サイトの運営管理をする中で、他サイトに勝る競争力を維持するのは簡単ではありません。読み込み時間の遅さ、長時間のダウン、セキュリティの欠如などが原因で、訪問者はサイトを離れ、他のサイトへ移動してしまうことがあります。

そこで注目したいのが、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)。ウェブパフォーマンスを最適化するのに優れた手法です。サイト速度が向上するだけでなく、セキュリティの強化、安定性の向上、帯域幅のコスト削減が可能になります。

この記事では、「CDNとは何か」という問いにお答えします。そして、CDNでサイトをいかに改善することができるのかご紹介します。それでは早速、はじめましょう。

CDNとは

コンテンツデリバリネットワーク(CDN)とは、言うなれば、コンテンツ配信を高速化することができる分散型サーバーのあつまりです。CDNはコンテンツをホストすることはできないので、ウェブホストの役割は果たしません。その代わりに、CDNによりサイトの安定とそのパフォーマンス向上が期待できます。

CDNサーバーの仕組み
CDNサーバーの仕組み(出典Seobility)

CDNはユーザーとサーバーの距離を縮める役割を果たします。

例えば、ウェブホストのサーバーが日本国内に点在している場合、ヨーロッパからの訪問者がサイトにアクセスすると、コンテンツの読み込みに時間がかかることがあります。しかし、CDNを利用すれば、ヨーロッパのサーバーからウェブサイトのコンテンツを 配信し、読み込み時間を大幅に短縮することができます。

CDN技術は当初、レイテンシ(コンテンツが完全に読み込まれるまでの遅延)を減らすことを目的としていました。効率的なウェブサイトのパフォーマンスを維持する方法として、1998年にアカマイによって最初のCDNの提供が開始されています。

当初は、ソフトウェアのダウンロードやビデオストリーミングのような静的コンテンツに焦点が当てられていました。現在では、はるかに複雑かつ動的なコンテンツを世界中のユーザーに配信することができます。

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CDN、ウェブホスト/サーバー、クラウドの違い

CDNはコンテンツをキャッシュしてパフォーマンスを向上させることができますが、コンテンツをホスティングすることはできません。これはウェブホスティング/サーバーが行うべき仕事です。

ウェブサーバーは必需品です。これなしではウェブサイトを管理できません。そして、CDNは、スピード、安定性、セキュリティをさらに高める「ボーナス」という位置付けです。

また、CDNはクラウドコンピューティングと混同されがちですが、どちらもパフォーマンスを向上させ、スケーラビリティを可能にするものです。しかし、先に述べたように、CDNはアプリケーションのホストそのものを担いません。一方、Google Cloudのようなクラウドホスティングプロバイダーはたくさん存在します。

KinstaはGoogle Cloudを採用
KinstaはGoogle Cloudを採用

さらに、CDNはスピードに重点を置いており、一方でクラウドコンピューティングはスケーラビリティにより適しています。さらに、CDNは世界中にサーバーを分散していますが、クラウドコンピューティングは、そもそも地理的な特定の場所を完全に取り除くことを目的としています。

CDNの利用企業

Netflix、Facebook、Amazonなど、多くの大規模サイトがCDNを活用しています。実際、上位100万件のウェブサイトのうち、約46%がコンテンツ配信にCDNを利用していると言われています。

そのため、普段ネットを使用する中で、知らず知らずのうちにCDNを利用しているのではないでしょうか。例えば、ECサイトでは、トランザクション高速化にCDNが利用されています。一方、映画のストリーミング、銀行の残高確認、旅行の予約などの際にCDNに(知らずのうちに)接しているかもしれません。

実際、世界中のユーザーがアクセスするサイトにとって、CDNはスムーズで信頼性の高い、パフォーマンスを確保する最も簡単な方法の1つです。CDNは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させ、離脱率を低減させることができます。

さらに、CDNでは非常に多くの種類のコンテンツを提供できるため、その可能性はほぼ無限です。HTMLページ、JavaScriptファイル、スタイルシート、画像、動画を配信することができます。クライアント側では、メディアのライブストリーミング、ファイルのダウンロード、スクリプトの読み込みにCDNを使用することができます。

CDNを利用するメリット

「CDNとは何か」という質問に答えたところで、CDNの強みを見てみましょう。

読み込み時間の短縮

CDNを使用する主なメリットは、ウェブサイトの表示時間を短縮できることです。これは、パフォーマンスが速くなる以外にもメリットがあります。例えば、表示時間が1秒から3秒になるだけで、直帰率は32%増加してしまいます。

したがって、CDNは直帰率を低減し、サイト滞在時間を引き延ばすのに効果的な技術だと言えます。その結果、検索順位が上昇する可能性があります。

ダウンの最小化

CDNは、サイトの安定性を向上させる優れた方法でもあります。CDNネットワークがなければ、サイトの可用性はすべてウェブホストのサーバーに依存することになります。サーバーが攻撃を受けたら、ウェブサイトはダウンしてしまいます。これは、トラフィックと収益を失うことを意味するだけでなく、事業全体の評判を損なう可能性があります。

CDNを利用すれば、ある意味で予備のサーバーを用意することになり、ダウンが発生しようとも被害を最小限に抑えることができます。ウェブサーバーに障害が発生しても、CDNサーバーを経由してコンテンツを配信し続けることが可能です。たとえ1台のサーバーがダウンしても、他のサーバーを頼りにすることができます。

また、ホスティングサーバーに負荷がかかるような急激なトラフィックの急増にも対応できます。さらに、ハードウェアの故障にも強いサイトを作ることにつながります。

データセキュリティの向上

前の項目でご説明したように、CDNはサイトの安定化に一役買います。これにより、特定のサイバー攻撃に対処しやすい状態が確保できます。

例えば、DDoS攻撃はサイトへのリクエスト殺到を引き起こすもので、最終的にサーバーを圧倒してサイトが機能しなくなってしまうことがあります。そんな攻撃を受けようとも、サーバーを追加することで、大量のリクエストに耐えられるようになります。

さらに、特定のCDNでは、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)などのセキュリティ強化策も享受できることがあります。さらに、セキュリティ証明書を改良し、有効期限付きのセキュアトークンを生成することも可能です。

帯域幅にかかる費用を削減

最後に、CDNは帯域幅のコスト低下にも有用です。CDNは、キャッシュやその他の最適化を利用して、サーバーから配信されるデータを抑えることができます。したがって、帯域幅の使用量が下がり、ひいてはホスティング/サーバーにかかる費用も削減できるということです。その上、CDNは、ホスティングサーバーからCPUやその他のリソースを分散するのにも効果的です。

CDNの仕組み

CDNを使用するメリットがわかったところで、CDN技術がどのように機能するかを詳しく見てみましょう。

読み込み時間の改善

CDNでは、接続性を高めるために、地理的に分散したサーバーが利用されます。多くの場合、インターネットプロバイダそれぞれが接続を行う、ネットワーク間の交換ポイントが選択されます。このような高速な場所を利用できるため、低コストでの素早いデータ配信が可能になります。

また、CDNを利用することで、ユーザーとウェブサイトのリソースの距離が物理的に短くなるため、読み込み時間を改善することができます。さらに、CDNはファイル圧縮などの最適化を行い、配信するデータ量を削減します。SSLやTLSを使用しているサイトでは、CDNでの接続再利用最適化が実施され、TLSのフォルススタート(false start)が可能になります。

ウェブパフォーマンスの安定化

先に述べたように、CDNを利用することはアプリケーション安定につながる素晴らしい選択肢です。稼働状況を改善し、ウェブサイトの可用性とアクセスを確保するのに使用することができます。

頻繁なダウンの発生は、サーバーの質に起因することがよくあります。サーバーが大量のトラフィックを処理できなかったり、DDoSのような攻撃に耐えられなかったり、といった具合です。

さらに、性能の低いサーバーでは、ハードウェアの質が標準以下であることがよくあります。そのため、サイトが長時間のダウンに見舞われ、結果的に訪問者や売上のチャンスを逃してしまう可能性があります。

さらに、CDNではロードバランシングによって、ウェブパフォーマンスを安定させることができます。ロードバランシングとは、トラフィックをサーバーに均等に分散させる手法です。そのため、1つのサーバーがダウンしても、CDNは簡単にトラフィックを別のサーバーに再分配することができます。

実際、一部のCDNサービスでは、ネットワーク上のすべてのサーバーに障害が発生した場合、トラフィックをまったく別のデータセンターに転送することさえ可能です。

データセキュリティの向上

クレジットカードやメールアドレスなどの個人情報を扱うウェブサイトにとって、データのセキュリティは最大の関心事でしょう。ありがたいことに、CDNを使うことで、セキュリティ強化も可能になります。

まず、CDNは最適化の施されたTLSとSSL証明書によって、ウェブサイトを保護することができます。高水準の認証と暗号化に準拠し、サイト上でやり取りされるあらゆるデータが安全に保たれます。

先にも触れたように、DDoS攻撃やブルートフォース攻撃など、一部のサイバー攻撃は、サイトに過剰なトラフィックを送り込むものです。この攻撃に屈すると、マルウェアの感染といった被害の発生が予想されます。CDNを使えば、大量のトラフィックを処理することができ、このような脅威の影響を受けにくくなります。

CDNキャッシュの更新

CDNは、効率的なコンテンツ配信のためにキャッシュを利用します。キャッシュとは、ファイルのコピーを保存し、ユーザーがコンテンツに素早くアクセスできるようにする手法です。キャッシュがなければ、コンテンツを毎回サーバーから読み込むことになり、接続が確立されるまでに長い待ち時間が発生します。

さらに、CDNはウェブページ、画像、動画など、ほとんどすべてのコンテンツをキャッシュすることができます。ファイルの保存場所は通常、ユーザーの所在地に近いプロキシサーバーになります。このようにして、訪問者は接続が確立されるのを待つことなく、サイトの閲覧や操作を行うことができるようになります。

そして、キャッシュはCDNサーバーに残り、同じエリアから別の人がその情報をリクエストできるようになります。リクエストされたコンテンツが利用できない場合や古い場合には、新しいバージョンが保存されます。

サイトにCDNが求められるケース

CDNを利用することは、ウェブホストで定められる制限を超える優れた選択肢です。サーバーのリソース上限に依存することなく、素早く安定したサイト運営が可能になります。

さらに、CDNは多目的に使用することができます。もちろん、読み込み時間を短縮したいのであれば、キャッシュプラグインを導入すればよいでしょう。また、セキュリティが重要な場合は、マルウェアスキャナーやWAFに投資することもできます。

しかし、CDNを利用すれば、パフォーマンス、セキュリティ、安定性のすべてをカバーすることができます。UXを向上させるだけでなく、ウェブサイトと訪問者を手厚く保護することができるのです。

KinstaでのCDNの利用

Kinstaでは、Cloudflare CDN統合をご用意しています。Cloudflareはウェブパフォーマンス業界を代表する一流サービスです。そのCDNは悪意のあるトラフィックのブロック、静的ファイルのキャッシュ、画像最適化などを担います。

Kinstaのどのプランをご利用でも、ウェブサイトとCloudflareとの統合を簡単に実行可能です。そして、すぐに堅牢なファイアウォール、DDoS対策、ワイルドカードSSL証明書といった恩恵を受けることができます。Cloudflare統合は使いやすさも特徴としています。

Cloudflare統合
Cloudflare統合

さらに、2022年以降、Kinstaの最新機能であるエッジキャッシュをご利用いただけます。これによりウェブページを世界中のユーザーに配信する時間を劇的に短縮することができます。この機能はKinstaのすべてのお客様にご利用いただけます。さらに、モバイル端末向けのキャッシュも標準で搭載しています。

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まとめ

急速な技術の進歩により、ウェブサイトを確実に維持することは簡単ではありません。しかし、手を打たないと直帰率が高くなったり、サイト滞在時間が短くなったり、検索順位が下がったりする可能性があります。

そこでCDNの出番です。サーバー単体に比べて遥かに優れた速度でコンテンツを配信することができます。簡単に言えば、CDNを利用することで、パフォーマンスを安定させ、セキュリティを強化し、UXを向上させることができます。

KinstaのCDNは、パフォーマンスを念頭に置いて構築されています。どのプランでも、追加費用なしでCloudflareを利用したCDNをご利用いただけます。257以上のPoPをフル活用し、世界規模でページの表示時間を最大44%短縮することができます。 早速、Kinstaのプラン一覧をご覧ください。


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