IaaSとは具体的にどのようなものでしょうか?PaaSやSaaSなどの他のクラウドサービスと一体何が違うのでしょうか?
アプリ展開のための完全な環境が利用できるPaaSや、包括的ソフトウェアソリューションが提供されるSaaSとは異なり、IaaSでは必要最低限の仮想マシン、ストレージ、ネットワーク、コンピューティングパワーのみとなります。
これだけでは、まだはっきりと分からないでしょうか…?心配ご無用です。この記事をお読みになれば、その違いが分かるようになるはずです。91%の企業が少なくとも部分的にはクラウドに移行している今、この基本的な理解は非常に重要です。
IaaSとは何かをご説明するとともに、他のクラウドサービスと何が異なるのか、そして実際の使用例をご紹介します。
IaaSは簡単に言うとどのようなものか?
IaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)とは、インターネットに接続したコンピュータからレンタルできるハードドライブスペースやコンピューティングパワー(CPU、RAMなど)のことです。
クラウド内でビジネスアプリをホスティングしたり、大きなサイズのデータを処理したり、ウェブサイトをホスティングしたりするのに利用できます。
多くの場合、時間単位で使った分だけ支払う料金体系でクラウドコンピューティングインフラストラクチャをレンタルできます。様々なサービスが含まれている固定の月額パッケージとは違い、いつでも必要なサービスだけ選択することができます。
例えば、新しいデータを処理するために、ほんの数時間だけ数十個もの仮想マシンを追加することができます。使用しないサービスのために料金を払う必要はありません。
「比較的安定しているものの、時々需要が急騰する」というようなケースにも便利です。例えば、社内CRMやその他のアプリケーションのホスティングなどに利用できます。繁忙期など、使用量や需要の変化によってスケールアップ/スケールダウンするのも容易です。
IaaSの例:Amazon EC2
Amazon EC2は2006年に公開された最初のクラウドコンピューティングサービスのうちの一つです。世界各国77のデータセンターにインスタンス(仮想マシン)を作成することができます。
デフォルトのオペレーティングシステムやコントロールパネルがなく、インスタンスはとても柔軟です。ソフトウェアを複数のOSでテストしたり、大きなデータを処理したりと、ニーズに応じてカスタマイズすることができます。
このカスタマイズの柔軟性こそIaaSサービスの特徴です。そのままですぐに展開、使用できる完全にパッケージ化されたソリューションではありません。使用するにはサーバー環境を設定する必要があります。
現在のところ、EC2は大手クラウドサービスプロバイダーAWSの最も人気なサービスの一つで、有力な競合他社も同様のサービスを提供しています。
ここまでお読みになって、IaaSに関する基礎的な知識は得られたかもしれませんが、SaaS、そして特にPaaSとの違いはまだよく分からないはず。
それぞれと比較して、主な違いを見ていきましょう。
IaaS、PaaS、SaaSはどう違うのか?
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)では、ストレージやコンピューティングなどの土台、いくつかのセキュリティ、スケーリング機能が提供されます。レンタル可能なソフトウェアアプリケーションに過ぎません。一方、PaaSサービスはアプリ展開のための包括的プラットフォームです。
その違いを理解するには、いくつか実例を挙げるのが一番でしょう。
先ほど既にAWSについて触れたので、Googleのクラウドサービスを用いて比較していきます。
Google Compute EngineはGoogle Cloudの主要なIaaSサービスです。ニーズに合わせて様々な種類の仮想マシンをレンタルできます。
しかし、このような仮想マシンにはサーバー環境やコードライブラリは予めインストールされていません。いわば、白紙状態です。
コンピューティングパワーとハードドライブスペース、つまりインフラストラクチャに対してのみ料金を支払います。
一方Google App EngineはPaaSにあたるサービスです。自分でサーバー環境を設定することなく、すぐに開発やコードの記述に進むことができます。
App Engineには必要なコードライブラリとサーバーソフトウェアが予め備わっており、独自の(もしくはオープンソースの)アプリやソフトウェアをホストするためのプラットフォームが提供されます。
最後に、Google Drive─特定の用途に対応したSaaS製品です。
ご存じのとおり、ファイルの保存に特化したクラウドサービスです。しかし、共有、アクセス権の管理など様々な機能の完成されたユーザーインターフェースを持つという点で、PaaSを超えたサービスとなっています。
他のアプリの実行はできないためIaaSプラットフォームとしては適していませんが、そこは重要な点ではありません。
SaaSアプリを定義づける要素は「一切コーディングせずに、事業における課題の解決に使用できる」ことです。登録するだけで(有料サービスの場合は支払いを済ませるだけで)、利用を開始できます。
Google Driveはまさに上記に当てはまります。コードを一行たりとも記述せずにファイルをアップロードしたり、共有したり、最新のGoogleドキュメントを閲覧したりすることができます。
まだピンとこないという方は、それぞれのクラウドサービスのカテゴリー別の対照表をご覧ください。
IaaSの例 | PaaSの例 | SaaSの例 |
Amazon EC2 | AWS Elastic Beanstalk | Google Docs |
Google Compute Engine (GCE) | Google App Engine | Microsoft Dynamics CRM |
Google Cloud Storage | IBM Cloud Foundry | Salesforce |
Azure Virtual Machine | Microsoft Azure App Service | Slack |
Rackspace | Heroku | Zendesk |
Linode | DigitalOcean App Platform | Google Workspace (Formerly G Suite) |
IaaSはレンタルサーバーとどう違うのか?
インターネットに接続したマシンからストレージとコンピューティングパワーを借りるのがIaaSであれば、通常のレンタルサーバーと何が違うのでしょうか?
主に4つの違いがあります。
- 柔軟性:ストレージの種類(アクセスの頻度に基づいて決定)、ハードウェアの構成要素、オペレーティングシステムなど様々な要素を選べる。
- リアルタイムのスケーラビリティ:リアルタイムで好きなだけインスタンスを追加できる。
- 仮想ネットワーク:公的なインターネットを使用せずにネットワークのシミュレーションやマシン間のコミュニケーションが可能。
- 利用した分だけ支払う(従量課金)料金モデル:どれだけの期間使用しても、使用したリソース分にのみ料金が発生する。例えば、月額プランに加入しなくても、急騰に対応するために数時間だけ12台のマシンを追加して、その後削除することができる。
また、安価な共用サーバーのプランでは、一つの仮想マシンを複数の顧客が共有するため、セキュリティの問題や、(状況によっては)同じ仮想マシンの別のサイトにパフォーマンス面での問題が発生することがあります。
IaaSはサイトのホスティングにも利用できるのでしょうか?─もちろん可能ですが、Kinstaのようなマネージドホスティングサービスを利用する場合とは違い、より技術的な専門知識が必要となります。
IaaSの基礎が理解できたところで、クラウドサービス全般の市場シェアについて見てみましょう。
IaaSの市場規模、シェア、大手企業
2019年に世界各国の企業がIaaSサービスに費やした費用は445億ドル以上に上ります。2022年の末にはこの額がほぼ倍になり、822億ドルまで成長するものと業界の専門家は見込んでいます。
IaaSは他のクラウドサービスの種類と比べ、どのくらい規模が大きいのでしょうか?データを見てみましょう。
Gartnerの公開している最新のデータからPaaS、IaaS、SaaSのクラウドマーケットシェアを見ると、 SaaSが圧倒的にリードしており、IaaSがそれに次ぐシェアを誇ることが分かります。
Gartnerのデータでは給与管理ツール、コミュニケーションAPIなどのBPaaS(サービスとしてのビジネスプロセス)を異なるカテゴリーとしています。
これらのうちどれだけのサービスが、より広義でのSaaSやPaaSに当てはまるかは判断が難しいところですが、少なくともIaaSには当てはまりません。例えそれらのサービスの売上高の半分をPaaSに割り当てたとしても、IaaSの成長率はPaaSを大幅に上回るため、その優位性は変わりません。
主要なクラウドコンピューティングのカテゴリーのシェアについて理解したところで、IaaS市場を牽引する企業についてご紹介します。
大手IaaS企業とそのマーケットシェア
最新のデータを見ると、2020年にIaaSマーケットシェアの半分以上を占める企業が一目で分かります。
Statistaによると、2020年のIaaSにおけるAWSのマーケットシェアは33%、それに次ぎ、Microsoft Azureのシェア は18%、Google Cloudのマーケットシェアは9%となっています。
過去3年のデータは、この大手三社の変遷を物語っています。まず、AWSが存在感を見せました。過去数年のマーケットシェアのデータを見ると、その優位なスタートは明らかです。
AWSはその後も地位を一層強固なものにし、今でも市場の三分の一近くのシェアを誇ります。しかしGoogle、そして特にMicrosoftが急激な成長を遂げ、徐々に追いついてきています。
たったの3年で、Microsoft Azureはマーケットシェアを13%から18%まで拡大させている一方、AWSは遅れをとっています。Microsoft は一体どうやってこれを達成したのでしょうか?─自社のコネクションで、定期的に10億ドル規模の取引を実現しています(2020年のポーランド政府との取引やアメリカ国防総省とのクラウドサービスの取引など)。
このグラフだけを見ると、IBM(AI分野の革新者であり、法人向けクラウド大手)は、ほぼ存在感がないように思えるでしょう。MicrosoftとGoogleによりIBMのシェアは奪われ7%にまで落ち込み、レポート内の「その他」の企業の一つとなってしまったようにも見えます。
しかし、IBMの2020年第三四半期における収益報告書によると、クラウドインフラストラクチャサービスにより49億ドルもの収益を上げていることが分かります(IaaSとPaaSの合わせた収益)。このようにIBMは、今でもクラウドコンピューティング市場における重要な企業の一角です。
直近の他のレポートを見ると、中国の主要な企業、特にAlibabaが2020年にシェアを伸ばしていることが分かります。
しかし、最大手の三社は今も変わっていません(AWS とAzureそしてGoogle Cloud)。市場の三分の一ものシェアを占めるAWSが頂点に君臨。Microsoft Azureは20%のシェアを誇り、Google Cloudが徐々に追い上げています。
IaaSサービスと使用例
IaaSの用途は大きなデータの処理だけではありません。IaaSに分類される様々なサービスには、幅広い用途があります。
例えば、あまり頻繁にアクセスしないデジタルアーカイブファイルの長期保管のために、ローパワーローコストのサーバーが必要なケースもあるでしょう。
ここからはIaaSのサービスとその使用例をより詳細にご紹介します。
コンピューティング(データ処理、ソフトウェアのテスト、アプリのホスティングなど)
最初のIaaSサービスの種類は「サービスとしてのクラウドコンピューティング」といったところ。仮想のサーバーもしくはストレージやコンピューティングパワーのインスタンスをレンタルし、クラウド内でアプリケーションやその他の処理を実行することができます。
既に述べたとおり、通常のホスティングプランとは違い、通常は利用した分だけ支払う料金体系であり、リアルタイムで必要に応じて自由にスケールアップ/スケールダウンすることができます。多くのプロバイダーでは、支払額を事前に予測できるよう、月額プランを選択することもできます。
しかし、IaaSでは物理的なハードウェア以上の機能が利用できます。例えば、IBM Cloud virtual serversではオートスケール、クラウドセキュリティ、コンプライアンス機能などが利用できます。フォームの始まり
また、サービスをデータウェアハウスやAIなどのIBMの他のPaaSやSaaSといつでも連携させることができます。
ウェブサイトのホスティング
サイトをホスティングするという単純なサービスにおいても、IaaSプロバイダーは大きな存在感を示しています。大手IaaS企業は、世界有数のレンタルサーバーとしても名を連ねます。
2021年1月時点でAmazonは世界一位のレンタルサーバーでした。ネット上でインデックスされたウェブサイト全体の5.8%で利用されています。
では、なぜ多くの人が基本的なサイトのホスティングにIaaSプロバイダーを選ぶのでしょうか?
これにはいくつかの理由があります。まず、実践的なサポートや特定の環境に対する支払いが発生しないため、特に大規模に展開したい場合、安価になる傾向があります。そのため、Web制作会社や複数のウェブサイトを管理する社内部署の場合、IaaSが理想的なケースが多いでしょう。
また、重いアプリケーションを実行する場合や、月間訪問者が数十億人規模である場合、通常のレンタルサーバーでは安定性に欠ける場合があります。IaaSの場合、使用の変動に応じて自動にスケールアップ/スケールダウンすることができます。
さらに、サイトのスピードとパフォーマンスを最適化するために仮想マシンをカスタマイズすることも可能です。もちろん、しかるべき専門知識がない場合、適切なサーバー環境の設定に苦戦することになるでしょう。
ストレージ(ファイル管理、バックアップ)
IaaSの2つ目のサービスカテゴリーは「サービスとしてのストレージ」です。
コンピュータやデジタルファイルを何十年にも渡り使用してきた大企業にとって、ストレージとファイル管理は段々と困難になります。コンピュータやシステムをアップグレードする度に、アーカイブやデータのエクスポートは一層手間がかかるようになります。
そんな時に便利なのがAmazonのSimple Storage Service(Amazon S3)などのIaaSストレージサービスです。
ファイルやドキュメントをクラウドに保存するためのIaaSソリューションです。ファイルのパブリックアクセス、サーバーのロケーションを管理したり、ファイルを「バケット」として自動で分類したりすることができます。
長期的なストレージ(アーカイブ)
S3(そして他の同様のIaaSストレージサービス)の便利な点は、複数のストレージ階層があるというところです。例えば、データに頻繁にアクセスする必要がない場合、非常に安価で、アクセススピードが遅いストレージ(コールドストレージ)を選択することができます。
将来的に必要になった場合に備えてファイルをアーカイブしたい場合は、S3 Glacierがおすすめです。
ネットワークサービス
IaaSサービスの3つ目のカテゴリーはネットワークです。他のサービスの総合的な使い勝手に深く関連しています。
例えば、仮想ネットワークを利用することで、物理的なマシンと仮想マシンを使用するハイブリッドクラウドを作成することができます。
自ら物理的サーバーを一切所有していない場合でも、IaaSマシンにはネットワークサービスが搭載されています。virtual WANと独自のIPアドレスがあれば、パブリックインターネットに接続することなく、仮想マシン間のコミュニケーションを確立できます。
最近のプロバイダーはロード・バランシング、ファイアウォール、リアルタイムでのセキュリティチェック、WAN最適化などの機能も提供しています。
大手IaaSプロバイダーとそのサービス
IaaSの基本が理解できたところで、大手プロバイダーとそのサービスを詳しく見ていきましょう。
AWS
AWS公式サイト上で、IaaSサービスを他のPaaSサービスとパッケージ化する傾向が見て取れます。
しかしもちろん、その背後にあるコンピューティングパワーをレンタルすることも可能です。そして通常、Elastic BeanstalkのようなPaaSソリューションを利用したとしても、多くの場合、それがすべての費用になります。
パブリッククラウドコンピューティングの先駆者である同社は、コンピューティングから長期ストレージ、ネットワークまであらゆるサービスを提供しています。
コンピューティング | Amazon EC2 |
ストレージ | Amazon S3 |
アーカイブとバックアップ | Amazon S3 Glacier |
セキュリティ | ファイアウォールとリアルタイムでの脅威の検出 |
プライベート/ハイブリッドクラウド | VMware Cloud on AWSとAWS Outposts |
ネットワーク | AWS PrivateLink (パブリックインターネットを利用せず仮想ネットワーク内でデータの転送が可能) |
データセンター | 40以上のゾーンで利用可能な109ヶ所のデータセンター |
使用料は仮想マシンの仕様やデータセンターの所在地によって大きく異なります。最も安価なインスタンス(メモリ0.5 GBのt4g.nano)は1時間あたり0.0028ドルで利用できます。
ニーズによって、リアルタイムでマシンを追加/削除して負荷を調整することができます。
Google Cloud
Google CloudではIaaSからPaaS、SaaSまで、幅広いクラウドサービスを提供しています。
Google WorkspaceとGoogleの検索をプライベートクラウド内に備えているため、クラウドへの全面的な移行を検討している企業に最適なサービスです。
では、その基本的なインフラストラクチャはAWSと比べてどのようになっているのでしょうか?
コンピューティング | Google Compute Engine(GCE)、Bare Metal |
ストレージ | Google Cloud Storage |
アーカイブとバックアップ | Cloud Storage – Archive |
セキュリティ | ファイアウォールとリアルタイムでの脅威の検出 |
プライベート/ハイブリッドクラウド | Virtual Private Cloud / Anthos |
ネットワーク | Virtual Private Cloud (パブリックインターネットを利用せず仮想ネットワーク内でデータの転送が可能) |
データセンター | 73以上のゾーンで利用可能な142ヶ所のデータセンター |
Google CloudにもAWSと同様の基本的な機能があり、幅広いデータセンターとロケーションから選ぶことができます。高可用性やディザスタリカバリを考慮すると142ヶ所以上のデータセンターは嬉しい特徴です。99.99%のサービス品質保証を定めている場合に最適です。
金銭面が気になる方のために、GCEの料金もご紹介します。
メモリ1GB毎の1時間あたりの料金は少なくともE2マシンタイプにおいてはAWSと同等です。1年間の利用を考えると、料金は比較的安価です。
3年間の利用の場合、56%の割引が適用され、メモリ1GB毎の1時間あたりの料金はたったの0.001316ドルとなります。
両者のより詳しい比較はGoogle CloudsとAWSをご覧ください。
Microsoft Azure
世界第二位のIaaSプロバイダーであるMicrosoftも幅広く、充実したクラウドサービスを提供しています。
Azureも全ての基本的なIaaSカテゴリーを網羅しています。
コンピューティング | Azure Virtual Machines (Linux & Windows) |
ストレージ | Azure Files |
アーカイブとバックアップ | Azure Archive Storage |
セキュリティ | ファイアウォールとリアルタイムでの脅威の検出 |
プライベート/ハイブリッドクラウド | Azure Private Cloud |
ネットワーク | Virtual WAN、VPN (パブリックインターネットを利用せず仮想ネットワーク内でデータの転送が可能) |
データセンター | 58以上のゾーンで利用可能な100ヶ所のデータセンター |
信頼性の高い仮想マシン、ストレージ、アーカイブ、セキュリティプロトコルを備えた、非常に優れたクラウドプラットフォームです。
料金についてはどうでしょうか?GoogleやAmazonと同等でしょうか?
RAMの容量が0.5 GBのもっとも安価なインスタンスは、1時間あたり0.0052ドルで、AWSの同等のインスタンスより若干高額です。
しかし、別途ストレージサービスを利用しなければならないAWSとは違い、ストレージ容量が4GB含まれます。
また、数年間に渡る長期利用の固定料金で利用する場合、割引が適用されます。
IBM Cloud
IBM Cloudが(成長率で)最大手の三社に遅れをとっているのは既にご紹介したとおりですが、実際のサービスはどのようになっているのでしょうか?
IBMでは他の競合大手と同様に、全てのカテゴリーを網羅する強固なクラウドインフラストラクチャーを提供しています。
コンピューティング | IBM Cloud Virtual Servers, IBM Cloud Bare Metal Server |
ストレージ | IBM Cloud Object Storage |
アーカイブとバックアップ | IBM Cloud Storage (Cold Vault) |
セキュリティ | ファイアウォールとリアルタイムでの脅威の検出 |
プライベート/ハイブリッドクラウド | IBM Virtual Private Cloud |
ネットワーク | IBM Virtual Private Cloud (パブリックインターネットを利用せず仮想ネットワーク内でデータの転送が可能) |
データセンター | 18以上のゾーンで利用可能な60ヶ所のデータセンター |
仮想マシンをセットアップしたり、ファイルを保存・アーカイブしたりできます。しかし、料金という面でいうと、業界最大手には及びません。
4 GBの仮想マシンを使用するだけで1時間あたり0.084ドルもかかります。これは、Google最新のN2インスタンス(RAM容量8 GB)とほぼ同額です。
また、データセンターの所在地は18ゾーン、60ヶ所となっており、分散型クラウドとしてはあまりおすすめできません。
とは言え、IBMの最大の強みはインフラストラクチャ自体ではなく、Watson AIなどのPaaSやSaaSソリューションにあります。
そのため、IBMの利用が適しているかどうかは、どのようなサービスを求めているかによります。
まとめ
IaaSは国際的企業のあらゆるサービスを支える存在。クリック一つで必要なだけストレージやコンピューティングパワーを利用することができます。
データの処理、ソフトウェアのテスト、ウェブサイトのホスティングなど、様々な用途に使用できます。ただし、完全な初心者の場合、設定や利用に手こずることになるでしょう。
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