未だかつてないほどの成長を遂げているEC業界では、カゴ落ち率(カート放棄率とも)の増加が大きな課題となっています。

なんと、オンラインストアでは平均79.17%のカートが放棄されていると言われています。これは実質、10人中8人の潜在顧客を決済前に失っていることを意味します。

そこで一役買うのが、平均18.64%のコンバージョン率を誇るカゴ落ちメール。カゴ落ちメールを配信することで、潜在的な売上を取り戻すことができます。

この記事では、カゴ落ちメールについて、参考例などを交えながら詳しく解説していきます。

カゴ落ちの概要、メールの配信で顧客を呼び戻す方法、そして必要なツールも見ていきましょう。

カゴ落ちとは

カゴ落ち(カート放棄)とは、ユーザーが商品をカートに入れたものの、購入まで至らなかった状態を意味します。

例えば、買い物客がAmazonである商品をカートに入れたとします。

Amazonの「カートに入れる」ボタン
Amazonの「カートに入れる」ボタン

この時点で、1点の商品を含んだショッピングカートが作成されます。しかし、これで終わりではありません。

最終的にその商品を購入するかしないかは、後からショッピングカートの中身を確認して決めることができます。

Amazonのショッピングカート
Amazonのショッピングカート

「レジに進む」のようなボタンをクリックして決済画面に進み、請求先情報を入力して、商品の代金を支払うという流れになりますが、一部のユーザーは、途中でサイトを離脱してしまうことがあります。

このように、商品が購入されることなくカートが放棄された状態をカゴ落ちと呼びます。

また、実店舗であれば、商品を入れたショッピングカートを放置して店を後にする状態を意味するため、カート放棄とも呼ばれます。

カゴ落ちメールの仕組み

カゴ落ちメールは、サイト上でのユーザーの行動を追跡することで機能します。買い物客が閲覧した商品、カートに入れた商品、購入した商品の情報がソフトウェアに記録されます。

ShopifyやBigCommerceのようなECプラットフォームには、すでにカゴ落ち対策に必要な指標を追跡する機能が組み込まれています。また、既存の顧客であれば、すでにメールアドレスを登録している可能性が高く、メールの配信も簡単です。ちなみに、後ほど詳しくご説明しますが、WooCommerceでもほぼ同じことが実現可能です。

潜在顧客が商品をカートに入れた後、サイトを離れると、ECプラットフォームにカゴ落ちとして記録されます。

Shopifyの場合は、「設定」>「通知」でカゴ落ちメールの文面を編集することができます。

CSSでメールの見た目を変更したり、特別な顧客向けに別途メッセージを作成することも可能です。

Shopifyのカゴ落ちメールテンプレート
Shopifyのカゴ落ちメールテンプレート

このテンプレートで設定したメールは、ユーザーがカゴ落ちすると自動送信されます。

メールの内容やデザインをさらに編集したい場合は、サードパーティ製のメールマーケティングツールを利用するのも手です。例えば、ステップメールキャンペーン(複数のメールをスケジュールに沿って送信するマーケティング手法)に高度な設定を加えて、カゴ落ち後、一定の時間経過毎にメールを配信するといったことも可能になります。

主要ECプラットフォームでカゴ落ちメールを送信する方法

では、WooCommerceShopifyBigCommerceの3つの主要ECプラットフォームで、カゴ落ちメールを作成・送信する方法をご紹介します。

また、おすすめのShopify代替ツール11選も併せてご覧ください。

WooCommerce

WooCommerceには、カゴ落ちメール機能は組み込まれていないため、公式拡張機能のFollow-Upsが役立ちます。

もしくは、無料プラグインのAbandoned Cart Lite for WooCommerceを使用することもできます。

Abandoned Cart Lite for WooCommerce
Abandoned Cart Lite for WooCommerce

Abandoned Cart Lite for WooCommerceをインストールすると、管理画面に「Abandoned Carts(放棄されたカート)」というメニューが出現します。

「Abanded Carts」をクリックすると、カゴ落ちメールの編集、送信設定の変更、カゴ落ちを逃れたカートの確認などが行えます。

Abandoned Cart Lite for WooCommerceのテンプレートタブ
Abandoned Cart Lite for WooCommerceのテンプレートタブ

Abandoned Cart Lite for WooCommerceのテンプレートタブ「Abandoned Carts」>「Email Templates」に進み、「Add New Template」をクリックすると、WordPress標準のWYSIWYGエディターを使ってメールを編集できます。

その他のWooCommerce向けカゴ落ちメールツール

Shopify

先ほども触れましたが、Shopifyにはカゴ落ち対策の基本的な機能が組み込まれているため、好きな時にシンプルなメールを1通送信することができます。

設定するには、「設定」>「チェックアウト」の「カゴ落ち」に移動します。

メールのテンプレートや内容を編集するには、月額19ドルで利用できるAbandoned Cart Recoveryのようなアプリが必要です。

Shopifyアプリ「Abandoned Cart Recovery」
Shopifyアプリ「Abandoned Cart Recovery」

このアプリでは、メールの内容、送信頻度、見込み顧客のメールアドレスを取得するためのポップアップ画面の表示などが設定可能です。

その他のShopify向けカゴ落ちメールツール

BigCommerce

BigCommerceは、外部のツール無しでカゴ落ちメールを高度に設定することができる唯一のソリューションです。

メールのデザイン、商品画像、文面、送信回数、送信時期を柔軟に管理することができます。

BigCommerceのカゴ落ちメール
BigCommerceのカゴ落ちメール

設定するには、管理画面から「Marketing」>「Abandoned Cart Notification」に移動します。

BigCommerceのメールテンプレートエディター
BigCommerceのメールテンプレートエディター

基本となるテンプレートは、PCでもモバイルからでも見栄えが良く、HTML形式でメールを作成することができます。

その他のBigcommerce向けカゴ落ちメールツール

サードパーティツールで高度にメールマーケティングを行う

サードパーティ製のメールマーケティングソフトウェアを利用すれば、さらに高度なカゴ落ち対策も。ECに特化したツールで、効果を最大化することができます。

カゴ落ちメールだけでなく、ユーザーの閲覧履歴や購入履歴に基づいたリマインドメールやレコメンドメールを送信することも可能です。

以下のツールは、カゴ落ち対策、購入ベースのセグメンテーション、およびその他便利なECサイト向け機能を搭載しており、上記でご紹介した3つの主要ECプラットフォーム用のアプリがあります。

また、RetainfulMailerLiteConstantContactには、ShopifyとWooCommerce用のカゴ落ち対策やセグメンテーションを含む、EC統合機能が組み込まれています。

BigCommerceの場合、すでに優れたカゴ落ち対策機能が搭載されているため、サードパーティツールは必要ないと思われがちですが、やはり限界はあります。

例えば、メールマーケティングにおいて、最も効果的な手法の1つであるドリップメールマーケティング(事前に作成した一連のメールを時期を見て自動送信する手法)の配信にセグメンテーションが使用できません。

カゴ落ちメール参考例

カゴ落ち対策は、何の調査もせずにいきなり始めるのは危険です。まずは、他社の対策を分析してみましょう。

以下、カゴ落ちメールの実例をいくつか取り上げ、良い点と改善点を見ていきます。

Boot Barn

Boot Barnのカゴ落ちメール例
Boot Barnのカゴ落ちメール例

良い点

満点とは言えませんが、Boot Barnのカゴ落ちメールにはいくつも良い点があります。

まず、カート内の商品が画像とともに強調されている点。また、カゴ落ちした当日にメールが配信されるようになっています。

さらに、カートの中身がリセットされるまでの残り時間(7日間)も提示しています。

改善点

改善点としては、商品カテゴリー、性別(メンズ、レディース等)、サイズ以外の商品情報がないことが挙げられます。

また、ヘッダーにはメニューリンクが含まれており、カゴ落ちメールであることがわかりにくくなっています。

HTMLを使用していることで、購入画面へのリンクやボタンがかなり小さく、もっと大きなCTAボタンが必要です。

左側に大きな画像、右側には細かく小さな商品情報のみと、デザインのバランスが悪いのも気になります。

Design By Humans

Design By Humansのカゴ落ちメール例
Design By Humansのカゴ落ちメール例

良い点

上のカゴ落ちメールは、カートに入れた商品が1点のみの例です。Design For Humansでは、ヘッダー画像を使ってメールの趣旨を冒頭で明確に説明しています。

また、商品画像と商品名を目立たせてカゴ落ちした商品を強調しながら、全体的にシンプルにまとめています。「Get it now(今すぐ購入)」というわかりやすいCTAボタンで、迷うことなく購入画面に移動できるようになっています。

デザインの観点では、余白と色味をうまく利用して各要素を区別しており、バランスが取れています。

そして、カゴ落ちした商品の下に関連商品も掲載しており、デザインや価格、サイズなどが原因でユーザーが直前に商品を変更した場合に有効です。

改善点

カゴ落ちした商品の販売期間を記載することで、さらに緊急性を高めることができるかもしれません(例えば、「この商品は限定コレクションで、完売後の再入荷の予定はありません。ご検討されている場合は、今すぐご購入ください」など)。

また、テキストやキャッチコピーを追加して、状況を明確にし、商品のセールスポイントを強調できるとなお良しです。

GoPro

GoProのカゴ落ちメール例
GoProのカゴ落ちメール例

良い点

上のスクリーンショットは、カート内の商品が1点のみの場合のGoProのカゴ落ちメール例です。

メール上部でカゴ落ちした商品の画像を大きく扱い、商品を目立たせています。また、予備バッテリー、SDカード、三脚など、関連商品も一緒にお勧めしているのが良い点として挙げられます。

改善点

改善点は複数あり、まずカゴ落ちを知らせるテキストが本文に含まれておらず、ヘッダーも最適化されていません。

また、HTMLを採用していないためにデザイン性に欠け、全体的に空虚な印象です。ヘッダー以外は、ただのテキストメールに画像を貼り付けただけのように見えてしまいます。

さらに、気が変わって商品を購入したくなるような、希少性の強調や訴求力も見られません。

Hot Topic

Hot Topicのカゴ落ちメール例
Hot Topicのカゴ落ちメール例

良い点

Hot Topicは実店舗の印象が強い企業ですが、このカゴ落ちメールを見ると、EC事業にも注力していることがわかります。

ヘッダーは、メールの趣旨、そして次に取るべき行動が一目瞭然でわかるようになっています。商品画像と商品名をメール上部に配置して強調し、その下にわかりやすいCTAボタンが続きます。

また、価格、デザイン、ブランドなどの要因で気が変わったユーザーを考慮し、類似商品を表示しているのも効果的です。

改善点

見出しはブランド相応に、あまり押し付けがましくないものが好ましいでしょう。また、カゴ落ち商品の希少性を演出するため、数行のキャッチコピーを加えるのがお勧めです。

また、商品画像の背景がグレーになっているのも、その他の要素との間に違和感を与えています(配色は時間をかけて選ぶこと)。

Snowboards.com

Snowboards.comのカゴ落ちメール例
Snowboards.comのカゴ落ちメール例

良い点

Snowboards.comのカゴ落ちメールは、インパクトのあるヘッダーグラフィックが特徴的です。

また、シンプルなデザインで、商品画像とCTAボタンに注意が向くようになっているのも良い点です。

改善点

「Heads Up(お知らせ)」という見出しは、一見迫力がありますが、肝心のメールの趣旨や内容がわかりません。

また、「Buy your stuff(商品を買おう)」というボタンの文言も、やや不自然な表現と言えます。カゴ落ちしたユーザーの購買意欲を刺激する要素がないのも気になります。

Amazon

Amazonのカゴ落ちメール例
Amazonのカゴ落ちメール例

良い点

Amazonは、商品販売の戦略にメールマーケティングを大々的に採用しています。Amazonユーザーであれば、定期的にAmazonからメールが届いているはず。

押し付けがましくなく、要点を押さえたキャッチコピーに、シンプルなデザイン。そして、カゴ落ちした商品とCTAに目が行く構成になっています。

また、Amazonプライムを利用している(またはこれから利用する)ユーザー向けに、Amazonの売りである「当日お急ぎ便/お急ぎ便」サービス(送料無料で最短翌日配達)も強調されています。

改善点

緊急性や、商品が未購入であることがわかりにくく、ヘッダーを工夫してメールの趣旨を明確にすると改善につながりそうです。

Cufflinks

Cufflinksのカゴ落ちメール例
Cufflinksのカゴ落ちメール例

良い点

Cufflinksのカゴ落ちメールは、見出しと2行の簡潔なキャッチコピーから始まり、ユーザーに瞬時にメールの趣旨を伝えています。その下には、商品画像と商品名が表示され、何を購入していないのかもすぐ分かるようになっています。

さらに、割引コードを掲載して、ユーザーの購買意欲を刺激し、即座に商品を購入したくなる動機付けもバッチリです。

改善点

商品画像がやや小さく、左に寄っているため、商品名と価格部分が間伸びしている印象があります。

また、この例で注目したいのは、関連商品の価格が「0.00ドル」と表記されているところです。このようなミスが起こらない様、事前のテストは必須です。

Figs

Figsのカゴ落ちメール例
Figsのカゴ落ちメール例

良い点

Figsのカゴ落ちメールは、わかりやすい見出しと気の利いた小見出しで、見込み顧客による商品の購入を上手に促しています。

デザインはシンプルでありながらバランスも良く、購入を迷っているユーザー向けに複数の関連商品も掲載しています。

改善点

CTAボタンが小さく、テキストと同じ配色を採用しているため、あまり目立ちません。

また、すぐにサイトに戻って商品を購入したくなる動機付けがないのも改善が必要です。

Free People

Free Peopleのカゴ落ちメール例
Free Peopleのカゴ落ちメール例

良い点

Free Peopleのカゴ落ちメールは、わかりやすい見出しでメールの目的を明確にしているのが良い点です。

また、カゴ落ちした商品を大きく高解像度の画像で表示しています。

改善点

CTAがテキストリンクで、さらに商品情報のテキストと同じ色を使用しているため、存在感がありません。また、見出し以外のキャッチコピーがなく、即座の購入を促すような工夫が必要です。

PAIGE

PAIGEのカゴ落ちメール例
PAIGEのカゴ落ちメール例

良い点

PAIGEのカゴ落ちメールには、ユーザーの目を引く見出しがあります。そしてメールの趣旨を小見出しで明確に伝えています。

カートの中身を商品画像のみで表し、デザインの中心的存在になっています。

また、最もメールが開かれるであろうモバイル端末向けに設計されているのも特長です。

(関連記事:レスポンシブウェブデザイン初心者ガイド

改善点

CTAリンクの配色が黒で、他のテキストと区別して強調できていない点が気になります。また、商品情報が1枚の画像のみで、カゴ落ち商品の詳細を把握することができません。

Roman Originals

Roman Originalsのカゴ落ちメール例
Roman Originalsのカゴ落ちメール例

良い点

Roman Originalsのカゴ落ちメールには、買い物心をくすぐる特別オファーが添えられています。マーケティングとは、後からではなく「今すぐ」ユーザーに行動を起こしてもらうこと。Roman Originalsは、テキストとCTAにそれをうまく反映しています。

改善点

無駄のないデザインで、カゴ落ち商品を画像で強調していますが、画像がやや小さく、左に寄りすぎている印象があります。

カゴ落ちメールのテンプレート

多くの自動応答機能やメール配信ツールには、様々なテンプレートがあり、テンプレートを編集して、見栄えの良いカゴ落ちメールを簡単に作成することができます。

MailChimpにはECサイト専用のテンプレートがあり、すぐに自分のストアに合わせた内容に変更することができます。カゴ落ちメールを作成するには、「Campaigns」>「Email Template」>「Create Template」>「Themes」に移動します。

Mailchimpのメールテンプレート
Mailchimpのメールテンプレート

テンプレートで画像やテキストの見た目を決めて、メールの内容を作成しましょう。テンプレート一覧から好きなものを選び、「お買い忘れはありまんか?」などの見出しを追加していけば、簡単にメールが完成します。

Campaign Monitorには、割引キャンペーン用のテンプレートもあります。

Campaign Monitorのメールテンプレート
Campaign Monitorのメールテンプレート

ほとんどの主要メールマーケティングツールには、カゴ落ちメールに役立つテンプレートがあります。

また、HTML5形式のメール作成ツールもあり、カゴ落ちメールのテンプレートを選んで、メールマーケティングツールと統合する手もあります。

Litmusでは、Email Monksチームがデザインしたカゴ落ちメールのテンプレートを利用することができます。

Litmusのカゴ落ちメールテンプレート
Litmusのカゴ落ちメールテンプレート

このテンプレートシリーズを使用するには、Litmusのアカウント登録が必要になります。無料トライアルの終了後は、自動応答機能に加え、Litmusのメールビルダーに別途費用が発生します。

Stripoも同様のサービスで、カゴ落ち対策用のメールテンプレートがいくつか用意されています。

Stripoのカゴ落ちメールテンプレート
Stripoのカゴ落ちメールテンプレート

Litmusとは異なり、Stripoには無料プランがあります。1件のプロジェクトと2種類のテンプレートに制限されますが、テンプレートとメールビルダーでセットアップ可能です。

メール用のおすすめフォントについてはこちらをご覧ください。

カゴ落ちメールのヒント

カゴ落ちメールには、3つの柱となる戦略があります。ショッピングカートとメールアドレスのマッチングが必要になるため、どの戦略もメール配信の自動化が欠かせません。

  • 1つ目は、リンク付きのシンプルなリマインドメールの送信。これは、ほぼすべてのプラットフォームで自動設定が可能です。しかし、カゴ落ち率を改善するには、数行のリンク付きメールだけでは不十分です。
  • 2つ目は、メール内で、カゴ落ち商品の画像を強調すること。使用しているプラットフォームによっては、プラグインや拡張機能が必要です。これは、セグメンテーションおよびパーソナライゼーションの一種であり、それぞれのユーザーが興味を持った商品を掲載することになります。
  • 3つ目は、数日にわたってカゴ落ちメールを送信し、最後にカート内の商品に適用できる特別な割引コードを添付すること。これには、別途メールツールやアプリ、拡張機能が必要です。

カゴ落ちメールの件名

カゴ落ちメールの件名は、例えば「お忘れになっていませんか」や「お急ぎください」、「お見逃しなく」といったフレーズを使用することになります。

先ほど上で取り上げた参考例の件名を見てましょう。

  • PAIGE「Did You Forget Something?(何かお忘れではないですか?)」
  • Design By Humans「We saved this for you(カート内に商品が残っています)」
  • Roman Originals「Don’t forget your basket…(カートの中身をお忘れなく…)」
  • Boot Barn「Did you forget something?(何かお忘れではないですか?)」
  • GoPro「Don’t forget about Hero8 Black(Hero 8 Blackをお忘れなく)」
  • Free People「Don’t forget about me :'( xoxo, Your Shopping Bag(私のこと、忘れないでね。ショッピングカートより)」
  • Hot Topic「Your cart has abandonment issues.(カゴ落ち商品があります)」
  • Figs「Abandonment Issues. We Get It.(カゴ落ち商品があります)」
  • Amazon「Acer Aspire 5 Slim Laptop(商品名)」

今回は、日本国外の企業を参考例として取り上げており、あまり日本的ではないユニークな表現もありますが、どれもKISSのアプローチ(Keep it Simple Stupid、何事もシンプルにという教訓)に則っていることがわかります。

コピーライティングにおいて、KISSのアプローチは特に重要視されるルール。カゴ落ちメールの件名では、特に明快さとシンプルさを念頭に置くことで、効果を発揮します。

したがって、件名はあまり長すぎず、複雑でないものを選びましょう。カゴ落ちしたことを的確に伝え、購買意欲を掻き立てることに集中することが大切です。

カゴ落ちメールを送信するタイミング

これについては正解があるわけではありませんが、1通だけ配信する場合は、カゴ落ちの1時間後にメールを送ることで最も高いROI(投資利益率)が得られる、というデータが出ており、最も高いコンバージョン率を狙うことができます。

カゴ落ち後の時間別コンバージョン率
カゴ落ち後の時間別コンバージョン率

20~30分後では早すぎ、24時間後ではユーザーの関心が薄れすぎてしまうようです。

なお、この数値はカゴ落ちメールの効果ではなく、買い物客が自発的に戻ってきて購入している可能性も考えられるため、メールは1通だけでなく、複数のメールを計画的に送信するのがベストです。では、どのぐらいの間隔で送信するのが良いのでしょうか。

複数のカゴ落ちメールを計画的に送信

できるだけ多くのカゴ落ちを防ぐため、カゴ落ちメールは数回にわたって配信するのが得策です。1時間後、1日後、3日後というように、徐々に間隔をあけて送信するのが効果的です。

カゴ落ちメールの送信間隔(画像出典: Rejoiner.com)
カゴ落ちメールの送信間隔(画像出典: Rejoiner.com)

また、毎回同じ内容のメールを送信するのではなく、工夫を凝らして、社会的証明や商品の見本動画などを利用し、カゴ落ち商品の魅力をアピールしましょう。

以下は、その一例です。

Boomの動画付き自動配信メール
Boomの動画付き自動配信メール

さまざまな戦略が考えられますが、適切なタイミングで数回にわたるフォローアップを行うこと、そしてメールの内容をパーソナライズすることを心がければ、問題ないでしょう。

カゴ落ち対策は、あくまで数多あるEC戦略の1つです。

カゴ落ちメールはGDPRに準拠しているのか

GDPR(EU一般データ保護規則)の準拠は、ユーザーからの許可を得ているか否かがすべて。したがって、顧客からの同意を得れば、GDPRに準拠していることになります。

最新情報やマーケティングメールを受け取るには、ユーザーがそれを主体的に選択する必要があります。顧客としてアカウント登録を行う過程で、事前に同意を得ても無効になります。

なお、コンプライアンス上、配信するメールには、配信停止リンクと住所などの会社情報の記載が必須です。

まとめ

多くの買い物客が購入前にサイトを離脱してることから、カゴ落ちメールは、より多くの商品を販売するための優れた営業・マーケティング戦略になります。

カゴ落ちメールは、効果的な件名を採用し、適切なタイミングで配信、そして収益を最大化するために、数回にわたって計画的に送信しましょう。

カゴ落ち対策で、多くの買い物客をストアに呼び戻すことができれば、TOFU(トップオブファネル) の収益性も高まり、新たなチャネルを採用したり、広告やブランディング、新商品への開発に再投資する余裕も出てきます。

あなたの会社では、カゴ落ちメールを戦略的に活用できていますか?以下のコメント欄で、ぜひお聞かせください。

Matteo Duò Kinsta

Head of Content at Kinsta and Content Marketing Consultant for WordPress plugin developers. Connect with Matteo on Twitter.