RustとPythonは、最近よく比較される人気のプログラミング言語。どちらも汎用的に使用できますが、特定のシナリオやニッチな分野によっては、それぞれ得意不得意があります。
プロジェクトにどちらの言語が適しているかを判断するには、両者の特徴とアーキテクチャをよく理解する必要があります。このRustとPythonの比較記事が判断の参考になるはずです。
では、早速始めましょう。
Rustの概要
Rustは比較的新しいプログラミング言語ですが、パフォーマンスとメモリ効率に優れ、信頼性の高いアプリケーションを作成できることから急速に普及しました。Rustは静的型付け言語で、構文はC++に似ています。
ガベージコレクションやランタイムはありません。C++で見られるさまざまな問題、たとえば並行処理やメモリ管理の問題などに対する策が講じられています。比較的歴史の浅い言語ですが、2022年のStack Overflow Developer Surveyでは、開発者の間で最も使用されている技術に選ばれ、これで7度目の選出となります。
Rustを採用する企業
Rustの登場以降、新興企業から大企業まで、数多くの会社が既存のソフトウェアアプリケーションやサービスの拡張、新規構築にRustを続々と採用しています。現在では、以下のような世界をリードする大手ハイテク企業がRustを利用しています。
- Amazon:Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)、Amazon Simple Storage Service(S3)、CloudFrontなどのクラウドサービスに使用。Rustに投資している企業の1社。
- Dropbox:世界有数のファイルホスティングプロバイダーであり、重要なコンポーネントの1つであるファイル同期サービスにRustを採用。
- Google:Rust Foundationの設立メンバー。Androidの開発とLinuxカーネルOSの開発に使用している。
- Microsoft:Windowsオペレーティングシステムに採用。発表予定のRustの新バージョンでは、ソフトウェア開発にWindows APIを使用できる。
- Coursera:世界有数のオンライン学習サービス。プログラミング課題機能にRustを採用している。
Pythonの概要
Pythonは、最も人気のあるスクリプト言語の1つです。機械学習、データサイエンス、データの可視化、データ分析、DevOps、自動化、テストなど多くの分野で使用されています。
そのシンプルな構文から、駆け出しの開発者でも扱いやすいプログラミング言語です。2022年のStack Overflow Developer Surveyでも、プロの開発者およびコーディング学習者の間で3番目に人気のある言語に選ばれています。Pythonは、オブジェクト指向プログラミングに重きを置いていますが、関数型プログラミングとしても使用できます。
Pythonの利用者
Pythonは、IT、教育、政府、金融業界で幅広く利用されています。以下は、Pythonを採用する大手IT企業の一例です。
- Facebook:アプリケーションや機能の高速な開発・デプロイのため、PHPとPythonを採用。Facebookのインフラ管理のほかに、Facebook Ads API、Python Async IRCbotフレームワークなど複数のサービスにもPythonを使用している。
- Google:Pythonのシンプルさと効率性を買い、スクリプト作業に使用している。ウェブスクレイピングのため、現在はJavaで作成したウェブクローリングスパイダーをPythonに置き換えている。
- Netflix:データ分析にPythonを使用。ユーザーへの通知を送信するCentral Alert Gatewayや、セキュリティの変更を監視するmonkey appsにも採用している。
- Spotify:データ分析を含め、さまざまな場所でPythonを使用している。バックエンドアプリケーションには、DjangoフレームワークとZeroMQネットワークライブラリを採用。また、プロセス作成、スクリプト作成、プロトタイピングにも。
- Instagram:画像や動画を共有できるSNSサービス。Pythonを使用してインフラを拡張している。
Rustの主な特徴
Rustは、言うなればC++のメリットを残しつつ、さらに機能を拡張した言語です。主な特徴は、メモリセーフ、スレッドセーフ、クロスプラットフォーム対応、ゼロコスト抽象化の4つが挙げられます。
メモリセーフ
C++のような言語では、メモリに関する多くの問題によってアプリケーションパフォーマンスが阻害される可能性があります。これに対し、Rustでは「所有権モデル」と「型システム」を導入することで、メモリ管理のほとんどの問題を解消しています。プログラムは実行時ではなく、コンパイル時にメモリを解析できます。
これは、変数がメモリの「所有権」を持ち、他の変数からメモリを「借用」できることを意味します。この機能によってガベージコレクタは不要になり、コンパイル時にプログラムにバグが発生することがなくなります。
スレッドセーフ
スレッドセーフは、実行時に処理が競合してしまうのを防ぐものです。2つ以上のスレッドが同時に同じメモリにアクセスすると競合が起こり、プログラムの異常な動作につながります。
Rustのデータ所有権モデルでは、変数を所有するか、可変で借用したスレッドにのみ書き込みが可能です。これによって、一度にアクセスできるスレッドは1つに限定されます。
ゼロコスト抽象化
開発を進めていく中で、保守性の向上や機能の容易な拡張のために、さらなるコードの抽象化が求められる場合があります。しかし、コードの抽象度を高めると、プログラムの実行時のパフォーマンスに影響を与える恐れがあります。
Rustでは、ゼロコスト(さらにリソースを消費したり、速度が低下したりすることなく)で抽象化できます。つまり、実行時のオーバーヘッドがありません。あるいは抽象化されたコードが、抽象化されていないコードと同等になります。
クロスプラットフォーム対応
Windows、Linux、macOSなど複数のプラットフォームでアプリケーションを開発でき、異なるプラットフォーム間の構成を容易に処理できます。また、ビルドツール「cargo」により、1つのコマンドで複数のプラットフォームにコードを公開することができます。
Pythonの主な特徴
Pythonは、従来コードの読みやすさを重視して開発されたため、その構文は英語に近いものになっています。また、さまざまな学術団体で数学的、科学的研究に利用されており、数学や科学計算を行うための大規模なライブラリ群があります。
英語に似たシンプルな構文
Pythonは、英語に似た構文で簡単にコードを書けるため、日常的にコードを記述している多くのユーザーに愛用されています。アマチュア開発者でも習得が容易で、初めてのプログラミング言語として広く使用されています。
また、そのシンプルな構文から、開発作業も効率化されます。Pythonのプログラムは、他の言語に比べてコードの量を抑えることができるため、最終的に、アプリケーションをローンチするまでの時間を短縮できます。
動的型付け
Pythonでは変数の型の定義が不要で、Pythonインタプリタにより実行時に、変数式に基づいて定義されます。型を宣言する手間が削減でき、機能の実装に専念することができます。
大規模なコミュニティ
世界中で何百万人ものユーザーからなる大規模なコミュニティがあり、必要に応じて助けを求めることができます。Python開発者にとって、開発中に直面した問題を解決するのに貴重なプラットフォームとなっています。
加えて、ドキュメント、開発者向け記事、動画、解説など、Pythonに関する多くの学習リソースも用意されています。
豊富な標準ライブラリ
Pythonの標準ライブラリは、大量のフレームワーク、モジュール、再利用可能なコードで構成されており、あらゆるプロジェクトを実現できます。すべてをゼロから開発する手間や労力は不要です。
クロスプラットフォーム対応
Windows、Linux、macOSなど複数のプラットフォームでアプリケーションを実行できます。プラットフォームごとにコードを記述する必要はありません。
Rustのメリットとデメリット
Rustには、デメリットよりもメリットが多く挙げられる言語です。以下、詳しく見ていきましょう。
メリット
Rust最大の利点は、その高いパフォーマンスにありますが、それだけではありません。他にも、以下のようなメリットがあります。
- パフォーマンス重視のアプリケーション開発に理想的。ガベージコレクションやランタイムを必要とせず、メモリ効率が高い。
- 所有権モデルと型システムにより、メモリセーフかつスレッドセーフ。
- 静的かつ強力に型付けされた言語で、不正に宣言された変数に関するコードエラーが発生しない。
- オーバーヘッドが少なく、組み込みプログラムの開発に適している。
- Rustコミュニティでは、他の開発者と問題解決の相談や意見交換することができる。イベントやカンファレンスなども開催されており、学習リソースも豊富。
- 有用なドキュメントを閲覧できる。
- 生産性を向上する様々なツールあり。例えば、統合されたパッケージマネージャー、ビルドツール、高機能エディターサポート、エラーメッセージを表示するコンパイラなど。
- ioエコシステムは、作業を簡素化するコマンドラインツールを搭載。
- クロスプラットフォーム対応のソフトウェアを開発できる。
デメリット
使用するにあたって、デメリットも押さえておきましょう。
- パッケージ全体、またはクレート全体をコンパイルするため、コンパイルは他の言語よりも低速。結果処理に時間がかかる。
- Pythonなどの他の言語と比べて、習得にやや時間がかかる。また、効率的に使用するには、少なくとも1つ他の言語を知っていなければ難しい。初めてコードを記述するユーザーには不向き。
- モンキーパッチのサポートがほとんどない。
- バイナリファイルが大きくなる可能性がある。
Pythonのメリットとデメリット
続いて、Pythonを使用するメリットとデメリットも見ていきましょう。
メリット
Pythonが多くの開発者に愛用されているのには、それなりの理由があります。主なメリットとしては、以下が挙げられます。
- シンプルな構文で習得しやすい。RustやPHPのような複雑な言語と比較すると習得も簡単で、初心者にもお勧め。
- データウェブ開発、データサイエンス、機械学習、スクリプト、プロトタイピング、テスト自動化など、様々なユースケースで使用でき汎用性が高い。
- 豊富な標準ライブラリのおかげで、少ないコードで単純な数値計算から複雑なデータ分析プロジェクトまで、あらゆるプログラムを開発できる。
- 動的型付けにより、変数の型を宣言する手間が削減できる。
- 解説、ドキュメント、開発者向け記事など、Pythonを学ぶためのリソースがインターネット上で数多く見つかる。
- 専用のIDEやコードレビューツールなど、Pythonの開発をサポートする多くのツールがあります。gitリポジトリと対話できる「GitPython」も。Gitのワークフローの学習は、ウェブ開発において非常に有益。
- クロスプラットフォーム対応のソフトウェアを開発できる。
- インタプリタ型言語で、デバッグが容易。
- 大規模なコミュニティがあり、問題もすぐ解決できる可能性が高い。
- .NETやPHPなどの言語と併用でき、データベースなどの他のコンポーネントと簡単に統合可能。余談ですが、PHPは時代遅れの言語だと思っていませんか?実はそんなことはありません。それどころか、PHPを扱う仕事は高収入が期待できます。
デメリット
実はつい最近まで、Pythonはウェブ開発には不向きな言語でした。現在では、あらゆる面で改良されてきましたが、未だいくつかの欠点が残っています。
- 高速性が必要なアプリケーションには不向き。行単位で実行や動的型付けを行うため、他の言語に比べて遅い。
- 柔軟なデータ型などの機能により多くのメモリを消費。そのため、大量にメモリを消費するアプリケーションには不向き。
- 動的型付けは、コンパイル時に検出できないランタイムエラーを引き起こす可能性がある。
- 速度が遅く、メモリ使用量も多いことから、モバイルアプリには不向き。
- データベースアクセスは、他の多くの言語ほど開発されていないため、難しい場合も。
RustとPythonの機能比較
次に、RustとPythonを様々な側面、たとえば雇用機会、機能、スケーラビリティ、拡張性、パフォーマンスなど個別に比較していきます。
使いやすさ
使いやすさ、操作の習得のしやすさは、Pythonが優勢です。前述したように、Pythonはその学習のしやすさから、世界中で最も使用されるプログラミング言語の1つとして名を馳せています。
これからコーディングを学ぶのであれば、Pythonを選ぶのが得策です。Rustの構文構造はより複雑で、習得にはプログラミングの知識が求められます。
その使いやすさと利用可能なモジュール、ライブラリ、フレームワークから、Pythonは多くの分野で簡単に使用することができ、他のどのプログラミング言語よりも幅広い分野で採用されています。
また、研究者にとっても使いやすい言語です。専門知識がなくても、理解が容易で、Rustであれば膨大なコードが必要になるプログラムも、Pythonなら少ないコードで済みます。使いやすさの観点では、圧倒的にPythonに分があります。
求人の多さ
Pythonは、世界中の多くの産業において、技術スタックに必要不可欠な言語です。したがって、経験豊富なPythonプログラマーであれば、仕事に困ることはないはずです。また、その使用事例は多岐に渡り、さまざまな分野で活躍のチャンスがあります。
例えば、Python開発者は、データ分析、機械学習、データサイエンスの研究アシスタントとして、またはDjangoなどのフレームワークを使用したフルスタック開発者として活躍することができます。JavaScriptはウェブ開発に特化した言語ですが、現在はPythonがNode.jsの競合になりつつあります。
一方のRustは、Pythonに比べればその歴史こそ浅いものの、利用ユーザーはここ数年で着実に増加しています。また、Rust開発者の数は、Python開発者よりもはるかに少ないことから、様々な業界でRustを扱えるプログラマーの需要が高まっています。
そして、Rustを扱うウェブ開発の年収は非常に高いことで知られています。つまり、現在は、Pythonプログラマーの方がより多くの仕事の機会に恵まれていますが、今後数年でRust関係の求人が増えていくことが予想されます。
エラー処理
RustとPythonでは、エラー処理の仕組みが異なります。Pythonのエラー処理は、コンパイル時にコードを改善できる余地があまりありません。エラーが発生すると、実行時に例外を投げますが、エラーの修正方法については何も提示されません。
一方Rustは、コンパイル時にエラーを見つけると値を返し、停止せず、また可能な修正方法も確認できます。したがって、Rustの方が、エラー処理が容易です。また、実行時ではなくコンパイル時にピンポイントでエラーを検出するため、質の高いプログラムを構築できます。
拡張性
Pythonは、拡張性の観点でRustを大きく引き離します。先にも触れた通り、Pythonには豊富なライブラリ、モジュール、フレームワーク、ツールが揃っており、コードの記述量を抑えることができます。日々の業務を自動化する簡単なスクリプトから、複雑なウェブアプリケーションまで、あらゆるものを構築可能です。Pythonがあらゆる業界で採用されている理由はここにあります。
Pythonと比較すると、Rustのエコシステムはまだまだ発展中です。とは言え、ここ数年で急成長を遂げており、Rustコミュニティの「crates」レジストリには、新しいクレートが増え続けています。ただし、現在のクレートの量では、Pythonに匹敵するほどの拡張性は未だ実現できていません。
機能
2つの言語の特徴を比較すると、RustにはPythonよりも直感的で特徴的な機能があります。前述したように、RustはPythonよりもメモリセーフ、スレッドセーフという特徴があり、ガベージコレクションやランタイムがないことから、Pythonよりも効率性に優れています。
ゼロコスト抽象化により、Rustで複雑なアプリケーションを記述でき、さらにデプロイを簡略化する便利なツールも複数用意されています。
一方のPythonは、Rustに比べると特徴的な機能はあまりありません。強いて言えば、動的型付け、シンプルな構文、インタプリタ型汎用言語などが挙げられますが、クロスプラットフォーム対応は、どちらの言語にもある機能です。
したがって、機能においては、Rustの方が優れていると言えます。
ガベージコレクション
Rustは、実行時にガベージコレクションを行いませんが、Pythonにはガベージコレクションがあります。つまり、Rustでは、実行時に、プログラムの実行速度を低下させる恐れのある未使用メモリの確認が行われないことを意味します。一方、Pythonではこの確認が行われます。これがPythonがRustよりも低速である理由の1つです。
メモリ管理
PythonとRustのメモリ管理方法は、それぞれ異なります。Pythonは、メモリ管理にガベージコレクタを使用し、常にコード内の未使用の変数を検索してそのメモリを解放します。Rustは、メモリ管理に所有権モデルを採用し、コンパイル時に所有権ルール違反がないかどうかをチェックします。
また、Rustでは値の保存にスタックとヒープを使用します。スタックはスカラー値を格納し、ヒープはスカラー値でない値の格納に使用されます。Rustのメモリ管理手法は、Pythonよりも画期的で、実行時に通常のガベージコレクタよりも効率的にメモリが管理されます。
パフォーマンス
パフォーマンス面では、Rustに軍配が上がります。Rustは、高パフォーマンスのアプリ構築を考慮して設計されており、インタープリタがないことや効率的なメモリ管理等の固有機能により、圧倒的に速度の面で優れています。
一方、Pythonの欠点は速度にあり、性能重視のアプリケーションには向いていません。この原因としては、、インタープリタや、実行時のガベージコレクションによる非効率的なメモリ管理が挙げられます。
人気
Pythonは、プログラマーや現在コーディングを学ぶ人に人気の高いプログラミング言語です。Pythonの安定した人気は、業界をリードするプログラミング利用調査からも明らかです。例えば、2020年のStack Overflow Developer Surveyにおいて、Pythonが世界で3位に選ばれたのに対し、Rustはその足元にも及びませんでした。
最新の2022年のStack Overflow Developer Surveyでも、Pythonはその人気を維持しています。しかし、Rustはこの数年間で、最も使用されているプログラミング言語に連続で選ばれています。
システムの拡張性
Pythonの低速なパフォーマンス、非効率的なメモリ管理、インタプリタ型言語などの要素により、Pythonアプリケーションでは、増加するユーザー数に応じた拡張が制限されます。しかし、このスケーラビリティの制限は、基盤となるインフラの水平および垂直スケーリングのような技術で克服できます。
Pythonは、ユーザー数が増え続ける多くのハイテク企業で使用されており、適切なインフラのスケーリングによって、高い拡張性を実現することができます。一方のRustは、高パフォーマンスを考慮して設計されているため、インフラの拡張や費用投資をせずに、スケーラブルなウェブサービスを構築できます。
セキュリティ
Rustの安全性は、Pythonのそれよりも優れています。Secure Rust Guidelinesの記述によれば、メモリ安全性を重視して設計されています。メモリに関するすべての問題は、コンパイル時に検出され、変数の許可されないアクセスを防止します。
さらにRustの開発チームは、Rustエコシステムのセキュリティ脆弱性の対処に常に取り組んでいます。すべてのセキュリティ修正プログラムは、Rust Security Announcementのメーリングリストを通じて参照できます。
一方Pythonは、Rustほどメモリセーフとスレッドセーフに長けていません。開発者は独自にメモリを管理し、メモリリークを防ぐ必要があります。
速度
速度はプログラムのメモリ効率やパフォーマンス効率に直接関係します。Rustはメモリ効率やパフォーマンス効率が高いため、Rustの方が、Pythonよりも実行速度が速くなります。
サポート(コミュニティとドキュメント)
Rustとは異なり、Pythonには大規模で多様なコミュニティとドキュメントがあります。Pythonのコミュニティ内では、Pythonの開発に貢献でき、あらゆる質問に対する答えも簡単に見つけることができます。また包括的な知識ベースもあり、Pythonを学び尽くすことも可能です。
一方、Rustのコミュニティは比較的小さなコミュニティです。しかし急速に拡大しています。またRustのドキュメントはよく書かれており包括的です。Rustの一から十までを学べます
RustとPythonの比較参照表
以下の表は、RustとPythonの機能比較をまとめたものです。
機能 | Python | Rust |
使いやすさ | シンプルな構文と豊富なライブラリで使いやすく、習得も容易 | 習得にはプログラミングの予備知識が必要 |
求人の多さ | 多い | Pythonには劣るが、高給 |
エラー処理 | 実行時に例外を投げ、修正の提案なし | コンパイル時のエラー処理と修正の提案あり |
拡張性 | 豊富なライブラリで拡張が容易 | Pythonに比べると拡張性に劣る |
機能 | 直感的な機能はほとんどない | 直感的な機能が豊富 |
ガベージコレクション | あり | なし |
メモリ管理 | ガベージコレクション | 型システムと所有権モデル |
パフォーマンス | 低い | 高い |
人気 | 高い人気 | Pythonには劣る |
システムのスケーラビリティ | Rustには劣る | 高スケーラビリティ |
セキュリティ | メモリセーフ、スレッドセーフがない | メモリセーフ、セキュリティセーフにより高い安全性 |
速度 | Rustより低速 | 高速アプリケーション向き |
サポート | 大規模で多様なコミュニティと包括的なドキュメント | よりコミュニティの規模は小さいが、ドキュメントは充実 |
RustとPython─プロジェクトでどちらを使用するべきか
RustとPythonのどちらを選択するかは、何を開発するかによって異なります。どちらの言語にも長所と短所があり、上でご紹介した通り、高効率でメモリ集約的かつスケーラブルなアプリケーションを構築するなら、Rustが答えです。
Rustは、組み込み系やコマンドラインプログラムの開発に適したプログラミング言語です。一方、フロントエンド開発においては、PythonやRustよりも優れた、ReactやVueなどのJavaScriptフレームワークが人気です。
PythonはRustほど安全性や効率性に優れていないものの、ライブラリが豊富で、開発作業に充てる時間を減らすことができ、プロトタイピング、スクリプト、データサイエンス、機械学習、データ分析などに向いています。
Pythonは、ウェブ開発よりもデータ分析に使用される傾向にあります。他の言語の知識がない初心者や、手っ取り早くウェブ開発者になりたい人には、習得やコードの記述が容易なPythonがおすすめです。
ウェブアプリケーションやECサイトの開発には、この2つのプログラミング言語よりも優れた技術が必要です。WordPressは、そんなソリューションの1つかもしれません。WordPressでサイトを構築するなら、サポートは私たちにお任せください。
Kinstaでは、WordPress専用マネージドホスティングを提供しており、サーバー周りの面倒な作業を代行します。さらに、無料の開発ツール「DevKinsta」を使い、ローカルマシンでWordPressサイトを設計、開発することができます。
また、Kinsta APMでWordPressサイトのパフォーマンスを監視することも。WordPressサイトのテストに便利なステージング環境も無料で利用でき、加えた変更はワンクリックで本番環境に反映することができます。
まとめ
Pythonは、あらゆる用途に使える人気のプログラミング言語です。Rustは、Pythonと比べれば登場したばかりの言語ですが、Pythonよりも優れた一部の機能から、年々人気が高まっています。世界トップクラスのハイテク企業は、PythonとRustの両方を採用しています。Rustの大きな魅力は、スレッドセーフ、メモリーセーフ、ゼロコスト抽象化などが挙げられます。
一方Pythonは、シンプルな構文、動的型付け、大規模なコミュニティサポートとライブラリなどの特徴から、安定した人気を誇ります。Rustの主な欠点は、コンパイル時間の遅さと、モンキーパッチのサポートが不十分な点です。Pythonは、低いパフォーマンスと、データベース接続やモバイル開発へのサポートが不十分な点がデメリットと言えます。
Pythonは使いやすさ、求人の多さ、アプリ開発者の給与、拡張性、人気、サポートの観点で、Rustよりも優れています。一方のRustは、エラー処理、ガベージコレクション、メモリ管理、パフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティ、速度などにおいて秀でています。
結論として、RustはPythonよりもはるかに優れた言語であり、今後世界で主要なプログラミング言語になり得えます。したがって、Rustは習得すべきプログラミング言語の1つです。
RustとPython、あなたはどちらの言語を使用しますか?以下のコメント欄でお聞かせください。
コメントを残す