的なPHPツールキットが欲しい場合に便利な選択肢です。他のPHPフレームワークと類似点があるものの、CodeIgniterには多くの強みがあり、市場を代表するフレームワークの1つとなっています。
他の多くのPHPフレームワークと同様に、CodeIgniterはモデル・ビュー・コントローラ(MVC)アーキテクチャに基づいています。したがって、ユーザーがリソースをリクエストすると、コントローラが最初にこれに反応します。つまり、コントローラが、必要なデータをリクエストする前にユーザーのリクエストを評価するということです。
CodeIgniterは、わかりやすいユーザーインターフェースを誇り、ライブラリを、プラグイン、ヘルパー、その他のリソースとともに組み合わせて利用することができます。高いパフォーマンスを維持しながら、PHPの複雑な関数の使用を可能にします。
CodeIgniterの主な機能
CodeIgniterの主な機能を見ていきましょう。
- MVCに準拠:CodeIgniterのMVCフレームワークは、ロジックモジュールとプレゼンテーションモジュールを分離することで、ウェブサイトの開発を加速し、パフォーマンスを向上させます。コントローラがリクエストを処理し、データベースがモデルのアクションを実行し、ビューが出力を担当します。
- 軽量:CodeIgniterのコアシステムは、少数の小さなライブラリを使用し、必要に応じて追加のライブラリをロードするため、無駄がなく高速です。そのため、CodeIgniterは高速なウェブアプリだけでなく、実用最小限のプロダクト(MVP)やプロトタイプも作成できます。
- 組み込みのセキュリティ:CodeIgniterは暗号化と復号機能があるため高い信頼性を誇ります。ウェブアプリケーションを保護するために、XSSフィルタリング、CSRF対策、パスワード処理、入力データ検証機能を備えています。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング攻撃、リモートコード実行のような脅威によるリスクを抑えることが可能です。
- ライブラリとヘルパー:CodeIgniterは、フォーム、配列、ファイル処理、クッキー、文字列、ディレクトリなどの組み込み関数でコーディングを簡素化します。CodeIgniterには、ライブラリやヘルパーの構築や変更に必要なすべてのツールがあり、オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)であるExpressionEngineによりそれらを使用することができます。
- 簡単な移行:CodeIgniterを使えば、あるサーバーから別のサーバーへの移行も簡単です。CodeIgniterはシームレスな移行支援を支援するので、多くの企業がCodeIgniterを選択しています。古いデータもこのフレームワークに簡単に移行可能です。また、移行に問題がある場合は、大規模かつ活気溢れるコミュニティに助けを求めることもできます。
- テスト駆動型の開発:CodeIgniterはテスト駆動型の開発に強く、ステップバイステップのテストシステムを採用しています。段階的なプロセスと広範なテストを使用して、開発段階でウェブサイトのパフォーマンスを評価可能です。
- データベース抽象化レイヤー:CodeIgniterにはデータベース抽象化レイヤーがあり、SQLコードを書かずにデータの作成、挿入、更新、削除ができます。MySQL、MSSQL、Oracle、MySQLi、PostgreSQL、SQLiteなど、同じアプリ内で異なるデータベースを連携させるのが簡単です。
- 学習が簡単:CodeIgniterを学び、短期間で優れたアプリケーションの開発を始めることができます。PHPの経験があれば、簡単に習得できる仕様です。
- 詳細なドキュメント:CodeIgniterの包括的かつ詳しいドキュメントを参照することで、フレームワークをセットアップし素早く使いこなすことができます。
- コミュニティサポート:CodeIgniterには豊富なコミュニティサポートがあります。このフレームワークでの高度な開発で問題に直面した場合、熟練の開発者に相談することが可能です。
どこでCodeIgniterが利用されているのか
2006年の設立以来、CodeIgniterは新たな開発者から有名な業界人まで、あらゆる人にサービスを提供してきました。今では多くの企業がCodeIgniterを活用しています。
CodeIgniterの利用されている場所として、有名なものを見てみましょう。
- Search Engine Optimization, Inc.
- カリフォルニア州立大学
- NetSuite Inc.
- カシオ計算機
- The Mail & Guardian
- 日産自動車
- NetSuite Inc
- Freedcamp
- McClatchy
- Buffer
Laravelとは
Laravelは、PHPを簡素化し、開発プロセスを容易にするPHPフレームワークです。PHPでアプリケーションを開発する際に、ゼロからすべてを記述する手間を省くために様々なコンポーネントやテンプレートを提供しています。
Laravelの豊富なエコシステムと多数の互換性のあるパッケージや拡張機能により、多くの開発者が開発プロセスを加速させるためにLaravelを好んで使用しています。LaravelはPHPを用いた開発を高速化し、開発者を次のレベルへと導いてくれます。実際、LaravelはPHPが衰退するのを防ぐ上で大きな役割を果たしているでしょう。
CodeIgniterのように、Laravelの開発はMVCアーキテクチャを使用したものです。これにより、開発プロセスが簡単になります。プレゼンテーションレイヤーとビジネスロジックが分離されています。
PHPでゼロからウェブサイトを作成するとき、UIとデータベースクエリの両方が1つのファイルに含まれていることに気づくでしょう。MVCパターンを使えば、これを3つのコンポーネントに分け、アプリ開発をより簡単に整理することができます。
さらに、他の最新のウェブ開発フレームワークとは異なり、Laravelでは生のSQL、クエリビルダ、Eloquent ORMをMariaDBやMySQLなどのサポートされているデータベースで使用することができます。
Laravelの主な機能
Laravelには、美しく堅牢なウェブエクスペリエンスを可能にする機能がいくつも組み込まれています。Laravelフレームワークの重要な点をいくつか見ていきましょう。
- テンプレートエンジン:Laravelの軽量テンプレートエンジンであるBladeは、非常に魅力的です。これを使用して、整ったレイアウト、統合型CSS、堅牢なJavaScript構造を作成できます。さらに、動的テンプレートエンジンを使用することで、スクリプトなしでレイアウトを変更、微調整、クリーンアップ可能です。
- オブジェクトリレーショナルマッピング(ORM):Laravelのオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)により、データベースの操作を簡単に行うことができます。SQLの代わりに、PHPでデータベースクエリを書くことが可能です。また、マッチするモデルを割り当てることで、プログラムとデータベースのテーブルを結合し、以前のPHPフレームワークよりも高速化を実現しています。
- MVCアーキテクチャ:LaravelのMVCアーキテクチャは、外観とビジネスロジックを分離し、開発をスピードアップする代物です。ドキュメントの強化、様々な組み込み機能の導入、セキュリティとスケーラビリティの向上、パフォーマンスの改善につながります。また、MVCは構造的なコーディングを後押しするもので、大規模なプロジェクトの管理が容易になります。
- データ移行:Laravelには、PHPコードを使用してデータベース構造を変更できるマイグレーションシステムがあります。Laravelスキーマビルダーは、データベースを記憶することなくマイグレーションを可能にします。この自動プロセスにより、中断や損失なく操作を実行することができます。
- 組み込みパッケージ:Laravelには、コードをクリーンに保つのに役立つ多数のビルトインパッケージが含まれています。例えば、Socialiteパッケージを使えば、シングルクリックのサインアップシステムを通して、FacebookやGoogle認証をウェブサイトに統合できます。
- 強力なセキュリティ:Laravelの最も重要な機能はセキュリティです。Laravelでは、ビルトインのセキュリティシステムを通して、ウェブサイトのセキュリティを内部で処理します。例えば、ハッシュ化やソルトシステムは、パスワードをプレーンテキストで保存できないLaravelの保護に寄与します。同様に、Laravelはすべてのリクエストとプロセスを傍受することで、ハッカーが遠隔操作でサーバーに悪意のあるコードをインストールするのを防ぎます。
- Artisan:Laravelで繰り返し使うことになるタスクを合理化し、自動化してくれるコマンドラインツールです。Symfony Consoleコンポーネントがこのツールを動かしています。たとえば、MVCファイル構造やデータベーススキーマを生成し、コードマイグレーションを実行し、要件に従ってアセットを管理することができます。
どこでLaravelが利用されているのか
高い人気を誇るウェブ開発フレームワークであるLaravelは、大きな需要を生み出しており、あらゆる規模の企業がLaravelを活用しています。
Laravelを採用している大企業には、以下のようなものがあります。
- BBC
- Pfizer
- Novell, Inc.
- TourRadar
- 9GAG
- Alpha Coders
- About You
- Laracasts
- Alison
- Invoice Ninja
CodeIgniterとLaravelを真っ向から比較
CodeIgniterとLaravel、それぞれの特徴、アプリケーションについて理解したところで、続いては、特定の側面について比較対照してみましょう。
類似点
CodeIgniterとLaravelにはいくつかの共通点があります。CodeIgniterとLaravelを比較する前に、まず類似点から見ていきましょう。
CodeIgniterとLaravelの類似点は以下の通りです。
- PHPフレームワーク:CodeIgniterとLaravelはどちらもPHPフレームワークです。したがって、PHPがCodeIgniterとLaravelの両方のコアを動かしています。機能的には異なるものの、どちらも同じ言語を使用しています。
- MVCアーキテクチャ:CodeIgniterもLaravelもMVC開発パターンに従います。しかし、CodeIgniterはMVCパターンに厳密に従う必要はありませんが、LaravelはMVCパターンに大きく依存しています。
- オープンソース:CodeIgniterとLaravelはどちらもオープンソースのPHPフレームワークです。したがって、LaravelとCodeIgniterの両方のソースコードをGitHubで見つけることができます。そして、これらの技術を特定のニーズに合わせて変更したり、適応させたりできます。
- アクティブレコード:CodeIgniterとLaravelはどちらもアクティブレコードのデータベースパターンをサポートしています。これは最小限のスクリプトでデータベース情報の検索、挿入、変更を可能にするものです。CodeIgniterは修正バージョンを使用し、LaravelはEloquent ORMを通してこれを行います。
認証とセキュリティ
認証はウェブシステムのセキュリティにとって重要な要素です。CodeIgniterとLaravelはそれぞれ効果的な認証システムを持っています。
CodeIgniter
CodeIgniterには、Shieldと呼ばれる組み込みの認証ライブラリがあります。セキュアで柔軟性があり、さまざまなタイプのウェブサイトに合うように拡張可能です。
セッションベースの認証、個人アクセストークン認証、ロールベースのアクセス制御、ユーザーごとの権限オーバーライドなど、いくつもの認証機能があります。
ララベル
Laravelには、Laravel Sanctumと呼ばれる認証システムが組み込まれており、認証の実装が簡単になります。アプリケーションのユーザーは、Sanctumで自分のアカウント用に複数のAPIトークンを生成できます。
さらに、LaravelはLaravel-UI、Breeze、JetStreamなどの認証用パッケージを提供しています。これらのオプションを使って自動認証システムを実装することができ、認証のためのコードを書く手間を省くことができます。
拡張性とスケーラビリティ
スケーラビリティとは、アプリケーションのトラフィック、パフォーマンス、全体的なサイズを増加させる能力のことです。コードやアーキテクチャを変更することなく機能を拡張できる能力については、拡張性という言葉がよく使われます。
CodeIgniterとLaravelはどちらも、高い拡張性とスケーラビリティを誇ります。
CodeIgniter
CodeIgniterは非常に軽量です。Rasmus Lerdorf氏が最も軽量なフレームワークとして推奨しているのは、規約や大きなオーバーヘッドがなく、驚くほどスケーラブルだからです。
CodeIgniterではヘルパー、クラス拡張、ライブラリ、フックを利用することができます。また、コアとなるシステムクラスを作成したり、標準関数を置き換えたり削除したり、コントローラを拡張したりすることもできます。
その結果、CodeIgniterではパフォーマンスに影響を与えることなく変更内容をキャッシュすることで高いスケーラビリティを実現できます。
Laravel
Laravelでは、必要に応じてコアコンポーネントを拡張できます。要素を追加したり、好きなように変更したりすることができます。リクエストオブジェクトを変更し、成長させることで、好みのヘルパーメソッドを追加可能です。
Laravelのスケーラビリティは、大規模なアプリケーションに適しています。HAProxyロードバランサでHTTPリクエストのバランスを取ることができます。さらに、トークンベースの認証方法により、セッションの状態を考慮する必要がありません。
さらに、MySQL、AWS、その他の高度なキャッシュ技術を使用することで、Laravelアプリケーションを簡単にスケールできます。
組み込みモジュール
モジュールを使用すると、複雑なウェブアプリケーションを小さなモジュールに分割して、開発をスピードアップすることができます。組み込みモジュールに関しては、CodeIgniterとLaravelは大きく異なります。
CodeIgniter
CodeIgniterはモジュール機能を提供していません。そのため、プロジェクトを複数の作業箇所に分けるのは困難です。
しかし、モジュラーエクステンションを使用して作成すれば、CodeIgniterでもモジュール化は可能です。
Laravel
Laravelにはモジュール機能が組み込まれており、大規模なプロジェクトを小さなモジュールに分割することができます。分割することで、プロジェクト全体を扱うことなく、プロジェクトの中でも特定の部分にだけ取り組むことができます。
モジュラーアプローチを使用するもう一つの重要な利点は、フォルダ構造が付属していることです。したがって、ある機能に特化したクラス、モデル、コンフィギュレーション、翻訳などが他のモジュールと重複するのを避けることができます。
開発のスピードアップに役立つデフォルトのLaravelパッケージの一覧をご紹介します。
- Passport:Laravel Passportを使って、LaravelアプリケーションにAPI認証用のOAuth2サーバーを素早く実装することができます。Alex Bilbie氏のLeague OAuth2サーバーがこれを動かしています。
- Envoy:リモートサーバー上で実行する定期的なアクティビティを設定するのに便利な簡潔な構文が利用できます。Envoyは現在、MacとLinuxのみをサポートしています。
- Cashier:StripeとBraintreeの購読課金システムに対応した、表現力豊かで流れるようなインターフェースが搭載されています。請求コード、クーポン、数量、キャンセル猶予期間、請求書PDFの作成などが可能です。
- Scout:Scoutを使うことで、検索インデックスをEloquentレコードと同期し、Eloquentモデルに全文検索を追加することができます。
- Socialite:Facebook、Twitter、Google、LinkedIn、GitHub、Bitbucket用の使いやすいOAuthインターフェースを利用できます。
学習のしやすさ
PHP学習の経験があれば、CodeIgniterとLaravelの両方にある程度のなじみがあるはずです。しかし、どちらのフレームワークにもそれぞれの特徴があるため、学習のしかたは異なるでしょう。
CodeIgniter
CodeIgniterは学習して作業を開始するまでにかかる時間が比較的短いフレームワークです。多くの点でゼロからPHPで作業するのに似ています。CodeIgniterのインストールプロセスも非常に簡単です。ほんの数秒しかかかりません。
CodeIgniterには組み込み機能がほとんどないため、高度な機能を利用するには、外部からプラグインをインストールする必要があります。この作業が複雑に思えるかもしれませんが、平均して他のフレームワークのプラグインよりも比較的簡単です。
Laravel
PHPとMVCアーキテクチャに精通していれば、Laravelの機能性を簡単に理解することができます。しかし、初心者の場合、Laravel特有のつくりを理解することは一見難しく感じるかもしれません。
例えば、Laravelの予備知識がないと、モジュールの利用を始めるには広範な調査と理解が必要になるかもしれませんし、フォルダ構造を理解するのが困難に感じるかもしれません。
Laravelのインストールは、CodeIgniterのインストールよりも複雑です。しかし、公式ドキュメントからLaravelのインストール手順を確認しながら進めていけば、問題なく進めることができるはずです。
構造と柔軟性
LaravelとCodeIgniterはどちらもアーキテクチャにMVCフレームワークを使用しています。しかし、同じ構造でも使い方が異なります。
CodeIgniter
CodeIgniterは、整然とした環境で最高のパフォーマンスを短時間で発揮する設計です。したがって、開発プロセスの各フェーズで、ユーザビリティが重要視されています。
興味深いことに、CodeIgniterではモデルとビューはオプションです。コントローラだけが必須となります。CodeIgniterはオブジェクト指向プログラミング(OOP)を基本としており、MVCについて特に厳密ではありません。
そのため、CodeIgniterを使うときにMVC構造に完全に依存する必要はありません。もう少し自由で柔軟な開発が可能になります。
CodeIgniterのMVCはデータ、プレゼンテーション、ロジックを分離するもので、メール、データベース、セッションを管理する組み込みコンポーネントが利用できます。さらに、これらの組み込み機能は他の部分とは独立し動作するため、メンテナンスやアップグレードが簡単です。
Laravel
LaravelもMVCアーキテクチャに基づいています。しかし、CongeIgniterとは異なり、LaravelはMVCアーキテクチャに厳密に従います。その結果、Laravelでは、ファイリングから内部操作まで、MVC構造を効率的に維持することができます。
導入はとても簡単です。まず、データベースのテーブルを生成するモデルを作成します。次に、ビューファイルで結果を表示するために、コントローラファイルを使ってそのモデルと対話を行います。
しかし、MVCアーキテクチャに慣れていない場合、Laravelフレームワークを使用するのは少し難しく感じるかもしれません。
パフォーマンス(速度)
PHPはスピードよりも安定性の高さに定評があります。そのため、CodeIgniterとLaravelはスピードに関しては少し「控えめ」と言えるでしょう。
とはいえ、些細ではありますが、それぞれに違いがあります。
しかし、インテリジェントなキャッシュ戦略とデータベースアクセス最適化を使用することで、PHPパフォーマンスベンチマークを改善することができます。
CodeIgniter
CodeIgniterは軽量なフレームワークで、そのコアはいくつかの小さなライブラリしか必要としません。コアシステムが追加のライブラリを必要とする場合は、リクエストに応じてロードできます。その結果、CodeIgniterのコアシステムはLaravelよりも無駄がなく高速です。
また、CodeIgniterは実行速度が高いため、Laravelよりもわずかに速くなっています。例えば、Laravelよりも20%速くリクエストを実行できます。
CodeIgniterの実際のパフォーマンスは、同時ユーザー数などのプロジェクト特有の要因に依存します。
Laravel
LaravelはCodeIgniterよりも遅いということになります。とは言え、Laravelはトラクターさながらの牽引力で滑らかな処理を行うことが強みの一つですので、単純に数値としての速度だけを比較してその全てを理解することはできません。
実際、Laravelに最適化を施すことで、高速化することは大いに可能です。
Laravelのスマートコンフィグとルートキャッシュを実装、未使用のライブラリを制限、クラスマップとコンポーザーのオートロードを最適化し、JITコンパイラとキューを使用することで、Laravelのパフォーマンスを最適化し、アプリの読み込み時間を最低でも、例えば20ms程短縮することができます。
エラー処理
エラー処理とは、プログラムがエラーから回復し、正常に機能するプロセスを指します。アプリケーションエラー、プログラミングエラー、通信エラーを予測、検出、修正することができます。
CodeIgniterとLaravelのどちらにもエラー処理システムがありますが、ログ通知の扱い方が異なります。
CodeIgniter
CodeIgniterのエラー処理システムはシンプルです。開発とテストではすべてのエラーを表示しますが、本番では何も表示しません。.envファイルを編集し、CI ENVIRONMENT
変数を設定することで変更できます。
CodeIgniterは3種類のメッセージを生成します。
- エラーメッセージ
- デバッグメッセージ
- 情報メッセージ
CodeIgniterのエラーログ機能では、エラーをテキストファイルとして保存することができます。クラスや関数のスコープに関係なくエラーメッセージが生成されます。
Laravel
Laravelには、すべてのエラーを通知するエラー処理システムが組み込まれています。エラーや例外を自動的に検出、ログに記録し、さらなる対処のためにレポートを送信します。
例外ログはAppExceptionsHandler
クラスで確認することができます。このクラスには2つのメソッドがあります。
report ()
メソッドrender ()
メソッド
人気と求人情報
CodeIgniterとLaravelはPHPフレームワークの中でも最大の人気(または最低でも検索における「関心」)を誇ります。それぞれのフレームワークには、熱心な支持層が存在すると言えるでしょう。
実際の使用率などに基づいて、2つのフレームワークの人気と求人情報を比較します。
CodeIgniter
複数の統計によると、CodeIgniterはLaravelの次に人気のあるPHPフレームワークだと言われています。CodeIgniterはGitHubで18.2kのスターを記録しています。
CodeIgniterを第一のツールとして選ぶ個人の開発者は多くないかもしれませんが、様々な有名企業がCodeIgniterを採用しています。Unified Infotech、Zendesk、Space India、Casio Computer Co.、Nissan、McClatchyなどがCodeIgniterを使用しており、開発者にとって安定した、そして有望な雇用市場があることを示しています。
ZipRecruiterの給与データによると、CodeIgniterの開発者は、米国全体で年間66,000ドルから105,000ドルを稼いでいるとのことです。
Laravel
JetBrainsの調査によると、現在PHPユーザーの50%がLaravelを使用しています。Laravelは非常に安定しており、大規模で複雑なシステムを扱うことができるため、特に本格的にプログラミングを行う技術者に愛用されています。
様々な技術ソース、SNS、オンラインディスカッションフォーラムから集計されたデータも、その高い人気を裏付けるものとなっています。例えば、GitHubでは、Laravelのスター数は71.2kで、フレームワークの人気を如実に反映しています。
Pfizer、BBC、About You、TourRadarのような大企業が、デジタルプラットフォームの構築と保守にLaravelを使用しています。さらに、Laracasts、Barchart、AsgardCMSのような人気アプリケーションのバックエンドサーバーにLaravelが使用されています。
Glassdoorによると、ほとんどのLaravel開発者の給与は、年間およそ83,000ドルから166,000ドルとのことです。
サポートとコミュニティ
PHPは非常に長い間、信頼に足るテクノロジーとして愛され続けてきました。相当数のユーザーがPHPとそのフレームワークを活用しています。
当然、PHPを利用するユーザーや開発者の多くが、各フレームワークを重要視しています。その結果、コミュニティの重要性が高まり、これを活用することで多くの助けを得ることができます。必要であれば、いつでも経験豊富な開発者から学び、他の人が助けを求めているときには救いの手を差し伸べるという構図です。
CodeIgniter
CodeIgniterの公式サイトには、その機能のほとんどを説明しカバーする広範なドキュメントがあります。学習とサポートのための主要かつ公式なリソースとなります。
CodeIgniterは、Facebook、Reddit、Stack Overflow、LinkedIn、および同様のプラットフォーム上にいくつもの活発なコミュニティを抱えています。何千人ものメンバーがおり、CodeIgniterやPHPに関連するコンテンツを頻繁に投稿、共有しています。
CodeIgniterの初心者でも上級者でも、上記のいずれかのコミュニティに参加することをお勧めします。公式ドキュメントに載っていない事項などが網羅されており、価値ある学びになるはずです。
Laravel
Laravelはウェブ開発者の間で最も人気のあるPHPフレームワークです。そのため、GitHub、Facebook、LinkedIn、Reddit、Stack Overflow、その他多くのオンラインフォーラムに開発者で構成される巨大なコミュニティがあります。
各コミュニティやハブは活発で、Laravel関連のアドバイスを受けたり、質問に対する答えを獲得したりすることができます。Laravelを使用するなら、いずれかのコミュニティには是非とも参加しておきたいものです。
加えて、Laravelの公式ウェブサイトには整理の行き届いたドキュメントがあり、Laravelの使い方を学びたい場合に最適です。
テンプレートとAPI
どちらもPHPフレームワークであるにもかかわらず、CodeIgniterとLaravelは異なるテンプレートエンジンについてのアプローチを取っています。しかし、APIの利用に重点を置いている点は共通しています。
CodeIgniter
CodeIgniterには、Template Parser Classと呼ばれる基本的なテンプレートエンジンが付属します。CodeIgniterで作業しながら純粋なHTMLとCSSファイルを扱うことができます。SmartyやTwigのようなサードパーティのテンプレートエンジンを統合することもできます。
CodeIgniterにはまた、どのコントローラでも使用できるAPIレスポンストレイトがあります。どのHTTPステータスコードを返すかを覚えておく必要がなく、一般的なレスポンスタイプの簡素化を後押しします。
Laravel
LaravelにはBladeとして知られるテンプレートエンジンがあります。Bladeの構文構造はシンプルでありながら上質です。Bladeは一般的なHTMLファイルに似ているため、多くのテンプレートエンジンよりも首尾一貫してシンプルだと言えるでしょう。
Laravelには、各ユーザーに提供されるランダムトークンを使用したAPI認証ソリューションが存在します。トークンドライバー付きのAPIガードが、config/auth.php設定ファイルで既に指定された状態になっているということです。
さらに、Laravelのコントローラでは、Restful APIを簡単に作成できます。例えば、routes/APIで、リソースフルコントローラのルートを作ることが可能です。
構文
CodeIgniterにはテンプレートパーサークラスと呼ばれるテンプレートエンジンがありますが、必須ではありません。
一方、LaravelはBladeテンプレート構文のみを使用します。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
CodeIgniter
CodeIgniterはオブジェクト指向で、PHP、HTML、CSSに依存してウェブアプリケーションを構築します。CodeIgniterにもテンプレートエンジンは必要ありませんが、テンプレートエンジンが好きな開発者もいるので、テンプレートパーサークラスが用意されています。そのため、PHPの組み込みテンプレートエンジンを使うか、Smartyのようなサードパーティツールを追加することができます。
次に、CodeIgniterの構文を見てみましょう。
CodeIgniterのコントローラ
CI_Controller
default
index
CodeIgniterの変数
$config
$db
$lang
CodeIgniterの関数
is_php()
is_really_writable()
load_class()
is_loaded()
get_config()
config_item()
show_error()
show_404()
log_message()
set_status_header()
get_mimes()
html_escape()
remove_invisible_characters()
is_https()
function_usable()
get_instance()
_error_handler()
_exception_handler()
_stringify_attributes()
CodeIgniterの定数
ENVIRONMENT
FCPATH
SELF
BASEPATH
APPPATH
VIEWPATH
CI_VERSION
MB_ENABLED
ICONV_ENABLED
UTF8_ENABLED
FILE_READ_MODE
FILE_WRITE_MODE
DIR_READ_MODE
DIR_WRITE_MODE
FOPEN_READ
FOPEN_READ_WRITE
テンプレートパーサークラス
テンプレートパーサークラスの使い方を見てみましょう。CodeIgniterの他のクラスと同じように初期化することができます。
$this->load->library('parser');
テンプレートの解析
parse()
を使って単純なテンプレートをレンダリングすることができます。
$data = array(
'blog_title' => 'My Blog Title',
'blog_heading' => 'My Blog Heading'
);
$this->parser->parse('blog_template', $data);
セキュリティクラス
セキュリティクラスが関係するところでは、xss clean()
メソッドを使ってXSSフィルタでデータをフィルタリングすることができます。
$data = $this->security->xss_clean($data);
クロスサイト・リクエスト・フォージェリ(CSRF)
application/config/config.phpファイルを以下のように変更すると、CSRF対策が有効になります。
$config['csrf_protection'] = TRUE;
Laravel
先に説明したように、Laravelは組み込みのBladeテンプレートエンジンとその構文を採用しています。Bladeはテンプレートエンジンの使用と構文の記述を簡単にします。
Laravel Bladeは条件分岐とループで構成されています。また、非常にユーザーフレンドリーです。例えば、Bladeテンプレートを作るには、ビューファイルを.phpの代わりに.blade.phpとして保存するだけでOKです。
次にLaravel Bladeの構文を見てみましょう。
データの表示
変数の値を中カッコで囲んで表示します。
{{$variable}};
Bladeループ
Bladeテンプレートエンジンのループディレクティブには、@for
、@endfor
、@foreach
、@endforeach
、@while
、@endwhile
があります。
@for ($i = 0; $i < 10; $i++)
The current value is {{ $i }}
@endfor
@foreach ($users as $user)
<p>This is user {{ $user->id }}</p>
@endforeach
@forelse ($users as $user)
<li>{{ $user->name }}</li>
@empty
<p>No users</p>
@endforelse
@while (true)
<p>I'm looping forever.</p>
@endwhile
三項演算子
Bladeの三項演算子は、if-else
ステートメントに代わるLaravelの演算子です。
{{ User::has('email') ? 'Yes' : 'No' }}
if文
ディレクティブでif文を作成できます(@if
、@elseif
、@else
、@endif
)。これらのディレクティブはPHPのものと同じように動作します。
@if (count($records) === 1)
I have one record!
@elseif (count($records) > 1)
I have multiple records!
@else
I don't have any records!
@endif
生のPHP
ビューにPHPコードを追加することが有益な場合もあります。例えば、Blade@php
ディレクティブを使ってテンプレート内で単純なPHPブロックを実行することができます。
@php
$counter = 1;
@endphp
スタック
Bladeでは、名前付きスタックにプッシュし、別のビューやレイアウトでレンダリングすることができます。子のビューが必要とするJavaScriptライブラリを指定するのに便利です。
@push('scripts')
@endpush
CSRFフィールド
ミドルウェアがリクエストをチェックできるように、アプリのHTMLフォームの定義に非表示のCSRFトークンフィールドを含めることができます。@csrf
Bladeディレクティブを使って、トークンフィールドを生成可能です。
@csrf
...
CodeIgniterとLaravelの比較早見表
CodeIgniterとLaravelを並べて比較し、最も基本的なプログラミングパラメータを確認してみましょう。
CodeIgniter | Laravel | |
---|---|---|
開発 | 2006年 | 2011年 |
カテゴリ | ウェブ開発フレームワーク | ウェブ開発フレームワーク |
ベース | PHP | PHP |
アーキテクチャ | MVC | MVCストリクト |
オープンソース | オープンソースフレームワーク | オープンソースフレームワーク |
最低必要PHPバージョン | 7.3 | 8.0 |
拡張可能 | 拡張性をサポート | 拡張性をサポート |
スケーラビリティ | スケーラブルなフレームワーク | 非常にスケーラブルなフレームワーク |
学習 | 比較的簡単 | 高度な機能を使うにはやや難しい |
市場シェア | 0.22% | 0.32% |
GitHubスター | 18.2k | 69.5k |
組み込みモジュール | 組み込みモジュールなし | 組み込みモジュールあり |
テンプレートエンジン | PHP独自 | Bladeテンプレートエンジン |
データベースモデル | オブジェクト指向 | リレーショナルオブジェクト指向 |
プログラミングパラダイム | オブジェクト指向イベント駆動型関数型 | コンポーネント指向 |
HTTPサポート | HTTPSをサポートしない | カスタムHTTPSルートをサポート |
認証 | ビルトイン認証なし | ビルトイン認証あり |
ユニットテスト | 組み込みのユニットテストをサポートしていない | 組み込みのユニットテストをサポート |
データベースサポート | MySQL、PostgreSQL、SQLite3 | MariaDB、MYSQL、PostgreSQL、SQLite3、SQL Server |
CodeIgniterとLaravelのどちらを選ぶべきか
ここまでで、これら2つのPHPフレームワークの長所と短所のほとんどを垣間見ることができました。そして、CodeIgniterとLaravelは同じルーツを共有しているにもかかわらず、両者には違いがあり、それぞれの得意分野があることもお分かりいただけたと思います。
どちらのフレームワークにも、開発プロセスに合った方法でPHPを使ったプロジェクトを簡素化、安定化、安全化、スケールする機能が多く搭載されています。
そのため、どちらかを選ぶ前に、構築したいシステムの種類と必要な技術を確認する必要があります。
以下に、CodeIgniterとLaravelを使い分けるかどうかを判断する上で役立つポイントをいくつかご紹介します。もちろん最終的には、開発者の好みに大きく左右されます。
CodeIgniterがおすすめのケース
あなたのプロジェクトが以下を必要とする場合、CodeIgniterを使うことができます。
- 少ないコード:CodeIgniterは、より少ないコード行数でより良い結果を生み出すことでよく知られています。サードパーティのライブラリが不要なので、ウェブアプリの開発をスピードアップできます。
- シンプルでエラーのない設定:CodeIgniterは直線的で柔軟なフォルダ構造を持っており、PHP構文を単純化するのに有用です。この構成スタイルにより、構文エラーに遭遇することなくウェブアプリケーションを素早く作成できます。CodeIgniterはシンプルでスケーラブルなウェブサイトに適しています。
- ハイパフォーマンス:実行速度と開発プロセスで、CodeIgniterに分があります。高速で効率的なウェブサイトを構築するなら、CodeIgniterが優れた選択肢です。ただし、大規模なウェブサイトではパフォーマンスが異なる場合があります。
- 初心者向け:CodeIgniterは、アプリを構築したい、比較的経験の浅い開発者におすすめできる選択肢です。CodeIgniterはすべてを簡潔かつ合理的にしてくれます。
Laravelがおすすめのケース
プロジェクトで以下のいずれかが求められる場合には、Laravelを使うのが有効です。
- 大規模で複雑なウェブサイト:Laravelは、複数のオペレーションを同時に実行するような大規模なウェブサイトに向いています。CodeIgniterが大規模なプロジェクトで苦戦する可能性があるのに対し、このフレームワークには深みがあり、より複雑なシステムにも十分に対応できます。
- 数値計算:Laravelは、ウェブサイトで数値の分析を実行する必要がある場合、より良い選択かもしれません。例えば、株式や取引のウェブサイトなどが挙げられます。Laravelでは大きなデータセットを扱うことができ、マルチスレッドによりパフォーマンスを妨げることなく複雑な計算を実行可能です。
- 迅速な開発:Laravelは、堅牢なテンプレートとコミュニティによる支援により、最も迅速なアプリケーション開発フレームワークの1つとなっています。
- 高いセキュリティ:Laravelには、パスワードの暗号化にBCryptハッシュアルゴリズムを採用した、セキュリティと認証システムが組み込まれています。また、Laravelは平文のパスワードをデータベースに保存することを禁じています。このような理由から、セキュリティの高いウェブサイトを作りたいならLaravelがおすすめです。
- 玄人に響く:経験豊富なLaravel開発者で、中級システムを扱った経歴があるのであれば、Laravelは理想的なツールかもしれません。
まとめ
CodeIgniterとLaravelはどちらも、PHPの人気を担う選択肢です。近年、世界中のプログラマーがこれらのフレームワークの機能や有用性を賞賛しています。
CodeIgniterとLaravelにはどちらも利点がありますが、最終的には個々の状況や開発プロセスによってどちらのフレームワークを使うかを決めるべきです。
それぞれが信頼性が高く便利であり、今後長い間、使っていくことのできる開発オプションでしょう。実際には、一方の技術で事足りることもそうでないこともあるはずです。
絶対的な答えはありません。プロジェクトとその範囲にとって、何が信頼性が高く効率的なソリューションであるか検討しましょう。
どのPHPフレームワークを選んでも、プロジェクトが完了したときにホスティングする場所が必要になります。Kinstaは、最先端のアプリケーションホスティングとデータベースホスティングをご提供しています。単一の使いやすいプラットフォームでありとあらゆるニーズを満たします。
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CodeIgniterまたはLaravelを使用したプロジェクトに取り組んだことがありますか?以下のコメント欄でお聞かせください。
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