IoT(Internet of Things: モノのインターネット)は、世界中のデバイスなどの様々な「モノ」とアプリケーションをつなぐ仕組み。
IoTによって、企業の生産性や効率性が高まるだけでなく、家庭や都市を合理化し、利便性や環境の持続可能性も向上します。
IoTについて調べていてこの記事に辿り着いたのなら大正解。この記事では、IoTの仕組みと重要性、メリットとデメリット、そしてセキュリティの側面について詳しくご説明していきます。
IoTとは
それではまず、IoTとは一体何なのでしょうか。そして、どのような仕組みになっているのでしょうか。
モノのインターネットは、英語の「Internet of Things」を略して「IoT」と呼ばれています。物理的なデバイス(コンピュータ、センサー、機械など)とソフトウェア(アプリケーション)が相互に接続・連携してプロセスを自動化、効率化するネットワークです。
このネットワークは、インターネットを介して情報やコマンドを交換し、データを収集、記録、管理して、接続されたデバイスの機能を強化します。
このデバイスやアプリケーションには、FitBitのようなスマートウォッチや、AmazonのEcho Dotなどの日常的に使用されるツールから、製造装置や大規模なセンサーのような産業システムまで様々なものが該当します。
IoTアプリケーション
IoTアプリケーションとは、IoT対応デバイス上で動作するソフトウェアを指します。
医療、土木、住宅暖房など、あらゆる産業分野でIoTアプリを採用し、センサー技術の遠隔操作や、収集したデータの管理やワークフローの効率化に役立ています。
また、人工知能(AI)と機械学習を用いてIoTスマートデバイスを操作する動的なソリューションにもなり得、データ収集を効率化、プロセスを自動化できます。
個人、法人を問わず、具体的には以下のような操作を助けます。
- プロセスの簡素化
- 動作とパフォーマンスの改善
- 処理の自動化
- 環境条件の設定
- 活動の監視と制御
- コスト削減と損益の把握
インダストリアルIoT(IIoT)
インダストリアルIoTとは、倉庫や工場、製造工場などの産業現場向けに設計されたIoTソリューションを指します。
産業現場では、産業プロセスの合理化および自動化にデバイス間の複雑な通信が求められます。
IIoTは、産業環境におけるデバイス間の遠隔通信を支援するだけでなく、以下のような情報の確認にも有用です。
- 物理的な機械部品と機械的なワークフローの品質、効率、および有効性
- プロセスおよびシステムの効率と生産性
- 製造・加工費と損失高
IoTの市場規模
2019年時点で、100億台のデバイスがIoTに接続されており、2025年までには400億台近くまで伸びると予想されています。
2021年に22%成長したエンタープライズIoT市場は、現在3,847億ドル(約52兆円)に達しています。
IoTの重要性
個人や家庭においては、Apple Watchやスマートサーモスタット(自動温度調整機器)など、日常生活を便利にするデバイスを簡単にインターネットに接続することができます。
人やサービスをグローバルにつなぐことで、日常生活のあらゆる作業や行動を自動化し、容易に制御できるようになります。
IoTアプリケーションやデバイスを活用すれば、サービスや製品の使用状況を監視したり、生活費を管理したりすることもできるため、ひいては生活習慣の改善にもつながります。
産業においては、データを収集し、製造や配送プロセスにおける効率性、有効性、生産性を把握することが可能になります。
さらに、製造やメンテナンスの効率化だけでなく、防災のための診断システムにも。
しかし、IoTの重要性は、何を実現できるかということだけでなく、その実現方法にも隠されています。
まずはその価格。IoTを利用すれば、手頃な価格でデバイスを接続・自動化することができます。インターネットに限らず、IoTアプリケーションやデバイスも安価に購入できます。
さらに、直感的なインターフェースとスマートなデバイスで、使い勝手も抜群。新たなソフトウェアの操作もすぐに習得することができます。
そして、個人であっても企業であっても、世界中のどこからでもデバイスからアプリケーションに接続することができるため、世界規模のリモートワークも支援してくれます。
これによって、リアルタイムのデータに基づいて、どこからでも臨機応変に必要な対応をとることができます。
このように、モノのインターネットは、物理的な世界とデジタルな世界をつなぎ、あらゆる活動を高速化・自動化することを可能にしてくれる仕組みです。また、ワークフローや業務の質を高めながら、人間の手作業や人為的ミスの発生も削減することができます。
IoTの仕組み
IoTは、センサー、ネットワーク、データ処理、ユーザーインターフェースの4つの同期した要素で構成されています。
センサー技術─環境からデータを収集。
家の中にいる人の動きを検出する人感センサーのような単純なデバイスから、文字起こしツールのための音声認識ソフトウェアのような複雑なものまで該当します。
ネットワーク─インターネットを介してクラウドへのゲートウェイをセンサーに提供。これによって、デバイスがデータをクラウドに送信して処理。
接続方法には、WiFi、Bluetooth、セルラー、衛星、低電力広域ネットワーク(LPWAN)、イーサネットなど様々で、消費電力、帯域幅の要件、通信距離に応じて選択します。
データ処理─設定されたパラメータに基づき、アプリケーションがデータを収集、管理、保存。
簡単な例として、土壌温度計から取得した温度を収集し、検証するプロセスがこれにあたります。
より複雑なもので言えば、音声メッセージの収集、認識、翻訳など。
ユーザーインターフェース─データを人が読みやすいものに変換。直感的なインターフェースであれば、リアルタイムのデータ確認と対応も可能に。
データの表示方法を変えたり、センサーの動作を変更したり、受信データに関するアラートを作成したり、他のデバイスやアプリとデータを共有したり、あらゆることができます。
IoTアプリケーションとデバイス例
IoTアプリケーションは、当然ながらIoTデバイス上で動作し、この2つが連携することで、さまざまな場面で自動化機能を実現することができます。
Six Feet Up社の最高技術責任者であるCalvin Hendryx-Parker氏は、以下のように述べています。
「遺伝子工学から作物管理、宇宙開発まで、開発者は日々私たち人類に利益をもたらす強力なイノベーションを形にしています」(英語原文の日本語訳)
以下、いくつか具体例を見てみましょう。
スマートホーム:例えばスマート照明は、スマート電球や環境知能(アンビエントインテリジェンス)のためのセンサーなど、人の動きに反応する照明。スマートフォンのアプリで操作します。
ウェアラブル:Apple WatchやFitBitは、スマートフォンやタブレットの操作アプリと連携して機能するIoTアプリを搭載したウェアラブルデバイスの一例。
交通機関:基本的なもので言えば、車のスマートキー(キーフォブ)。IoTデバイスとして機能して、車の解錠と施錠、トランクの開閉、およびアラーム設定を可能にするアプリに接続します。
より複雑な例で言えば、自動運転車の給油で、燃料計のセンサーが給油の警告を車内管理アプリに送信します。その後車のシステムが信号を送り、近くのガソリンスタンドを検索。すると、利用可能なガソリンスタンドが反応し、車を自動的にガソリンスタンドまで導きます。この例では、燃料センサー、車、ガソリンスタンドがIoTデバイス、車内システム、ガソリンスタンドのソフトウェアがアプリケーションです。
ビジネス:サイト開発を行う場合、MacBook、iPhone、タブレットがデバイス、DevKinstaのようなソフトウェアが開発用アプリケーションとして機能します。パフォーマンスを監視するのであれば、Kinsta APMがアプリケーションになります。
資産(人やモノなど)を追跡する場合は、配送トラックに追跡装置を取り付け、運転手が降車を記録するタブレットと配送管理を行うコンピュータを用意。追跡装置、タブレット、コンピュータでIoTアプリケーションを操作します。
スマートシティ:スマートゴミ箱は、重量センサーでゴミ収集車にゴミ箱を空にするように指示を送信するようになっています。プロセスの管理は、センサーとトラック上のコンピュータが実行。これによって、都市の廃棄物管理が効率化されます。
スマートゴミ箱: 自治体や都市、民間のごみ収集会社では、収集ルートの最適化などを目的に、センサー付きのコネクテッドコンテナを導入し始めている。大都市や観光地など人が多く集まる地域でのスマートごみ収集サービスは、センサーのデータ送信頻度に影響を与え、15分毎から1日1~2回の報告で容器の充填レベル、傾き、移動などのデータを収集し、容器の回収と管理を最適化している。(英語原文の日本語訳)
また駐車場では、スマートパーキングメーターの導入により、駐車料金をスマートフォンで簡単に支払うことができ、駐車監視員が端末で決済を確認します。メーター、スマートフォン、駐車監視員が所持するデバイスが連携してアプリケーションを実行します。
IoTのメリットとデメリット
IoTを活用すれば、プライベートと仕事の両方をデジタル化することができる一方で、アプリやデバイスのネットワークを設計する際には、いくつかの懸念点があります。
IoTのメリット
以下のように、IoTは非常に大きなメリットをもたらします。
効率性と生産性:48%の企業が、IoTのメリットは生産性と製造量の向上にあると回答。自動化によって生産性が高まることを裏付けている。
リソースの削減:IoTによる監視、管理、自動化により、時間や資金、アセット、人的労力などのリソースを削減できる。
動作の向上:動作を監視・追跡することで、どこでどのように動作を改善するべきかを把握できる。
コミュニケーション:デバイス間の接続により、通信機能が向上。また、手頃な価格で購入できるデバイスと直感的なインターフェースで操作も容易。
環境保全への貢献:環境に配慮した業務を行えるよう、行動追跡と自動化を組み合わせたシステムを導入できる。「IoTは、環境に配慮した持続可能な活動に取り組むだけでなく、その努力を利益やリソース削減につなげる術を企業にもたらす」─John Canali氏(Omdia主任アナリスト)
スケーラビリティ:デバイスとアプリケーションの自動化によって、システムを予算内で拡張可能。
ビジネスインテリジェンス(BI):顧客の製品の使用方法と反応、そしてチーム内の共同作業効率を把握可能。肯定的な行動に基づいて、効果的なビジネス戦略を立てることができる。
事業の成長:事業拡大の新たな可能性を生み出し、新製品ラインの立ち上げや新たな市場への参入をサポート。
IoTのデメリット
しかし、IoTには非の打ち所がないというわけではありません。
トラッキングとプライバシー:アプリケーションはユーザーのデータを収集して行動を追跡するため、誰がデータへのアクセス権を持つのか、どのように共有するのか、どこに保存するのか、そしていつ削除するのかという懸念が生じる。
明確なデータポリシーがなければ、プライバシー保護に関する問題に直面し、違反すると多額のコンプライアンス違反の罰金を科されることに。これは、ユーザーの個人情報が悪意のある第三者に晒されることを意味します。
ところが、データプライバシーに関するポリシーの策定が推奨されているにもかかわらず、IoTツールを推進する方法として、その重要性を認識している企業は10社に1社程度と言われています。
セキュリティ問題:多くのデバイスやアプリケーションがインターネットに接続されることで、セキュリティに対する懸念がこれまで以上に大きくなっている。
スパイウェアやウイルスによるデータの破損や窃盗、デバイスの乗っ取りを可能にする侵入口が数多くあります。
帯域幅:十分な帯域幅が確保できない場合は、IoTデバイスやアプリケーションの運用が困難に。
エネルギーコスト:大量のデバイスの動作と充電に電力を消費するため、エネルギーコストの高騰をさらに後押しすることになる可能性も。
互換性:多種多様なデバイスやアプリケーションが存在するため、自社ネットワーク内、および接続する外部ネットワーク(他社)との互換性を考慮しなければならない。
雇用への影響:自動化とAIの台頭により、人間による反復作業の需要が低下。これに伴い、工場のライン作業員や、データ入力を行う人事や経理などの管理職の雇用の機会も減少する可能性がある。
特定の職種が将来的に淘汰されるかもしれませんが、IoTは、教育、医療、福祉、専門、科学の分野における技術とデータ分析で、新たな雇用機会を生み出す可能性があります。
IT予算の増大:テクノロジーの進化により、企業や家庭において、より多くの資金が技術に充てられるように。営利企業の場合は、多くのソフトウェアと大規模なIT部門に予算を割かなければならないだけでなく、一般消費者もタブレット、ウェアラブル端末、自動運転車などの製品の購入を迫られる可能性も。
信頼性:高い信頼性を持つネットワークに加えて、質の高いアプリとデバイスを組み合わせなければ、システムがダウンする恐れも。ビジネス全体のコミュニケーションや製品の性能に影響を与えかねない。
IoT通信規格とフレームワーク
IoT標準とフレームワークは、ネットワーク全体の互換性、管理責任、および信頼性を保証するシステム開発方法を定義します。
IoT通信規格
オペレーティングシステムのように、IoTアプリケーションが動作するための確立されたプロトコルです。
IoT通信規格の目的は、アプリやデバイス開発時の、世界標準の策定にあります。この規格によって、開発者はネットワーク上で相互運用性を確保することができます。
互換性と相互運用性が向上すれば、システムおよびエンティティがネットワーク上で連携できるように。
確かな規格があれば、異なる産業や市場がIoTアプリケーションを通じて連携し、イノベーションを促進することができます。そうでなければ、企業でのデータや情報の共有が煩雑化してしまいます。
また、IoTセキュリティシステムも強化され、普遍的なセキュリティプロトコルによって、ネットワーク内のすべてのユーザーを保護しやすくなります。
主要規格の例としては、以下の4つが挙げられます。
- IPv6 over Low-power Wireless Personal Area Networks(6LoWPAN)
- ZigBee
- Data Distribution Service(DDS)
- LiteOS
IoTフレームワーク
IoTフレームワークは、アプリの開発・管理、パフォーマンスをサポートするもので、デバイスやアプリケーション間のスムーズなデータのやり取りを実現します。
また、ミドルウェア層として、デバイスとアプリケーションを接続するエコシステムを形成します。例えば、IoTセットアップには、センサーデータを収集、処理、保存するためのクラウドコンピューティングサービスが必要です。Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)などがその一例です。
主要フレームワークには、以下のようなものがあります。
- AWS IoT
- Microsoft Azure IoT
- Brillo/Weave(GoogleのIoT向けOS)
- Calvin
IoTのプライバシーとセキュリティ
ネットワークに多くのデバイスが接続された状態は、悪意のある第三者の侵入口も多数存在することを意味します。デバイスが増えるたびに、新たな侵入口を生み出すことに。
また、安価なデバイスが世界中に出回っているため、すべてのデバイスのセキュリティを監視することはほぼ不可能と言っていいでしょう。したがって、質の低いデバイスを1つハッキングするだけで、侵入することができてしまいます。
企業が懸念すべき要素は、デバイスやアプリケーションのセキュリティだけには留まりません。消費者のすべてが高いセキュリティ意識を持っているわけではなく、悪意のあるユーザーが容易に推測できてしまうパスワードを使用している人も中にはいるでしょう。
システム全体を保護するためには、センサー、ネットワーク、データ処理、ユーザーインターフェースなど、あらゆるレベルでセキュリティ強化策が必要になります。
当然ながら、企業は消費者に質の高いデバイスの購入を強制することはできません。そのため、セキュリティリスク管理のための堅牢なソリューションは不可欠です。
しかし、多くの企業では、このようなデータの流入を処理する体制が整っていません。その必要性を理解していないだけでなく、基本的なセキュリティ強化策を講じる技術すら持ち合わせていない場合がほとんど。中には、セキュリティについて検討すらしていない、または一切予算を確保していないということも。
加えて、データの収集、保存、共有に関連したプライバシーの問題も存在します。
IoTアプリケーションは、デモグラフィック(ユーザーの性別や年齢などの属性)と行動の両方に関するデータを収集します。その際、使用同意の求め方、データの使用方法、そして自社がコンプライアンスを維持する方法を規定するルールや規則が必要です。
プライバシーに関する懸念は、以下のようなものが挙げられます。
盗聴・盗撮:防犯カメラやベビーモニターをハッキングして、悪意のある第三者に私生活を覗き見される恐れがある。
個人情報の第三者提供:レンタカー会社が運転免許証番号を保険会社に販売するなど、一般消費者があまり意識していない個人情報が同意なしに共有・販売される可能性がある。
データ流出:デバイス、アプリケーション、サーバーがハッキングされ、支払い情報や個人情報が盗まれる可能性。
安価なデバイス:安く購入できるデバイスには十分なセキュリティ強化策が導入されておらず、スパイウェアの侵入が容易になる。
管理責任:デバイスやアプリを介して悪意のあるユーザーがシステムに侵入した場合、特にパスワードの漏えいが生じた際に誰が責任を負うのかが不明瞭。
IoTとクラウド
クラウドとは、IoTデバイスやアプリケーションをサポートする巨大ネットワーク。
例えば、日常会話の中で「クラウドにアップロードする」と言うと、インターネット、具体的にはインターネット上の「ハブ」を指しています。
インターネットを空に例えれば、クラウドはその名の通り「雲」のような存在。
そしてクラウドが一連の活動を経るように、クラウドコンピューティングもまた同様に一連の活動を辿ることになります。
インターネットは、エッジサーバーに保存されたデータで動作します。このサーバーは物理的に存在し、企業が所有・管理します。この企業は、データを収集、処理、保存するアプリケーション、またデータを管理・閲覧するオンラインインターフェースも提供します。
クラウドコンピューティングは、サーバー管理、データ処理層、消費者が利用するオンラインインターフェースからなる一元化されたシステムです。
先ほどの例で言えば、誰かが「クラウド」に何かをアップロードすると言うと、Google Cloudを指しているかもしれません。
Google Cloudにデータをアップロードすると、Googleのサーバーに送られ、Googleが管理・保存を行います。データはGoogle ドライブに表示され、ユーザーは保存、閲覧、共同作業、共有などを行うことができます。
IoTにおけるクラウドコンピューティングの重要性
クラウド層は、IoTのデータ処理を担います。センサーから収集されたデータは、クラウドに送られて処理されます。
VRグラスから手術用トレーニング機器、フィットネストラッカーまで、さまざまなデバイスとデータが目的に応じて使用されています。
すべてのデバイスには、大量のデータを保存、管理、保護するクラウドソリューションが必要です。
また、情報へのアクセスは、柔軟で信頼性の高く、なおかつ汎用的でなければならず、データを素早く共有、通信する手段も求められます。
加えて、データの消失や破損を防ぐためのディザスタリカバリ(DR)メカニズムもクラウドソリューションには不可欠。
クラウドコンピューティングは、このようにIoTデバイスやアプリケーションのデータを収集、保存、保護、管理するスケーラブルな暗号化サービスを実現します。
4種類のクラウドコンピューティングとIoT
クラウドコンピューティングには、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、およびEaaS(Everything as a Service)の4種類があります。
IaaS(Infrastructure as a Service)─サービスとしてのインフラストラクチャ。インターネットを利用し、専用ハードウェア、ネットワーク機能、ストレージなどのテクノロジーインフラやリソースをオンデマンドで提供。
PaaS(Platform as a Service)─サービスとしてのプラットフォーム。アプリ開発で最も広く使用され、ハードウェアとソフトウェアを一緒に提供することで、ツールの構築を可能に。データベース、ミドルウェア、オペレーティングシステム、サーバーなどが該当。
SaaS(Software as a Service)─サービスとしてのソフトウェア。完成されたソフトウェアとして、IoT上で動作するエンドユーザー向けアプリケーションを提供。ウェブベースの顧客関係管理(CRM)ソリューション、会計ツール、音楽配信サービスなど。
XaaSまたはEaaS(Everything as a Service)─IoT上でアクセス可能な製品、ツール、サービスなど、広大なウェブを包含し、あらゆる最新技術を提供。Desktop as a Service(DaaS)、Artificial Intelligence as a Service(AIaaS)などがその一例。
データ管理とIoTアプリケーション
IoTアプリでは、膨大な量の多種多様なデータが収集・処理されます。したがって、データの管理は、安全かつ円滑に動作するシステムの基本。
中小企業の場合は、サイトからのデータのみを管理するだけで事足りるかもしれません。メールアドレス、顧客名、支払い情報を収集するオンラインストアをすでに持っている確率も高いでしょう。例えばKinstaのコントロールパネル「MyKinsta」は、このようなデータの収集、管理、保存をサポートしてくれるツールです。
大企業の場合は、ビッグデータソリューションが必要になるかもしれません。ビッグデータとは、従来のデータベースでは処理しきれない膨大な量のデータを意味します。
ビッグデータソリューションは、以下の目的でIoTアプリケーションを利用しています。
- あらゆる種類の大量のデータを高速かつリアルタイムに収集・分析
- Sparkなどのツールで大量のデータをビッグデータデータベースに格納
- データレポートの作成と共有
まとめ
IoTを噛み砕いて説明するなら、「『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカが作った、グローバルなネットワーク、自動化、そしてイノベーションのための工場」と考えるとわかりやすいかもしれません。
何かを自動化したり、データを収集したり、何かに接続したりすることで、何らかの問題を解決する方法を考えてみてください。IoTを利用すれば、それが実現可能です。
同時に、IoTのデメリットもお忘れなく。セキュリティとプライバシーは見過ごせない重要な課題です。大量のデータを保護する必要があり、それを怠れば深刻な問題につながります。
企業、家庭、産業、都市において、IoTはよりスマートな生活、業務、成長へのカギを握っています。だからこそ、入念な計画と検討を重ねなければなりません。
まずは、MyKinstaで効率的かつスマートなサイト管理から始めませんか?